だから俺達は星4鯖の話をする時にキラキラしたいずれたどり着く夢の話しか出来ない

 さて、星4サーヴァントが配布される事になった。僕のオススメについてはちょっと置いといて、FGOに於いて何故僕ら――即ち、ファンコミュニティに於いて攻略情報の提供やプレゼンを行うクソッタレな蛮族――はキラキラした夢の話。即ち「サーヴァントの強み」か、もしくはなんちゃって辛口評価しか出来ないのだろうか。

 それにはFGOの抱えている闇と相対する覚悟、そして調査する労力が必要だからだ。そこを怠り、そして避けてしまえば、僕達はもう「放言する自由」にかまけて夢の話をするしかない。今日はそんなくだらない話を更にくだらなくする話を書こうと思う。

誰もが違法キャスター大三元を持てない世界で。

 言わずと知れた星5キャスターを代表例としよう。FGOプレイヤーは誰もが孔明、玉藻の前、マーリンを持っているわけではない。限界突破した虚数魔術(NPが75%溜まった状態になる礼装)やカレイドスコープ(NPが80%溜まった状態になる礼装)があるわけでもない。人によって単体宝具や全体宝具、アタッカーやサポーターなどデッキ構築をする上で足りない要素はまさに千差万別である。

 その中でサーヴァント紹介をするとなると、それこそ「オールスキル10にした時にこいつはどうなるのか」という物になりがちだ。最終的にどういう動きが出来るようになるサーヴァントかの紹介自体は簡単だからである。互換性の話すら省くに限る。「こいつが何なのか」の話だけしておけばいい。

 シナジーの話は失われる。組み合わせるとどうなるかの話は失われる。貴方がどんなサーヴァントを持っているかわからないからだ。この書き方をする場合、単体で如何に完結しているかが評価軸になりやすい。

相手するのは一回こっきりのガウェインか。ラフムか。はたまた周回か。

 FGOはプレイ時間の99%をイベント及びカルデアゲートからの虚無周回に費やすゲームである。(重要)

 というのは極端だが、果たして育てた後に使いみちがあるのかという話はFGOに常に付きまとう。新登場のサーヴァントはいつだって「どういう用途なのか」を徹底検証されるし、それがわかりやすい強さで無かった場合実装から数時間で産業廃棄物扱いされる。

 さて用途だ。用途である。サーヴァントの話をする時にアストルフォきゅん可愛いアタランテちゃん可愛いで終われたらどんなに良いか。FGORPGでありサーヴァントが戦闘ユニットである限り僕らは性能と用途の話をしなければならない。

 この評価というのは大変な調査を必要とする。なにせ周回というのは前述の通りサポート役によるNP増加及び攻撃力バフを駆使して確殺出来るようにデッキを構築していくものである。全体宝具が重用される。されるし、その場に回避持ちはあんまり必要ない。

 しかしガウェインが相手となるとどうだろう。一気に単体宝具や回避持ちの需要が発生する。男性特攻やチャージ減、スタン、魅了、様々な要素が首をもたげてくる。そしてそういう時に生きてくるサーヴァントと言うのは決して少なくはない。

 少なくはないとは言え、そんなキャラを「高難度で数ヶ月に一度出番があるだけじゃん」「ストーリーで確かに居たら便利だとは思うけど」と書いてもなんにもならない。そのサーヴァントが数時間の種火周回を経てレベルMAXになったとて、出番があるかどうかは分からないと書くことに意味はないのである。一瞬でも光るのであれば強みとして書いておいた方が簡単だからだ。

 しかもこのゲームは手持ちのサーヴァントが皆バラバラ。例えば「全体宝具のランサー」である時点でフィン・マックールだろうがエリザベート・バートリーだろうがアルトリア・ペンドラゴン[オルタ]ランサーだろうがそれだけで重宝されるカルデアは幾らでもあるだろう。そんなカルデアのマスター達に、持ってもいないサーヴァントの辛口評価をした所でなんの参考にもならないのだ。

 その上で「もしも全てのサーヴァントを手に入れられたなら」という前提で評価を行うのも、また簡単である。スペックシートを突き合わせてどっちのが出番が多いのかの話になる。突き合わせて負けたほうが辛口評価の犠牲になる。それだけの話だ。夢だけの話も、夢のない辛口な話も、同じように簡単なのだ。

君は今どの特異点の空の下?

 育成コストの話をせずに夢のことを語るのは簡単だ。どのサーヴァントがどれほど素材を要求し、その素材はどの特異点クリア後のフリークエストで追加され、どの修練所の何級で出やすいかの話を一人ひとり書いていくのは、それこそ攻略本を作成するに等しい労力が求められる。

 「エミヤ」というサーヴァントがいる。世間では強化クエストを終えると非常に強いサーヴァントとして名高い。だが僕にとってはずっとイマイチなサーヴァントだった。何故か?答えは簡単で、私のエミヤはずっとLv50だったからだ。終局特異点に至り、ラスボスを倒しても、私のエミヤはLv50だった。最初の10連でマルタと一緒に来てくれたサーヴァントだというのに。

 英雄の証、18枚。たったその程度の素材が手に入らないばかりに、私のエミヤは育たなかった。

 そういう事を交えた記事を書くためには、たどり着く夢でなく「夢へたどり着くための道筋」の話をしなければならない。それは厳密に言えば出来上がったサーヴァント自体の話でもないし、サーヴァントの召喚でもない。使い方ではなく使い始め方でしかない。往々にしてそういう話は書かれない。

 剣モニュメントx4 大騎士勲章x16 竜の牙x10。
 これはランスロット(セイバー)の第三再臨に要求される素材である。このうち勲章は第6章をクリア後に入手可能になる素材だ。が、そんな話、だいたいのプレゼンには含まれていない。

 術モニュメントx4 愚者の鎖x24 智慧のスカラベx2
 術モニュメントx10 智慧のスカラベx4 封魔のランプx6
 これはニトクリス(キャスター)の第三再臨及び最終再臨に要求される素材である。いずれも第6章クリア後に入手可能になる素材だ。

 が、そんなこと夢の話をするのに知ったこっちゃない。なので僕らはたどり着く夢のことだけを見て、オススメする。だから、僕らの話は話半分で聞いてほしい。この場合の「僕ら」にはゲームメディアすら含まれる。お金をもらって書いてるようなメディアですら、そのオススメはたどり着く夢でしか無い。

 

www9.atwiki.jp

 結局、素材の話まで含めてサーヴァントの話をするなら、こんな風に誰が書いたかも分からないWikiに頼るしか無いのだ。無力だ。僕らは無力でしかない。なんということだ。推しが良いように活躍する時の話ばかりしてしまうし、それをプレゼンと銘打ってわざわざ広めてしまう。他人のカルデアがどうなのか知ってるわけでも無いくせに、オススメだなんて気軽に言ってしまう。許してくれ。

 だから俺達は星4鯖の話をする時に、キラキラしたいずれたどり着く夢の話しか出来ないのだ。