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Steamトレカの正体は「Valveなりのソシャゲへの答え」と、「鍵屋への対抗」だった

Game

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Steamに登場した新たなサービス。その名はSteam Trading Card

Steam コミュニティ :: Steam トレーディングカード
http://steamcommunity.com/tradingcards/

ゲームを遊んでカードをゲット。と説明されている物の、これ自体が何なのか分からない人もいるだろう。遊んでカードを集めて何になるのか?これをやることにValveの何の得があるのか?そんな情報についてだらだらと書いて行こうと思う。

ただの「収集要素」じゃないのがミソだ。


カードの入手から始めよう

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カードの入手は簡単だ。ゲームをプレイするだけで良い。
正確には、ゲームを起動しっぱなしにしておけばいい

ゲームを起動させておくとSteamが実績解除よろしく、数時間ごとに1度ポコンと「インベントリにアイテムが追加されました」と通知を送ってくる。インベントリを確認すると、画像のようにカードのデータが手に入るというわけだ。

トレカの貰えるゲームは「トレカ対応ゲーム」に限られている。トレカ対応ゲームはSteamの対応ページの所に書かれているので調べてみてほしい。

Steam 検索
http://store.steampowered.com/search/?category1=998&category2=29

 

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「バッジの状況」を確認すると、トレカが全何枚で、自分が持っているカードが何なのかの確認ができる。画像は「ハーフライフ2」のトレカ一覧だ。私は全8枚のうち2枚を持っている。

さてこのカードだが、1人でコンプリートすることは出来ない。自力で集められるのは半分までだ。ハーフライフ2なら8枚のうち、4枚までと言うことになる。じゃあどうやって集めるか……答えは簡単だ。「誰かと交換する」か、「売りに出されたトレカを買う」のである!

Steam コミュニティ :: Steam コミュニティマーケット
http://steamcommunity.com/market/

1ドルに満たない電子トレカを集めたり、要らないトレカをどんどん売ろう!トレカを売った金でセール品を買えばいい!Steamトレカは夢の永久機関だ!ゲームを遊んでゲームが買える!

……さて、トレカを売る側に回ると、この話はここで終わりだ。ではトレカを集める側には、どんな利点があるのだろう?


夢、叶えしもの

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見事トレカをフルコンプすると、そのゲームのバッヂが貰える。ゲームバッヂはXbox360の「実績フルコンプ」同様、特別な画像だ。自分はこのゲームが好きで、プロフィールにも並べちゃうんだぜ!って人には生唾ものの機能だろう。

Steamにアバター機能は無い。TF2にだってアバター機能は無い。だからこそTF2は帽子が欲しくなるし、Steamはこのゲームバッヂなのだ。なおバッヂが出来た時にカードは一度全部没収される。

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そしてプロフィールに表示されるレベルもモリモリ上がる。XboxLiveのゲーマースコアよろしく「ゲーマーレベル」を誇示する事が可能だ。「ゲーマーレベル4か、雑魚め!」何てことも言えちゃうのだ。

トレカを売る人間はその金でゲームを買えるし、数ドルのカードを集める人間はゲームライブラリだけでなく溜まっていくバッヂやゲーマーレベルを見てほくそ笑む事が出来る。またバッヂだけでなくチャットで使えるゲーム由来のスタンプも貰えるし、プロフィールページの背景もフルコンプリートした人限定のカスタマイズが可能となる。

一昔前は「限定アバター」欲しさに人々がソーシャルゲームに打ち込み、特定のゲームで競い合った。Valveはそれを見事にゲーマー魂に火を付けるようなトレカとして実装したわけだ。天使の翼や輪でなく、大好きなゲームのアイコンを自慢しよう。


トレジャーハント!

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また、トレカを売るよりトレカをフルコンプした方が結果的にお得かもしれない要素がこのクーポンシステムだ。季節ごとのセールでお目にかかることのできるこのクーポンが、カードをフルコンプする度に貰える……かもしれない。

先に挙げた「チャットのスタンプ」や「背景」、そしてこの「他のゲームの割引クーポン」はカードをフルコンプしてバッヂを作るたびにランダムで貰えるものだ。言い換えてみれば、トレカを自分で出し、集めるまでが第一段階で、フルコンプしてこの抽選を行うのが第二段階というわけだ。

もちろん同じゲームのカードを何度も集めて何度もフルコンプするのもOK。そのたびに新しいバッヂも貰える。同じゲームでフルコンプして、「ゲームバッヂアップグレード」が出来るのは5回まで。頑張って集めて抽選しよう。

なおこのクーポンもカード同様トレードできるので、「○○のクーポン貰ったんだけど、何かゲームとトレードしようよ」なんてのも可能だ。人気FPSのクーポンなんか出たら、引く手あまただろう。


Steamトレカに乗るための資格についての話をしよう

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さて、そんな楽しい楽しいソーシャル要素を打ち出したSteam。そんなSteamだが、ただただユーザーを楽しませるためにそんな事を始めた訳ではないようなのだ。

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画像は私が「ハーフライフ2」のトレカを売ろうとした時に、表示された注意文だ。私はこのトレカを、売る事が出来なかった。何故だろう?

