読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

iPhone4Sを手に入れる為に3時間待ったお話。

iOS iPhone Smartphone

さて、iPhone4Sが発売となった。ここまで、長かった。本当に。

8月の頭にiPhone3GSが運動中の汗にやられてバックライトが消える=画面の電気が付かない=真っ黒という状況になり、蛍光灯の下でしか使えない状態が続いて早二か月。もはやiPhone4Sは私にとって「appleの新デバイス」以上に「画面が明るい電話」として喉から手が出るほど欲しい物だったのだ。この2011年に、私のiPhone3GSゲームボーイカラーワンダースワンクリスタルと同等の機械に成り下がってしまった。

発売初日の14日金曜日。Softbankのサーバがパンクした為にどこのソフトバンクショップも大手家電量販店も端末の販売に支障をきたしてしまった。そしてapple storeでさえその例外ではなく、札幌店では昼から並び始めた人々は日が暮れるまで店の前で並ぶことになった。auは特に大きな障害も無かったようで何よりである。

さて夕方にapple storeを訪ねた私は、店員からある情報を入手する。

  • Softbankの列は昼から殆ど進んでいないこと
  • 15日土曜日も朝8時から開店すること
  • applestoreは他の店舗と違い端末の予約が出来るわけではないこと

つまり、予約していない者でも翌日朝8時から並べば手に入る。ということだ。

「iPhone4の販売の時に予約なしでも当日夕方に店舗を訪れれば普通に買えた」というのを知っていた私はどこの代理店にも予約していなかった。夕方には手に入らなかったにせよ、朝並べば確実だと言う事が分かった。

14日夜、日本各地の情報が上がってきていた。「iPhone4Sの本体だけ渡して、手持ちの携帯電話が圏外になるのを待って貰う」という端末先渡しが行われていたり、端末は店に到着しているがSoftbankのサーバがパンクしているので渡せないという開店休業状態の店舗があったりと散々な有様のようだった。明日行くにしても、やはり朝だなと確信した。

10月15日土曜日、iPhone4S発売2日目。

私はiPhone4Sを手に入れるため、朝7時30分にはapple store札幌を訪れていた。少し小雨がぱらついて、路面が濡れている。北海道の10月の朝は寒く、白い息が出るというのに、この時点で並んでいる人が20人程度いた。列に並ぶと、スタッフの女性が声をかけてくれた。「甘いものは大丈夫ですか」と聞いてきたのではいと答えると、クッキー、マカロン、チョコレートブラウニーの三つから欲しい物を選んでほしいと言う。チョコレートブラウニーが欲しいという旨を伝えると、スタッフの女性は行列の先頭にあるワゴンへと向かった。どうやらワゴンには飲み物と食べ物が大量に積んであるらしく、赤いタンクにはスターバックスコーヒーのマークが見えた。行列を作って待つ人々に、apple storeは暖かいコーヒーと菓子を振る舞い、そして傘を貸し与えているのだった。

コーヒーと菓子を頂きながら、スタッフに貰った事前予約表にいろいろ書くこととなった。私はiPhone3GSからの機種変更実質無料キャンペーンを利用する事、欲しい端末は容量32GBの本体色ホワイトであること、支払いは従来の支払い方法を継続して利用することを書き込んだ。これで準備は万端だ。

午前8時、販売がスタートした。行列はキャリア別にauSoftbankの契約を希望する物に分けられ、店舗内で改めて列を作ることになった。auの人と、前日に並んで整理券を手に入れた人がどんどん私の前で、満面の笑みでiPhone4Sを手に入れていった。待機列の周りには沢山のiPhone4SiPadが陳列されていたのだが、iPhone4Sのプラン内容や特徴を紹介するビデオやアプリが起動されており、ネットの閲覧やゲームの起動が出来そうな雰囲気ではなかった。私のiPhone3GSの画面が真っ暗な事を、この時ほど恨めしく思ったことはない。

それはとっても嬉しいなって。

待機列で待っている間、気付いたことが一つあった。それは、思いのほか3GSを使い続けている人が多いと言う事だ。てっきり3GSという端末は時代遅れの代物で、皆4を持っているものだと思ったのだが、少なくとも私の前後10人は殆ど3GSを使い続けているようだった。

Retinaディスプレイ、改善されたアンテナ、高速なプロセッサ、潤沢なRAM。二年近くの長きにわたり、iPhone3GSユーザは4という最新のiPhoneを羨ましく思っていた。ダウンロードするアプリにRetina対応の文字が躍る度に「私の3GSではこのアプリの本当の綺麗さを楽しむことが出来ない」と落ち込み、圏外になった3GSにイラついて顔を上げれば素知らぬ顔で4を使う人を見つけ、ホームボタンを二度押しするたびに待たねばならなかった。音楽一つ聞くのも、3GSを使っている人にはストレスの溜まる行為となってしまっていたのだ。

その思いを共有した人々が今、同じ列に並んでいる。その事を考えると、幾分か気持ちが楽になった。スタッフからミルクと砂糖入りのコーヒーのおかわりを貰い、店内の大画面テレビを使って行われたiPhone4Sの紹介を見ているうちに、あっという間に二時間が過ぎた。そして、その時がきた。

「じゃあ、画面の明るいiPhone4S。どうぞ楽しんでください!」
「ありがとうございます!」

スタッフの方と固い握手を交わし、apple storeを後にする私。もう何も恐くない。

というわけで次回からiPhone4SiOS5の解説記事も掲載していきます。お楽しみに。