馬鹿野郎お前「艦これ」はソーシャルゲームでもガチャゲーでも何でも無いぞお前馬鹿野郎お前

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艦隊これくしょん -艦これ-
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あのだなあ、天下のファミ通も「ソーシャル」って言ってるしなんかもうしょうがねえなと思うけども艦これソーシャルゲームじゃないんだ。ギルド対ギルド戦もないし行動値課金煽ってランキングバトルしてるわけでも無いし友人云々も無いんだ。ホントにその手の話は何もない。

ソーシャルゲーム」って言葉が便利過ぎて何でも「ソーシャルゲーム」と呼ばれる時代になったのが、なんというか「どんなゲームでもファミコンと言う母親」じみた思考停止ワードになってしまって本当に悲しい。パズドラもスクフェスも、そしてこの艦これも「ソーシャルゲーム」ではないのである。

では艦これとは何なのかについて言おう。
艦これは清く正しいブラウザゲームであり
艦これ「放置ゲー」であり
「シングルプレイヤー育成シミュレーションゲームなのである。

つまり艦これに入れ込むのはモンスターファームやら、ゆけ!勇者やら、ドラクエモンスターズやら、あの手のゲームにのめり込むのとかなり似ている。そして「flashゲーム謎の大流行」の一つである。

しかし侮るなかれ、凡百の「ソシャゲ」と違い艦これは「従来のゲームの面白さ」と「ネットゲーム」のハイブリッドなのだ。

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ランダムで拾ってきて育てゲー。
戦いだって見てるだけ。

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すっかりソシャゲ脳になった皆様に最初に説明すると、このゲームには無料ガチャとか有料ガチャとかそういうものは無い艦娘(かんむす)の皆様を集める手段は2つ。

  1. ミッションに挑んで好成績を叩き出してご褒美に貰う
  2. 資材(消費アイテム)を消費して抽選を行う

この二つだ。確かに課金して資材を買う事も出来るしそれを使って抽選を行う事も出来るが、それはあくまで「ゲームの早回し」「今日の運試し」であって「有利不利」なんてもんではないのである。というか戦う相手が人間じゃなくステージクリア式の敵ユニットの時点で有利も不利もあったもんじゃないし。

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駆逐艦が1人しかいない状態から同じステージを何度も遊んで……とやっていく感覚はドラクエモンスターズのそれだ。戦闘も完全自動のAI戦闘で、プレイヤーが下せるのは撤退の指示のみ。だからこそユニットの育成や装備の選別にも力が入る。何せこの娘たち、戦闘で撃沈されると二度と戻ってこないのだ。提督、ご決断を!

3属性に攻撃に防御に、殴ってスコアを出してはい終わりなんてもんじゃない。底にあるのは「死んだユニットはさようなら」という骨太なシミュレーションゲームの流れである。とは言え、それは死んでからカウントがありレイズを使えば蘇生できるFFT程度の骨の太さではあるのだが。というのも戦闘フェイズが2つあり、夜戦に入る前にちゃんと逃げるチャンスが設けられている訳で、「手堅いプレイ」をするならそこで逃げても良い。艦娘のロストはマネージメントをミスるか、スリルを求めた結果引き起こされる。

艦娘の死は偶然ではない。
艦娘の疲労を見誤り、艦娘の傷を甘く見て、艦娘に死ねと命じたのだ。
提督、あなたが彼女たちを殺したのだ。


どいつもこいつもキャラが立ってんだ、これが。

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戦闘前、戦闘中、戦闘後、強化やらなんやら何かにつけて彼女たちは賑やかに喋ってくれる。が、長ったらしくないし鼻にもつかない。ちょっとしたキャラボイスでキャラ付けするそれはスーパーマリオ64のマリオのようで、TF2のキャラクターのようでもある。ストーリーなど必要ない。プレイヤーと艦娘たちの戦いこそがストーリーそのものである。

同型艦を「姉妹だ」と言い切ったり、頻繁に自分以外の艦に言及させたり、かと思えば「はわわ!」などと駆逐艦に言わせたり、「いろいろ改造したが乳は自前だ」とか言い出したり、もう書き出したらきりがない。何だこのゲームは。

闘う相手を思い切ってワームやネウロイのような連中にしたのも良い。強いて言えば攻撃の際に「撃ってますよ感」があればもっと良かったのだが、そこら辺はアップデートで順次追加されるだろう。


