CoD厨とBF厨の為の今更人に聞けないHALO解説。

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HALO4である。
ついにHALO4である。僕達は10年の時を経て、またチーフに逢えるのだ。

と言うわけで今更HALO4からHALOやってみようかな。HALOって何なのよ。何で人気なんだよ。というミーハーな人々にこのHALO解説を贈る。

世界観説明 ~1のあらすじ紹介を兼ねて

HALOはSFものである。宇宙人連合「コヴナント」との戦争の最中、人類の切り札としていわゆる「超人計画」とか「スーパーソルジャー計画」で生み出されたスーパーマンであるマスターチーフが主人公。スーパーマン「スパルタン計画」で100人単位で製造され、彼らは一般兵士から「スパルタン」と呼ばれ尊敬されている。

スパルタンはミョルニルアーマーというバリア付きの最新鋭装備で身を固めており、一般兵士とは比べ物にならない強さを持っている。あんまりに強いので「スパルタンが戦闘中に死んだ」としても「スパルタンは死んでないよ、行方不明になっただけだよ」と発表するのが通例となっている。英雄は不死身でなくてはならないのだ。

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マスターチーフ宇宙人軍団「コヴナント」に乗っていた戦艦を襲われ、近くにあった謎の人工惑星HALOに不時着する。このHALO、外側は金属質なのに内側は山やら雲やら水やら大気やらがあって、環境は地球そのもの。
このHALO、実は巨大なパルス兵器で、起動すると銀河系の全生命体を消滅させるという非常に厄介な物。こんな物作った奴は何処に消えた?という疑問が当然起こるのだろうが、まずは話を続けよう。

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コヴナントは宗教上の理由(なんと物騒な!)でこのリングを何とか起動させようとするのだが、人間としてもそんな事をさせるわけにはいかない。話の通じない宇宙人を阻止するために人間達はこのHALOの上を右往左往することになる。業を煮やしたコヴナントはHALOで発掘した謎の生命体フラッドを対人兵器として使用するのだが、なんとこのフラッド人間だろうが宇宙人だろうが取りついて際限なく増えるゾンビウィルスのような生物だったから大変だ。

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人間vsエイリアンvsゾンビ、という混迷した状況でマスターチーフ「乗ってきた戦艦のエンジンを暴走させて大爆発させよう」と不時着した戦艦へ向かい、見事にそれを成し遂げる。HALOの発動による全生命体の消滅を免れたものの、生き延びたのはチーフ只一人。人類の長い長い戦いが幕を開けるのであった。 というのが1のストーリー。

このHALO、実は作ったのはフォアランナーという先史文明を持った存在で、しかも人類の祖先だったという。HALOを含めフォアランナーの遺跡は各所にあり、コヴナントはこれを解析して高度な技術力を手にしていたというわけだ。

こんな高度な文明を持ったフォアランナーがどうして居なくなったかと言うと、どうやらゾンビ生命体「フラッド」が余りに増えすぎたので、銀河系の生物すべてを消滅させるしかないと彼らは判断したらしい。らしい、と曖昧なのは実際に何が起こったかは3まででは明らかにされていないからだ。

作中では大まかに人類の武器が実弾武器。コヴナントの武器が光線銃と分けられている。もちろん技術力で人間を上回るコヴナントの光線銃は人類のライフルよりずっと威力があり、人類もコヴナントの武器を鹵獲して使っている。(ゲーム中ではバランス調整の為そこまで強力ではないが)

人類。
宇宙人の連合であるコヴナント。
ゾンビ生命体であるフラッド。
滅びた謎の超文明生命フォアランナー。
この4つの勢力を押さえておけばまずはOKだ。

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HALO2はコヴナントが地球に押し寄せてくるまでと、コヴナントの内乱である。コヴナント側にもアービターという第二の主人公が登場する。、チーフとアービターを交互に操作して、人類サイドとコヴナントサイドから地球侵攻が描かれる。エイリアン連合であるコヴナントにも権力争いという物があるのだ。

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HALO3。コヴナントの目的、それは全てのHALOの遠隔操作の可能な施設「アーク」へ繋がるワープ装置を発見することだった。フォアランナーの子孫である人類の母星「地球」を求めていたのはその為だったのだ。彼らはワープ装置を地球での発掘活動の果てに発見。コヴナントのワープを許してしまう。チーフはコヴナントを追い、アークへワープ移動。我々の住む銀河系から遥か遠くの地での最終決戦が始まる。

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HALO3の外伝であるODSTはHALO2のコヴナント侵攻作戦を一般兵士の視点で体験。スパルタンで無いただの兵士が、雨のニューモンバサで死闘を繰り広げる。

