【第二版】2017年にFGO始めた貴方に贈る三ヶ月で終局特異点へ到達した僕が使った全く困らない星3以下のサーヴァントの記事

一秒、一瞬が愛おしい。

 

news.fate-go.jp

お久しぶりです。今日は純粋にFGOのユニットの紹介記事を書きます。先日のCCCコラボといい茨木童子戦といい、手持ちに誰かがいない。もしくは育ちきった誰かが居ないために取れない戦術があってヤキモキする日々を過ごしています。皆さんはFGOやってますか。やってますね。じゃあ今日はカネをドブに突っ込むくらいならその石割って種火回る人らと、カネをドブに突っ込みたくもないのでだれ育てときゃええのかって話をしようと思います。それじゃあクラスごとにいってみようか。

あ、ひとつ言っておきますがこのゲームほんと皆育てりゃ伸びるんで好きなのを育てりゃいいと思います。それでもなお「この種火を誰に…」ってなる人におくります。

※6/10 マシュについて一部修正。

※6/10、要望が多数あったのでハサンについて解説。メディア追加。また「おわりに」を加筆

※呪腕のハサンとアマデウスの最終再臨イラストがあるので注意。

  • シールダー

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マシュです。ストーリーを進める度に進化してエゲつない防御宝具を手に入れます。全体防御、NP増加+1ターン無敵、タゲ集中+NP効率増加の3つのスキルが魅力的。この中でも3つ目の「奮い断つ決意の盾」が違法レベル。ちょっと強化してA・Q・A・EXとかで殴ると光の速さを超えた音速でNPが溜まって次のターンには即宝具展開可能。強い。星5000兆ぐらいの価値がある後輩。英雄の証だろうが世界樹の種だろうがまずこの出来た後輩に使ってスキルLvオール10にすべき。最初から在る伝承結晶3つはこいつのためにあるといっても過言ではない。育てきると等倍で2万ぐらい確定で殴りきるのも嬉しいポイント。いいから育てろ。可愛い。

ただし、マシュだけを育てていると痛い目をみるのでほかも育てよう。

  • セイバー

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まずカエサルです。全体宝具威力アップ、全体攻撃力アップ、クリティカル威力アップ+星出す確率アップと褒めるところしか無い。何より助かる強力な単体宝具。そして声が置鮎龍太郎。慢性的なセイバー不足に陥りがちなこのゲームに於いて奇跡的な完成度を誇るデブです。「等倍サーヴァントもうまく使え」をその機敏さを持ってプレイヤーに教えてくれる仕上がり。面倒くさがりの彼がともすれば星5サーヴァントばりに自己完結したバフを自分だけに限らず他人にも撒きまくります。まずは6章に至るまでにこのデブはきっちり育てておきたいところですね。

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ジルドレェ。またの名をジル・リリィです。このゲームでトップレベルのバフである「属性カード強化」を星3にして保持。しかもBuster。更に狂化EXの効果によりBusterが上乗せ強化。極めつけがサポート系宝具の『神聖たる旗に集いて吼えよ』で、自分の攻撃力が最大100%アップ。典型的な「えげつない通常殴り」を行うタイプのユニットです。驚きの火力で殴りましょう。セイバーの皮をかぶったバーサーカーです。そしてBuster強化の「プレラーティの激励」は何と驚愕の5ターン持続。そしてクールタイムは最初7ターン。最終強化で5ターン。つまり「プレラーティの激励を絶え間なく受けるジル・ド・レェはずっとBuster強化40%のまま」という正に発狂寸前の大暴れをみせてくれます。Lv6止めでも強化は30%で空白は1ターンのみ。こいつ本当に星3か!?…まあ、彼はこの後キャスターにふさわしい人物になってしまうのですが。1章に登場。

 

  • ランサー

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ディルムッド・オディナ。今作ではヨメの寝取り相手であるフィンと共に参戦。再臨すると脱ぐ。脱ぐから育てておいて損なし。という冗談は置いといて、女の子が強い敵になりがちなFGOに於いてまさかの女性限定ではあるものの攻撃力50%カット(スキル最大時)のスキル持ち。また宝具で強化解除が出来るので際限なくバフで強くなりやがる敵をリセット可能。メディアさんの包丁と同じぐらい重宝する人は重宝するサーヴァント。地味にA2枚持ちなのでアーツパーティに入れておくとなかなかの速度でもって自慢のツインバスターランスによるぶっさしが見られる。声が緑川光なのもポイント。5章に登場。

 

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クー・フーリン。目を話した隙にFGOでは4人に増えた。再臨すると脱ぐ。それだけでなく、ガッツ、デバフ解除、3回の回避と圧倒的なまでの生存パワーを誇る。こいつスキルでも脱ぐのかよ。その持ち前の生存パワーで対アーチャー戦から即死の効く巨大モブ戦はもちろん等倍のボス戦でも「他人に面倒を見て貰わなくても余裕で生き残るサーヴァント」として異様に長持ちする。分の悪い賭けに乗る人にはもってこい。青ジャージは伊達じゃないわけだ。これがな。
ちなみに回避3回が残ってる時にスキルが回復したからと言って更に回避を足そうとしても2+3で5回の回避可能になるわけじゃなく回避付与が失敗=完全に無駄になるから間違えてタップしないこと。実はストーリーにちゃんと出てこない。

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レオニダス一世。うるせえ。しかも最初から脱いでる(怒)宝具でもスキルでも強制的に自分を狙い撃ちさせる逆ロックオン・ストラトスみたいな性能を誇る。雑魚のチャージが誤って溜まりきってしまったり、単体宝具使いのサーヴァントの宝具をレオニダスに無駄打ちさせてどうにかするのがマスターの腕の見せ所。マシュの第三スキルが開放されるまでは彼とゲオルギウスによるタゲ集中でタゲ集中の使い所を学ぼう。先日も茨木童子戦で多くのマスターがロケットパンチを彼に受け止めさせていた模様。それもそのはず宝具とスキル組み合わせればタゲ集中持続4ターンである。
なおタゲ集中は「強化」であるため、強化無効を撃たれると剥がれることに注意する。7章に登場。

 

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クー・フーリン[プロト]。4人に増えたうちの一人。剣とか咥えてそうな声がする。こいつは逆に再臨すると着る。何で?クリティカル威力アップ、回避3回、[猛獣]特攻と青ジャージ同様即死有りの単体宝具を使用。実は先にこっちを青ジャージより先に育てておいたほうが強い説のある男。というのもランサー由来のQとクリティカルアップのシナジー。更にはサーヴァント戦じゃないところで地味に苦しめられる猛獣属性の敵をぐっさぐっさするので狩りにも向いているというわけ。キメラとか猪とかキラー。ゲームを進めれば進めるほど「こいつが居てよかった」と思う箇所が出て来る感じ。ストーリーにちゃんと出てこない。

 

  • アーチャー

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エウリュアレ。下姉様。5人いるゴルゴーン3姉妹の2番目。ん?再臨するとプロヴィデンスガンダムみたくなる。そして皆様御存知「円卓殺し」<ナイツオブラウンドキラー>の女神様です。男性特攻の単体宝具はセイバーであろうと無かろうと強烈にぶっ刺さる上に男性相手にスタンとほぼ同等の「魅了」を付与。快適なずっとカルデアのターンを実現します。それだけでなく吸血による「相手のチャージ減らしてNP増加」、確率による男性魅了で「ボス戦での足止め」に大活躍。更には持ち前のパッシブスキルで弱体化を時々喰らわなくしてくれます。FGOジャイアントキリングやアメリカンドリームを体現するサーヴァントなのでとにかく育てておきましょう。さあ!ガウェインに泣かされる前に!3章に登場。f:id:crs2:20170609144007p:plain

ダビデ。無責任大王。どう考えても星3じゃない中村悠一。まず神の加護により敵の攻撃50%カット。精神異常デバフを解除しながら全体に回避1回付与。そしてまさかの全体攻撃力強化持ち。よって死にかけてもどこかで一回耐えて意地でも回避1回全員につけて生き延びる脅威のタフさ。彼にマシュとかアンデルセンとか組み合わせるとダビデがアタッカーのスタミナ隊が手軽に出来上がるという寸法である。高レアが揃ってきても1枚デッキに刺しておくと場持ちが良くなるので今までの育成の手間が腐らないのもいいところ。3章に登場。

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俵藤太。米(物理)で闘う男。魔性殺し全体宝具が雑魚狩りで脅威の火力な雑魚キラー。雑魚に地味にチクチク削られてWave3まで万全な状態でたどり着けない時には彼に頼むと一気にきれいになるという露払い系サポートサーヴァント。先日もスケルトンハントや茨木童子の腕狩りで猛威を奮った模様。単体Buster強化+体力回復、回避2回、そして全員の最大体力アップによる生き延びライスパワーが半端ない。最大体力アップは「今の体力に+1000」とかそういう計算をして、更に時間が過ぎると「最大体力を-1000」という感じにするので、端的に言えばこれ全体回復なのよね。アーチャー問題児しかいねえ。声が鈴村さんなのも型月厨としては嬉しいポイント。惜しむらくは長所である「魔性殺し全体宝具」を裏返すと「単体サーヴァント」相手にあんまり活躍できないってところになる所。お米食べろ。6章に登場。

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アーラシュ。ステラ兄貴。ひよこまめ。実はジルドレェと中の人が同じ。マジで!?と思ったらカルデアラジオ局で生ステラ披露してた。マジで!?レベル60までパパっと育てると宝具で全体に25000ぐらいずつ与えてしかも死ぬ。死ぬってことは4番めに置いといたサーヴァントがオーダーチェンジ無しに出てくるってことだ。NP50礼装にスキル3の弓矢作成でNP+20~30で残り30とかそんな感じ。虚数魔術やカレイドスコープと組み合わせると更にステラは加速する。種火周回からイベント周回、果てにはストーリーのWave1なり2なりでとりあえずステラしておくのも良い。Buster宝具なので後続もBBにするとあっさりBusterチェインになるのも魅力。あとで紹介するダレイオスや清姫と合わせて種火三銃士の一人。なんなら聖杯を使ってLv70ぐらいまで持っていってもバチは当たらない。Lv80まで持っていっても損はしない。推し」という話を抜きにし戦力の話だけして聖杯を誰に使うかという議論が起きた場合真っ先に名が出るサーヴァント。6章に登場。

 

