私事だが、今年ついにアラフォーになってしまった。
中学生の時へ札幌にADSLがやってきて、そこから様々なホスティングサービスを転々としながら書いているブログ的なものも20年以上経った。手打ちしたHTMLファイルをFFFTPにアップしなくて良い事以外、クソガキ根性はまるで変わらない。というわけで今年もたっぷりゲームをしたのでその話をしようと思う。
2023年ベストRPG:ファイナルファンタジー14
今年の1月から開始し、今年の8月までにモーエンツール全種作って満足して現在一時休止している。FF14は最高のRPGだ。
誤解されがちだが、FF14はラグナロクオンライン的な「MMORPG」でなく「最高の1本道RPG」である。これに「再プレイで可愛い/かっこいい服を狙うダンジョン」「8人で遊ぶマリオパーティ的ボス戦でワーキャーはしゃごう」「24人で絶叫アトラクションを遊ぼう」と3種類のバトルコンテンツがあり、ここで明確に他人と関わる必要がある。無言で淡々と遊んで居ても良いし、ロールプレイとしてチャットで話しても良いし、通話を開いて毎日楽しく遊んでも良い。遊び方というよりは”遊ばれ方”が自由なゲームだ。
その中で私は緑肌の巨漢として、時に剣を振るい冒険者の盾となり、時にフライパンを振るい新たな冒険に向かう人々の飯を作り、時に斧を振るい数分しかマップに出てこない木を切って市場に流し、時に釣り糸を垂らしては20秒待ってエビを捕まえてビリヤニを作ったりした。その全てが、誰かと共にあった。一人で出来るゲームでありながら、その遊びは画面の向こうの誰かと共にある。
誰かと遊ぶ事は時に楽しく、そして時に不和を生んだ。物語の登場人物と同じように、方向性やその在り方で出会いと別れがあった。それでも私は、本当にこのゲームを遊んで良かったと思う。
また、このゲームの非常に良かった所は「特定の何かを手に入れてそれでなんたらを掘って」というステータス圧が超特定エンドコンテンツ以外無かったところだ。ざっくり言うと4ヶ月おきにアップデートが来て、何をどう必死に装備を整えた所で次のアップデートが来たらそれより遥かに強い装備が手軽に買えるし何なら無料で拾える。だからそれ以外の事に必死になって、のんべんだらりと遊んで良い。あのボスの剣が欲しい。見た目で。あのダンジョンの胴装備が欲しい。見た目で。そういう”進行上やらなくても全然良いし、手に入っても嬉しいだけ。でも手に入ったらちょっと嬉しい…”でFF14のコンテンツは満ちているし、プレイする人々の意欲も満ちている。
おかげさまでソーシャルゲームデトックスも進んだ。「欲しい物を定め、欲しさに周回し、手に入れたものを装備して見せびらかす」という人類の本能的欲求をFF14は全て叶える作りをしている。無味乾燥な義務デイリーもピックアップ目的のガチャもやらなくても、それに対しての幸福感そのものが得られているのでわざわざ他のことをしなくても良くなった。特定のコンテンツの為に引いたり限界突破する必要も無い。ただただ、楽しかったゲームだ。もし未プレイなら迷わずやってみて欲しい。最高のRPGだから。
2023年ベストキムタク:ジャッジアイズ/ロストジャッジメント
8月、11月に2作品連続でプレイした。
2001年に放送された「HERO」という月9ドラマをご存知だろうか。飄々とした久利生検事が様々な事件を型破りな捜査で鮮やかに解決していく名作である。本作はそのHEROを検事でなく「元弁護士の探偵」に置換し、神室町で起きた殺人事件に端を発する巨大な陰謀に立ち向かう作品だ。
物語の出来も白眉なら、その語り方も素晴らしい。キムタクが弁護士を辞めるに至った事件、神室町で起きた殺人事件、キムタクが弁護士を志すことになった事件…と複数の事件が、複雑に絡み合う。検事でも弁護士でも無い「探偵」だからこそ、その「真実」を明らかにしていく。そして検事でも弁護士でも無い「探偵」だからこそ、チンピラもヤクザも警察官も殴って良い。
これは決して誇張や箇条書きマジックでなく、誰かに害をなして金や尊厳を奪おうとする人間に立ち向かう街のヒーローの役も出来れば、巨大な陰謀の走狗と化した国家公務員を倒してでも真実に向かうゲームだと物語の側からもシステムの側からも突き上げている事を意味する。
そしてその結果、プレイヤーは例外なく「最高に格好いいキムタク」になると共に「キムタクは最高に格好いい」事を思い知らされる。他人に紹介するときは「キムタクが如く」と若干おちゃらけてこのゲームを言うが、誰もがこのゲームに向き合う時、主人公のことをこう呼ぶのだ。
「八神先生」と。
2023年ベスト巨大感情:龍が如く極2
幸せならいいのさ かまわねえさ
苦しみよぅ 憎しみよぅ ドンと来い!