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HALO ReachではHALO1の前日譚である「惑星リーチの陥落」が舞台だ。
地球人類最後の軍事拠点植民惑星リーチのコヴナント侵略を、ノーブルチームというスパルタン6人部隊で戦い抜いていく。マスターチーフはこの「惑星リーチの陥落」を生き延びたスパルタン最後の生き残り、という設定で、HALO/Zeroとでも言うべきストーリーである。


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最新作のHALO4では、3の最終決戦後に宇宙を漂流していたチーフが謎の惑星「レクイエム」に降り立つ所から物語が始まる。同じように「レクイエム」に引き寄せられた人類最大の戦艦「インフィニティ」と共同して、謎の敵「プロメシアン」と戦うことになる。

HALOを廻るコヴナントとの大戦争にまつわる話は一区切りされているので、4から入っても大丈夫だ。何、スターウォーズだってエピソード4から始まったのだ。10年続く作品だからこそ、4から入っても面白いように作られている。まずは今を楽しもう。

もし今から1をやってみようと思う人は、リマスターのCEAがリリースされているのでそちらをプレイしよう。HALO1 HDと言っても差し支えない内容だ。

コンバット・エボルブ ~HALOの闘いの「進化」とは

CoDやBFの現実路線とは遠く離れ、プレイヤーは宇宙人と光線銃の撃ち合いをする。と書くと何が特長的なのか分からないので、もう少し実戦的に書いていこう。

このゲーム、敵も自分も基礎体力に加えてバリアであるシールドが身を守っている。
体力が0になると死ぬわけだが、まずはシールドを破壊しないと倒せない。しかもシールドは結構固く、実弾武器では壊しにくい。なので光線銃…プラズマ武器を使う必要がある。
このプラズマ武器で代表的なのがプラズマガン。これはチャージショットの出来るハンドガンで、しかもある程度敵を追尾する優れものだ。だが、弾速が遅く、チャージには時間がかかる。さらに使い捨て武器(非マガジン制)なので、撃ち所を考えなくてはいけない。

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敵を倒すときにはプラズマガンを撃つ事になる。が、一筋縄ではいかない。
このゲームの敵はなんとサイドステップやローリングで弾を避ける。避ける上に遮蔽物を利用して隠れたり、そこからグレネードを投げてくる。さらに盾を持った敵が前に出てきたり、特攻役がグレネードを両手に走り込んで来たりする。前に出たら敵もこちらにフルチャージしたプラズマガンを叩きこんでくるだろう。

このゲームは、パズル要素のあるアクションシューティングなのである。
HALOがスポーツ寄り、と言われる理由もこれで理解できただろう。

グレネードを投げて回避行動を取らせ、起き上がりの動きの遅い時にプラズマガンを撃ち込んだり。狙撃兵を片付けて雑魚を鹵獲したロングレンジライフルで一掃したり、プレイヤーには知恵が求められる。もちろん銃を撃つだけでなくソードで切りかかってくる奴もいれば、突進して肉弾戦を挑んでくる奴だっている。出てくるのは単体じゃなくいつだって複数だ。

一人で、時には友軍と共に活路を切り開いていくのがHALOの戦いである。

何処まで行っても悪い意味でBot撃ちのBFのシングルや、ガンシューティングの延長で「敵の頭をポンポン飛ばすゲーム」であるCoDとはこの時点で大きく違うのが分かるだろう。BFやCoDと違って、敵を数発撃てばそれで終わりじゃないのがミソである。比較する際に用いられる「敵が固い」とは即ち、「敵を倒す戦術が求められる」という事である。

なお、シールドを破壊されても一定時間何もダメージを受けなければシールドは自動回復する。死にかけでも体力さえ残っていれば、修復を待ってじわじわと攻めてもいいのはCoDやBFと同じだ。その代り、シールドを破壊された状態でヘッドショットされると即死である
如何にシールドを破壊してヘッドショットを叩きこむか。この流れを覚えなければコヴナントには勝てない。

プレイヤーはゲームを通してHALOに最適化されていくのだ。そしてこの動きが流れるように出来るようになったころには、シールドを破壊しなくてもヘッドショットで殺せるようなFPSでも十二分に戦えるようになっている。という寸法である。

逆に、CoDやBFからHALOを始めると「走って5発当てりゃいいんだろ?」という癖が抜けず突っ走って袋叩きに逢う事だろう。HALOは万人向けではあるが、決してヌルくはない。

モーショントラッカーの功績

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HALOのシステムで最も特徴的なのは、このモーショントラッカーだろう。
これは自分を中心とした一定範囲の動いているキャラを敵味方問わず映し出すもので、シングルプレイヤーでもマルチプレイヤーでも共通だ。

CoDやBF等で言う所のUAVとミニマップを兼ねた存在で、自分が物陰に隠れていても相手や味方の位置が分かるので次の一手が考えやすい。画面上にずっと表示されているので、赤に囲まれる=敵に囲まれてピンチだというのが視覚的に判別しやすくなっているのが特徴だ。