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ロビンフッド。通称緑茶。しかもフードをかぶっている。たまらん。ずっとフードかぶせておきたい。時々脱がせたい。たまらん。毒状態に特攻のある宝具を持っており、更にその特攻はオーバーチャージ(NPを200にするとか誰かの宝具の後に使うとか)で加速する。にもかかわらず自らのスキルで相手を毒に出来る。本当にお前合法か?禁断の「誰でも特攻サーヴァント」であり、エウリュアレ以上に単体サーヴァント戦や何より「エクストラクラス」相手の戦いで役に立つ。A宝具であるため、レンタル違法キャスター大三元の一人である玉藻の「狐の嫁入り」のバックアップが受けられる。孔明やマーリンでなく玉藻をサポート軸として扱う場合は確実にデッキに入ってくる一枚。5章に登場。

 

  • ライダー

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牛若丸。何故女の子キャラで何故痴女衣装なのか未だに明かされない方の早見沙織。ちなみに痴女みたいな早見沙織あと2人ぐらいいる。「ライダーは宝具が強い」と言われる理由になっているキャラの一人。あと一人は墓を落とすうるさいファラオ。あと一人は家臣団を引き連れてアラライうるせえ王様。あと一人は船召喚して砲撃ヨォォ~~~~イ藻屑と消えなァ!!!して撃つ海賊。あと一人はうるせえメヒコの女神様。うるせえのはライダー自体がFGO界のPaみたいな所あるし仕方ないね。
スキルは全体NP効率アップ、全体攻撃アップ、回避1ターン。何か君デブとか無責任大王と似てない?総じて異様にバランスのいい仕上がり。全部Lv6まで育てて損がない。ただでさえスキルの時点で強いのにパッシブの騎乗スキルのお陰でQが更に強化される。そして牛若丸は単体Q宝具だ。その結果どうなるかと言うと等倍で5万ダメージ、弱点だと10万ダメージとか平気で叩き出す脅威のポンポコロケットと化す。使わない手が無いね。ライダー育てるならまず彼女。そう言えば女の子扱いして良い方の女体化だったっけか。ちょっとあやふやだ。7章に登場。

 

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ゲオルギウス。レオニダスに並ぶ盾サー(盾サーヴァントの意)。Lv1の頃から3Tタゲ集中出来る「宝具に頼らない盾サー」の決定版。しかもそのスキルをレベルアップすると同時にかかる防御バフが更に硬くなる。その上体力回復及び状態異常耐性アップスキルとガッツスキルを保持しているため強化解除宝具相手でなければ死んでも蘇って耐える。お前本当に星2か。体力も9000強とレベル65の時点で下手な星3を凌駕する。彼だけでも硬いのに他のキャスターやマシュと組み合わせた日には!というわけだ。レオニダスとは手持ちのサーヴァントのクラスの偏りを見て育て分けてもいいし、いっそどちらも育てきっても良い。盾サーはオンリーワンなのでもちろん遠い未来でも腐らないのだ。そのかわり攻撃力はあんまり高くない。アスカロンの真実が明らかになる日は来るのか。1章に登場。

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アレキサンダー。マシュの中の人が三つ編みに指突っ込みたいサーヴァント。しかも声が鈴村の嫁。Q全体宝具ということでパッシブの騎乗と既にシナジーがあるにも関わらずカリスマによる攻撃力アップと覇王の兆しによる全体Qアップが光る。それだけに飽き足らずなんと「性別を問わない魅了」が人型、つまりサーヴァントに対して使用可能。バフと共に相手を黙らせることが出来るのもいつか征服王になる男ならではか。エウリュアレ同様、是が非でも相手の行動を遅延させなければならない時にも大活躍する。ゴーストタイプの敵を馬に乗った彼が蹂躙できるようになると少し道中楽になる。2章に登場。

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エドワード・ティーチ。通称黒髭。怒ったりキメる所はしっかりキメる海賊。デュフフフ。ドレイク同様攻撃と宝具威力どっちも1ターンアップと更に3ターン攻撃力アップに永続ガッツもつけて、しかも全員に1000とか2000とか回復も可能ですぞ。Lv6で止めておいても女性キャラが7ターンに1回3000回復するのは耐久戦の時に魅力ですな。しかも拙者時折宝具で相手のチャージを削ることもありますぞwwwwデュフフwwww巷ではBBAが征服王がこないばかりに拙者に聖杯をよこしてLv90にする者もいないわけでもないみたいですなwwwwwww

冗談抜きに頼れるので気付いたらサポートっぽいサーヴァントを育ててなかった場合彼に目を向けてみるのも良い。3章で登場。

  • キャスター

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ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト。戦闘においてほぼ役に立たない。これは本当に役に立たないので彼を場に出した場合スキルを1度使用させたらさっさと死なせるか、それとも確率デバフとは言え異様なまでの威力誇る宝具を使わせてから死なせるかの2択になる。まあそういう彼のために「タゲ集中礼装」ってのがあるんですけどね。それはそうと全体A強化(2割強化スタート、Lv最大の場合4割ちょいまで強化)1T、ちょっとだけ敵の宝具威力減、そして何よりLv最大で50個のスターを発生させる「小さな夜の曲 」  が違法レベル。

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こんな感じにしておくと味方のA強化で一気にNPを稼がせたり、A宝具を強化したり、スターをばらまいて強力な攻撃を確率ではなく確定させる事ができるわけだ。アーラシュに並び育てておいても全く腐らない星1と言えよう。星1なので著しくスキル育成材料が安いのも売り。公演の時間だよ!って宝具セリフが死ぬ程格好いい。フォルテッシモ!1章に登場。

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ハンス・クリスチャン・アンデルセン。テラコヤス。このゲームはとかく体力回復手段が限られているのに、耐久しようとしても回復はおっつかないんだから困るな。つまりこのサーヴァントは宝具で全体回復を出来る数少ないユニットだと言うことだ。その時点でただでさえ有能にも関わらず、無辜の怪物により礼装「2030年の欠片」にも匹敵する毎ターン8個のスターの獲得も夢ではない。…まあ、レベルアップの必要もCTもあるんだが。しかも星2なので育成に要する素材もレアサーヴァントたちに比べればなんのそのだ。クリティカル強化も見逃せない。またこの体力回復は100%で宝具発動すると1000回復*3TだがOC(200%まで貯めるとか誰かの宝具にチェインするとか)で発動すると1500回復3T(200%時)2000回復*3T(300%時)という回復の暴力が可能となる。誰かの宝具と合わせられそうなときはちょっと遅らせて、一緒にチェインして発動すると良いだろう。総じて「現在の火力では一気に片付けられない敵」を相手にする時に鍵になるサーヴァントといえる。脆さに不満がなければ最終再臨すら必要ないのもポイント。長いことお世話になる事請け合いだ。回復量は宝具LvでなくOC依存なので宝具1でも是非育てて欲しい。4章に登場。

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ウィリアム・シェイクスピア。このゲームは漠然とした「宝具強化」や「攻撃力強化」より、カード種類を指定した強化の方が強い。持続ターン数が短いものであれば在るほど強力に設定してある。そしてこのシェイクスピアが持っているのはBusterの全体強化だ。しかもレベル1の時点でダメージ2割増。この時点で強い。更に他者のNPを20増加するスキルも持っている。Busterで倒し切るときにも、ギリギリで宝具をもう一発放つときにも使えるし、しかもこの男無敵になるスキルまで持っている。宝具こそ低確率スタンなのでアンデルセンと比べるとパッとしないものの、強力な存在であることをコレ以上語る必要もないだろう。4章にアンデルセンと一緒に登場。

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葛木メディアでございます!!!どこかの世界線ではマスターとの新婚生活をエンジョイしていた我らがキャスターさん。FGOでは色気のあるトンベリみたいな立ち回り。この人とセイバー(なんかこのゲームのアイコンになってる人)(確か真名は上杉だったはず)(多分)のお陰で「マスターとサーヴァントの恋愛」を大手を振って描ける感じありますよね。それはそうとモーションがリニューアルしたせいで一人だけ何撃っても宝具みたいな事になってるの凄い。他の波動拳組も早くリニューアルしていただきたい。直ちに。
さて性能の話をするとスキル1の高速真言が凄い。なにせLv1の時からボタン押すだけでNPが80増える。違法では?ちょっと青いバッヂと赤いバッヂ渡すとLv4時点で100%を超えるため開幕から包丁で刺す事が可能。スキル2の体力回復も有能で最初こそ500しか回復しないがLv6時点でCT5にして1500回復可能。他の回復キャラと組み合わせてどんどん元気になろう。スキル3の「キルケーの教え」はざっくりいうと他人のデバフを剥がした上で黄金律、つまりNP効率上昇を付与するもの。自分にかけて更に包丁で刺すもよし。マシュにかけて宝具高速回転もよし。アタッカーにかけて攻撃力低下を剥がしつつ次の攻撃を補助するもよしの超便利スキル。育てて無くてもそんじょそこらの黄金律よりNP効率が上がるのでうまく使っていきたい所。黄金率使ってる味方に倍がけしてOC狙っていくのもありかと思います。
宝具については拘束後に包丁で刺すという大変家庭的な物。アサシン相手に刺すとそこそこの威力(だいたい2万ぐらい)が出るのだが、その真髄は「強化解除」にある。つまり相手が調子にのった時点で即包丁で刺して化けの皮を剥がすのがこの新妻の役目。味方を介護しては包丁で刺し、自分を回復しては包丁で刺しの頼れる奥様。長期戦になりがちなストーリー後半になればなるほど役立つこと請け合いです。今も十分若いけれどもっと若い頃の姿が3章に登場。こっち?こっちはストーリーに出てこない。

 

