ラブライブ!サンシャイン!!5話。中二病でもスクールアイドルがしたい!

ルビまる回、あまりの尊さに言葉が行方不明になってしまった。で、それに続いての5話である。花丸ちゃんルビィちゃん相手のときは受け受けしいのにヨハネ相手のときはジト目攻めなのなんなの?一年生トリオ美味しすぎる。まったくラブライブ!は今も昔も公式が最大手だぜ。

 さて、善子回である。5話は善子回であると同時に、ラッシャイ初のワチャワチャ回であった。未来ずら。未来ずらよ、ルビィちゃん。

浦の星堕天祭り

他人からの反応が欲しい!注目を集めるならこれだ!とラブライブ!2期6話を彷彿とさせる事を言い出したAqoursちゃんたち。幸運なことに部活アイドルだのKISSのコスプレだのをさせられずに済んだし、衣装についても大変かわいらしいゴスロリ風ということで変な方向に行かなくて本当に良かった。悲劇は二度と繰り返してはいけない(戒め)

ファイブマーメイドのくだりですっかり馴染んでいる梨子や、先輩たちの冗談に乗っかっていくルビまるを描くのも非常に良い。というかすっかり梨子が前作での海未役になっている。千歌の家でみんなで衣装を試着して騒ぐのも5人になったからこそのワチャワチャ感である。3人集まるどころか6人集まっても文殊陥落の様相。まあ結果から言えば一発限りで終わるのだが、それも彼女たちの踏み出した一歩のひとつであった。

前半のこのワチャワチャ感が「やってみたけど駄目だったよ」という善子のくすぶりと、気持ちのいい早朝ストレート猛ダッシュに繋がっていくのだからラッシャイはたまらない。

「いつか羽根が生えて」

そして津島善子自体の話をしよう。彼女の素晴らしいところは既にネットアイドルとして大成しているところである。ニコ生は大盛況な上に、ルビィがささっと検索して見つけられる程度には有名のようだ。1年の頃失敗し、そのあと2年間を薄暗いアイドル研究部の部室で過ごした音ノ木坂の妖怪とはえらい違いである。1年の1学期(動画の投稿時期から推測するに7月)にリカバー出来て良かった。ああ、本当に良かった。

で。

でだ。

善子は既に、ヨハネとして受け入れてくれる場所を見つけていた。カーテンを閉め切った部屋で、Webを通じて誰かと既に分かり合えていた。しかし、彼女はそれを続けることを良しとしない。「堕天使ヨハネとして振る舞う事」と同じように、「学校に行くふつうの女子高生になる事」も、彼女の立派なやりたいこと。

朝に登校して、
クラスメイトに挨拶して、
部活動に出て、
友達の家に行って、
誰かと一緒に何かをやる。
そんな当たり前が彼女のやりたい事だった。

善子の良いところは、周囲が若干引いていることにきちんと気付けるところだ。あれが教室で暴走する善子を花丸が止めて、「分からなかった」と部室で喚く展開だったら目も当てられなかった。そこら辺のバランス感覚が今作非常によろしい。善子は「何とかして!」と頼める誰かに女の子なのです。

何とかしようと頑張ってみた。頑張ってみるもそれはやっぱり付け焼き刃で、しまいには巻き込んだ皆まで一緒に怒られてしまう。「一緒にいたら迷惑がかかるから」と離れていく彼女を、Aqoursの皆は止める事が出来ないのでした。

 

いつか羽根が生えて、天に帰る。

それは実現し得ないと分かっていても、子供の頃の夢だったから。いつか本当にそうなると、信じていた夢だから。自分が普通の女の子だったとしても、それを信じていた事まで嘘にする必要はない。フェルトの羽根だったとしても、彼女は羽根を生やして確かに輝こうとしていた。そうやって輝きたかった事まで、嘘にして得る普通は本当に楽しいだろうか?

アイドルになりたかった。地味なままでいたくなかった。スクールアイドルが憧れだった。もっと上手にピアノを弾きたかった。音楽をここで終わらせたくなかった。スカートを履いてみたかった。自分も誰かとユニットを組んでみたかった。ラブソングを歌ってみたかった。仲間が欲しかった。

きっかけはちっぽけでも良い。ちょっと恥ずかしくなるような理由でもいい。確かに周りがちょっと引いちゃうような事なら自制して、はっちゃける時は思い切り堕天使をキメちゃえばいい。そうやって振る舞うのが最高に格好いいと思っているのなら、それを諦める必要なんかどこにもないのだ。リア充になりたいからって、羽根を捨てることなんてないのだ。

自分の好きを、迷わずに見せる。
それこそが学生たちの間で「スクールアイドル」がA-RISEとμ'sの後も脈々と続いてきた原動力だった。

一度は捨てた羽根を、千歌から受け取る善子。
微笑む彼女はもうひとりぼっちではないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 そしていつものように不穏なクリフハンガーで終わる第5話。
いつになったらマリィさんは参加するのやら…