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『ドクター・ストレンジ』を公開初日に観たのでネタバレ込みでその話をしたい。

天才脳外科医が運転中のながらスマホで交通事故を起こしてさあ大変。手に11個もボルトを打ち込む事になっちゃって自分の名前も書けやしない!リハビリの最中にとある症例~背骨をバッキバキに骨折した人が失踪した後、下半身不随の筈が歩いていた~を耳にした元外科医は藁にもすがる思いでその男に会いに行く。すると紹介されたのはネパールの首都・カトマンズ。辺鄙な東南アジアでゴロツキにぼこぼこにされちゃうし、これから彼はどうなっちゃうの~~!?

 

という、ゆるふわっぽく書こうとしても割と可哀想な出で立ちなんだけれども何せその両腕になった理由がながらスマホなので擁護しようにも無理な男が主人公の映画。
『ドクター・ストレンジ』IMAX 3Dで観てまいりました。

思えば世の『シビル・ウォー』の熱狂にいてもたっても居られず、気づけばハルクとソーの映画以外本当に全部観てしまったのが去年のこと。一番のお気に入りは勿論『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』です。いやーMCU作品の1本目はいちいち外さねえなあと思っていたところ、ついに訪れましたIMAXで観られる最新作!!という2017年の1月でございます。

謎のケルトおばさんエイシェント・ワンが率いる魔術師集団に入り、メキメキと力を付けていくストレンジ。魔術描写は「オレンジ色の火花を散らしながらサークルや武器の輪郭がバシっと浮かび上がる」というもので、とにかくエフェクトがド派手。こういうエフェクト盛り盛りのアクション映画はIMAX 3Dで観ると大迫力でたまりません。

ストレンジが登場する度に身に付けている衣類=ランクが変わり、また持ち前の優れた頭脳で「常識を捨て、新たな理論を自らの中に構築していく」というのは現代が舞台でありながら異世界ものの状況を呈していきます。そしてある程度能力を手に入れ、時間に関する上位の魔導書に手を出した所で話がいっきに動きます。

序盤にも出てくるカエシリウスという†ダークディメンションのパワーに魅入られた魔術師†が、地球に設けられた3つの聖域を破壊して†ダークディメンション†の力を開放しようというのです。そんな魔術大戦に巻き込まれるのはゴメンだ、とストレンジが逃げようとした所で早速ロンドンの聖域がカエシリウスによって破壊。その衝撃で弾き飛ばされたストレンジはニューヨークの聖域まで行ってしまうのでした。

予告編で出てきた「複数人の魔術師がニューヨークをインセプションみたくべきべきに折り曲げて戦うシーン」はここ。細かく切るとニューヨークの聖域での最初の戦い、一度病院に運ばれて霊体での戦い、戻ってきて聖域での二度目の戦い、ミラーディメンション(現実に影響を及ぼさない領域。一部特撮で出てくる都合のいいアレ)のニューヨークでドンパチする戦い、そしてエイシェント・ワンとカエサリウスの対決と敗北へとつながっていきます。

 

もうね、このバトルが全部すごいの。アサシンクリードのアニムス内の描写とか、クウォンタムブレイクの時間が割れる描写とか、インセプションで夢の中で重力とか街の風景が大変なことになる描写とか、そういうの好きな人絶対に観に行って。観たかったものが観られる。武器をバッと召喚して戦ったり魔法のブーツで二段ジャンプしたりカプコンとかプラチナゲームズのアクションゲームかよって絵面を映画館で観られるからそういう人も観ろ。脳が情報を処理しきれなくなって圧倒されること間違いなしです。

 

さて、カエシリウスに負けたエイシェント・ワン。本日二度目の謎の急患が運び込まれるストレンジの勤め先(一回目はストレンジ本人)で緊急手術が行われます。が、エイシェント・ワンの直ぐに心停止。これは霊体で抜け出したなとストレンジが同じように霊体で追いかけて、「二人だけの時間」での会話が行われます。

ここもIMAX 3Dならではのポイントです。二人の霊体は半透明。だから背景の奥行きと半透明の霊体の奥行き、そして舞う雪や遠い空の雷が、静かなシーンなのにグッと圧倒してくるんです。最高か。

 

 

エイシェント・ワンとの別れ。そして残る最後の香港の聖域……という所で、話がちょっと失速します。クライマックスなのにって?クライマックスなのにですよ。何故って、香港の聖域はもうとっくにカエシリウスに滅ぼされて、香港がメキメキとダークディメンションに侵食されていたからです。

