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何故俺はFateのポケモンGOパロティアプリで三十路の男が手を振っているのを見かけただけで泣いたのか

TYPE-MOONのエイプリルフールのネタは毎年毎年手が込んでいることで有名です。

TYPE-MOON エイプリルフール企画 - TYPE-MOON Wiki

今年は何をやったかと言うと、最新のFateであるFate/Grand Orderに登場するサーヴァントたちをポケモンGO風にした、一日限りのパロディアプリが配信されました。

その名もFGOGOです。

www.fate-go.jp

↑4/2現在は残ってますが消えたらごめんなさい。

 

※この記事は『FGO』第一部、エピローグまでの内容を多分に含みます。ネタバレに耐えきれない人は今すぐブラウザを閉じましょう。

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内容といえばGOボタンを押して歩き、出てきたサーヴァントに聖晶石をぶつけてゲットするという大変単純な内容。とは言えサーヴァントの数が多いのでフルコンプに2時間ぐらいかかりました。
聖晶石は要するにゲーム中の通貨であり60個4800円ぐらいの品物。それをマシンガンのように打ち出して高嶺の花である激レアサーヴァントをGETするという狂気のアプリであった。あたまおかしい。

 

さて、そのFGOGOに4月1日23時、突然異変が起きます。突如データの更新が行われ、BGMがオルゴール調のものに変わり…

 

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アホ毛の立った、なんともすっきりしない、如何にもうだつの上がらなさそうな三十路が出てきました。彼の名は、ロマニ・アーキマン。人理継続保障機関カルデアに務めていた、どこにでもいる一人の人間でした。

 

でした。

 

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タップしても彼を捕まえることは出来ません。当然といえば当然です。このゲームはサーヴァントを集めるゲームであり、ロマニはただの人間ですから。

 

彼にまつわる話をしましょう。

ロマニ・アーキマンは、結論から言えばただの人間ではありませんでした。彼は元々『FGO』作中で行われた聖杯戦争で勝利し、「人間」になることを願ったサーヴァント「ソロモン」でした。「ソロモン」からただの人間になるその瞬間に、人類悪であるゲーティアの企みを知ってしまい、10年ずっと誰が敵かも分からず怯えながら生きてきた男でした。

ロマニは終局特異点で「ソロモン」に戻り、そして第一宝具である「訣別の時来たれり、其は世界を手放すもの(アルス・ノヴァ)」を使用しました。その効果は端的に言えば「ソロモン王の死」、究極の自爆宝具と言えます。自爆と言っても大爆発を起こすわけでも、四肢をバラバラにしながら矢を放つわけでもありません。彼が起点となり人類に広まっていった「魔術」や「ソロモン」という存在そのものが人類を害するようになった時、それを滅ぼせるようにしたフェイルセーフでした。

それを使用するということは、「ソロモン」としての存在も、「ロマニ・アーキマン」という存在も、消えてしまうことを意味します。そして彼が生前成し遂げた偉業すらも英霊の座から消え、もう誰も呼び出すことも、知ることも出来なくなってしまいます。それでも彼は、宝具を発動させたのです。

特異点Fから、終局特異点までの長い長い聖杯探索。2016年に完結したその物語の終わりに、ロマニ・アーキマンという男の姿はありませんでした。

 

さて、FGOGOの時間は2017年4月1日、エイプリルフールです。コフィンで眠りながら特異点を巡るように。カルデアから出ること無く世界を巡るように。プレイヤーはアプリの中で様々なサーヴァントと出会いました。そして23時、残り少ない時を惜しむようにアプリを立ち上げたプレイヤーの前に現れたのが、ロマニでした。

ロマニを捕まえることは出来ません。何故ならロマニは人間でしたから。サーヴァントのように足元に紋様は出ていませんし、それはアプリの正しい挙動です。

ソロモンは出てきません。何故ならソロモンは英霊の座から消去されてしまいましたから。例え流星の降る夜だったとしても、それはアプリの正しい挙動です。

 

彼は2017年のカルデアには居ないはずの存在です。その彼が、主人公に。そして、プレイヤーに向けて手を振っているのです。エイプリルフール。一日限りの、嘘の許される日に。

 

それはまるで、黒猫の使い魔の見せる夢のようでした。

それはまるで、タタリの引き起こした夏の夜のようでした。

それはまるで、終わらない聖杯戦争と約束の四日間のようでした。

 

さようなら、ロマニ・アーキマン。
さようなら、ドクター・ロマン。

僕は明日へ向かいます。