他のゲームではシングルプレイヤーにミニマップが無く、敵の位置も銃声を聴いたり弾丸の軌跡から読み取るほかないが、HALOでは常時SR-71が出っぱなしでスポットされっぱなしだと考えて良い。

ただし「しゃがみ移動している敵」「微動だにしない敵」は表示されない。「背後から近付く敵は分かるが、角待ちは分からない」と言えばよいだろうか。何にせよモーショントラッカーによる敵味方表示のお陰で、戦闘が発生しやすく、動きやすくなっている。

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シングルプレイヤーでコヴナントを相手に「シールド破壊」「ヘッドショット」「索敵」を学んだプレイヤーは、このままの感覚でマルチプレイヤーに参加出来る。「シングルプレイヤーでの行動が無駄にならない」というのは非常に大きい。

突出したら死ぬ、味方と行動しないと死ぬ、そういった事をゲーム側から教育してもらえる作品がHALOだ。「一杯殺すと褒美がもらえるよ」という作品はあるし、「死んだ数が多いと負けるよ」という作品もある。「じゃあどうしたら良かったの?」というのを遊んでいくうちに覚えられる作品は、中々見当たらない。HALOのシングルプレイヤーは、マルチプレイのチュートリアルとして十分に機能するのだ。

また、常時敵が表示されているという事で味方のUAVやスポットを待たなくていいのが大きい。対戦のマップはどれも適度に狭く多層構造であり、少し動けばトラッカーで敵を捕捉できる。なので戦闘の機会が増え、ゲームスピードを確保することが出来るのだ。敵がどこにいるのか判らぬ隠れんぼや、銃声の鳴らない試合ほどかったるいものも無い。モーショントラッカーはゲーム中では索敵装置として、プレイヤーに対しては戦闘行動を促進する装置として機能している。赤点へ向かってまずは走ればいいのだ。

マルチプレイ ~パーティゲームとしてのHALO
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「シールド破壊」「ヘッドショット」「モーショントラッカーによる索敵」がHALOの戦闘システムの特徴である。これに程よく狭いマップを組み合わせると、HALOのマルチプレイヤーの完成だ。1人では絶対に勝てないからこそ連携が重要になる。敵を分断したり、引き付けたりと多彩な戦術が産まれ、HALOの対戦を奥深いものにしていく。これがHALO人気の理由の一つだ。

また、HALOのマルチプレイヤーはパーティゲームにも適している。というのも、移動速度やシールドの回復速度、出現武器を弄ってお祭りっぽくすることもできる。例えばソードと斧のみで近接オンリー試合にしたり、ロケットランチャーとレーザー砲だけで一撃死の戦いにしたりと言った具合だ。面白かったルールは保存して、「おい、あのルールやろうぜ!」と呼び出すことも可能である。007ゴールデンアイで画面分割で対戦したあの頃のように、こうしたら面白い、ああしたら面白いと言い合えるわけだ。

マルチプレイヤーのモードも対戦だけじゃない。ゾンビモードに相当するファイアファイトや4人Coopの短編キャンペーンのスパルタンオプス、オブジェクトを配置しマップを作成するフォージ等モードも盛りだくさん。もちろん戦闘のログはシアターから閲覧可能だ。

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特にフォージは何もないプレーンな所から作る事も、既存のマップの改造も可能で、パーティプレイの時に自作のマップを持ち寄る事も可能である。フォージで作成されたマップはXBOX LIVEから検索・ダウンロードすることができ、オリジナルの対戦マップやHALOの過去作に収録されたマップの再現。別のゲームのマップの再現など多岐にわたるユーザーマップで遊ぶことができる。

また、このユーザーマップで好評だったものは公式認定を受けてランクマッチに登場することがある。PCゲームでいうMODの概念がHALOにはフォージの形で実装されている、と言って過言ではない。

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8人vs8人のビッグチームバトルでは銃と手榴弾による戦いだけでなく乗り物も搭乗・操縦可能。BFのような乗り物を使った闘いが始まる。操作感は共通したまま、多彩なバリエーションがあるのもHALOの魅力だ。他にもラグビーのようにボールを取り合って相手のゴールに叩き込むグリフボール、シールドの存在しないヘッドショット一撃のスワット、個人戦のランブルピット等がある。もちろんDomination(コンクエスト)もあるので安心していただきたい。

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バギーで走り回るためのレースコースをフォージで作り続ける人がいたって良い。HALOとはそういうゲームだ。


ようこそ、スパルタン。

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HALO3に続き、次の5年を遊べるタイトルになるであろうHALO4
CoDやBFしかしたことの無いあなたも、この秋リリースされる超大作を楽しんではどうだろう。HALO4から過去作品に手を伸ばすHALOフリークを一人でも増やせたなら、それは僕にとって幸せである。