  • アサシン

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も の す ご く つ よ い 。

↑初版ではこれだけだったのですが、具体的に書けと言われたので書きます。
呪腕のハサン。第五次聖杯戦争参戦サーヴァントの一人。登場するゲームによって話し方が変わる人。時にはワカメこと間桐慎二を「坊っちゃん」呼びしたりする我らが先生であります。スキル構成はクリティカル威力アップ、スター生成、回避3回。まず回避3回の時点で強いのはクーフーリン2名で解説済み。クーフーリン2名って凄い日本語だな。加えてアサシンのQ由来のスター生成に気配遮断のスター発生アップ。さらにクリティカル威力アップが噛み合っており、レベル6で止めておいても威力35%アップの投げナイフが見られます。お前本当に星2か。更にスター生成は最初が3でレベルアップする毎に1つずつスターが増えます。Lv6だと8個。自分の投げナイフの時に使うもよし、他のアタッカーが星20個ぐらいの時に仕掛ける時に底上げするもよし。Lv10にすると4ターンおきに星12個ばらまく仕事人と化すのでハサン先生が好き過ぎる人は育成すると良い。そして宝具は「高確率で即死」させる「超強力な単体」攻撃。つまりライダーのサーヴァント相手だけでなく即死するドラゴンとかデカいドラゴンとか猪とかキメラとかなんかもういろんな敵の心臓がっしがっし掴んで潰します。これはもう日曜の朝に放送出来ない方のハートキャッチ。即死はストーリーだけでなくイベントでも「変に硬いモブ」相手に活用するのでまずはこの人育てておいて損なしです。全体攻撃で味方がグズグズになってしまっても彼が心臓さえ潰せばクエストはクリアって局面、少なくはないですからね。惜しむらくはLv65で止めた時にステータスの低さから少しずつアタッカーとして使える機会が失われていくこと。彼に限らずアサシンはなかなか使い所に悩むところです。6章に登場。

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アステリオス。通称うしくん。アタッカーとしての活躍は聖杯を捧げてからになるので彼を育成するのは他のアタッカーが育ってから。で、彼の特筆すべき能力はというとまず宝具。強化後だと相手の攻撃力と防御力をがっつり半分(Lv5だと4割)まで落とす。これに自身の防御力アップを組み合わせると彼自身に耐久力が生まれるわけだ。盾サーへの被害も軽減できるし、なんならダメージ0も狙える。もちろんアステリオスの宝具の直後に誰か単体宝具を使わせれば大ダメージ確定。まさかのサポートバーサーカーである。巷ではラスボスやイベントボスをアステリオスでグズグズにして無害化する動画が溢れている始末。ただし強化に英雄の証をバカスカ使うので宝具以外のところを伸ばすのも後回しになりがち。でもラスボス戦で僕は君に助けられたんだよ。アステリオス。3章で登場。えうりゅあれがだいすきだ。

 

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ダレイオス三世。でかい。語彙力がない。さてFGOはストーリー以外で何をやるゲームかというと虚無周回である。その虚無周回で役立つのは「何も考えずに無属性でさっさと全体を薙ぎ払える宝具」である。つまり彼の出番だ。だいたいレベル45もあれば種火周回から宝物庫周回、更にはイベントでの露払いをアーラシュ共々引き受けてくれる。演出の短いサーヴァント万歳。フレンドポイントで簡単に出てくる上に宝具強化クエストまであるのでお手軽に強いバーサーカーの代表だ。宝具使う前に事故死防止のガッツも搭載している。黄金率によるNP回収も優秀で、Wave1のうちに稼ぐのも大得意。故に種火三銃士の一角である。2章に登場。

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清姫。みんな大好ききよひー。プレゼントボックスとかから出てくる。ストーキング(防御ダウン)からの焔色の接吻(Bアップ)からの宝具からのBBからのEXのコンボが実にバーサーカー。非常に分かりやすいアタッカーなのだが受け側に回ると一瞬で吹き飛ぶのもやはりバーサーカー。またストーキングで仕留め損なうと攻撃力2割増で被害者が殴りかかってくるので使い所にご用心。単純にアタッカーの話をしてしまうと基礎攻撃力とパッシブスキルの話からは逃れられないのだがご安心、貴方のきよひーは狂化EXである。聖杯を捧げれば捧げるほどより良く全てを1ターンで消せるようになるだろう。故に種火三銃士の一角である。1章に登場。

 

おわりに

というわけでつらつらと10000文字に渡って僕が使ってきたサーヴァントの話をしてみました。もちろん好きなキャラを使うに越したことはないのだが、それでも迷うのであれば僕の意見が一つ参考になってくれたら幸いです。

恥ずかしながら今回挙げなかったサーヴァント(特に子ギルやアサシンの面々)については本当に筆者使ったこと無いので、種火に余裕が出来たら書き足そうと思います。それか、これを読んだ貴方。是非あなたのカルデアのサーヴァントの紹介の記事を書いてください。僕もそれを読み、また育成することでしょう。

このゲームの惜しい所は、サーヴァントを手に入れるタイミングが人によってまちまちであることです。なので人によっては終局特異点に至るまで牛若丸が居ないとか、エウリュアレが居ないとか、百貌のハサンが居ないとか、当たり前のようにありえるゲームであります。牛若丸のところの項目で「まず育てるなら彼女」と書きましたが、ない場合は手持ちと相談の上、居るサーヴァントから育てるのが何より一番です。私だってレオニダス来たのバビロニアにストーリーが差し掛かってからですからね!!もう!!

故に、FGOは読み物であったFateから離れ、Fate史上最強の「ナラティブ」を手に入れています。ストーリーを進めながら召喚を繰り返し、貴方のカルデアは貴方だけのパーティを作り上げる。たとえ性能だけ見れば互換性があったとしても、「あの魔神柱」や「あのサーヴァントとの戦い」で、一踏ん張りを見せるのもとどめを刺すのも「貴方のサーヴァント」……プレイヤーの数だけ物語があるのです。

だから、誰をいつ育成しろとは言いません。

いつかどこかで詰まったら、この記事を思い出してください。きっと、貴方のカルデアにもその局面に立ち向かえる「万夫不当の英霊」がいるはずです。

そしていつか、貴方が誰と終局特異点に至ったのか。そこまでどんな旅があったのかを何かしらの形で語ってくれたらこれ以上のことはないです。どうか貴方も、未来を取り戻せますように。

 

Fate/EXTRA CCC VOID LOG:BLOOM ECHO I【書籍】

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ところでアサシン式ほしいんですけど、復刻まだですカネ?

 

Fate/Grand Orderの報酬周りが著しく渋くてコンティニューで突破すりゃいいよって言われるの俺はやだなと思う。

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 『Fate/Grand OrderRPGであり、ADVパートとバトルパートを交互に進めながら、ストーリークエストをクリアしていくゲームです。ガチャでキャラクターを入手し、そのキャラクターを育成することで「バトルパート」を攻略していくのがゲームとしてやることの全てとなります。そしてこの場合「敵に勝つため」「先を読むため」にプレイヤーはゲームを遊ぶこととなります。

 ドラクエであればスライムを倒せば経験値が2入りますが、『Fate/Grand Order』(以下『FGO』)は敵を倒してもロクに経験値も手にはいりません。概ね手に入るのはレベルキャップ開放(ゲーム内用語では【再臨】と言います)ですとか、スキル強化に使うQPです。また、時折思い出したように【素材】と呼ばれるアイテム類が手に入ります。

 

『FGO』自体を知らない人の為に、ゲーム自体の流れを整理しましょう。

 ストーリーで経験値が手に入らないため、ストーリーだけを遊んでいてもキャラクターはちっとも成長しません。ここでどうするかと言うと、「経験値をくれるモンスターが登場する専用のクエスト」(ゲーム内用語では【種火クエスト】と言います)を数百という単位で繰り返しプレイすることになります。

 スタミナ(ゲーム内用語では【AP】と言います)自然回復にまかせておけば、だいたい1日に7回プレイが可能で、一週間分の全スタミナを溢れさせる事なく【種火クエスト】に費やせば1体のキャラクターの最大レベルまで持っていくことが可能です。

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 ただ、最大レベルにするためには計4回の【再臨】が必要となります。そしてまた再臨の為には【素材】と呼ばれるアイテムが必要となります。画像であれば弓兵クラスの共通素材である銀の像【ピース】と盾のような【英雄の証】が無いために、Lv50から60への【再臨】が行えずに育成出来ない状態になっている事を意味します。

 そして強くするためにレベルキャップを外さねばという話になります。が、『FGO』はこの【素材】の払い出しが著しく渋く、自然回復半日分の【AP】を【フリークエスト】に費やしても希望のものが1つ出るか怪しいという調整になっています。画像のような状況の場合、育成を後回しにして別のキャラに取り掛かるのが賢明と言えるでしょう。

 これ以外にもガチャ排出か交換アイテムでしか手に入らない【フォウ】や【スキル】もあるのですが、これらは廃人向けの要素であるため一旦無視します。ともあれ、これで【種火クエスト】を何百とこなさねばならないことと、種火をやったとて【再臨】せねば強くすることも出来ない事を説明しました。

 

「最短」の話をするならば

 さて、RPGである以上、プレイヤーは敵を倒すためにキャラクターを育てます。逆に言えば、倒せてしまうのなら育成の必要はありません。そして何のために敵を倒すのかを考えると、『FGO』の場合は「ストーリーを読むため」と言い切っていいでしょう。公式でも膨大なボリュームのストーリーを謳い文句に宣伝しておりますし、私もスマホで展開する最新の『Fate』に恥じない物語に涙した一人です。

 が、読むためだけならば、キャラクターの育成など極論を申し上げると必要ありません。敵など倒せるからです。誰かの育てたLv90なりLv100なりのサポートサーヴァントを借り、死ぬ度にコンティニューすれば必ずストーリーは突破できます

 また、これにお金がかかるかと言われるとおそらく半々ぐらいの確率でお金すらかからない可能性があります。というのも、ストーリーを進めると100回以上コンティニュー出来るほどの【聖晶石】が手に入るからです。敵の相性を考えずに遊ぶようなゴリ押しでもない限り、おそらく無料で終局特異点へ至ることも可能でしょう。

 そして、それが最短です。

 この最短というのは皮肉でも冗談でもありません。例えばガウェイン一人とってもコンティニューすれば残り5分で終わる相手をコンティニュー無しで倒すために、ストーリーを放棄して同じ敵を何時間も何時間も何百体と倒すのが果たしてゲームとして健全でしょうか?私にはあまりそうとは思えませんでした。

 公式にコンティニュー手段が用意されている時点で、プレイヤー側の育成というのはせいぜい「コンティニューしないで済むようにやる」ぐらいしか無くなります。実際に携わっている声優の方やコンポーザーの方、ファンコミュニティでも漫画家やイラストレーターの方が「コンティニューで突破した」「石を割る(無償石を消費してコンティニュー)ことを恐れない」と少なくない人たちがコンティニューでストーリーを読破しています。

 

「スタミナ制」が徒労感を生み出す

 ストーリークエストを進めるのにも【AP】が必要となります。この時、プレイヤーは「物語を読み進めた」以外の報酬をシステムから受け取れません。【素材】も【種火】もまとまった数がもらえない。この時点で自己満足の育成ゲームとして遊ぶ人にも若干の抵抗が生まれます。なにせゲーム終盤のストーリーを読む【AP】2回分で1回【種火クエスト】に行けるのですから。

