お前はアウターワールドでハルシオンに夢を見て、そして現実に打ちのめされろ。

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【PS4】アウター・ワールド

【PS4】アウター・ワールド

 

 Obsidian Entertainmentと聞いてもどこのメーカーか分からないだろうが、「あのFallout:New Vegasのチームの新作だよ」と聞いてビクっとしない人は居ないだろう。NV後に4や76で「もう本家に期待するのも違うかも知れない」と思った人ならなおさらだ。

 The Outer Worlds(邦題:アウターワールド)は18年末に突如発表され、そして19年のホリデーシーズンにリリースされたObsidianの新作オープンワールドRPGである。

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 ハルシオン星系への移民船「ホープに乗り込んだ主人公は10年後に目覚める事を夢見て冷凍睡眠につく。が、突然フィニアス博士を名乗るジジイに叩き起こされて見れば80年の時が過ぎており、しかも他の人は誰一人起きていない。良くわからんままジジイに導かれハルシオン星系の首都惑星にポッドで落とされて、これから俺どうなっちゃうの~!?

 あ、現地で手助けしてくれるはずのガイドさんはポッドの下敷きに。
 本当に俺、これからどうなっちゃうんだろう…

というのがアウターワールドの始まり。

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 ん?知らんジジイに導かれるまま…ポッドで…?

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 冷凍睡眠から目覚めたら一人で…?

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 知らん惑星で野生生物やわんぱくなお友達と戯れる…?

 

 

 

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 アウターワールドを始めたプレイヤーは、まるでRaptureに導かれた時のワクワクと、Vaultから出た時の僅かな不安と、そしてPandoraでの戦いの日々のような胸騒ぎにかられるだろう。事実、アウターワールドは00年代のHD機でプレイしたあの頃の要素で出来ている。あの頃よりもっと画作りはサイケで、まるでReShadeか何かを入れ間違えたようなギトギトでビカビカだけれども。

 

ハルシオン星系に見た夢

 ハルシオン星系に降り立ったプレイヤーが感じるのは、自由度と冒険の予感だ。

  • ビーコンが中央の街を示しているが、無限にロケーションがありそう!
  • 武器や防具にレベルとか属性がある!ハクスラなのかな?
  • 何やら色んなアイテムが手に入るぞ?もしかしてクラフトとか改造要素ある
  • 開けられないドアや箱が一杯だ!きっと後から来たら凄いに違いない…!
  • パソコンでメモやメールが読める!色んな場所にドラマがありそう!

 事実、最初のエリアであるエメラルドヴェールを1時間ほど歩き回っている時はそんな感じで楽しい。どの場所に行っても山程クエストが発生するし、今起きてるトラブルの対応のバリエーションが非常に豊かだ。「ああ」「そうだ」「うん」と返すだけじゃない、主人公の発言にニコニコ出来るRPGが帰ってきた。

 が、エメラルドヴェールのメインクエストで自分の船に必要な部品を手に入れた辺りで少しずつ、少しずつだがゲームの底が見えてくる。

  • ビーコンが中央の街を示しているが、無限にロケーションがありそう!
    Falloutの大型DLCで追加されるマップ程度の広さのエリアが複数あるだけ。クエストで訪れる場所でも無い限り、NVの道端の小屋程度の意味合いしか無い。

  • 武器や防具にレベルとか属性がある!ハクスラなのかな?
    →ではない。武器や防具のレベルは入手するお金を使うための焼却炉。ユニーク武器はユニークであって強力な訳でもない。何よりこのゲームの最強火器のひとつは中盤にザコ敵から拾えるマシンガンである。

  • 何やら色んなアイテムが手に入るぞ?もしかしてクラフトとか改造要素ある?
    →あるのは拾ったMODを店売り武器に取り付けるNVめいた改造だけ。拾える様々な小物はただの売り物でしかない。食べ物も飲み物も最高難度以外ただの重しでしかない上に買取価格も安い。

  • 開けられないドアや箱が一杯だ!きっと後から来たら凄いに違いない…!
    →違う。今ハッキングやピッキング能力が無いから今消耗品を入手できなかっただけ。中身は大したこと無い。ただ、ドアだけは開けるとミニクエストが生じたりクエストの進行方向がガラっと変わることがある。

  • パソコンでメモやメールが読める!色んな場所にドラマがありそう!
    →残念な事にこのゲームはFalloutではない。

 こんな所だ。「ハルシオン星系に胸をときめかせてやってきた主人公」と「凄いゲームなんじゃなかろうかと胸をときめかせたプレイヤー」の熱の下がり方も重なる。

 そう、アウターワールドRPGだ。それもFallout3よりももっと時計の針を戻した、RPGなのである。なので環境ストーリーテリングに期待してはならない。いや、それは言いすぎだ。「この施設が放棄されていく過程」だとか「研究が狂っていく過程」だとかは書かれている。書かれているが死体は新鮮で、施設はいつもどおり凶暴な野生生物でぎっしりだ。

 しかし「ベッドの裏の金庫」「ベッドの上で寄り添い合う白骨死体」「ベビーベッドの中のテディベア」などなどを期待してはならない。ここは終戦争から200年後のウェイストランドではない。

 

ハルシオン星系」であるということ。

 タムリエルで無いと言っても良いが、ラプチャーやウェイストランドでは無いという事はどういう事かをもう少し噛み砕いて説明しよう。

 アウターワールドの舞台は「うまく行くはずだった”外界”の開拓の失敗した星系」である。2隻の移民船のうち1隻だけが到着し、そこで目覚めた人々が惑星テラ1を開拓しようとして物の見事に失敗。2つ目の惑星であるテラ2の開拓こそなんとか出来たものの、すべての人に居場所のある生涯雇用システムなんてものはロクに機能せず…という所に主人公が「2隻目の移民船から来た唯一の人間」として現れるわけだ。70年遅れで。

 つまりだ。ハルシオン星系にはそもそも歴史がない。そも地球の歴史から切り離されているので中国だアメリカだという事もない。ということは「かつてそこで生きていた人々」の話もなく、廃墟はただただ放棄された企業の建物でしかない。「かつては何かだったもの」が「今を生きる人々には別の使われ方をしている」という事もない。狂人が各々のセクターでとんでもない事を人々に施しているわけでもない。

 

 「開拓の失敗した星系で、企業連合はそこかしこでブラックな労働を強いている。しかしその企業の言い分には一理あり、とは言えそこの反旗を翻した人々の言い分にも筋が通っている。この硬直した状況で、主人公は何をするのか?

 これがアウターワールドのキモだ。アウターワールドは狂った海底都市の崩壊の物語でもなければ、最終戦争で時計の止まった荒野を旅して今の答えを見つける物語でもない。主人公はトレジャーハンターでも無いし、悪徳企業をぶっ潰すって話でもなく超能力者も出てこない。核にあるのは滅び行くハルシオン星系で懸命に生きている人々の今と、そして選択である。

 

 最初に到着した移民船の名はグラウンドブレイカー、先駆者だとか開拓者という意味だ。そして70年遅れで見つかった第二の移民船の名はホープ。何十万人という人々が目覚めを待つ船の名は、希望を意味する。

 

膨大なスクリプトに裏打ちされた、鮮やかな現実に挑め。

www.nintendo.co.jp

 

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 突然だが、バハムートラグーンというゲームをご存知だろうか。1996年にスクウェアが発売した傑作SRPGだ。このゲームは30人を超える仲間達と戦艦ファーレンハイトで空に浮かぶ島々「ラグーン」を渡り、戦っていく作品である。

 このゲームの素晴らしい所の一つが、その30人を超える仲間達全てと1ステージ毎に会話が可能である事だ。先のステージまでの話を汲んだ会話もあれば、ステージを経るごとにファーレンハイト内で仲間達がいがみ合ったり、仲良くなったり、両片思いになったり、そんな人間ドラマが展開される。私はこのファーレンハイト内の会話劇が大好きだった。

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 サモンナイトシリーズはどうだろう。これもSRPGで、仲間とチャプター毎に会話をすることが出来る。キャラクターと直に会話をすることでキャラクターにもストーリーにも深みが増すのが「夜会話」というシステムだった。

 2のハサハが好きです。

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 スターオーシャンの中でもセカンドストーリーで大きく強化されたのが「プライベートアクション」で、これは街に入る時にボタンを押すことで仲間が街中に散らばり、それはもう様々なイベントが発生するものだった。仲間同士の組み合わせでのみ見られるイベント等もあり、また「仲間同士が恋愛関係になる」というエンディングも用意されていた。

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 さて、アウターワールドに話を戻す。アウターワールドは辺境の町エメラルドヴェールの田舎娘メカニック「パールヴァティー」と、堅物だが何かを探し求める神父「マックス」を仲間にし、コロニー船「グラウンドブレイカー」に乗り込んでから一気に毛色が変わる。

 というのも、シナリオ上必須なNPCとの会話に口を挟んだり場所について会話し合ったり、「ちょっと外で話そう…さっきの事なんだけどさ」と仲間から話しかけてきたり。仲間がハチャメチャに喋りまくる。何なら仲間が話しすぎるから主人公が制止したりするぐらいだ。ソレに対しNPCも「随分とお喋りな奴を連れてるんだな?あ?」と怒りを顕にしたり、はたまた「そっちのお仲間さんは分かってるようじゃねえか」と言ってきたり。前述のゲーム達に負けず劣らずの「会話劇」を繰り広げてくれるのだ。

