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ラブライブ!サンシャイン!!11話。君に全速前進ヨーソローも、本音なんだよね。

自分じゃなく誰かの代わりに踏むステップ。

ひとりきりのゆうぐれ。

そして、乳揉み

 

渡辺曜回です。
曜ちゃん回です。
待ちに待ったお当番回なんですよ。

さて、渡辺曜がいよいよいじけたわけですが、別にこれは突然のことではありません。10話で曇った顔をしている理由も教えてもらえませんでしたし、8話だって「やめる?」の答えを直接貰っていないんです。

思えば、6話の屋上のあたりから曜は千歌との間には少しずつ距離を感じていたのかもしれません。これは不和というわけではなく、今までずっと隠してきた千歌の「助けて」を……幼馴染の見たことのない表情を、ビデオカメラで撮ることすら忘れてみつめる曜の表情からも伺えます。何?脚本の人そこまで考えてないと思うよって?いいんです。私の中ではそういう事になっています(力説)

なかなか改札から離れない千歌。楽しく煽り合うダイまりコンビ。居なくなった梨子の代わりに流れで選出される曜。という対比の時点でもう視聴者にがっつんがっつんぶつけて着ているわけですが、何より代役を立てるときに「じゃあ私が」と言い出さない時点で、屋上ごっつんこ前からソウルジェムが濁り始めていたのがわかります。

屋上のシーンも入りの所で動き同様に靴音もバラバラになっているのが芸が細かいです。2回目のトライの所でも動きが合わない。2話で梨子の勧誘の話をしながら中庭で練習していた時の2人は遠目に見ても完璧にあっていたのに、です。3話でようちかりこの3人で浜辺トレーニングをしていたときに、真っ先に間違いに気づいていたのも曜でした。ここで何かおかしいなと気付く鞠莉、流石大好きな友達にいろいろ隠されたまま海外に行ってしまった女は違いますね。重みが。

 

ぴちゅー。

ずるー。

 

コンビニの駐車場での練習では、ついに「自分が完全に梨子の動きを演ずる」ことで動きを合わせることに成功する曜。それは「自分の動きでは千歌に合わなかった」=「千歌の隣にいるのは自分ではない」という事の証明にほかなりません。梨子に何も電話で言えない曜ちゃん。これまたこの作品の上手な所で、スマホが電池切れになりそうな事を「またって言わないでしょ」と一言キャラに言わせるだけで「日頃から電池切れで終わらせる事があるぐらい、千歌と梨子はちょくちょく長電話をするほど良い仲になっている」ことをさらっと描いています。本当にお上手。

2つにわかれたみかんアイスも、よく見れば曜が2つに割ったわけではなく、ふたつにパキリと割れてしまったのを曜が咄嗟に受け止めています。ささくれハートにはきついですってこれ。目が潤むのをいつもの少し困った笑顔に隠して、2人はダンス練習を続けます。

ところでスマホに怯える3名。静岡県民が文明の利器に弱いというよりは「先輩とサシで電話」というのは思ったより緊張するというのがあると思います。確かにうち1名、食いしん坊の寺の子がワイヤレスの子機にすら慣れてなさそうですが、他の2人はニコ生ならまだしもちゃんと誰かと堕天使ぶらずに話すのも恥ずかしかったり、やっと他人とちゃんと話せるようになって来たピギィなので仕方ありません。私だって初めてのSkypeは緊張しましたしね。うん。

 

果南に勝るとも劣らない…そうだよね…曜ちゃん良いからだしてるよね…

 

ぶっちゃけト~クっ、に持ち込む鞠莉。2年前の出来事を知っているからこそ、「気持ちを隠して誰かが何かを諦める」事に敏感になっているのは先輩ならではです。ここでダイヤや果南でも可能ですが、普段のキャラづくりにより「嫉妬」について真正面から切り込めたのは鞠莉ただ一人でしょう。

そしてそこで鞠莉に曜が語る「要領が良いって思われる事が多い」という所、まさに先ほどのコンビニ駐車場の事でもあります。場にサッと合わせてしまう、合わせられる技量があるからこそ、思っていることを伝えられずにいる。出来てしまうからこそ、自分の気持ちを隠してしまえる曜ちゃん。そして、そういう所すらも自覚しているからこそ、彼女がいじける事になったわけです。