 敵の構成を見るための小手調べにもスタミナが取られる事を考えると、撤退すら気持ちのよいものではなくなります。クリア出来ずにやられて帰るのも、時間だけ無駄に成ればまだいいもののスタミナが減ると文字通りの「損失」になってしまうからです。

 もちろんこれは【素材】にも言えることです。『FGO』は一度クリアしたマップで雑魚を相手にする【フリークエスト】でその素材を稼ぐデザインとなっているのですが、【フリークエスト】でその素材が出なかった場合システムから極わずかな通貨が支払われるだけであり経験値もなにも得ることが出来ません。

 故に、プレイヤーからは「虚無」と言われている始末であり、新規プレイヤーは既存プレイヤーからまず最初に【素材】が無いなら期間限定イベントを待て。【フリークエスト】などやるなと教わります。

 もし【フリークエスト】にAPに相応な種火や通貨が設定されていたのなら徒労感は無いのですが、時間及びAPを支払っても何も払い出されないというのは報酬周りが破綻しているのではないかと思います。期待するほうが無駄なものを進んで遊べと言う方が無茶ではないでしょうか。

 

「1キャラ2時間半の虚無」

 さて、【種火クエスト】の話をしましょう。1キャラをLv90にするために必要な周回数はおよそ50。必要なAPは2000。最大AP120のプレイヤーがこれだけのAPを購入する場合16個の石が必要となります。だいたい金額にして1200円程度です。

 そうです。実はパッと見での負担はそうでもありません。というかキャラ育成での金銭負担だけ見た場合、一週間分をまとめて遊んで1200円ならゲーセン代とトイトイではないかと思われます。問題はここからです。

 3Wave制で3分を50周と見積もると、「2時間30分」という総周回時間が導き出されます。ストーリーを読むわけでもなく、アクションゲームをやるわけでもなく、頭をつかうわけでもなく、ただただ同じ敵を同じ演出を見ながら倒すこと450体。「2時間30分」の間。

 これを一週間に希釈すれば、一日あたりのプレイ時間は21分となります。が、これは種火集めだけに全てを注いでこそ。またその間ストーリーが止まることを考えると、「しんどい」と言われても仕方ないかなあと思います。私は21分一日7回種火で機械的にボタン押してろって言われても面白いとは思いません。

 それもこれもフリークエスト、修練や宝物庫といったものが報酬面で独立しており、著しく時間がかかるように設計されているのが原因ではありますが、その割に最近やるのが「ストーリークエストAP消費半減」ではゲームのデザインそのものに疑問を抱くのが正直なところです。

 

「あなたのサーヴァントとの物語」を大事にしてほしいのなら

 1.5部の「新宿幻霊事件」だけでなく、Fate/EXTRA CCCコラボイベントすら第一部のクリアが前提となり、今や『FGO』は運営からも「まったり」「自分のペースで」クリアするものではなくクリアを急かされるものとなりました。

 その中で新規プレイヤーが参戦し、配布サーヴァントも配布礼装もイベントも何もなく、また各章の配信の間に絆を稼ぐこともなく本当にまっさらなまま「ストーリーだけ」を進めていくと、現状のFGOの育成周りは極めて渋いゲームであると言わざるを得ません。それが昨年末の第一部完結の報を聞いてからゲームをインストールし、70日かけてクリアしたプレイヤーとしての結論です。

 開発陣へのインタビューで「効率を求めるゲームではない」「宝具スキップは実装しない」「オートバトルは実装しない」という、たかが1キャラのレベルMAXでも同じバトルを50回450体殺させるゲームを作ってるとはとても思えない発言が出てきているのが、私は残念でならないのです。  

1種類のクエストを短期間で大量に周回したからといって、そこにキャラクターとの絆が生まれるとは思えません。ラスダンへともに挑む真の仲間になってほしいと思ったので、撤去しました。

http://dengekionline.com/elem/000/001/486/1486619/

 開始数日で我がカルデアに来た金時は、お月見及びバレンタインイベント2つ出ずっぱりでも絆10になりませんでした。では、ストーリークエストをともに駆け抜けた金時は「真の仲間」ではないのでしょうか。そして例え絆クエストを実装しなかったとしても、現在のFGOはイベント開催期間以外はカルデアゲートから全く同じクエストを淡々と周回するか、実入りのないフリークエストの周回で一日に数個出るか出ないかのアイテムを探すかしか無いのですが、そういう無味乾燥な戦いに付き合ったサーヴァントが「真の仲間」とでもいうのでしょうか。

 ある程度、周回が前提になってしまうのは基本無料で、スマホゲーで、出来損ないのハクスラを手本としてしまっている時点で諦めなければならないかもしれません。ですが、「そういうふうにかったるくシステムが出来てしまっているのだからさっさとゲームを進めたいならコンティニューして終わらせちまえ」というのが、初めての「Fate」として『FGO』を選んだ人や、またかつてどこかで「Fate」に触れて『FGO』を遊びに来た人に平気で投げかけられるのは私は嫌だなと思うのです。

 だって貴方、これ奈須きのこが「こんなゲーム作りたかった」ってメモリアルブックに書くようなゲームなんですよ。そんなゲームを「強行突破するか黙って周回でもしてろ」って遊ばれ方されるの、あんまりじゃないですか。

 

 

教えてFGO! 偉人と神話のぐらんどおーだー 1 (星海社COMICS)

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Fate/Grand Order 電撃コミックアンソロジー 7 (電撃コミックスNEXT)

Fate/Grand Order 電撃コミックアンソロジー 7 (電撃コミックスNEXT)

 

 

そんなことをエリちゃんグラフィック刷新来るんだ~とか生放送を見ながら考えていたのです。

何故俺はFateのポケモンGOパロティアプリで三十路の男が手を振っているのを見かけただけで泣いたのか

TYPE-MOONのエイプリルフールのネタは毎年毎年手が込んでいることで有名です。

TYPE-MOON エイプリルフール企画 - TYPE-MOON Wiki

今年は何をやったかと言うと、最新のFateであるFate/Grand Orderに登場するサーヴァントたちをポケモンGO風にした、一日限りのパロディアプリが配信されました。

その名もFGOGOです。

www.fate-go.jp

↑4/2現在は残ってますが消えたらごめんなさい。

 

※この記事は『FGO』第一部、エピローグまでの内容を多分に含みます。ネタバレに耐えきれない人は今すぐブラウザを閉じましょう。

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内容といえばGOボタンを押して歩き、出てきたサーヴァントに聖晶石をぶつけてゲットするという大変単純な内容。とは言えサーヴァントの数が多いのでフルコンプに2時間ぐらいかかりました。
聖晶石は要するにゲーム中の通貨であり60個4800円ぐらいの品物。それをマシンガンのように打ち出して高嶺の花である激レアサーヴァントをGETするという狂気のアプリであった。あたまおかしい。

 

さて、そのFGOGOに4月1日23時、突然異変が起きます。突如データの更新が行われ、BGMがオルゴール調のものに変わり…

 

f:id:crs2:20170402004637j:plain

アホ毛の立った、なんともすっきりしない、如何にもうだつの上がらなさそうな三十路が出てきました。彼の名は、ロマニ・アーキマン。人理継続保障機関カルデアに務めていた、どこにでもいる一人の人間でした。

 

でした。

 

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タップしても彼を捕まえることは出来ません。当然といえば当然です。このゲームはサーヴァントを集めるゲームであり、ロマニはただの人間ですから。

 

彼にまつわる話をしましょう。

ロマニ・アーキマンは、結論から言えばただの人間ではありませんでした。彼は元々『FGO』作中で行われた聖杯戦争で勝利し、「人間」になることを願ったサーヴァント「ソロモン」でした。「ソロモン」からただの人間になるその瞬間に、人類悪であるゲーティアの企みを知ってしまい、10年ずっと誰が敵かも分からず怯えながら生きてきた男でした。

ロマニは終局特異点で「ソロモン」に戻り、そして第一宝具である「訣別の時来たれり、其は世界を手放すもの(アルス・ノヴァ)」を使用しました。その効果は端的に言えば「ソロモン王の死」、究極の自爆宝具と言えます。自爆と言っても大爆発を起こすわけでも、四肢をバラバラにしながら矢を放つわけでもありません。彼が起点となり人類に広まっていった「魔術」や「ソロモン」という存在そのものが人類を害するようになった時、それを滅ぼせるようにしたフェイルセーフでした。

それを使用するということは、「ソロモン」としての存在も、「ロマニ・アーキマン」という存在も、消えてしまうことを意味します。そして彼が生前成し遂げた偉業すらも英霊の座から消え、もう誰も呼び出すことも、知ることも出来なくなってしまいます。それでも彼は、宝具を発動させたのです。

特異点Fから、終局特異点までの長い長い聖杯探索。2016年に完結したその物語の終わりに、ロマニ・アーキマンという男の姿はありませんでした。

 

さて、FGOGOの時間は2017年4月1日、エイプリルフールです。コフィンで眠りながら特異点を巡るように。カルデアから出ること無く世界を巡るように。プレイヤーはアプリの中で様々なサーヴァントと出会いました。そして23時、残り少ない時を惜しむようにアプリを立ち上げたプレイヤーの前に現れたのが、ロマニでした。

ロマニを捕まえることは出来ません。何故ならロマニは人間でしたから。サーヴァントのように足元に紋様は出ていませんし、それはアプリの正しい挙動です。

ソロモンは出てきません。何故ならソロモンは英霊の座から消去されてしまいましたから。例え流星の降る夜だったとしても、それはアプリの正しい挙動です。

 

彼は2017年のカルデアには居ないはずの存在です。その彼が、主人公に。そして、プレイヤーに向けて手を振っているのです。エイプリルフール。一日限りの、嘘の許される日に。

 

それはまるで、黒猫の使い魔の見せる夢のようでした。

それはまるで、タタリの引き起こした夏の夜のようでした。

それはまるで、終わらない聖杯戦争と約束の四日間のようでした。

 

さようなら、ロマニ・アーキマン。
さようなら、ドクター・ロマン。

僕は明日へ向かいます。

Fate/Grand Orderという最高級のガチャ広告について

皆さんは尿路結石になったことがありますかね。
私はあります。今年の1月の末のことでした。
ドクター・ストレンジという、ながらスマホで事故ったせいで両手が使い物にならなくなった天才外科医がネパールのカルト教団に入って紆余曲折の末リセマラで暗黒次元の悪いヤツを根負けさせて倒す映画を見た。その翌朝の出来事でした。
激痛で目が覚めました。背中が攣ったかと思いきや痛みはどんどん増すばかり。たまらず近所の病院に駆け込んでダラダラ一時間診察し、得られたのは「おしっこに血が混じってるのでまあ結石だと思います」という大変曖昧な答えと辛くなったら飲めという鎮痛剤だけでした。もうネパールに行くしかねえ…!
 