ここで「街の時間全てを戻す魔術」を使い、ヤクルトの看板(目立つ)を含め巻き戻ろうとする世界の中で更にカエシリウスと戦うというのはメチャメチャ格好いいです。スタンド使い達でさえ「止まった時の中」か「加速する時の中」で戦っていたのであって、「巻き戻る時間の中」での戦いはやりませんでした。この映画魔術だからってやりたい放題やり過ぎだろ…脳がパンクするわ…ありがとう…

で、ある程度の巻き戻しが終わったので仕切り直し。さあもっと熱いバトルが繰り広げられると思いきや、ドクター・ストレンジは開いてしまったダークディメンションへ単騎で飛んでいってしまいます。

 

ダークディメンションの奥にはドーマムゥという大変恐ろしいやつがおり、全てはこいつが出てくるのを防ごうというお話。そこに単騎で突撃して、かっこ良く戦、

 

あっ、やられた。

やられたと思ったら奥からもう一度ドクター・ストレンジが出てきた。

ドーマムゥがまた同じセリフを言おうとした所で……

ドーマムゥ「一体どういうことだコレは!?」

 

ドクター・ストレンジが使ったのは「タイム・ループ」の魔術。しかもタチの悪いことに、ドーマムゥには記憶が残るタイプのループです。そうだね。リンゴォ・ロードアゲインのマンダムだね。ドクター・ストレンジはこのドーマムゥに「無限コンティニューによる精神攻撃」を仕掛けたのでした。まさか2017年最初に観た新作映画の主人公が「暗黒次元の悪いヤツをリセマラで倒すわ」とか言い出すだなんて思ってもいなかった。ガチャは悪い文明だと思います。本当に。

 

そしてドーマムゥ、観客から観るとかなりあっさり目に根性負け。ダークディメンションに属した魔術師共々地球からサラっと居なくなり、香港はあっという間に元通りになるのでした。ドクター・ストレンジは魔術集団の長となり、アベンジャーズが物理的に戦う裏で異次元からの敵とたたかう道、医学とは別の「人の命を助ける道」を歩き始める…という所でエンドです。

 

ネタバレだと書いたにも関わらず本編見ずに記事を読んだ人は「オチ弱くない?」と思ったでしょうが、そうです。オチというか香港に入ってからが弱い。目の前の光景は凄いんだけど、やってることは「パパとママの敵討ちをおっ始めようとしてるから殴って止める」というシビル・ウォーとどっこいどっこいの可能性があります。

例えば『アントマン』。最終決戦では後戻り出来ない量子世界へ飛び込み、超格好良く生還します。模型の上で最高にバカバカしく、そして最強のパパが戦うクライマックスはMCUで僕が二番目に好きなシーンであります。

そして『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、この作品はザンダー星上空で主人公勢+ザンダー軍vsロナンの軍勢が小学五年生及びかつて小学五年生だった男の子なら咆哮すること間違い無しの大空中戦を繰り広げ、船内に突撃しロナンと決戦。グルートに守られながら船とともに地上へ落下し、主人公達は再び窮地に立たされます。そして最後の最後に一人じゃとても耐えられないインフィニティ・ストーンの力に、仲間と手を繋いで耐えきり「俺達は、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーだ!」とロナンを消し去るクライマックスが最高でした。大好きです。MCUで一番好きです。マジで。

 

それと比較すると、やはり「無限コンティニューアタックでラスボスを根性負けさせて追っ払いました」はちょっと弱いかなあというのが、正直なところでした。

 

例えばなんですが「今までとは常識の異なる世界で修行する」と言えば『バケモノの子』があります。メキメキと成長していくキュータこと蓮くんは、あっという間に17歳になってきました。それこそが彼の強さや成長を物語っていたわけですが、さて一体ドクター・ストレンジは何年修行して上り詰めたんでしょう?最初にアベンジャーズタワーがあったって事は修行はだいたい4年ぐらいって所ですかね…?

それと、何より「アガモットの瞳」(インフィニティストーンそのものです)に触れたり、時間操作を試みるのがまだソーサラースプリーム(至高の魔術師)にもなっていない未熟なドクター・ストレンジのいっかいこっきりというのが非常にもったいないです。どうせならカエシリウスが自爆して、扱うのに大変危険な力ぐらいやってもよかったように思うのです。上に書いたように、インフィニティ・ストーンの争奪戦やその力の行使で本当に生きるか死ぬかをやった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の後だとインフィニティストーン自体の扱い方が弱かったかもしれません。

 

いろいろ書きはしましたが、映像美は最高ですし何よりMCUの新たなヒーローであるドクター・ストレンジの誕生を見逃す理由はありません。いいか!もう一度言うぞ!

ドクター・ストレンジをIMAX 3Dで観ろ!
字幕は黄色いし3D深度や位置も調整されてるのか凄い読みやすかったぞ!