また、それ故に「やめないよね?」と発破をかけることしか出来ず、幼馴染の千歌の見せた虚勢をどうにかしてあげることが出来なかったのも曜ちゃんです。こじらせるぐらいなら、本音を伝えたほうが良い。離れる前の日々と、離れ離れになった2年間と、戻ってきてからすれ違い傷つけ合う3ヶ月を送った鞠莉が、それを全部ひっくるめて「無駄にしてしまった」と笑いながら言うんだから敵いません。

 

さて、翌朝。鞠莉の前では「距離感」「やり辛い」という話に濁した(ここも要領の良さって所でしょうか)訳ですが、シュシュでいよいよそうも言ってられなくなりました。千歌が梨子からの贈り物で喜んでいて、しかもそのシュシュで更に団結力が深まっている。そこに疎外感があるだなんてもう彼女にとっては一大事です。でも自分が何か言い出したらAqoursに何かが起きるのは間違いなく、そりゃあもう悩むのも当たり前なんですよ。

 

「私と梨子ちゃんのどっちが大切なの」も、
「私の事あんまり、好きじゃないよね」も、
「私、渡辺曜は千歌ちゃんの事が全速前進ヨーソロー」も、彼女の本音。
だけども本当に伝えたいとか、答えが聞きたいのは。

 

そこからの梨子と曜の電話も素晴らしい。梨子の「千歌ちゃんも絶対そう思ってる」という言葉からどんどん弱気な本音が出てきて、涙と共にやっと吐き出せた曜ちゃん。そんな曜に梨子が教えてくれたのは、「千歌ちゃんはずっと、曜と一緒に何かをやってみたいと思ってたんだよ」という……千歌の、ありのままの気持ちでした。

電話を切って、今すぐ話したいなと思った時。声だけじゃなく本当に目の前に現れて、一番欲しい言葉をかけてくれる。誰かの代わりじゃなく。合わせるんじゃなく。一から作りなおしたほうが良い。「曜ちゃんと私の2人で」と、自分を呼んでくれる。そんな大事な友達の元に、駆け出さずにいられるでしょうか。

自分の近くでいつも輝いていた親友を見て、自分も誰かと輝きたいと願った千歌。一緒に千歌と輝きたいと願っていた曜。汗塗れになって、自分のために走ってきてくれた友達の事を、くよくよ悩んでいた曜は「私、バカだ。バカ曜だ」と言って抱きしめるのでした。もちろん、その腕にはもう一人の友達からもらったシュシュがあります。

 

 

所で、曜ちゃんの家のモデルになった喫茶店から千歌ちゃんの家のモデルになった旅館までの距離は12km程あるそうです。普段はバスで通う距離で、しかも真夜中。なのに、自分のために自転車で走ってきてくれた。そんなの、抱きしめるにきまっています。

 

想いよ ひとつになれ この時を待っていた

ふと気づくと重なりあうよ
一途に 未来を呼ぶ心
震えてる手を 握っていくんだよ

すれ違った後で 同時に振り向いた
ほらねほんとは
一緒だったよ 気持ちはね

何かを掴むことで 何かを諦めない
想いよ ひとつになれ
どこにいても同じ明日を信じてる

「何かを掴むことで 何かを諦めない」…こんな歌詞を見せて、更に梨子に東京へ行くよう願うんだから、普通怪獣のわがままっぷりには驚かされます。スクールアイドルも、学校も、ピアノも、友達も、諦めない。物語と歌がこんなにもリンクしていくなんて、始まる前は思ってもいませんでした。

今回のライブパートは、待ちに待った「3DCGパートで思いっきり寄って思いっきり動かすことを諦めない作り」でした。何が言いたいのかわからない人は今すぐ『恋になりたいAQUARIUM』のPVを見てください。恋になります。作中での練習の振り付けがちゃんとライブパートに出てくるのも『これからのSomeday』を思い出しますね。バストアップだけじゃなく、ザッとスカート部分を映すのが本当に格好いい。ここらへんも『恋になりたいAQUARIUM』をぜひ見てください。アウトロが絶品です。

さて、残す所あと2話ほどになってまいりました。よくよく考えて見れば曜ちゃんはあれほど切実に願われた梨子ちゃんどころか、必死に追っかけていろいろ言ってもらった善子ほども千歌ちゃんになにか言ってもらえているわけでもなく、また千歌からアクションを起こされたわけでもありません。そして何より曜からの「本音」は保留という形で、決着は先延ばしとなったのです。……もしかしなくても、千歌からの好感度はMAX状態なんでしょうけども。もっと梨子ちゃん以外とも、ちゃんといちゃいちゃしてあげてねとか思わなくもないのでした。