さて、そんな悲惨な体調になったきっかけの年末年始。一時の気の迷いと、何より信頼できる人々からの「FGOやれ」圧力に屈した私は、スマートフォン用ゲーム『Fate/Grand Order』をインストールする事となりました。2016年12月末の事です。しかもソシャゲ嫌いにも程がある私が福袋ガチャにとりあえず5000円突っ込むという異常事態まで付いてきています。
それもこれも、GTA5があんまりにも面白くなかった反動なんですけどね。
 
というわけでお久しぶりのゲーム記事、今回は『Fate/Grand Order』(以後、『FGO』)について書こうと思います。
 
だって私、月箱やらっきょからの型月厨だから!
 

Fate新作RPG』の名に偽りなし

 
Fate』というシリーズをご存知でない方が今更このブログを読んでいるとは思えませんが、改めて説明しましょう。
願い事を何でも叶えてくれるアイテム「聖杯」を巡り、「魔術師」と呼ばれる人々が過去の人類史に存在した英雄や偉人を「サーヴァント」(使い魔の意)として召喚して戦う「聖杯戦争」の物語。それが『Fate』シリーズです。
 
それぞれ叶えたい願いを抱いて戦いに挑む「魔術師」(マスター)達は一癖も二癖もある人々ばかり。そんな彼らとともに戦うのは物語や神話に登場する英雄たちです。「英霊」と呼ばれる彼らの生前のエピソードや因縁は自らの特殊能力や武器となり、そして時に壁となって立ちはだかります。それ故に「英霊」達は自らの正体を隠して戦うのです。マスター同士の殺し合いや、対戦相手の「英霊」の正体に迫るミステリー、そして二度目の生を得た「英霊」達の生き様が『Fate』シリーズの見どころとなっています。
 
もちろん、只のバトルロイヤルに「聖杯戦争」は収まらず、物語は思いもよらない結末を迎えるわけです。が、ここでそれを各々語ることはしません。現在を生きる人々と、過去を生きた人々の「願い」と「希望」、そして「どうしてそうやって生きる・生きたのか」が衝突する物語。それが『Fate』と言っても過言ではありません。
 
さて、『FGO』はそんな『Fate』シリーズにおいても新しい試みを行っています。まず、舞台が現代ではない。マスター達のバトルロイヤルではない。マスターとサーヴァントの一対一の契約を基本とはしていない。等です。
※勿論過去の作品では展開上、共闘したり複数人と契約したりする所がありますがここは落ち着いてください。
 
順を追って説明しましょう。『FGO』の戦いの舞台は、人類史における「特異点」と呼ばれる特定の時代です。今回はマスターが魂をデータ化して転送され、現地に存在する「聖杯」を探索・回収するのが目的となっています。細々した設定を無視して言えば、「タイムトラベル物」という事になるでしょう。
 
また、マスターは第一部の現状だと主人公しか存在しません。複数人のマスターによる争奪戦やチーム戦ではなく、大雑把に言うと「現地の抵抗勢力」と「歴史を大きく修正しようとする勢力」の戦いに、主人公一行が介入する形になっています。
 
そして主人公であるマスター。作中では所属している組織の名を冠し「カルデアのマスター」と呼ばれる魔術師が契約するサーヴァントはたった一人ではありません。何十という単位でサーヴァントと契約し、敵対する勢力とまさに「戦争」を行います。
 
そうして描かれるのは、宣伝文句にもあるように「過去最大規模の聖杯戦争」――人類滅亡、作中の用語では「人理焼却」を防ぎ、未来を取り戻す英霊達の戦いです。これは多数のキャラを出すための単なるクロスオーバーの方便ではなく、多くの英霊が主人公のもとに集い、語らい、絆を深め、ともに戦い、そして散っていく「物語」でありました。
 
今まさに改変されようとしている「その時代」「そしてそこに生きる人々」を護るために戦う英雄たち。そしていつかどこかで誰かを護るために戦い、今一度誰かを護るために召喚され戦列に加わっていく新たな英雄達の、誰も知り得ない物語。
 
そう、『FGO』は、どうしようもなく『Fate』としか言いようのないゲームだったのです。
 

ガウェインという名のゴリラ

 
さて『FGO』、物語がそれこそ歴代のFateシリーズに匹敵するほどの熱量と面白さな訳ですが、ジャンルにRPGとある通り「パーティを編成し」「キャラクターを育成し」「スキルや必殺技を駆使して戦う」作品です。少なくとも往年のスクウェアRPGやアトラスのRPGぐらいの面白さはあるんじゃないでしょうか。
 
戦闘はこの手の作品には珍しく、ほぼ体力の回復手段がありません。ポーションややくそうに相当する消費アイテムが無い。なので必殺技やスキルを用いて回復するしかない。いや、こっちが死ぬ前にあいつを殺す。あいつの必殺技の威力をゴリゴリに下げ、無効化し、こちらに1ターン限定の無敵を付け、スタンさせ、魅了し、石化し、殺す。ここまでキチンと作っているなら、ようやく「スマホで本格RPG」だのと名乗っても許されるのではないかと思いました。
 
よくある属性については『Fate』シリーズの慣習通り7種+例外数点となっており、3すくみ*2が基本と成っています。弱点を付くとダメージ2倍、耐性のある敵からのダメージは半減。回復のないゲームでアドバンテージがざっくり4倍なことを考えると、各属性1人ずつ育てるだけでは足りません。かと言ってその属性だけで固めてもスキルや必殺技の組み合わせが噛み合わないとなかなかエンジンがかかりにくい。ココらへんも良く出来ていると感じました。
 
で、数少ないソーシャル要素に「サポートサーヴァント」というシステムがあります。これはフレンドが育成したサーヴァントを1人借りてきて良い、というか1人借りて来て自分の手持ちの5人と合わせて6人で戦うのが前提です。話だけ聞いてみれば「もうレベルカンストの凄い強いの連れてきてそいつに無双させりゃいいんじゃねえの」と思うでしょう。事実、第一部の五章ぐらい迄はそれでいけます。各章のボスが全体攻撃してくるので、それを全体回避しておけばだらだら戦う分でなんとでもなるでしょう。問題は六章からです。
 
スフィンクス」による高耐久・高ダメージエネミーの洗礼を受け、オジマンディアスに謁見し、聖都を向かう。道中一緒になった難民たちと共に聖都へ辿り着くと、そこで行われていたのは救済などではなく虐殺だった……プレイヤーの「野郎ぶっ殺してやる」モチベーションが最高潮に達した所で登場するのが、円卓の騎士「ガウェイン」です。
 
このガウェイン、「異様に硬い」「必殺技ゲージの貯まる速度が異常」「しかも必殺技ゲージを更に加速させる」「そして嫌がらせの極みの全体必殺技」というゴリラのような存在であり、ビジュアルも実際ゴリラ。今までプレイヤーが「サポートさんが死ぬ前に殺しちゃえばなんとかなるでしょ」となあなあでやってきたことに対し、真正面から切り込んでウホウホしてくるのです。こいつには属性、バフ・デバフ、遅延やスタン、そして装備などなど、ありとあらゆるシステムを使いこなしてこちらもゴリラになる必要があります。
 
ここでシステムへの理解を深め、手持ちのキャラクターをどう育成すべきか考え、どうゴリラを倒すか。サポートにおんぶにだっこだったとしても、カルデアのマスターである主人公と、ゲームのプレイヤーがここでついに半ば強制的にリンクします。
 
 白亜の理想都市を守るゴリラvs人類を守るゴリラ軍団です。
 
第6章4節、ここで物語だけでなく、真の意味で『FGO』が私の中でスタートしたと言っても過言ではありませんでした。
 

ガチャという商品の最高級の広告として。

さて、ストーリーがおもろい戦闘も悪くないという話をしました。Fateはソシャゲなのでガチャがあります。
 
ガチャはやめろ。
 
 
 
これで終わらせたいところですが、今回はちょっと向き合ってみたいと思います。
前述のサポートサーヴァントはフレンドだけでなく、各章でずっと行動を共にする登場キャラクターそのものを用いることも可能。なのでストーリー上の登場人物としてだけでなく、戦闘で用いるユニットとしてのキャラクターとしての性能や演出を楽しめるのです。よって「あの場面であのキャラ本当に格好良かった」だけでなく「あの戦闘でキメたのは我が王だったんだよな…!」という各々のナラティブの部分にまでキャラクターが食い込んで来ます。
 
FGO』の物語はほぼマスター不在。よって登場人物はほぼ英霊達となっています。何らかの理由(概ね聖杯)で誰かに付き従わなければならない者が居たとしても、その主もサーヴァントなら従もサーヴァント。死ぬ時も別れの時も、「今度は貴方と契約したい」「もう一度逢えたら、その時はカルデアがいい」「困ったら俺を呼ぶが良い」と、皆が口にします。ストーリーの終わりは一緒に旅して共に戦ったキャラクターとの別れでもあるわけです。
 
そして『FGO』は特異点と聖杯を巡る探索の旅。キャラクターの入手は単なる戦力増強に留まらず、「あの特異点で出会った彼が・彼女が今また一緒に別の特異点で戦ってくれる」という強烈な体験となっていきます。
 
そこでガチャが出てきます。
 
引けば彼と彼女にまた逢えるのです。
戦力の増強(システム)と
今度は正式に彼らと契約を結びマスターとなれる(ストーリー)の
あまりにも強力なツインアームビッグクランチなのです。
 
死ぬほど面白い『Fate』としての物語は、最高級の広告として機能しています。
貨幣焼却式・エフジーオー起動としか言いようがありません。今の『FGO』のブレイクは決して偶然ではなく、悪魔や魔神の類と言われても仕方ないレベルの「御業」の上にあると言っても過言ではないでしょう。
 
 
もうちょっと突っ込んだ話、というか各ストーリーの見所だとか人々が何故中田譲治ボイスのガイコツマンに群がったのかだとか、又の機会に書くとしましょう。一先ずは4000文字、『FGO』について軽くお話しました。 

 

色彩

色彩

 

 

次は、僕の人理修復に至るまでのお話をしようとおもいます。

『ドクター・ストレンジ』を公開初日に観たのでネタバレ込みでその話をしたい。

天才脳外科医が運転中のながらスマホで交通事故を起こしてさあ大変。手に11個もボルトを打ち込む事になっちゃって自分の名前も書けやしない!リハビリの最中にとある症例~背骨をバッキバキに骨折した人が失踪した後、下半身不随の筈が歩いていた~を耳にした元外科医は藁にもすがる思いでその男に会いに行く。すると紹介されたのはネパールの首都・カトマンズ。辺鄙な東南アジアでゴロツキにぼこぼこにされちゃうし、これから彼はどうなっちゃうの~~!?