 更にはこの田舎娘メカニックがグラウンドブレイカーの女船長とのメールに始まりデートの約束を取り付け、石鹸を買いに行きお菓子を買いに行き更には都会に服を買いに行き、最高のデートをプロデュースする中で不安になる彼女を酒場につれていき、もうひとりの仲間(これも勿論誰を連れて行っても良い!)と初恋について語らうクエストまで用意されている。アウターワールドは百合。

 このゲームで会話をご破産にするのは簡単だ。銃を抜いて全キャラ殺してしまえばいい。仲間に一度したとしてもそのままクビにして蹴り出してしまえばいい。そういうロールプレイもありだろう。だがアウターワールドを遊ぶのであれば、お勧めしたいのは会話による「選択」を楽しむ遊び方だ。

  

 実に膨大な選択肢がある。しかし言っておきたいのは「同じ話を何度も聞き直し、全ての選択肢をその場で選び直す」という事は出来ないって事だ。発言には取り返しがつかない。後戻りできない選択肢には勿論<攻撃>だとかわかりやすいアイコンがついているが、それだけでなくクエストの途中の何気ない選択肢でニヒルな発言をしても、興味がないような発言をしても、その会話は二度と見られないのだ。

 選んだ選択肢以外の会話は見られないし、その先の旅で二度と同じ話をすることはない。銃を抜かずとも、一度放ってしまった言葉はもう戻らない。その積み重ねがサブクエストを終え、メインクエストを進めていく度に増えていく。それらはプレイヤーの中に、たしかに「主人公像」を形成していくのだ。

 

  そのロールプレイの中で出会うのも曲者揃い。結果として大災害を引き起こしたダイエット歯磨き粉作りのおじさんも、人間の死体を肥料に植物園を営むババアも、アウトローの女社長かと思えばエイリアン陰謀説を唱えだしたりとバリエーション豊かだ。街から街へ移動する度に、ネームドキャラと話すのが面白くて仕方ない。

 

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 終盤、いよいよ主人公たちは何十万という人が今も眠る「ホープ」に再度訪れる。

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 さてお待ちかね、ターミナルによる「22000日前の真実」もようやく語られることになる。ここで「あの時居た人々」の物語が明かされるのだが、それもまた絶品だ。懸命にホープを目的地に向かわせる船員の記録は、思わぬ結末を迎えるのだ。

 

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 かつて叶わなかったハルシオン星系への到達。果たしてコロニーはどんな物語の結末を迎えるのか、それは正に「プレイヤーの手にかかって」いる。

 

「話す」事で変わっていく「現実」に打ちのめされてくれ。

 アウターワールドはフレーバーとシステムで言えば、非常に淡白なシステムを圧倒的なフレーバーが覆っている。クエストも整理してみればダンジョンの奥に行ってボタンを押したり装置を拾ってきて、また次の話をするだけだ。とは言えそれからまた話が転がりだすわけで、私は飽きずに15時間の旅を楽しむことが出来た。

 惜しむらくは戦闘やシステム側があまりに淡白であった事だ。冒頭に書いたとおり、このゲームは最強武器のマシンガンをバーっと撒いているだけで終わるし、武器に属性もサクっと付けられるので武器を選ぶという事もあまりない。派閥と仲良くなれば弾薬は激安になるのであまりリソース管理という部分もない。最高難度ならいざしらず、装備の耐久度周りはただ煩雑なだけだったし、サバイバル要素を楽しまない場合飲食物は取る意味すら無かった。いつものごとく重量制についても余計だったように思える。

 戦闘が淡白なのでパークによる強化も魅力的にならない。なので事前に宣伝された「デメリットを受け入れることで強化も!」という部分も大したことにはならなかった。というかデメリットで会話や解錠が下がると、単純にイベントがやりにくくなるのもよろしくない。

 が、逆に言えばそれは難度がかなり抑えられており、万人に「会話劇」と「軽めの探索・冒険」を提供できるという事にほかならないと私は考える。まだ遊んでいないのにもしこのレビューを読んだなら、是非アウターワールドを遊んで欲しい。

 アウターワールドバイオショックよりバイオショックをしているが、ボイスログもサイコも居ないがゆえにバイオショックではない。アウターワールドボーダーランズよりボーダーランズしているが、ハクスラでも無ければバッドアスも相手にしないのでボーダーランズではない。アウターワールドはフォールアウトよりフォールアウトしているが、探索も遺跡も各種ログもそんなになく、決して「真のフォールアウト」ではない。

 貴方はアウターワールドに何の思い出を見るだろうか、是非その答えを聞かせて欲しい。

 

 

あ、一つ伝え忘れてた。

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アウターワールドにも「アンデール」要素、あります。

天気の子について書いたら監督に読まれた上にアンサー貰った話と、あの日とあるオタクに何が起こっていたのか。

blog.hatenablog.com

 私の記事がはてなのベストセレクション2019に選ばれました。

 

cr.hatenablog.com

  選ばれたのはもちろんこの記事。『PS2版天気の子を俺たちは遊んだことが有る気がしてならないんだ。』です。

 

 大反響でした。
 あまりにも、大反響でした。

 

 その記事はminori作品(新海さんが作品のアニメーションを制作していました)の主題歌を担当していた原田ひとみさんに届き――

  また、メモリーズオフシリーズやカオスヘッドシュタインズゲートのライターの一人である林直孝さんに届き―― 

 

 

そして。

www.animatetimes.com

 

新海:僕は、冲方丁さんのは怖くてまだ読めてないです(笑)。ブックマークだけはしています。

「2000年代美少女ゲームが原作である」みたいなみんなのネタもネットで見ました。

例えば、夏美ルートにいってしまう場合、ここのイベントは発生しない、いろいろあってトゥルーエンドがこの映画とか。

なるほどねと。確かにそんな解釈もできるかもねと思ったりしましたね。

それで盛り上がってる事自体はすごく嬉しいんですよ。今の若い子とかで「え? これ美少女ゲーム原作だったの?」って真に受ける人がいたりして(笑)。違うって否定して回るのも大人気ないから黙っているんですけど。

 

kai-you.net

 

movie.walkerplus.com

中には「2000年代の美少女ゲームのようだ」と言っている方々いて(笑)。僕は昔、美少女ゲームのOP映像を制作したこともあったのですが、当時を知っている30〜40代、あるいは50代くらいの方が『天気の子』を楽しんでくれていることに同じ時代を生きてるんだなという嬉しさを感じます。

その方々の感想で「本当は夏美ルートと陽菜ルートとが存在して…映画版はトゥルーエンドだ」といった意見もSNSで見かけるのですが、その気持ちも分からなくはないんですよね。選択の分岐が見えるみたいな(笑)。面白いこと言ってるな、と思いながら読ませていただいてます。

 なんと、新海さんに届いてしまったのです。

 

 

 

  私の感想とも、妄想ともつかない叫びがついに届いてしまったのです。

 

 ブロードバンド網が引かれ始め、WindowsXP搭載パソコンが出回りだしたあの時。間違いなくアドベンチャーゲームは、ビジュアルノベルは、私の「最先端の娯楽」でした。音楽と、音声と、様々なイラストやエフェクトで彩られた物語をプレイし、エンディングを迎えて夜明けの空を見上げた日々が、私の青春の一部でした。

 教室の隅で一人本を読むよりも、もっと深く。専用の機器を必要とするような物語を読み耽る。それは恋についての話だったり、過ちに改めて向き合う話だったり、サイバーパンクだったり、吸血鬼であったり、ロボットアクションであったり、日本によく似た別の国だったり、枯れない桜の島の話だったりしました。

 でもそれは少し考えてみなくても、論理的に破綻していたり、ありふれた展開であったり、山場を作るために人が死んだり消滅したり。既存の物語よろしく陳腐な要素はもちろん内包していましたし、そもそも結ばれた2人の”そういう行為”まで描くからこそ「エロゲー」だとか、「ギャルゲー」だとか呼ばれていたわけで。理由は人それぞれあれど、どこか公言するのは憚られるものがあったのは事実でした。

 

 しかし。

 

www.youtube.com

日陰者みたいな気分で彼らは語っていますけど、彼らのような人々にリーチする力のある人物が自分の世界や想像性を共有して、それが広がってきてるような気がするんです。

僕は昨日、新宿を歩いていたら、小学生の女の子を連れたお母さんに声をかけられて、「今、バルト9で見たんです!」って言われたんです。「この人監督よ! 握手してもらいなさい!」って。

小さな女の子に、僕のことが分かったのかな? と思いながら、「ありがとう」って握手したんです。

2000年代に僕らが見ていたものが続いてきて、『天気の子』になって、20代の母親が小学生の女の子を連れて行って見るような映画になっているんです。

だからもっと誇りに思っていいと思うんですよね。自分が好きなものを。

  

 作品のそこかしこを「私の好きだった何かのようだ!」等と拾っていった言葉を全て消し飛ばすのではなく、そう言ってきた私達に。そして過去に様々な物語に触れていたあの日の私達に。新海さんは「もっと誇りに思っていいと思うんですよね」と言ってくれたのでした。