「運営にもっとお金を払わせろ!」と人々が言ったわけ

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さて、お金の話に移ろう。このゲームの課金要素は、「艦娘の抽選スロット」と「バトルで傷付いたキャラを回復するためのスロット」であるドック代1000円(最大4つ=4000円)を除けば、消費アイテムにしか支払うものが無い。

消費アイテムの「資源」にも4つ種類がある。

  1. 艦娘の修理、補給に必要な「燃料」。これが切れると避けられなくなって死ぬ。
  2. 艦娘の攻撃を司る「弾薬」。これが切れるとロクに攻撃が当たらなくなって死ぬ。
  3. 艦娘の修理に必要な「鋼材」 これが切れるとロクに修理出来なくなって提督が死ぬ。
  4. 航空機の補給に必要な「ボーキサイト空母使い過ぎると飛行機無くなって死ぬ。

これらをやりくりして遊ぶことになる。差し当たってバトルするうえでモリモリ減っていくのが「燃料」と「弾薬」なわけだが、1キャラあたり1戦で5消費するとしても3分で3回復するのでさっぱり困らないし、遠征(ユニット派遣イベント)では200とか350とか入手出来るので「金を払わないと遊べない!」という無料ゲームにありがちなイライラが生じにくいのだ。

狂気の廃課金ゲームに慣れた後だと携帯ゲーム機のゲーム1本分も突っ込めば心行くまで遊べてしまう……のが「もっとお金を払わせろ!」という言葉になったわけである。とは言え安直に「レアガチャ」とか実装されたら折角資源システムを導入したのに何もかも台無しにするわけで、健全なブラウザゲームである事が魅力の大半を占めている艦これでそれはご遠慮いただきたいところ。

資源をどう割り振るかで出て来る艦娘の種類がある程度制御が出来るようで、有志による「出したい娘別資源レシピ」なんてのも公開されており、そんなところも旧式のゲームに似ている。皆が寄ってたかって攻略wikiを編集している。しかもキャラデータだけじゃなく実際の艦艇の知識までがっつりだ。

こんなことを言うのもなんだか妙な話だし、こうやって言わなきゃいけないのも悲しい話なのだが、艦これは「ソーシャルゲーム」ではなく、ただの「シングルプレイヤー育成シミュレーションゲーム」だ。ブラウザゲームにしては相当リッチで、携帯ゲーム機の作り込みに匹敵するぐらいに力と金のかかった、ちゃんとした「ゲーム」なのである。

そりゃあ、作ってる角川ゲームスは元々が「アスキー」であり、「ダービースタリオン」の所だからねえ。と言えば納得していただけるだろうか?(実際の開発陣がどうかは知らないが)


それはペナントレースサカつくにも似た……

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お膳立てして事を見守る、数字の上下に一喜一憂する、その結果を見て次から方針を変えていく、ユニットに過ぎないキャラ達にストーリーを見出す……艦これパワプロペナントレースにも似た、「マネジメントゲーム」の再発見かもしれない。と私は思った。これは決して新鮮な体験なんかでは無い筈なのだが、人々に忘れられてしまった体験だ。

貧相な携帯電話というプラットフォームでゲームをさせるために、原始的なCGIゲームがまず取り込まれた。その原始的なCGIゲームに、様々なゲームが引きずられていった。それは3DアクションにおけるCoD化のような悪夢であったが、パズドラのブレイクを気に「対戦!協力!ギルド!ガチャ!」な病的なまでの資金装置ぶりが見直されつつある。艦これもまた、パズドラフォロワーの一つと言えるだろう。

艦これは発想こそありがちな「萌え擬人化」ではあるが、「豊富なキャラ」「自分だけのユニット」というソシャゲで磨かれた要素を旧来の育成シミュレーションに乗せた、立派な「シングルプレイヤーゲーム」である。下手な「ソーシャルトレーディングカードゲーム」や「アドベンチャーゲーム」なんかより、よっぽど真摯に「ゲーム」をやっている。

一度携帯電話のソシャゲーバブルでグズグズになったゲーム業界。パズドラや艦これの衝撃から「ゲームとしての面白さ」を追求したものを産み直してくれればいいのだが……どうだろう。「集金装置」ばかり作ってきた連中に、「ゲーム」は作れるのだろうか?

後に続くものが出ることを祈りながら、今日は燃料が尽きたのでこれにて終了。

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Model Graphix (モデルグラフィックス) 2013年 09月号
こちらの雑誌で艦これの特集記事があるようです。まだまだ始まったばかりの「艦これ」を後押しするなら、ドック解放とまずは雑誌購入からどーぞ。魔法石も何もつかないけど、まあたまには本買ってもいいんじゃないかな。