 

という、ゆるふわっぽく書こうとしても割と可哀想な出で立ちなんだけれども何せその両腕になった理由がながらスマホなので擁護しようにも無理な男が主人公の映画。
『ドクター・ストレンジ』IMAX 3Dで観てまいりました。

思えば世の『シビル・ウォー』の熱狂にいてもたっても居られず、気づけばハルクとソーの映画以外本当に全部観てしまったのが去年のこと。一番のお気に入りは勿論『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』です。いやーMCU作品の1本目はいちいち外さねえなあと思っていたところ、ついに訪れましたIMAXで観られる最新作!!という2017年の1月でございます。

謎のケルトおばさんエイシェント・ワンが率いる魔術師集団に入り、メキメキと力を付けていくストレンジ。魔術描写は「オレンジ色の火花を散らしながらサークルや武器の輪郭がバシっと浮かび上がる」というもので、とにかくエフェクトがド派手。こういうエフェクト盛り盛りのアクション映画はIMAX 3Dで観ると大迫力でたまりません。

ストレンジが登場する度に身に付けている衣類=ランクが変わり、また持ち前の優れた頭脳で「常識を捨て、新たな理論を自らの中に構築していく」というのは現代が舞台でありながら異世界ものの状況を呈していきます。そしてある程度能力を手に入れ、時間に関する上位の魔導書に手を出した所で話がいっきに動きます。

序盤にも出てくるカエシリウスという†ダークディメンションのパワーに魅入られた魔術師†が、地球に設けられた3つの聖域を破壊して†ダークディメンション†の力を開放しようというのです。そんな魔術大戦に巻き込まれるのはゴメンだ、とストレンジが逃げようとした所で早速ロンドンの聖域がカエシリウスによって破壊。その衝撃で弾き飛ばされたストレンジはニューヨークの聖域まで行ってしまうのでした。

予告編で出てきた「複数人の魔術師がニューヨークをインセプションみたくべきべきに折り曲げて戦うシーン」はここ。細かく切るとニューヨークの聖域での最初の戦い、一度病院に運ばれて霊体での戦い、戻ってきて聖域での二度目の戦い、ミラーディメンション(現実に影響を及ぼさない領域。一部特撮で出てくる都合のいいアレ)のニューヨークでドンパチする戦い、そしてエイシェント・ワンとカエサリウスの対決と敗北へとつながっていきます。

 

もうね、このバトルが全部すごいの。アサシンクリードのアニムス内の描写とか、クウォンタムブレイクの時間が割れる描写とか、インセプションで夢の中で重力とか街の風景が大変なことになる描写とか、そういうの好きな人絶対に観に行って。観たかったものが観られる。武器をバッと召喚して戦ったり魔法のブーツで二段ジャンプしたりカプコンとかプラチナゲームズのアクションゲームかよって絵面を映画館で観られるからそういう人も観ろ。脳が情報を処理しきれなくなって圧倒されること間違いなしです。

 

さて、カエシリウスに負けたエイシェント・ワン。本日二度目の謎の急患が運び込まれるストレンジの勤め先(一回目はストレンジ本人)で緊急手術が行われます。が、エイシェント・ワンの直ぐに心停止。これは霊体で抜け出したなとストレンジが同じように霊体で追いかけて、「二人だけの時間」での会話が行われます。

ここもIMAX 3Dならではのポイントです。二人の霊体は半透明。だから背景の奥行きと半透明の霊体の奥行き、そして舞う雪や遠い空の雷が、静かなシーンなのにグッと圧倒してくるんです。最高か。

 

 

エイシェント・ワンとの別れ。そして残る最後の香港の聖域……という所で、話がちょっと失速します。クライマックスなのにって?クライマックスなのにですよ。何故って、香港の聖域はもうとっくにカエシリウスに滅ぼされて、香港がメキメキとダークディメンションに侵食されていたからです。

ここで「街の時間全てを戻す魔術」を使い、ヤクルトの看板(目立つ)を含め巻き戻ろうとする世界の中で更にカエシリウスと戦うというのはメチャメチャ格好いいです。スタンド使い達でさえ「止まった時の中」か「加速する時の中」で戦っていたのであって、「巻き戻る時間の中」での戦いはやりませんでした。この映画魔術だからってやりたい放題やり過ぎだろ…脳がパンクするわ…ありがとう…

で、ある程度の巻き戻しが終わったので仕切り直し。さあもっと熱いバトルが繰り広げられると思いきや、ドクター・ストレンジは開いてしまったダークディメンションへ単騎で飛んでいってしまいます。

 

ダークディメンションの奥にはドーマムゥという大変恐ろしいやつがおり、全てはこいつが出てくるのを防ごうというお話。そこに単騎で突撃して、かっこ良く戦、

 

あっ、やられた。

やられたと思ったら奥からもう一度ドクター・ストレンジが出てきた。

ドーマムゥがまた同じセリフを言おうとした所で……

ドーマムゥ「一体どういうことだコレは!?」

 

ドクター・ストレンジが使ったのは「タイム・ループ」の魔術。しかもタチの悪いことに、ドーマムゥには記憶が残るタイプのループです。そうだね。リンゴォ・ロードアゲインのマンダムだね。ドクター・ストレンジはこのドーマムゥに「無限コンティニューによる精神攻撃」を仕掛けたのでした。まさか2017年最初に観た新作映画の主人公が「暗黒次元の悪いヤツをリセマラで倒すわ」とか言い出すだなんて思ってもいなかった。ガチャは悪い文明だと思います。本当に。

 

そしてドーマムゥ、観客から観るとかなりあっさり目に根性負け。ダークディメンションに属した魔術師共々地球からサラっと居なくなり、香港はあっという間に元通りになるのでした。ドクター・ストレンジは魔術集団の長となり、アベンジャーズが物理的に戦う裏で異次元からの敵とたたかう道、医学とは別の「人の命を助ける道」を歩き始める…という所でエンドです。

 

ネタバレだと書いたにも関わらず本編見ずに記事を読んだ人は「オチ弱くない?」と思ったでしょうが、そうです。オチというか香港に入ってからが弱い。目の前の光景は凄いんだけど、やってることは「パパとママの敵討ちをおっ始めようとしてるから殴って止める」というシビル・ウォーとどっこいどっこいの可能性があります。

例えば『アントマン』。最終決戦では後戻り出来ない量子世界へ飛び込み、超格好良く生還します。模型の上で最高にバカバカしく、そして最強のパパが戦うクライマックスはMCUで僕が二番目に好きなシーンであります。

そして『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、この作品はザンダー星上空で主人公勢+ザンダー軍vsロナンの軍勢が小学五年生及びかつて小学五年生だった男の子なら咆哮すること間違い無しの大空中戦を繰り広げ、船内に突撃しロナンと決戦。グルートに守られながら船とともに地上へ落下し、主人公達は再び窮地に立たされます。そして最後の最後に一人じゃとても耐えられないインフィニティ・ストーンの力に、仲間と手を繋いで耐えきり「俺達は、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーだ!」とロナンを消し去るクライマックスが最高でした。大好きです。MCUで一番好きです。マジで。

 

それと比較すると、やはり「無限コンティニューアタックでラスボスを根性負けさせて追っ払いました」はちょっと弱いかなあというのが、正直なところでした。

 

例えばなんですが「今までとは常識の異なる世界で修行する」と言えば『バケモノの子』があります。メキメキと成長していくキュータこと蓮くんは、あっという間に17歳になってきました。それこそが彼の強さや成長を物語っていたわけですが、さて一体ドクター・ストレンジは何年修行して上り詰めたんでしょう?最初にアベンジャーズタワーがあったって事は修行はだいたい4年ぐらいって所ですかね…?

それと、何より「アガモットの瞳」(インフィニティストーンそのものです)に触れたり、時間操作を試みるのがまだソーサラースプリーム(至高の魔術師)にもなっていない未熟なドクター・ストレンジのいっかいこっきりというのが非常にもったいないです。どうせならカエシリウスが自爆して、扱うのに大変危険な力ぐらいやってもよかったように思うのです。上に書いたように、インフィニティ・ストーンの争奪戦やその力の行使で本当に生きるか死ぬかをやった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の後だとインフィニティストーン自体の扱い方が弱かったかもしれません。

 

いろいろ書きはしましたが、映像美は最高ですし何よりMCUの新たなヒーローであるドクター・ストレンジの誕生を見逃す理由はありません。いいか!もう一度言うぞ!

ドクター・ストレンジをIMAX 3Dで観ろ!
字幕は黄色いし3D深度や位置も調整されてるのか凄い読みやすかったぞ!

Grand Theft Auto 5 キャンペーンモードレビュー:その世界そのものに価値は無かった。

グランド・セフト・オートオープンワールドゲームで世界一売れているゲームなのは、まず間違いがないだろう。が、肝心のゲーム内容といえばどうだろうか?数々のフォロワーが生まれ、そして代を重ねて行く中で「グランド・セフト・オート」は何か尖れただろうか?