 

 

 

 

 そんな事が2019年の夏にあったんだよって。誰かに話したかったんです。

 

 

天気の子 complete version (完全生産限定BOX)(CD+DVD+ARTBOOK付)

天気の子 complete version (完全生産限定BOX)(CD+DVD+ARTBOOK付)

  • アーティスト:RADWIMPS
  • 出版社/メーカー: Universal Music =music=
  • 発売日: 2019/11/27
  • メディア: CD
 

 

 

小説 天気の子 (角川文庫)

小説 天気の子 (角川文庫)

  • 作者:新海 誠
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/07/18
  • メディア: 文庫
 

 

 

 

 ここから、あの映画とあの記事に至るちょっと前の話をします。

 あの映画が劇場で公開される少し前、京都で大きな火事があり、沢山の人が亡くなりました。その時に僕の学生時代の友人が亡くなっています。

 何年も前に「アニメーションの制作会社で働くことになった」と話したのが最後の会話でした。 彼と「オメガブーストが如何にヤバいか」「ANUBISというゲームが如何に素晴らしいか」を語らった時間は、間違いなく今の自分を形作っています。

w.atwiki.jp

 

 『こみっくパーティー』だとか『サモンナイト』シリーズだとか『うたわれるもの』だとか、『テイルズオブ』シリーズだとか、『スターオーシャン』シリーズだとか、あの頃の話題はそんなゲーム達でした。

 そんな彼が公には「安否不明」なまま。せめて何か創作にでも触れないと精神が潰れるぞと身体を無理やり奮い立たせ劇場に足を運んだのが『天気の子』です。

 

 『天気の子』に原作ゲームがあった!なんてのは、もちろん嘘です。だけど私が「まるであの頃のようだった」「そしてその先を見せてくれたよ」と思ったのは確かな事で、どうしても私の中の熱を書き出したくてしょうがなかったのでした。そして出来上がったのがあの記事です。

 

 結果、その「嘘」で多くの人を笑わせたり、驚かせたりすることが出来ました。最後にちょっとだけ本当の話を織り交ぜたあの記事は、本当にたくさんの人に読まれました。15年以上に渡り、こういう文章書きをやってきたのは、きっとあの記事を書くためだったのかも知れません。

 「また今度」と別れた彼とは、もう二度と会えません。僕にとっての青春がまた一つ終わった時でした。しかし、あの日々から続いて、始まっていくものが確かに劇場にあった。ドリキャスだとか、PS2だとか、そんな事を書いたのは……単にサブカルチャーや新海さんの辿ってきた道の話でなく、僕自身の人生の「あの頃」と、繋がった「今」の話をしたかったんです。

www.youtube.com

  これで2010年代の記事はおしまいです。

 また2020年代にお会いしましょう。

スターウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダーと言う名の令和元年に放たれし最新のニンテンドー64ゲーを君は遊んだか

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さて2019年もあとひと月だ。

お前は今年も沢山のゲームを遊んだだろう。

だがお前が1本、見逃している超大作がある。

 

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 あのタイタンフォールを生み出したリスポーンが送る超ド級スターウォーズアクションゲーム、『スターウォーズ ジェダイ:フォールンオーダー』(以下フォールンオーダー)だ。これがどんなゲームかお前が知らないなら、いますぐこのムービーを観ろ。

 


Star Wars Jedi: Fallen Order – Launch Trailer


『STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー™』 “カルの使命”トレーラー

www.ea.com

  スターウォーズのこまかいことはWikipediaにナード達が死ぬほど書いているし、公式ウェッブサイトには映画からの流れ含めてひじょうに詳細に書かれているのでこのブログでは紹介をしない。

 じゃあ何をするゲームか。

 今見てもらったトレーラーが全てだ。

 そしてまだ『フォールンオーダー』を遊んでいないお前に一つ幸せなネタバレだ。これらのトレーラーは何一つ嘘をついていない。つまりこのトレーラーで面白そうと感じた部分は全てあそべる。

 

 

 

お前はジェダイだがジェダイではない。 

  ゲームの中でお前は最初からジェダイだ。ライトセーバーを振るい、ストームトルーパーを跳ね返し突き進む。

 だが…

  だが、勝てない。ジェダイとして戦い始めて間もないお前には激闘に見えるだろう。しかし歴戦のジェダイならこれが一方的な戦いだと分かるはずだ。

 お前は負ける。だがその瞬間に見知らぬ一隻の船が現れ、共に脱出することとなる。

 そこから始まるのは銀河を股にかけた大冒険だ。しかもただの大冒険ではない。

 

 ニンテンドー64めいた大冒険である。

  どういう事かは動画を見れば一発だ。一発で分からなかったお前の為に説明すると、箱庭ゲームがこの20年頑張ってきた「ものすごいそれっぽい建物や基地を探索する」ではない。遠回りするための回り道があり、ただただ上に行くためだけにエレベーターがあり、潜るためだけに池があり、アスレチックの為だけに壁やロープがある。お前の道を塞ぐためだけにギミックがそんざいする。ステージの為にステージがある。お前が走って、飛んで、探して、戦うためだけにステージがある。

 ハイラルのゆうしゃですら「これは古代の凄いロボだから中がすごいぞ」だとかしていたのに、全くそんなことは気にしていない。キャピタルウェイストランドやコモンウェルスがどうだとかこのゲームには関係ない。なぜならスターウォーズは「遠い昔、遥か彼方の銀河系」の物語だからだ。2019年にこんな事を大真面目にやってゆるされるのはスターウォーズぐらいだ。

 ここはアメリカでも無く、タムリエルでもない。ハイラルでもない。そしてお前はアサシンのいちぞくでもない。帝国に追われメキシコの荒野を駆け抜ける一人のマリアッチだ。

 赤い帽子を被ったヒゲの事を思い出せ。チョウゾ族のパワードスーツを身につけた賞金稼ぎの事を思い出せ。「明らかに登れそうな壁」「どう見ても引き寄せたら渡れる橋」「ジャンプ力があと一歩届かない崖」「押したら開きそうなひび割れたドア」、その全てがお前を待っている。だからお前は、一旦それらを見送って戦え

 

お前はジェダイになるんだ

 ジェダイの戦いはどうだった?思い出せ。相手の攻撃を弾いていたな。受けたとしても掠めていた。相手の攻撃を受けても気にせず進むのはミディ・クロリアンがどうのこうのでなくガンマ線を浴びて緑色になったり俳優が変わったりメガネをかけたりするスーパーヒーローの方だ。まあ今となってはどちらもシンデレラ城のお仲間だがな。 

  だからフォールンオーダーの戦闘はこうなった。敵から3発喰らえば死ぬ。容赦なく死ぬ。その代わりお前はジェダイだから、相手の攻撃を見切ることが出来る。弾け。弾け。弾け。相手の隙を誘え。その隙を見逃すな。

 

  お前はジェダイだ。だからライトセーバーが使える。そしてフォースと共にある。敵の攻撃を見切れ。ブラスターを弾き返せ。フォース・プッシュでバズーカ砲を押し返せ。

 もっとわかりやすい言葉にしよう。

  ジェダイ狩りの夜がはじまる。

 フォールンオーダーはそういうゲームだ。
 「fallen order skill tree」の画像検索結果  敵を倒して獲得した経験値で、お前はより深くフォースとの絆を深める。肉体的に強くなるのではない。より良く”フォースを使う”事ができる。フォース・プッシュで多くの敵を吹き飛ばし、自らの身体を加速させることで相手との距離を詰め、ライトセーバーを投げて広範囲を薙ぐ事ができるようになる。

 いきなり強くなることは出来ない。惨めに何度も死ぬだろう。
だが、ルークだってヨーダの元で修行し、そして戦いの中で強くなっていった。戦いを通じ、自らと向き合え。出来る、出来ないではない。やるのだ。

 最初はタトゥイーンで隠遁生活を送っていたオビ=ワンのような戦い方になるだろう。やがて空中都市でダース・ベイダーに対峙したルークのような戦い方を、そしてあの日のクワイ=ガンやアナキンのような戦い方をお前は身につけていく。

 

 

 オーダー66が発令されマスターを殺されたパダワン、カルがジェダイ・オーダーを再建し帝国を打倒する為の戦いの中で「ジェダイ」になって行くストーリーと、お前がゲームと対峙し己の弱さや甘さに打ち勝ち穏やかな心で冷静に「ジェダイ」になっていくバトルが次第に繋がっていく。

 全ては繋がっている。物体同士だけでなく、お前とゲームの間にもフォースはある。

 

 

  ところで、「スターウォーズ」としての繋がりだけでなく「ゲーム」の繋がりも見て欲しい。おそらく日本のフォールンオーダー関係で最も盛り上がったであろツイッターアーの動画だ。

 

 あろうことか、ゴエモンインパクトである。AT-ATでゴエモンインパクトをしながら、ローグ・ワンにも出てきたソウゲレラの手助けをしつつ、ウーキーの故郷のキャッシークで無双する。そんな事を大真面目にフォールンオーダーはやらせてくるのだ。

 