幸せなら 幸せなら 幸せならいいさ
だからねぇ その涙拭きなよ Wow……幸せならいいのさ かまわねえさ
せっかくのベッピンが 台無しやでぇ
幸せなら 幸せなら 俺はかまわねえ!
何度だって何にだって 祈ろう
I LOVE YOU I LOVE YOU
忘れないでよなんて言わねえさ
I LOVE YOU I LOVE YOU
それで明日も君が幸せならいつまでも君が幸せなら
2023年ベスト裁判:大逆転裁判
大逆転裁判という作品は、人類がついにたどり着いた「アドベンチャーゲーム」の最高傑作と言って過言ではない。完璧な劇伴、完璧なシナリオ、そして「プレイヤーが閃いてくれる事を完璧に信じた」裁判パート。およそサスペンスや探偵もの、そして20年に渡り世界が愛した「逆転」を超えた「大逆転」が待っている。
少しばかりくどい部分と、分割に至ってしまった事により失われた部分が確かにある。殺人事件を暴いての逆転について、特に「1」を構成する部分は終始モヤっとしているし、2に至るまでそれは解決されない。だが1&2がリリースされた今は違う。物語は1&2という一纏まりとなり、そして1を終えた数秒後には2の世界へと飛び込める。
「何を言ってもネタバレになる」などという女々しい理由で濁しているのでない。探偵パートを丹念に遊んだからこそ繋がっていく法廷パート、名探偵が「名探偵」たる理由を思い知る推理パート、一種悪しき伝統と成ってしまったイタコ要素の排除、サイコ・ロックによる時間稼ぎ、数行では終わらない「ゆさぶる」での会話の広がり、その全てが渾然一体となり史上最高傑作になっているからこそ、この体験の前に語る言葉は意味を持たないからだ。
是非、遊んで欲しい。
「逆転裁判」の、そしてアドベンチャーゲームの史上最高傑作を。
2023年ベストレトロフューチャー:サイバーパンク2077
サイバーパンク2077の意欲的なアップデートは、只でさえ面白かった発売当初から「史上最高に面白く、そしてクラシックなサイバーパンク」にゲームを引き上げた。DLCは単体でもピリっと面白いアクションRPGにも関わらずハクスラとしてのサイバーパンク2077を加速させ、ドンパチに豪華な報酬を与えた。そして「劇場版サイバーパンク2077」としてのシナリオは、最早その選択そのものが与えられなかった時代の事を考えられないほどの深みを与えた。「ロールプレイングゲーム」と一息で言うRPGでなく。「ロール」を「プレイング」する「ゲーム」として、今年サイバーパンク2077はついに完成したのだから、その事を書かないというのは今年そのものを嘘にしてしまう。
ナイトシティ。いつかもう一度会おう。その夢の街で。
2023年ベストモストアルティメイタムハイスピードロボットアクションサイエンスフィクションロマンティックエバーオブフェイムオールタイムベスト:ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON
夢に見た。
懐かしんでいた。
いつか遊びたかった。
誰も遊んだことのない。
誰も予想だにしなかった。
ロボットアクションIPのリブートにして
20年に1本の史上最高傑作。アーマードコア6。
それは確かにリリースされ、そして最高に面白かった。作品としての出来がどうこうなど、最早語る必要も無いのかも知れない。だから何度でも言うべきは。多くてもきっと二言だけなんだ。
面白かった。
ありがとう。
2023年の終わりに。
友人が一人亡くなり、彼とゲームの話をすることはもう叶わなくなってしまった。それとは関係なく2023年は勝手に暮れていくし、気付けば今日は大晦日だ。
それでもさ、もう一度ボヤキでいいから聞きたいなと思うんだよな。だってあんたからまだサイバーパンク2077のDLCのクリア報告、聞けてないんだからさ。