2016年12月、ついにGTX1080を手に入れた私はPC版を入手して一気にシングルプレイヤーをクリアした。大晦日も2017年の元日も全て費やして、私が得たのは。

「もうこの作品を遊ばなくていいのだ」という、安堵だった。

ロス・サントスという空っぽの街で。

GTA5の舞台はバカでかい島の南部の都市「ロス・サントス」と北側の田舎「ブレイン郡」に分かれている。まあ、広い。広いし、街のコピペ感みたいなものは全くない。確かに作り込まれているし、何処を撮っても画になる街だと思う。高速道路を5分走れば街の景色がガラっと変わるし、眺めるだけなら飽きないだろう。眺めることが好きで好きでしょうがないなら、だが。

だがこのサン・アンドレアスの地はゲームの舞台であり、プレイヤーが暴れ倒すステージである。眺めるだけで面白いというのならGoogleストリートビューで良いはずだ。プレイヤーがキャラクターを操作して、そして行動の結果を受け取る。ゲームとは双方向性の娯楽なのだから。

長々と書くのはやめよう。
ロス・サントスには何も無かった。空っぽだった。

いや、確かに武器屋はある。服屋もある。多数のミニゲームを起動出来る場所がある。パクってきた車をしまっておくガレージもある。カネを費やせば店や施設が買える。だから何だというのだ。

プレイヤーは施設の破壊だとか地域の制圧だとか支配だとか、そういう形で遊ぶことはない。フリーラン中に出来ることと言えば警察に喧嘩を売って一人で籠城事件を起こすだとか、特段ドラマチックな事が起こるわけでもないカーチェイスをやるだとか、それこそドライブをするぐらいだ。その警察に喧嘩を売るのだって特別面白いわけじゃないし、何よりゲームからの報酬はない。

例えば『サン・アンドレアス』はどうだったか。あのゲームは正に縄張り争いの作品だった。ミッションだけでなくそういう小競り合いの作品だった。『ゴッドファーザー』はどうだろう。同じように縄張り争いのゲームだ。こっちの場合は更に面白くて、フリーランで自分の組のものじゃない店をひとつひとつ潰して自分たちのものにしていくのがゲームの軸の一つだった。『ジャストコーズ』はカオスを巻き起こす事が目的のゲームだからというのもあるが、小さな村から巨大な軍事施設まで片っ端から潰していくのがミッションの発生条件ですらあるのだから、そのオープンワールドとの戦いそのもののゲームだった。

同じクルマのゲームなら『ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド』はどうだったかというともう10年以上前のゲームだと言うのに未だに「カーチェイス」を主軸にしたゲームで右に出る者がいない。レースや勝つために車を買ってカスタマイズし、そしてビッグになるために警察から逃げ回る。警察から逃げると「バウンティ」という名声が高まるので、警察との戦いにゲームから価値を持たされているわけだ。

その警察とのカーチェイスが絶品で、タイヤをパンクさせる「スパイクベルト」を始めとした様々な妨害要素と追いかけてくる警察車両の数がえげつない。そしてその警察を巻く為に街中にある「パースートブレイカー」というオブジェクトの存在が大きい。これは例えば「巨大な看板の柱を破壊して路上に転がす」だとか、「ガソリンスタンドを超格好良く通過して大爆発を起こす」だとか、ドラマチックな演出とゲーム内の実益を兼ねた要素だった。そうしている内に自分の中に「逃走ルート」みたいなものが出来てくる。あの角を曲がれば大爆発。走り込めば走り込むほど街を使い倒せるようになっていく。

GTA5には、そういうものはない。ランダムイベントぐらいしか街を走る意味すら無い。全て「ミッションを始める」か「ミニゲームを始める」ために、タクシーに乗っていれば良いのだ。

 

作中でトレバーが言ったとおり、ロス・サントスはハッタリの街だ。

 

行動に応じてキャラが成長する?だから何だというのだ。それが目に見えて性能が変わって、ミッションの難度に影響してくるというのか。車のカスタマイズが出来る?確かに一部ミッションで自分の車両を使うことはあるが、ちょっと早くなったからって何だというのだろう。オープンワールドの常だが、車両はダメージが蓄積していくし、だから使い捨てていくものだ。更に今作では「逃走車両の確保」が一部ミッションに組み込まれていることが必然的に盗んだ車を使うことになる。車を弄ったからってどうなるわけでもない。

確かに衣装は買える。だがこの衣装もキャラクターをスイッチする事で勝手に着替えてしまうし、ミッションの中で変装するなど「アバター要素」としては失敗している。各種施設のミニゲームでキャラが成長することもあるが成長が特にゲームに影響を及ぼすかと言われたら前述のとおりだ。

となると街で重要なものと言えばもう一つぐらいしか残っていない。武器屋だ。武器屋ではザコ敵から拾えない爆発物…特に重要なロケットランチャーやグレネードランチャーの弾を買うことが出来るし、防弾チョッキを買う事ができる。またスナイパーライフルに高倍率のスコープを、その他の重要な銃に拡張マガジンとライトとサプレッサーが付けられる。これだけは流石に代替が効かないしミッションの行方を左右する。ミッションで戦闘が生じた場合は補給していきたいし小まめに通うことになるだろう。

確かに妙な収集物はある。あるがそれはトロフィーや実績解除に躍起になっている人でもない限り、関係のないものだ。

プレイ時間の8割プレイヤー介在の必要なし

GTA5のプレイ時間の8割は「待つ事」と「話を聞くためにハンドルを握ること」に費やされる。このゲームで一般的な流れを整理してみよう。

  • ゲーム開始、もしくはミッションクリア直後
    次のミッション開始地点が表示される。特定のキャラクターでないとミッションが始まらない事があるのでキャラクターを変更。キャラクターを変更時に大きく場所が変わってしまうため改めてミッション開始地点を確認。タクシーを呼ぶか車で移動するか決める。
    タクシーを呼ぶ場合はスマホを操作して、30秒ほどタクシーが来るのを待つ。バグか何か分からないが来ない時があるので観念して数分間のドライブを経てミッション開始地点へ到着。
  • ミッション前のイベントデモ。やはり数分間見る。
  • イベントデモ終了。ミッションの目的地へ向かう。
    これが1キロ2キロ離れているだけなら良いが5キロとか10キロとか平気で遠くの場所を指示することがたまにある。タクシーを呼べるならいいが、無線もしくは同乗者の話を聞くために数分間のドライブを強制される場合は諦めてドライブする。
  • ミッションの目的地に到着。
    大体、人殺し(アクション)かカーチェイス。カーチェイスの場合無線もしくはイベントの起きる場所まで移動するために殺して終わりにすることが出来ないので、事実上ただのドライブである。いやまあ置いて行かれたら失敗でまたドライブやり直しだけど。尾行任務の場合もっと悲惨で時間費やして待ったり、ちんたらちんたら安全運転して終わり。
  • 一段落後にまた移動。
    「同乗者を家へ送っていく」とか「盗んだ車を届ける」とか「盗んだブツを運ぶ」とかまあ理由はいろいろあるけど、つまりやることはドライブ。長いやつだと5分とか。

こんな感じだ。あぁークソったれ!!!!ファック!!!ふざけるな!!!俺は銃をぶっ放しに来たのかボイスドラマのついでに退屈なハンドル操作とペダル操作をさせられに来たのかどっちなんだ!!ええ!?定価60ドルのゲームでこれはどうなんだ!ファック!!!!!!

思わずトレバー化するぐらい酷い。一昔前のゲームが「ムービーゲー」ならGTA5は「ドライブゲー」といっても良いだろう。カーチェイスゲーじゃない。「ドライブゲー」だ。タクシーを呼んで待たなきゃいけないファストトラベルの仕様そのものにもうんざりするが、ストーリーテリングカットシーンと移動時のボイスドラマにほぼ任せてしまったのは悪手としか言い様がないと思う。

カットシーンもボイスドラマも、どちらも時間の主導権がゲーム側にあるのが問題なのだ。並べられた台詞を読む(ダイアログ)ならばプレイヤーに一気に情報を流し込むことが出来るし、ボイスメモを聞く(内容が書き起こしてあるならモアベター)のもプレイヤーが選ぶことが出来る。スマホのメールやWebブラウズで世界観をもっと叩き込んでも良かっただろう。だがカットシーンは会話の上なによりキャラクターが演技するから見ていることしか出来ないし、ボイスドラマもフルボイスで聞かされてそれを飛ばすことも出来ない。言い方は悪いがオートモードを強制されたエロゲみたいなもんだ。その尺に合わせてドライブの時間が設定される。操作しなくていいだけエロゲのほうがマシだ。もちろん目的地が設定されているので、到着が若干遅れた場合はダーク♂尺余りが発生するし、逆に到着が早まった場合は全て聞く前に別のイベントが発生する。ファック!!!あとこれは字幕なのが悪いが運転中に画面の下端見てられるか!!ファック!!!!!!!!!

GTA4からGTA5の間に様々なゲームが生まれ、そのゲーム達は様々な方法で世界と物語を語った。それと比べるとGTA5の「語り方」は、あまりに拙く、そして押し付けがましいものだったと言わざるを得ないだろう。

 それでも駆け抜ける3人のギラギラした男達は素晴らしかった。

さて、語り方の話はもういい。語られた内容の話をしよう。

GTA5には3人の主人公がいる。日々ビッグになりてえなあと思いながら車泥棒を続けるフランクリン。9年前に銀行強盗に失敗しFIB(言わずもがなFBIのパロディだ)の非公式の証人保護プログラムの元でぬくぬくと生きる中年男性マイケル。キチガイと一言で切って捨てるにはあまりにも純粋で、可愛く、そして輝こうとする男トレバー。

ミッション内外で3人を切り替えていく試みは、ハッキリ言って成功している。燻っているフランクリンの物語が元犯罪者のマイケルに接続し、マイケルの現在の燻りとフランクリンの燻りが重なって宝石店の強盗へと繋がっていく。マイケルもマイケルで腹回りが弛んでいる割には娘や息子の非行や危機、そして嫁さんの浮気には全力で動くアグレッシブクズ親父なのが遊んでいて最高に面白い。

そしてその宝石店の報道が砂漠で暮らすトレバーに届いた瞬間、物語は一気に加速する。ヤク中のバイカー(しかも4のDLCの主人公!!!)から彼女を寝取りながらの登場という前代未聞の顔見せとなった男は、現在の身の回りのイザコザを全て爆破し燃やし尽くしてからロス・サントスへと向かう。トレバーも変なスイッチさえ入らなければ―後々、幼少時の事が原因で精神障害になった事が分かるのだが―いいやつなのだが、何にせよトレバーはトレバーだからしょうがない。儲けられそうな事があれば構わず頭を突っ込むし、周りのことなんて知ったこっちゃない。電子戦担当のレスターと合流し、新生泥棒チームはロス・サントスを股にかけて暴れまわ……るわけではなかった。

 