  冷静に考えろ。フォールンオーダーを作ったリスポーンが作ったゲームは何だった?そう、タイタンフォールだ。タイタンフォールを作ったチームのスターウォーズゲームって事は、チョウ・ユンファが主演で監督がジョン・ウーの映画や、ダニー・トレホアントニオ・バンデラスが出てくるロバート・ロドリゲスの映画ぐらいのしんようがある。

 

 だが、これは映画ではない。ゲームだ。

 だから、お前はジェダイなる

 例えばIMAXが「映画を見るのか、それともその一部となるのか」などと言っているが、このゲームはその比ではない。「遊ぶ映画」なんて褒め言葉も以ての外だ。お前は物語と戦いの中で、ジェダイになる。フォールンオーダーはそういう作品だ。

 

 

 

 確かに言いたいことが出てくるのも分かる。トゥームレイダーが始まったとか、メトロイドが始まったとか、アサシンクリードだったとか、デッドスペースやらされるとか、言いたいことがあるのも分かる。ギョロ目のおばさんが怖いとかもわかる。美人な本屋の姉ちゃんは出てこない。

 

 

 

 だが、それらを言って尚、圧倒的に「スターウォーズ」だ。このゲームをプレイしている時間すべてが「スターウォーズ」だ。そしてそのゲームの中で、お前は「ジェダイ」になる。

 

 

 物語の終盤、カルは暗黒面の誘惑に負けそうになりライトセーバーを壊してしまう。そこでカルは貴重なカイバークリスタルのある惑星イラムで新たなライトセーバー作りを行うことになる。

 今は亡きマスターのライトセーバー

 暗黒面を恐れ、フォースとの絆を断ったとあるジェダイライトセーバー

 そしてカルを映像記録の形で導き続けたジェダイ・マスターのライトセーバー

 この3つを組み合わせてライトセーバーを「作成」する。ここが非常に素晴らしい。ただの見た目をカスタマイズするだけのシステムが、ここに来てストーリーとつながる。ライトセーバーの色を選ぶ瞬間すら誇らしい。青、水色、緑、紫…その色のライトセーバーに関わる記憶すら鮮やかに蘇るだろう。ライトセーバーの外装も、今までの旅で入手してきたものから選ぶことになる。故に、「お前」と「カル」はこの時まさに「自分のライトセーバーを作成」したのだ。

 加えて、このライトセーバーの能力は「二刀流」。今こそお前はバンデラスになる時が来た。思い出せ。フォールンオーダーのキャッチを。

 

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 Become a jedi。即ち、バンデラスになれ。もはやパダワンだったお前はいない。そこに居るのは、銀河を駆けるバンデラスだ。しかも二刀流を持ってして行うのは「回転斬り」、ハイラルスターウォーズとメキシコとミヤモトマサシが渾然一体となりお前は取り敢えず動くものを切りたくなるだろう。だが暗黒面に落ちてはいけない。落ちてはいけないので試し切り用に死ぬほどストームトルーパーが出てくる。猛吹雪も嘘のように晴れAT-STが襲いかかってくる。しかしお前に敵うものはもはや居ない。

 

 そしてお前は最後に帝国の要塞へ忍び込み、悲しき運命の果てに尋問官となった女との戦いを繰り広げる。今までにジェダイとして培ってきた技術と知恵のすべてを使い、お前はその女を打ち負かすことだろう。

 

 その女は「仇を取って!」と叫び、背後から近づいてきたシスの暗黒卿に無惨にも殺される。さあ、ラストバトルだとライトセーバーを手に取り…

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 ここで、操作キャラであり主人公である「カル」とプレイヤーである「お前」は分離する。「カル」には何者かが分からなくとも、「お前」は奴が何者かを知っている。

 

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 切りかかる事すら許されない。フォースで引き寄せられ、そのまま身動きが取れない。しかし、ここまでの事を考えて見れば理屈は分かる。ジェダイとして戦う中で有利に事を運んだのはフォースによる「弾き飛ばし」「引き寄せ」で、それは相手の行動を中断させるものだった。ならば相応のフォースの使い手ならば、同じことが出来る。

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…視界の端に「照準」の文字が映る。システムが何かが出来ると知らせている。そうだ、そうやってプレイヤーはカルと一緒に戦ってきた。 

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 「青く光るオブジェクトはフォースで干渉できる」、それはこのゲームのルールだ。相手がフォースで引き寄せたなら、こちらもフォースで引き寄せて何とか出来るはずだ。そうやって窮地を切り抜けてきたんだから。

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 だが、それすらも奴は上回る。

 

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 スターウォーズに於いて「ドア」や「隔壁」はある種、場面転換の象徴のようなものですら在った。だが、奴はその隔壁すら閉めさせない。この戦いを終わらせなどしない。

 

 突然だが、フォールンオーダーの記事はここまでだ。動画やスクリーンショット、そして文章でジェダイに「なった」ような気持ちになられても、あまり良くない。だから、この戦いも、結末も、自らの目で見届けて欲しい。

 『スターウォーズ ジェダイ:フォールンオーダー』は、

 そういうゲームだ。あまりにも楽しい20時間の旅を、本当にありがとう。

 

Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー - PS4

Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー - PS4

 

 

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 OriginAccess Premierに加入すれば、年額10000円程度…もしくは1月1600円程度で今すぐフォールンオーダーがダウンロード可能。Steamで単品購入するより、お得にジェダイになれるぞ。 

PC版Fallout4を50時間ぐらい遊んだら様々な事にヌカッ腹が立ってきたのでそれの改善MOD入れて遊んでるという話

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 画像は核爆発を起こして吹き飛ぶサンクチュアリのマットフルーツ畑です。

 

 


 事あるごとにブログ内外でFalloutに言及しております。そりゃあ当然でしょう。Fallout3は私が00年代で最も遊びこんだタイトルですから。

 で、4です。英語版発売日の時点で買ってシーズンパスまで入れたんですが日本語版が来る頃には「なんか違うな」と思い積んでしまいました。で、2080tiを手に入れたのでついに再開した次第です。

 

画像

イェア…石をさっさと変えたい…

 

 が、遊んでいるうちに違和感の正体が掴めて来たのでまず列挙して行きます。

 

居住地をそもそも面倒見たくない件

 こちらの記事で長々と書きましたが、私には「お家つくる欲」が無いです。その上、フラっと寄ったロケーションにワークベンチがあって「何と!ここは貴方が弄っていい場所なのです!」と言われても微塵も魅力がない。いちいち入植者の家を基礎から触りたくないしせっかく家を用意してやってもぐちぐちと嫌味しか言わないし。

 何より居住地にはドラマが無い。プレストンのパシリをやるのも別に面白くないし、住民同士で結婚したり名有りNPCがどうこうするわけでもない。モイラに頼まれて地雷原やスーパーウルトラマーケットに行く程度のドラマすらそこにはなく、RTSで資源を基地に運び込むようにユニットに指示するソレとなんら代わりがないわけです。

 それでもやらなければならない理由があります。
それは粘着剤の存在。これは「きれいな水」と農作物からクラフト可能なアイテムで、雑に言うと銃やパワーアーマーの強化の必須アイテムです。アイテム強化というシステムそのものを街の人質に取られているわけですね。ベセスダ貴様ァ。

経験値の溜まり異常に遅い上にレジェンダリ払い出し渋すぎる件

 で、クラフトには素材だけじゃなくパークも要求される。の割に弾薬をたっぷり使って相手してもレイダーからは雀の涙ほどの経験値しか貰えない。そのせいで最上位のカスタマイズが表示されているのにグレーアウト。進行速度をセーブさせられている感じで気分はあまりよくありません。肉を焼いたり薬物を混ぜたりした時に経験値が増えるとケンカを売られたような気分にすらなります。

 「既にブツはあるがスキルポイントが足りてないから威力が十全じゃない」と言われる方がまだいいもんです。「お前の武器にはマイティが無い」って理由だけで今持ってる武器しょうがなく使うしか無いんだよなはあまり気分が良くない。それに拍車をかけるのが今回のユニークの仕様で、要するにただの「確定レジェンド」でしかない。先に同種の物拾ってたらほぼ意味無し。数千キャップで買えるレジェンドという扱いに。

 極めつけが「スチーマートランク」の存在。机の上の灰皿やトイレの中のガイコツまで拘るゲームなのに、「強い敵がいたから報酬です」という形で物をポンと渡してくる。その報酬もパワーアーマー乗ってたら要らない肩当て1つとかメリケンサックとか言われるともう我慢ならない!

