2016年読んだレズ漫画列挙祭りはっじまっるよー!!
前置きは要らない。
『甘々と稲妻』がアニメ化した雨隠ギドの単行本。
表題作『終電にはかえします』はその一本前の作品から続く不良と勘違いされがちの長身イケメン後輩と主人公の話。高校卒業後のデートで「もうずっと私女子高生でいい。ツネ(後輩)といっしょにいる」って二人してわんわん泣く所がもうほんと好き。服が何故かおそろいになる幽霊少女と一緒に育ち、少しのすれ違いの後に泣きながら二人でウェディングドレスになるシーンが印象的な『永遠に少女』も絶品です。頼む~~~こういう単行本もう一冊出してくれ~~~
若干、各々が拗らせレズを炸裂させがちな短編集。
お気に入りは彼氏の出来た幼馴染との「友達」の距離から喧嘩しながら一歩踏み出す『あなたと彩る世界の色』ですね。女の子達が手を繋いで歩きだしたらそれだけで無敵なんですよ。ところどころで拗らせた挙句に罵倒するシーンがあるので苦手な人は注意。
「少女漫画」と「レディコミ」で分けるなら後者の短編集。
何かしらのドラマチックなやりとりをして感情がウワーっと盛り上がるような恋愛漫画……ではなく、とつとつとした会話の中でチリっとした火花が胸に散るような作風。連作『少女アソート』の女執事さんとお嬢様のかけあいが甘すぎずよろしい具合です。割とエモさに振り切ってるので苦手な人は苦手かもしれない。
子供時代に感銘を受けた漫画家の編集に抜擢されて喜んだのも束の間、その漫画家は年中パーカーでダサ眼鏡の引きこもりで。という話。新装版で追記された所でようやくカップルになるけれども、恐らく本来の部分だと「この関係は百合だ!本人たちが思ってなくても!」というシチュエーションだけ楽しまれていたであろう作品。ヒロインの黒井先生がドツボです。「作家が一人の読者の手紙に支えられた」系のお話が好きな人も是非。ちゅっちゅしません。しなかった(激怒)
しんどい恋愛の話描かせたらあんまり比肩する人の居ないシギサワカヤの短編集。前半は死ぬほど生き方が不器用な姉と、惚れた弱みだししょうがねえやっていう妹の各々の恋愛の話(絶品)で、後半が社会人百合の『Ending』という作品で構成されている。
『Ending』の「パートナーの両親が訪ねてくるもパートナーに直前にバックレられてしまい、面と向かって付き合っている事も何も言えず嘘を重ねていく主人公」のシーンがシギサワカヤ作品の中でもトップレベルのしんどさです。私達何を間違えたんだろうね。ラストページのモノローグで大泣きしました。是非。
表題作よりも連作の『私の好きなあの子の事』 が酷く刺さった作品。関係が変わっていくのは怖いけれども、嘘をついてそのままでいたり嘘で失うことのほうがもっと怖いよね。『たゆみなくいきよ』でもそうだけど、一回すれ違った後に大泣きしながら互いの心情を吐露されると僕の心の柔らかい所に強烈に刺さるからやめろ。やめないで。一個前の『誰にも言えない』もそうだけど、同性愛に対する他人の目が二人でいられない理由になり得るって作品のギミックとしてならまだ良いけど、現実でもこれに苦しむ人が居ることを考えると世の在り方にちょっと憂鬱になります。故郷である札幌が一歩踏み出すようでなにより。

ボウソウガールズテキモウソウレンアイテキステキプロジェクト(B・G・M・R・S・P): 1 (百合姫コミックス)
- 作者: 河合朗
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2014/04/18
- メディア: Kindle版
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Pixivで16ページで終わらせときゃいいのに。みたいな作品。
ちょっと萎びてきた人妻に思いのたけをぶつけてきたのは、なんと幼少時からよく知ってる娘の友だちだった。という「人妻×女子高生」百合。お母さんサイドの内心ぐつぐつ煮えている心を隠そうとしても、高鳴る胸を抑えきれない所が私に新たな地平を開きました。しかも幸か不幸かその娘もレズだったのですというオチまであって救いはないんですか!?是非。
なもり先生さァ…
俺さァ…
あんたちょっと恐ろしいくらげか何かだと思ってたんだよ…
あんたさァ…
恐ろしくいいレズ叩き付けてたんじゃねえか…
ありがとう…
ありがとうなもり先生…
犬系ドM少女×茶髪ロングドS少女の全力おバカコメディ。と見せかけて「相手がどうしたら喜ぶんだろう」に直球を叩き込んできたり二人なら無敵状態になったりシメに真っ当な愛の話をする傑作。あーッ!いけませんッ!茶髪ロングドSツンデレが今や珍しいぐらいにストレートにデレるシーンなんていけませんッ!ありがちな「それっぽい雰囲気にするだけしてくっつかずに終了」なんてこともせずにラストページは幸せなキスをして終了ッ!読後思わず叫びたくなる一冊に間違い無し。
恋する乙女は絶対無敵なんだけど相手がよりによって全然デレてくれない義理の妹なんだよなあって話。モロに長期連載の弊害が出てるというか、いらんところでハードルを置いてきてそれを若干雑に超えるのを何度もやられるとちょっと辛い。4巻のラスト「キスのおかわり」まで読んでもいいし読まなくても良い。これアニメにするってどうなってしまうんだ……早く修学旅行の話しろ……そこからアニメにしろ……どうなってもしらんぞ‥…
2017年も良き百合に出会えますように。