Steamトレカを「売る」為には、「Steamでゲームをちゃんと買ってから1ヶ月経ったアカウント」か、「去年1年間でゲームをSteamで買ったアカウント」が必要である。

いやいや、ちょっと待って欲しい。
私はちゃんとSteamでゲームを買っているぞ?

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Civ5だって、SSZだって、ソニックだって、スーパーミートボーイだって持ってる。
では何故売る事が出来ないのか?

それは、「Steamから買っていないから」だった!

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これは私の直近の「Steam購入履歴」だ。良く見てほしい。
「小売店」AmazonやIndies Bundleで買った物。
「ギフト/ゲストパス」は他人に買って、送ってもらった物だ。これにはトレードも含まれる。

だけども私はこの1年間、1度もSteamからは買った事が無かった!

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遡ってみると……昨年正月に買ったPlants Vs Zombiesが最後のようだ。このゲーム、Xbox版やiOS版と比べるとバージョンが古くて本気でがっかりしてしまった。もしPvZに興味がおありなら、迷わずiOS版かXbox版を買う事を勧める。Steam版は買ってはいけない

話が逸れた。つまりSteamトレカに参加するためには、まずはゲームを一本Steamから買わなきゃいけないのである。ここからSteamなりの鍵屋への対抗が見える。


鍵屋とSteamの関係

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まずSteamキーについて説明しよう。SteamのゲームはSteamから買うだけでなく、買ったゲームのディスクのシリアルコードを登録する事でも増やす事が出来る。パッケージのゲームでも、DL販売のゲームでも、Steamキーさえ安く買えればあとはSteamからDLし放題になっている。

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Amazon.com: Digital Games: Video Games
http://www.amazon.com/Game-Downloads/b/ref=sa_menu_dgs_gam?ie=UTF8&node=979455011

北米Amazonのゲームダウンロードサービスは、PCゲームのDL販売でも屈指の大手だ。AmazonDL販売の特徴は、「ディスク版と同じ認証を使う」という所にある。EAのゲームであればインストール時とOriginに登録できるシリアルキーが貰えるし、Steamを認証に使うゲームならSteamコードが貰えるのである。

そして画像にもある通り、Amazonは突然のセールが得意だ。画像ではボーダーランズの1と2のDLC全セットになったものを22ドル(≒2200円)で販売している。他にもインディーズゲームを10本セットで10ドルだとか、ソニックシリーズ全部入れて10ドルだとか、安さについて容赦がない

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The Humble Bundle with Android 6 (pay what you want and help charity)
https://www.humblebundle.com/

そしてうちのブログでも紹介したインディーズバンドル。彼らも製品版と全く変わらないどころか、Steam購入では手に入らないサントラや壁紙などを付けてSteamキーをばら撒いている。

他にも「ディスク版を大量に仕入れて、Steamコードだけ売りつける」なんて会社もあったりして、Steam外部でのキー販売争いは日に日に激化している。これが面白くないのがSteam側だ。皆が安値で外部で売るものだから、自分の所から直接買ってくれる客が取られてしまう。事実、私もSteamから直接買わず、これらのサービスを利用し、Steamをただのソフトライブラリとしてしか見做していなかった

というわけでSteamトレカを機に、Steam自体でもゲームを買おうと見直し始めた所だ。「鍵屋だけでなくSteamで買ってくれないと、カードで遊ばせてやらないゾ」という話にまんまと乗せられそうになっている。ううん、悔しい。でもTF2のパイロのカード欲しい。


ゲームを楽しく、仕組みも楽しく。

好きなゲームを遊んで、カードを集めてバッヂを手に入れる発想。それは、限定アバターの為にユーザーに金を使わせ合った旧来のそれよりよっぽど健全なように見える。費やされるのはちょっとの金と時間だけだし、何より集めた所でサービスが好評につき終了する事なんてない。

また、ともすれば軋轢の種ともなっていただろう鍵屋との関係を、ユーザーをカードで釣ることにより穏和に解決しようとする姿勢も見える。トレカとバッヂはValveとプレイヤーどちらも「楽しくなる」のに持ってこいの企画なわけだ。流石Valve。流石Steamのシステムである。

基本無料ゲームは9ドルの課金ごとに1枚カードが出るので、コンプリートにはちょっと手間がかかりそうだ。「安いインディーズゲーム1本」を買っただけの副アカウントを量産し、無料ゲームを遊んでカードを増やして私腹を肥やす人間が出てこられては困るので、まあそこは仕方ないか。

……ところで、カード対象ゲームの中に、L4D3やHL3が見えないのだが。
ゲーム自体の配信は、まだなのかな?開発してるのかな?開発中かな?