「クラフト」のゲームなのに重量制限アホすぎる件

 NVも3も修理や自作武器、売ると高いアイテム(核融合バッテリーやタバコのカートンが良い例ですね)を拾うぐらいで、その他は良くて自宅の家具扱いでした。が、今回は話が変わりまして「クラフト素材」として何が要求されるかわからん事を考えると片っ端から拾っておくに限るんですね。なのにこのゲームには重量制限がある。スティムパックは重量0なのにだ。持って帰れない事は損でしか無く、たとえ重量制限があろうが何回かに分けてファストトラベルして居住地に持って帰るだけのこと。「溜め込んでその素材を使うゲーム」なのに「持てる量に限りがある」というリソース管理ゲーをやりたいわけじゃありません。そこの取捨選択別に面白くないです。十字キーにどんだけアイテム割り当てられると思ってんですかあんた。

NVから引き続きVATS弱すぎる件

 AccuracyやSPECIALのPが無いと命中率が相変わらず低い。加えてダメージカットはNV程とは言いませんがまだまだ低めでパークを複合させ「特化」させてクリティカル連発及びAP回復が回るようにする必要があります。ハンドガンとソレ以外のAPの消費調整がかなりガバいのでPとAとLを前までのスキルの用に強化していく事が求められるのでうーんと言った所。3みたくオルペインレスぱきんぱきんする形ならいいんですけどね。またシューターとしてみた時の強化要素(スコープ、ストック、バレル)がそのままVATSでの弱体化要素(消費AP増)になるのも納得がいかない。何故安定して狙いやすい武器にせっかくしたのに弱くなるねん。このAP増は何とマスクデータであり、クラフトが終わってから「あれ?VATS指定回数減ってない?」みたいな思いをすることになる。ウゥン…

それはそうと敵が弱すぎる件

 X-01の最終強化フル装備で歩き回ってると難易度をVery Hardにしても全く怖くありません。雑に拾ったアーマーを雑に改造したらおしまい。もしくはアトムキャッツのT-60。なんにせよ防具については開始数時間で成長限界に到達します。やけに脚から壊れていく気がしますが寧ろ防具がハゲるほどの激闘に身を置いてからが本番。あくまでロールプレイの一環としてコンパニオンにスペア一式のみ持たせるだけで他に防具は持っていきませんがそれでもヌルい。

 とくに爆発物がヌルいのが原因なような気がしました。地雷の音がしても怖くないし手榴弾のマーカーが見えてもどうという事なし。ミサイルも「また修理いるじゃねえか」としか思いませんし、なんだろうこれ。T-45が大前提でT-60やX-01は終盤扱いだったんでしょうか。その割には物凄くあっさり手に入りましたけど。

 そしてこれはレジェンダリーの項目にも共通しますが「ツーショット」「爆発」が強すぎる。「スプレー・アンド・プレイ」及び「キロトンラジウムライフル」一丁でゲームが終わるし「爆発ミニガン」なんて手に入ろうものなら、という感じ。上記ユニークはなんと店売り。うーん。

 

 

 で、考えたんですが多分これ「Survival」用に世界が出来てるのと、「レベルキャップ撤廃」のせいでなるたけ育たないよう育たないように色んな所が渋くなってるんですよね。それに「レジェンド厳選」みたいなのを組み合わせて永遠に遊べる!ってことでしょう。んで当然Survivalだとリソース管理ゲーになりますし居住地が重要になるし居住地が重要になるから防衛も重要になるし防衛は敵が襲来するから物を拾う機会が増えるっていうボーナス要素にもなるんだって話だと思うんです。戦闘の機会自体少なくロケーション攻略自体が一苦労という状態であれば恐らくレベルキャップ無しというのもそんな問題はなく、所謂「ビルド」という形でパークを取得しキャラを作ることになるでしょう。

 ただ私がやりたいのは「ローン・ワンダラー(孤独な放浪者)」や「クーリエ(運び屋)」の話であって、息子が拐われたし嫁さんは殺されたってのに現地民が将軍将軍って呼んできてパシらされてお前はここだお前はここだって介護して、何で強いのかわからん拾った武器を分解できねえ売るしかねえってやる変なゲームじゃないんですね。

 ユニークが確定レジェンドに成り下がったならもっと気軽に抽選したいし、難易度を上げて苦闘の末にガッポリの方がスカベンジャーらしくて良い。大勢の敵相手に全力を尽くした上で死にたい。そして粘着剤もここまでの旅や戰いの成果としてクラフトしたい。それはそうとして居住地の面倒は見たくない。何なら誰かが時間経過で改造しておいて欲しい。従来みたくVATS無くてもクリティカルヒットが出てほしいし、それはそうとしてVATSそのものを旧来の仕様に戻したい。

 と、いうわけで一部はロアフレンドリー*1にしつつゲーム側がフレーバーガン無視しやがった箇所はよりフレーバーをガン無視にするMODを入れて改善することにしました。

 

重量制限撤廃(コンソールで出来ます)

ゲーム中に@キーを押してコンソールを開き

player.modav carryweight 99999

と入力。これで無限に物が持てます。

 

居住地をそもそも面倒見たく無い件を解決

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 これの「Rise of the Commonwealth」の要素が重要。コンパニオンに居住地リーダーを任せることで勝手に居住地を作っておいてくれます。リーダー追加アドオンを導入することで更に最初から居るNPCキャラ(スタージェスやワーウィック農園のお父さんなどなど)に居住地を任せられますから、「主人公が救った居住地が久々に来たら発展してた」という状況が楽しめます。

 

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 そして最重要なのがコレ。レザーや各種動物の皮、人骨含めた骨アイテムを煮て粘着剤を作れるMODです。植物性デンプンからだけでなく動物由来のもので膠を作る事ができます。ラッドスタッグだろうがヤオグアイだろうがデスクローだろうが全部煮ます。煮て粘着剤となりいろんなクラフトに役立ってもらいます。

 そもそもテイトとトウモロコシとマットフルーツから作ったヤマトのりでクラフトさせられるのが今作だし寧ろ膠のほうがそれっぽいのでは…?

 

経験値の溜まり異常に遅い上にレジェンダリ払い出し渋すぎる件含めて
戦闘をオーバーホール

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 極めて単純な話ですが、経験値の払い出しを増加させます。加えてレベルが早く上がるので、敵も強いのがすぐ出るようになります。かといってソレ以外の事に手を加えないのでゲーム速度のブーストが可能です。

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 難易度に応じてめっちゃ「伝説の敵」が出るようにし、その「伝説の敵」がレジェンダリーを落とすようにします。この時点で敵の強さがガン上がりしますがその代わり報酬もたっぷりになりますので一回一回の戦闘に楽しみが出ます。もうガンナーやレイダーやスーパーミュータントを倒してもただただ弾薬が減りオモシロみのないパイプ武器を剥がしたり売るためのレーザー武器を毟るだけではなくなりますから精が出ます。加えて敵がレジェンド武器を振り回してくるのでこちらへのダメージも非常に痛い。

 

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 元々レジェンダリーのドロップ率が武器と防具で半々になっているものを武器かつ銃に偏らせて更に地獄みを高めます。これでガンナーやラストデビルの相手がかなり辛くなりました。代わりに銃が手に入りやすいので地獄とのトレードオフです。

 

 これで「レベル全然上がらないし戦闘にウマみがない」から「レベルが上がるしレジェンドも手に入るけど戦闘が地獄」に変更できました。

 

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 さらに各種爆弾の威力を飛躍的に向上させ即死の可能性を高めます。その代わりこっちの手榴弾も強くなるし地雷が効果てきめんになります。もうランチャー担いでる敵を早く潰さなきゃいけないので非常に楽しくなります。パワーアーマー着てても死にそうになるのが良いですね。

 

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 で、戦闘をもっと地獄にするために「生きてる敵の四肢破壊」MODを入れます。両足の吹き飛んだ敵がそれでもこちらを撃ってくるのが地獄みを高めます。固い敵がただただ固すぎるだけになるのも面白くないので戦闘の中でずたぼろになってもらうことにしました。こちらの手足もすぐグズグズになります。

 

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 クリティカルがSPECIALのLに依存して非VATSに時々出たりするMODと、VATS命中率がPに依存してちょっとだけ高くなるMOD(VATS中ダメージカット強化)で旧来の仕様に戻します。バトルが過激になるようにMODで調整していきます。

 

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 極めつけに「敵のスポーン周り改造」MODを入れます。ただドンと入れるとモールラットや虫が出過ぎたり雑にヤオグアイが出てきすぎるので、「偶に出会うけど規模がヤバい」とか「輝きの海が地獄」とか細かく弄っていきましょう。私はクインシーやボストン市内のグダグダが好きですしランダムイベント的に出会ったり居住地の外でドンパチやってるのを聞きながら武器やパワーアーマーを弄るのが好きなので野生生物を少なめの調整にしつつ派閥同士の殴り合いに介入しています。

 

 

  これでいい感じに酷くなりました。

 

 

 Fallout4はハクスラと居住地の2つがRPGとしてのシステム面も、息子を探す生存者としてのフレーバー面も大きく削いでしまった気がしてなりません。またロケーションそのものもサンクチュアリケンブリッジ間があんまり。都市部や施設の中は面白いんですけどね。なのでボケてしまった味に食べるラー油をガーっとかけるような事をしてしまいました。

 本当ならNVのように素の状態に向き合った記事を8000字ぐらい書きたい所なんですが、大変申し訳無いことに4についてはあまり熱っぽく語りたくならないです。

 だってこのゲーム、「終わらない冒険!」みたいなツラしてパシリ(ラディアントクエスト)と居住地防衛と稀なレジェンド掘りやれって言うんでしょう?その癖バトル部分は激ヌルで払い出しはショボショボ。強敵と戦って50EXP得てハフンとしてた旧作の方がマシだったかなって私は思います。だって今作、敵が怖くないんですもの。まったく。

 

 

  76は完全にスルーしたので、次のFalloutに期待しています。

*1:素のゲームの雰囲気を大事にする事。操作キャラをけものフレンズのかばんちゃんにしたりパワーアーマーをガンダムにしたりクネクネバインバインのお姉ちゃんにやたらセクシーなタトゥー入れて目を発光させるとかそういう方向でない事

PS2版天気の子を俺たちは遊んだことが有る気がしてならないんだ。

ぜんさく

cr.hatenablog.com

 

「劇場版 天気の子」最高でしたね!