ここからがGTA5の最大の問題、というか好みのばっつり分かれる所だ。家族の出来たマイケルは9年前にFIBのデイブと取引をし、トレバーを殺そうとした。その弱みを握られた為に、主人公たちはゲームの終了時点までずっとFIBのスティーブという男の言うことを聞き続けなければならなくなるのだ。

FIBのスティーブ、その友人で資産家のデビン、2人から請け負う仕事は危険な割に実入りがない。この記事の前半で書いたとおり、このゲームで実用的なカネの使いみちなんてのは武器しか無い。だが本当にストーリー上でも報酬が無いとなると、いよいよそこに残るのは徒労感だ。

仕事はうまく行かなくても、少しずつ第二の人生の為に家族とまとまって行くマイケル。始まりは誘拐とは言え、パトリシアと懇ろになれそうだったトレバー。元交際相手の頼みとあらば昔からのダチは絶対に助けるフランクリン。それぞれの物語が一歩ずつ一歩ずつ進む割に好転しない情勢は、最後の大強盗ミッションである連邦金塊保管庫襲撃を経ても変わることがなかった。

このずっしりとした徒労感と閉塞感を抱えたまま、物語は最終局面を迎える。デビンと敵対したマイケルを殺すか、危険人物であるトレバーを殺すか、事態は選択をフランクリンに迫る。

ここに至るまでの3人の切り替えの度に、「何かをしている最中」の彼らをプレイヤー達は見てきている。渋滞で並んだり、娘を送り迎えしたり、ゲロを吐いたり、人肉を食らったり、人を追いかけ回したり、テレビを見たり、バイクを磨いたり、オナニーしたり、警察に追われたり、ミッション外での彼らの人生を垣間見てきている。そんな主人公たちを、プレイヤーは殺せるだろうか?

「戦いたいから戦い、潰したいから潰す」……俺たちに大義名分など無いのさと暴れまわってきたプレイヤーに、GTA5は「それなら主人公を殺せるか?」と突きつけてくるのだ。私が迷わず選んだのは第三の選択。「死を覚悟する」即ち、因縁のある奴らとの全面対決だ。詳細は省くが、見事に主人公たちは厄介者達を全滅させることに成功する。夕日を映しながら、スタッフロールが始まる。

GTA5はミッション内アクションのバリエーションや、キャラクターのフレーバーに相当助けられたゲームと言ってまず間違いないだろう。だがそのフレーバーが、魅せ方が2010年代前半のゲームの中で異様なほどにギラギラと輝いている。退屈な「語り方」を耐え抜いてでも、見るべき物語がそこにあった。

GTA5。

正に良くも悪くも、2010年代前半のゲームの集大成とでも言うべきゲームであった。

 

余談。もしくは本題。GTAOについて。

さて、GTA5のオンラインである。何が凄いってこのモード、クランで盛大なごっこ遊びをするためのゲーム側のサポートが素晴らしい。役職を割り振って施設でいろいろ出来るし、物を飾ることだって出来るし様々な仕事ができる。そしてその仕事の妨害も出来れば何も考えずに車をカスタマイズしてレースに明け暮れたり、はたまたパーティーゲームよろしくミニゲームに講じる事も可能だ。

金策周りがパッと見で腐っている事を除けば、1本買っておけばとりあえずネットワークを用いたダラダラとした遊びをたくさん出来る。これは間違いなくオンリーワンの魅力だ。一年おきにCoDのように買い換える必要も無いし、迷走を続けるNFSを待つ必要もない。バイクに乗ってああのこうのする作品もパッとしない今、地味にバイクゲーとしての魅力もある。流石2年も3年もアップデートを続けるコンテンツだけあるといえるだろう。

 

GTA5はGTAOのチュートリアルだったのかもしれないなと思うことがある。が、チュートリアルだろうがなんだろうが、フランクリンとマイケルとトレバーの物語は惜しいことに空虚ですっからかんのサンアンドレアスで一先ずの幕を下ろすことになった。そしてRockstarはこれからもGTAOに注力していくことを様々なメディアで明らかにしている。GTAのナンバリング新作は当分拝めそうにない。

次のGTAは、街が退屈じゃないことを祈るばかりだ。

 

 

 

Grand Theft Auto V(日本語版)  [オンラインコード]

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2016年読んだレズ漫画列挙祭りはっじまっるよー!!

前置きは要らない。

 

終電にはかえします (ひらり、コミックス)

終電にはかえします (ひらり、コミックス)

 

 『甘々と稲妻』がアニメ化した雨隠ギドの単行本。
表題作『終電にはかえします』はその一本前の作品から続く不良と勘違いされがちの長身イケメン後輩と主人公の話。高校卒業後のデートで「もうずっと私女子高生でいい。ツネ(後輩)といっしょにいる」って二人してわんわん泣く所がもうほんと好き。服が何故かおそろいになる幽霊少女と一緒に育ち、少しのすれ違いの後に泣きながら二人でウェディングドレスになるシーンが印象的な『永遠に少女』も絶品です。頼む~~~こういう単行本もう一冊出してくれ~~~

 

星をふたりで (ひらり、コミックス)

星をふたりで (ひらり、コミックス)

 

 若干、各々が拗らせレズを炸裂させがちな短編集。
お気に入りは彼氏の出来た幼馴染との「友達」の距離から喧嘩しながら一歩踏み出す『あなたと彩る世界の色』ですね。女の子達が手を繋いで歩きだしたらそれだけで無敵なんですよ。ところどころで拗らせた挙句に罵倒するシーンがあるので苦手な人は注意。

 

 

この世にただひとり (ひらり、コミックス)

この世にただひとり (ひらり、コミックス)

 

 「少女漫画」と「レディコミ」で分けるなら後者の短編集。
何かしらのドラマチックなやりとりをして感情がウワーっと盛り上がるような恋愛漫画……ではなく、とつとつとした会話の中でチリっとした火花が胸に散るような作風。連作『少女アソート』の女執事さんとお嬢様のかけあいが甘すぎずよろしい具合です。割とエモさに振り切ってるので苦手な人は苦手かもしれない。

 

 

レンアイマンガ 新装版 (百合姫コミックス)

レンアイマンガ 新装版 (百合姫コミックス)

 

 子供時代に感銘を受けた漫画家の編集に抜擢されて喜んだのも束の間、その漫画家は年中パーカーでダサ眼鏡の引きこもりで。という話。新装版で追記された所でようやくカップルになるけれども、恐らく本来の部分だと「この関係は百合だ!本人たちが思ってなくても!」というシチュエーションだけ楽しまれていたであろう作品。ヒロインの黒井先生がドツボです。「作家が一人の読者の手紙に支えられた」系のお話が好きな人も是非。ちゅっちゅしません。しなかった(激怒)

 

誰にも言えない (楽園コミックス)
 

 しんどい恋愛の話描かせたらあんまり比肩する人の居ないシギサワカヤの短編集。前半は死ぬほど生き方が不器用な姉と、惚れた弱みだししょうがねえやっていう妹の各々の恋愛の話(絶品)で、後半が社会人百合の『Ending』という作品で構成されている。
『Ending』の「パートナーの両親が訪ねてくるもパートナーに直前にバックレられてしまい、面と向かって付き合っている事も何も言えず嘘を重ねていく主人公」のシーンがシギサワカヤ作品の中でもトップレベルのしんどさです。私達何を間違えたんだろうね。ラストページのモノローグで大泣きしました。是非。

 

 

 

妹ができました。 (ウィングス・コミックス)

妹ができました。 (ウィングス・コミックス)

 

表題作よりも連作の『私の好きなあの子の事』 が酷く刺さった作品。関係が変わっていくのは怖いけれども、嘘をついてそのままでいたり嘘で失うことのほうがもっと怖いよね。『たゆみなくいきよ』でもそうだけど、一回すれ違った後に大泣きしながら互いの心情を吐露されると僕の心の柔らかい所に強烈に刺さるからやめろ。やめないで。一個前の『誰にも言えない』もそうだけど、同性愛に対する他人の目が二人でいられない理由になり得るって作品のギミックとしてならまだ良いけど、現実でもこれに苦しむ人が居ることを考えると世の在り方にちょっと憂鬱になります。故郷である札幌が一歩踏み出すようでなにより。

 

 

 Pixivで16ページで終わらせときゃいいのに。みたいな作品。

 

 

明日の君に花束を (百合姫コミックス)

明日の君に花束を (百合姫コミックス)

 

 ちょっと萎びてきた人妻に思いのたけをぶつけてきたのは、なんと幼少時からよく知ってる娘の友だちだった。という「人妻×女子高生」百合。お母さんサイドの内心ぐつぐつ煮えている心を隠そうとしても、高鳴る胸を抑えきれない所が私に新たな地平を開きました。しかも幸か不幸かその娘もレズだったのですというオチまであって救いはないんですか!?是非。

 

ゆりゆり (百合姫コミックス)

ゆりゆり (百合姫コミックス)

 

 なもり先生さァ…

俺さァ…

あんたちょっと恐ろしいくらげか何かだと思ってたんだよ…

 

あんたさァ…

恐ろしくいいレズ叩き付けてたんじゃねえか…

 

ありがとう…

ありがとうなもり先生…

 

ほんとのかのじょ (ひらり、コミックス)

ほんとのかのじょ (ひらり、コミックス)

 

 犬系ドM少女×茶髪ロングドS少女の全力おバカコメディ。と見せかけて「相手がどうしたら喜ぶんだろう」に直球を叩き込んできたり二人なら無敵状態になったりシメに真っ当な愛の話をする傑作。あーッ!いけませんッ!茶髪ロングドSツンデレが今や珍しいぐらいにストレートにデレるシーンなんていけませんッ!ありがちな「それっぽい雰囲気にするだけしてくっつかずに終了」なんてこともせずにラストページは幸せなキスをして終了ッ!読後思わず叫びたくなる一冊に間違い無し。

 

citrus: 1 (百合姫コミックス)

citrus: 1 (百合姫コミックス)

 

 恋する乙女は絶対無敵なんだけど相手がよりによって全然デレてくれない義理の妹なんだよなあって話。モロに長期連載の弊害が出てるというか、いらんところでハードルを置いてきてそれを若干雑に超えるのを何度もやられるとちょっと辛い。4巻のラスト「キスのおかわり」まで読んでもいいし読まなくても良い。これアニメにするってどうなってしまうんだ……早く修学旅行の話しろ……そこからアニメにしろ……どうなってもしらんぞ‥…

 

2017年も良き百合に出会えますように。