 

今回は天気の子についてゲームと劇場版の話をしようと思います。

※重大なネタバレを含みますのでまだの人はさっさと劇場に行きなさい。

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 まず原作である「天気の子」は2002年にWindows向けにリリースされた、いわゆる「エロゲー」でした。それが2003年に立ち絵を一新・フルボイス化した上でドリームキャストにて家庭用ゲーム機に移植され、同じ年にPS2版がリリースされています。先程のスクリーンショットPC版のものですね。 

 

ほしのこえ

ほしのこえ

 

  この頃に新海監督は「ほしのこえ」を製作・公開しています。

youtu.be

 

youtu.be

 続いて04年に「はるのあしおと」、06年にはオープニングが非常に話題になった「ef」のオープニングを担当。当時目にした人も多いのではないでしょうか?

 

 さて、関連作品紹介はこれぐらいにして「天気の子」の話をしましょう。

 

 劇場版「天気の子」は劇場版「AIR」同様、大胆な構成となっています。というのも原作では3ヒロイン(家庭版では島の幼馴染が加わるため4ヒロイン)だった物を、陽菜ルートかつTrueエンドのもののみに再構築しているからです。その結果同じくメインヒロインであった夏美や四葉はあくまでサブやゲストキャラ扱いとなりました。

 AIRも「Summer編を絡めた上でAir編の終わりまで描く」事にした結果、美凪や佳乃がゲストキャラになりましたが、物語の纏まりを見ればコレでよかったのかもしれません。

 主人公の帆高はなんとなくで東京にやってきて、須賀圭介のやっている編プロに転がり込む。そこには胸も大きく美人な女子大生の須賀夏美がおり、取材の過程で謎多き少女天野陽菜とも知り合って、この夏俺どうなっちゃうの~!?というのは「両親が何故か家にいない高校生」に並ぶ主人公属性「ひょんな事から居候」です。

 本来はこの取材の過程で「夏美と行動を共にする」選択肢を選ぶと夏美ルートに入ります。というか一周目は夏美固定であり、実は初恋の人である年の離れた叔父へのほのかな恋慕や、奥さんに先立たれた事に僅かな望みをかけていた事への複雑な自己嫌悪があった事。父親として娘に接する須賀を見てやっと諦めがついた事。その矢先に就活に失敗し、社会にも求められず傷心の夏美と、島へ戻る日の近づく帆高が雪の降る夏の夜に男と女の関係になり、快晴の翌朝にそれぞれの道を歩むためにしばしの別れ…というのが夏美ルートの話でした。

 エピローグでは数年後に夏美も帆高もK&Aプランニングの正式なメンバーとなっており、帆高が東京に居た時にほんの少しだけ見聞きした「100%の晴れ女」の記事を改めてとりかかる…というエンドです。

 が、映画ではここらへんの共通ルートが最早定番となったRADWINPS早回しでスキップされました。Fate/stay nightも「問おう、貴方が私のマスターか」をイントロで飛ばしていましたし、陽菜ルートを映画化するにあたっては仕方ない部分がありますね。須賀さんの「いってきます?」というセリフは二週目以降、共通ルートから陽菜ルートに分岐したのを象徴するセリフとしてファンに語り継がれています。

 

  

 さて、夏美ルートは甘酸っぱい青春の話でしたが陽菜ルートはまるで違います。どういうことかと言うと、当時非常に流行った「特殊能力持ち少女」かつ「重い家庭事情の少女」であるからです。風を起こすだとか、相手の考えがわかってしまうだとか、サイコキネシスやら未来予知。主人公も手から和菓子を出したり法力が使える作品がありましたが、「天気の子」は一般人タイプです。

 本来は陽菜ルートと四葉ルートをクリアすると800年前の「天気の巫女」の物語である「Summer編」がタイトル画面より選べるようになるのですが、映画では削られてしまいました。なので「天気の巫女」や「人柱」については寺の住職から「伝説」を聞かされるに留まっています。本来はこの当時流行った伝奇ものというか時間を超えた因果の話なのですが、ここらへんもTrueエンドのメインにする上ではカットしても問題ないと判断したのでしょう。Summer編についてはPS2版の限定特典でOVAになっていますので、気になる人は探してみて下さい。

 

 陽菜ルートで描かれるのは陽菜、その弟の凪、家出少年である帆高3人の「疑似家族」のささやかな成功と崩壊です。須賀も帆高をある種息子のように想っていましたが、帆高が警察に追われているのを知った須賀は帆高を事務所から追い出してしまいます。「疑似家族」の物語には当時大ヒットした「家族計画」があり、また「はみだしもの達が一つ事を成し遂げる」として「CLANNADが有名な作品ですが、「天気の子」もその手の作品の一つでした。

 「空が晴れるだけで人々が笑顔になる」、陽菜の能力が他人を幸せにし困窮した生活が楽になると安心できる時間も長くなく、家出少年及び両親の居ない姉弟は警察に追われてラブホテルに身を寄せる…とここで私は期待したのですがまあ見事にHシーンはカットされていましたね!本当は指輪を渡した後にあったんですよHシーン!私は見たんだ!

 

 翌朝、遂に警察に捕まった帆高は空から降ってきた指輪を見て「えいえん」に行ってしまった事を知り泣き崩れます。「えいえん」の話をしましょう。「えいえん」とはエロゲやギャルゲに有りがちな物凄く便利な異界の事です。主人公が消えたり、ヒロインが消えたり、ループしたり、そこ自体が舞台だったりします。一時期めちゃくちゃ流行りました。えいえんって何なんでしょうね。ここにあることは知っていますけど。

 ゲームとは「短編を束ねたオムニバスな物語」であり「全ての可能性や情景を見たからこそ観測者であるプレイヤーはこのルートを選択するもの」です。なので「周回を前提としたルート」があり、別のルートではただの晴れやかな青空であったものが一人の少女の犠牲によって成り立っているものだと知る。もちろんゲーム版であれば夏美ルートや四葉ルート後の為、「晴れ」が物語のクライマックスである事が分かりますが、映画版では前提となるルートをSummer編同様飛ばしているため超展開に見えると思います。ここら辺はシュタインズゲートが上手いようにやってたんですけどね。

 陽菜ルートはここで一度終わり、主人公は島へ戻されあのひと夏の出来事も妄想か何かだったのだろうと気を紛らわせるもののその手にはあの日の指輪が握られていた…というのがNormalエンド。ですが映画はそのままTrueエンドへ向かいます!!

 Trueエンドへの分岐点は複数ありますが例を挙げると

  • 夏美ルートに行かないように好感度は上げすぎないが、適度に取材を手伝う
  • 四葉ルートについてはTrueの条件に関係ないため選択肢を選ばない
  • フェリーで須賀にビールを奢る←2周目から出現する選択肢です!
  • 凪を先輩呼びする。「イケすかない小学生だ」を選ばない
  • マスコミにバレた以降は晴れ女の仕事を続けない
  • 落雷や雪に関する選択肢が2周目以降追加されるので「陽菜の心と繋がっている?」を選ぶ

 以上のようになっています。

 

 条件を満たすと取調室からの脱走時、夏美がバイクで助けに来てTrueエンドに突入します。そこからのバイクチェイスや線路上のダッシュは原作通り。各々のヒロインのルートでは喜ばしかった晴天が、ここでは「彼女が取り戻した青空」として印象的に描かれています。

  しかしTrueエンドは各ルートのキャラを総出演させたため、若干の歪みが出ており、それが顕著なのが陽菜の弟の凪です。バイクで相当な距離を逃げて更に線路上の最短距離を走って辿り着いたはずの代々木の廃ビル、かつ階段が行き止まりになっていたのに彼は何処から女装しながら来たんでしょう?コレについてはゲーム版の頃から突っ込まれまくっている話なのでご容赦ください。

 ひょんな事から力を手に入れてしまった。陽菜については「天候操作能力」ですが、一般人枠の帆高が手に入れたのは「銃」でした。あの場面でもバッドエンドがあり須賀が死ぬのですが映画版では当然なし。須賀を撃ってしまうと、彼から失った妻や自分の過去、そして帆高が来てからの暮らしが如何に自分にとって大きかったかが語られるため映像化してほしかったのですが…

 

youtu.be

 ビルの上から「えいえん」に行ける演出は同じく新海誠の映像作品であるYsのエターナルのオープニングを見れば一目瞭然です。当たり前でしょう。雲の上に行くんですよ少年が!!!そりゃあ塔の頂上を目指しますよね!!!

 

 

 

 更に嬉しい演出としては非常階段に飛び移る帆高が「踊り場を踏み抜く」所です。あのシーンはゲーム版には無く、「雨の東京」を舞台にした言の葉の庭クライマックスをセルフオマージュしています。「君に救われてたの」ではもう終わらせない!!!桜を超えて「君の名は。」の二人が出会ったのなら!!!!「天気の子」は踊り場を超えていく!!!!あの時差したのは陽の光でしたが、今度は少女を救うために世界を曇らせたって構わない!!!!

 

 

 そしてあの雲の上の世界に繋が……

 

 

 

 

 

 

 

 何?

 

 

 「天気の子」に原作ゲームは無い?

 

 

 令和元年夏に公開された劇場オリジナル作品?

 

 

 えっ、ウソだろ?

 

 

 あんなefみたいな天使の梯子から始まって、keyみたいな話やって、leafねこねこソフトみたいな伝奇ものしつつ、CIRCUSみたく魔法とその代償の話をして、最後に「狂ってしまった世界だけどそれでも続いていく」ってまたminoriに戻る「天気の子」が?

 

 

 えっ?

 

 

 

 いやいや、嘘でしょ。俺読んだもん。ジオシティーズで二次創作SS読んだもん。アニメイトで攻略が一緒になった電撃のビジュアルファンブック買った覚えあるもん。ある気がする。だって奇跡とその誰も知らない犠牲の話ってめっちゃ月宮あゆじゃん。国崎往人じゃん。わしダカーポでも見たわそういうの。

 

 夏美ルートも無いしHシーンも無いの?

 

 

 DC版もPS2版も?

 

 じゃ、じゃあ…ここまでの記事は、一体…?

 

 あまりに見覚えのある要素と新海誠成分とイケメンショタを一気に映画館でRADWINPSと共に流し込まれた故の…幻覚…?夢、だったのか……?

 

 ありがとう、新海誠
 やっと00年代に置いてきたあの時の自分が救われた気がします。
 大人になると大事なものの順序が入れ替えられなくなるけど、好きな女の子の為に覚悟を決めた男の子が突っ走って「世界を変え」たって良いんだって描いてくれて、ありがとう。

  以上、鑑賞後48時間頭の中でグルグルしていた「天気の子エロゲ原作説」でした。
天気の子はこの記事で散々書いたとおり、「どこかで見たことの有るもの」で構成され尽くしています。それでいながら圧倒的な予算と映像とRADWINPSで殴りつけて来るし、エロいショタもいる。そして何より「世界か、少女かじゃあ無いんだよ!」「世界の正しい姿ってなんなんだよ!」「世界は続いていくんだよ!!」とふわふわしていたセカイ系を改めて正面から描きながら精緻を極めた回答を出しており、セカイ系を終わらせたと言っても過言ではないと思います。

 

 最後に、改めて「線路ダッシュ」の話をします。

 終盤のバイクチェイスからの線路ダッシュ、妙に尺を割いていましたね。確かに「覚悟を決めた少年が、思いの丈を叫びながら駆ける姿」というのはそれだけで胸が熱くなる光景です。しかし、ここまでの展開に「過去に在ったもの」を見出した僕はやはりここにも一つ考えてしまいました。 

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

 

  二人を分けた「電車」すら止まった「線路」を超え。 

君の名は。

君の名は。

 

 二人を引き合わせた「電車」すら止まった「線路」を超え。
 「美しい景色」を見た二人からの指輪を握りしめ。

ほしのこえ

ほしのこえ

 

  もう「メールすら届かなくなった」彼女の元へ。
 戻ってきてしまった「おめでとう」のメッセージを携え。

雲のむこう、約束の場所

雲のむこう、約束の場所

 

  「雲の向こう」を目指し。 

言の葉の庭

言の葉の庭

 

  「階段の踊り場」を踏み抜いて。

 

youtu.be

  帆高は舞い上がりました。「翼など無くても」、彼は空へ向かったんです。

 晴れという「奇跡」も、いらない。
 天に昇った彼女の「羽根」を握りしめるだけの終わりも、いらない。
 陽菜を大丈夫にしたいんじゃない。陽菜の「大丈夫」になりたいから。

世界が君の小さな肩に 乗っているのが
僕にだけは見えて 泣き出しそうでいると


「大丈夫?」ってさぁ 君が気付いてさ 聞くから
「大丈夫だよ」って 僕は慌てて言うけど


なんでそんなことを 言うんだよ
崩れそうなのは 君なのに

 -挿入歌『大丈夫』より

 天気の子は、確かに00年代の物語の再演かもしれません。ただそれは既存の作品だけに留まること無く、この2019年についに突き抜けた一つの答えを出してくれました。線路を走る所から非常階段を駆け上がるまで、愛にできることはまだあるんだと語りかけるように。

 きっと帆高の「童貞」っぷりも、一人の少女のために東京が沈む事も、それでいて当人たちは「大丈夫」と歩いていく事も、全て「気持ち悪い」と言われるし、怒られるし、切り捨てられて行くでしょう。それでも僕は言いたい。

 

 僕は「天気の子」、めっちゃ面白かったです。minoriは生き返って「天気の子」のゲーム作ってくれ。全年齢版でいいから。

 

天気の子

天気の子

 
小説 天気の子 (角川文庫)

小説 天気の子 (角川文庫)

 

 

 

 

togetter.com

※これは天気の子があまりに00年代のADVに出てきた要素だらけの上、「セカイ系」という言葉で括られた何かや詳しく語られない超能力や超展開ギミック等に「まるでエロゲのTrueエンドの映画化だった」と公開直後にオタクが相次いで口にした事を元にしたジョーク記事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019年12月31日追記。 

cr.hatenablog.com

 

BattlefieldⅤに見るマップとシステムの機能不全、というかシステムに導かれてしまったプレイヤーのお話

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www.ea.com

 AnthemやりたさにOrigin Access Premierに加入したわけだが、バトルフィールド5(以下BFV)も製品版にフルアクセス出来たので数日がっつり遊んでみた。

 私はBF1942のシークレット・ウェポン(拡張パック第二弾)の体験版を某画像投稿掲示板の人々とネット対戦し、そこからWWⅡアンソロジー(1942の全部入り版)を購入して以来のBFファンである。家庭版からのBFしか知らない人にざっくり説明すると、かつてのBFは移動できる戦艦に複数人乗り込んで島に艦砲射撃したり、潜水艦でその戦艦を攻撃したり、戦闘機をビュンビュン飛ばせる空母まで操縦出来たりと本当に何でもありのゲームだった。しまいにはジェットパックを背負って飛んだりするのだからたまらない。スプラトゥーンの10年以上前に、プレイヤーはジェットパックで飛んで対戦していたのである。

 さて、BFVの話に移ろう。

 BFVは相変わらずの分隊システムとアンロックまみれの装備で64人対戦をするゲームである。チームデスマッチや小型のコンクエスト(別ゲームではドミネーションや制圧と言われるルール)も遊べるが、大人数対戦であればコンクエストやブレイクスルーというルールが標準となる。

 このうちコンクエストはマップ上にある複数の地点を制圧数を競う。制圧数に応じてチケット(チームの体力ゲージ)の減少スピードが異なり、チケットが0になった方の負け。ブレイクスルーはバトルフィールドバッドカンパニー(BFBC)のラッシュルールをそのまま制圧に置き換えたようなもので、最初に設定された2地点を攻撃側が制圧すると戦局が変化し、更に奥側の2地点を制圧…という形で数フェイズの制圧戦となっている。

 が。

 

 マップの作りが全てをぐだぐだにする。

 概ね、防衛側には土嚢や固定機銃があり、突っ込むと死ぬ。いやまあ問題はそこではない。銃を撃つゲームで死ぬともう一度遊べるようになるまで時間がかかる。即復活されても困るので一度死ぬと十秒以上の待機時間が設定される。第一突っ込んでいって死ぬのは面白くない。じゃあ何するの。芋虫でしょ。なにせめちゃくちゃ射線通ってるし。

 そんな感じでBFVのマップは本来戦闘にあまり関わらない死に箇所まで非常に広く侵入可能になってしまっている。射線が通り過ぎる事も相まって、岩肌からスコープのキラキラが4つも5つもこちらを見ている事も珍しくない。仕方ないだろう、防衛側が強すぎるし復活して数秒で死ぬとか面白くないんだから。

 しかもコンクエストだと旗と旗の間隔が広く、また一部マップでは建物があることも相まって戦闘が散発的になりやすい。BF2のカルカンド、BF1のモンテグラッパの様に細長いわけでもなく、また拠点間の繋がりが無いためゲリラ戦に陥りやすい。全面戦争と言うよりはマップの複雑なコールオブデューティという味付けになってしまっている。BFっぽい戦いが出来たのはTWISTED STEELのB-E間の橋の上ぐらいじゃなかろうか。本当に。

 マップの限られた地点で戦うブレイクスルーはどうかと言うと更に悪くなり、攻め側に戦車の無いマップで攻め側が勝つことは数日のプレイ期間中ほぼゼロだったと言っていい。姿を晒して敵を発見し立った状態から狙うのと、待って既に狙っている状態ではどちらが有利かは明白であろう。浸透戦術を仕掛けようにも回り込む事すら困難であるからだ。攻め側に関わらず進軍せずスナイパーだらけになった事に飽きた防衛側が進入禁止ラインを無視して10秒走って芋虫を殺しにいっては自殺扱いになるのはよくある光景である。

 HAMADAとPANZERSTOMEと雪のマップ2つは本当に勘弁して欲しい。

 

 誰もが分かりきったプレイヤーではない戦場で。

 ではそんなに攻めが出来ないゲームかと言われると、そんなことはない。衛生兵(メディック)の発煙グレネードランチャーや斥候兵(リーコン)のスモークハンドグレネードで目潰しをし、援護兵(サポート)が絶え間なく彼らに弾薬を渡し、突撃兵(アサルト)が迫撃砲で切り崩してタイミングを合わせれば突撃は可能だ。

 そんな事ができるプレイヤー、一体1マッチに何人いる?

 広大なマップの中で見つけた敵もリーコンの偵察ガジェットや他のごく一部の手段でなければ味方に通達することも出来ない。そのリーコンのガジェットもサポートから弾薬を貰わなければ使用回数も有限である。「ダウン状態の味方のアイコン」からしか、そこに敵がいそうかどうかもわからない。前作までは誰もが敵の位置を報告出来たし、何より敵が発砲すればミニマップに敵位置が表示されていたのにだ。

 ところで、今作は各拠点に弾薬箱と医療キットが据え付けられており、防衛側はハチャメチャにガジェットを使い放題出来る。もちろん偵察ガジェットもだ。なんか敵がいそうだなと思ったらポンと撃ってしまえばよい。隠れるだとか索敵も必要ない。

 とかく、BFVは過去作に比べて非常に「分かりきったプレイ」が求められる。

 

 上でも書いた「死に箇所」まで含めた広すぎるマップ、スポットの廃止、連携の必須さがBFVを既存のBFとはガラリと変わった手触りにしている。まるで「分かりきっているプレイヤーだけで構成された分隊が各チーム32人ぎっしり埋まっている事前提」かのように。

 

 結果、そういう前提で組まれたマップとシステムは、マップとシステムの理解度の低い殆どのプレイヤーには届かなかったと言っていい。BFVは現状、街中でのゲリラ戦か、散発的な戦闘か、芋か、戦車のある側の圧勝ばかりだ。分かりきったプレイヤーは一握りであるし、その一握りの分隊を引けたチームがコンクエストで勝つ。だがその状況も、システムがプレイヤーに「そうしたほうがいいな」と思わせてしまったからに他ならない。

 一人の動きがガラっと戦局に影響を与えてしまっては64人いる意味がない。一人では変えられないのでスポットしても煙幕を張っても意味がない。BFVのプレイヤーを支配しているのは、そういう学習されてしまった「無気力」であるように感じた。

 

 

 

 正直な事を言ってしまえば、私はBFVのDeluxe Editionやパッケージ版を買わなくて良かったと思ってしまった。もしこれを発売日に10584円払ってPS4で買ってしまっていたら、と考えるとゾっとしてしまった。Origin Access Premierに感謝しながら、私はBFVをアンインストールした。

 私はまたあのミッドウェイで、YamatoとPoWがバカ試合をやるBFがやりたいだけなんだけどな。ねえEA、DICE。

 

 

 

バトルフィールド 1942 オリジナル

バトルフィールド 1942 オリジナル

 

↑まだ…!まだ国内でもFHSWで遊べるし北米サーバで遊べる…!

 

Anthemという名のBioWare製「地球防衛軍」体験版の所感。

 Originのスクショボタン分かんないままStronghold1回クリアまで進んでしまったのでAnthemの今回の記事はスクショ無いです。

 

www.ea.com

 さてAnthemですが、重厚なストーリー部分はおいといて中身は地球防衛軍です。

 

【PS4】地球防衛軍5

【PS4】地球防衛軍5

 

  地球防衛軍サンドロットの開発している「でっかい虫相手に戦うハクスラTPS」です。たくさんのミッションがあり、比較的コンパクトなマップでターゲットとなるデカい敵を倒したり、山ほどいるアリを倒したり、山ほどいるクモを倒したり、あっさり殺されるゲームです。

 繰り返し遊べば遊ぶほど体力が増えたり、ドチャクソ攻撃力の高い武器が手に入り、クッソ硬いアリもスコーンと倒せるようになって楽しい作品です。
※上記の5はマルチプレイヤー時に武器レベル制限があり、無双せず適度に苦しむことが出来ます。

 

 Anthemですが、端的にいうと地球防衛軍です。飛べます。

 

 Anthemのやる事は

  • まず飛ぶ
  • 話の経緯は置いといて敵のいる場所に到着する
  • とりあえず全員倒す
  • 話の経緯は置いといて次のイベントが起きるところまで移動
  • なんにせよ全員倒す
  • 飛んで移動
  • 話の経緯は置いといて倒しながらアイテム集めたりする
  • レアドロ抽選してクリア

 こんな感じのゲームです。

 「飛ぶ」というのは「なんか広大なマップで飛んで移動してるぞ!!」という要素ではありましたが、結局は「イベントを起動するために移動する」であり、言ってしまえばGTA5のドライブの時間とさほど変わりがありません。というかオーバーヒートが存在してしまう時点でドライブより少々面倒くさいかもしれないです。「カメラだけ方向を変える」というのが体験版では出来なかった為、風景を楽しむというフレーバー部分がないです。飛んでる時間長いし、というか移動が遅いんです。

 さてバトル部分ですが、HALOのファイアファイトやGears of WarのHordeを思い出して貰えばわかりやすい。もしくはBorderlands。敵をバーっと倒したり、特定の地点を守るために寄ってくる敵をバーっと倒したりする感じです。4人Coopなので適度に砲台狙ったり、適度にデカい敵を足止めしたり、適度にその隙を狙って大技をブチかます感じです。

 体験版で最初に使える「レンジャー」はスキルが地味であり、ゲージを溜めた後のマルチロックオンミサイルがド派手。あとはいつものシューターよろしく手榴弾とマシンガンで始まります。が、レベルが上がると氷やらなんやらぶっ放す「ストーム」やガチムチの「コロッサス」、爆速の「インターセプター」が解除され、のたのた旧いシューターの動きをしている「レンジャー」が過去になります。なった。コロッサス楽しい。

 スキルも武器もゲージ溜め必殺技もPark(CoD用語)も全部ドロップ方式であり、それらを組み合わせて戦うCoopゲー。ですがなかなか1ミッションが長く、モンスターハンターの様に「周回する」のはあんまり捗らなさそうな気がしました。カスタマイズは楽しそうではあるのですが。

 

 ところで「Borderlands」でなく「地球防衛軍」と書いたのは理由があり、「同じミッションを何度もやって最後のレアドロ払い出しで一喜一憂するゲーム」「さっくり一回こっきりCoop」という点、そして「めっちゃ虫倒して攻略して最後の固いの倒して終了」というのが地球防衛軍を彷彿とさせたからです。

 しかし地球防衛軍と違うのは「小さなミッションがいっぱい」でなく、倒しては飛び倒しては飛びのミッションを終えてやっと抽選が行われること。ボス戦を数回やればわかりますが、ザコ敵は「回復アイテムをドロップするので仕方なく倒さなきゃならない」ものというゲーム内の役割。このゲーム、弾の補給のためにしぶしぶザコ敵潰さなきゃなんないんです。

 また武器のダメージ格差もなかなかであり、現状体験版で入手できる超強いスナイパーライフルが敵に1発で1万ダメージを叩き出している中、数十~数百ダメージの弾をブリブリしたり200ダメージぐらいで殴るのはは正直あんまり面白くありません。全部あなたがレア武器持ってないのが悪い。そういう所含めても「地球防衛軍」です。ライサンダーZが無いからお前は苦労するって事です。

 

 EAはあくまで「体験版ビルド」であり、武器バランスやプレイフィール含めて変わるとアナウンスしていますが、「レアドロ求めて敵倒したりダラダラ飛んだりして何度もミッションやる」という骨はそんな変わらないでしょう。ここはかなり好みが分かれるところだと思います。だらだらとした移動含めてちょっと旧世代の手触りが過ぎるように思えるのです。ご丁寧にキツいエリアをクリアすると宝箱が出て来て、それを割ると中からワッとレアアイテム(未鑑定)が出てくる。全部ミッションクリア後に鑑定。というのは「自由度!!!!!!!!!」というより、用意されたマップの上をこうやって辿って倒してきてねという旧来の「オンラインゲーム」の作りそのものだからです。しかも、移動は飛行なので操縦する必要あり。目的は小さなビーコンで示されるのみで、狭くて暗い洞窟でもトラッカー表示は無しと来ていますから、簡単に迷うことが出来ます。

 長い時間をかけて少しずつアップデートして行くことも予想は出来ますが、このまま二週間後のOrigin Access Premierの先行プレイを迎えて、体験版とさして変わらない状態であった場合、「飛び入りで介護プレイしながらだらだらレア武器探し」の地球防衛軍にソフト代1万円ポンと出せるかと言われると微妙なラインじゃないかなあ。と体験版時点では思うばかりです。

 

www.origin.com

 月額1600円、もしくは年額1万円払うとAnthem本編やBFV本編含めてまるっと遊び放題のOrigin Access Premierに加入すれば、限定版も通常版も買う必要なくAnthemを「パッケージ版発売日」に先駆けて遊ぶことが出来ます。

 Anthemのオンラインサービス代だと思って、Access Premierに加入し2ヶ月ぐらい遊ぶのが今の所おすすめです。1600円払うだけでAnthemもBFVもBurnout ParadiseもTitanfall2も全部本編どころかDLC全部入りで遊ぶことができますので。