サイバーパンク2077 2.0 新生ナイトシティ+仮初めの自由/そして夢の街は永遠の輝きを放った

2年経っても俺はジャッキーを救うことが出来なかった。

 発売当初に書き、そして未だに超えるものが存在しない「日本語で記述されたサイバーパンク2077記事の中で最も正確かつ公平でエモーショナルな記事」はこちら。他のブン屋や聞きかじりで適当なことを抜かすYoutuberの言葉なんざ耳を傾ける価値もない。俺の記事を観ろ。

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 というわけで2年半ぶりのサイバーパンク2077の記事だ。この2年間の間にナイトシティでは何が起きたかと言うと、トリガーとタッグを組んでクッソ最高なアニメが出た。
詳細は省くが、ダウナーな悠木碧にKENNが引っかかってヒュッケバインガンナーになってアラサカ本社から吹っ飛んで死ぬアニメだ。クッソ最高なので2周は見るように。

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 書き出すと1万文字は余裕で書けるので書かない。書かないがクッソ最高のアニメだ。

 そしてアニメとコレまでの不平不満、ビデオゲームの積み重ねてきたハクスラやクラフトへのアップデートを詰め込んだバージョン2.0が23年9月に配信された。更に大型追加コンテンツ「仮初めの自由」も販売開始した。今回はエッジランナーズを2周観た上で2年半ぶりに訪れたナイトシティについて、話をしに来た。良いから聞け、チューマ。

  • 5種の能力値、5種の行動値、レベルキャップ60、無数のパーク
     複雑に絡み合っていた能力値とパークは完全にリセット・リワークされた。
    「近接なら反応」「アサルトライフルなら肉体」のようにバキっと割り振りが直されている。何も考えず「これ強いからこれもっと強くしよう」と値を伸ばして良くなった。レベルキャップが60まで拡張された事により、20まで伸ばせるのは3つ。ちょっと伸ばすものが1つ、捨てるものが1つとなった。
     能力値に内蔵されたパークも全て3本の柱にリワークされており、投げナイフルートは要らないとかスマート系は要らないとか、能力値内のどの柱を伸ばすかだけ考えれば良い。後述の通りクラフトが補助枠に落ちたので、バトルに関係ない所で嫌々ポイントを使わされる事が無くなった。
  • クラフトが育成中の補助枠に落ち、分解はアップグレードの種となった。
     クラフト素材の店売りが無い。設計図もクラフト部材を使えば店売りより安く作れる程度の立ち位置になった。分解して入手した素材は手持ち武器や手持ちサイバーウェアを育てる為に使う。金で高額な武器やクロームを買うか、それともバトルで手に入れた物をバラして手持ちのクロームを育てていくか、それを選ぶことが出来る。
     発売当初の場合は雑魚を殺す事に少しずつ価値が無くなっていったが、育てる要因として観てもいいし、別件として「武器の売価がめちゃくちゃ高くなった」のでバトル=素材&お金獲得の場としっかり仕切り直しされた。

  • ハクスラ要素の超スーパーテコ入れ
     サイバーウェア、武器、クイックハック、アパレル、それら全てがバトルや探索中に超イイドロップとして手に入るようになった。だから筋肉ダルマも路地裏ギャングもぶっ殺して剥ぎ取る。激レアなクローム見つけたらリパードクに持って言って自分の身体にブチ込んでもいいし、換金してもいい。何?敵をぶっ殺して背骨にぶっこむのが出たけどなんか抵抗があるって?まあいいじゃねえか。デイヴィッドもそうやってサンデヴィスタンぶっ込んでたんだからよ。

  • 回復とグレネードの時間リチャージ制度化
     無制限に回復し無制限に物を投げる事はなくなった。もうゴリ押しは出来ない。ダメージを食らいすぎればあっという間に死ぬ。ここに「体力を消費してまで更にハッキングをブーストさせる」等の新パークが絡めばどうなると思う?鎮静剤や血液パックを胸にガァン!して敵陣に突っ込んで皆殺しにするエッジランナーの誕生だ。

 大きな変更点としてはこんなもんだ。


 RPGとして、ハクスラとして、遊びやすく、そして全てのバトルに報酬が与えられるようになった。物語としての面白さは既に完成していた為に、バトルまで極まってしまった。つまりどういう事かというとだ。

 ロールを、
 プレイングする、
 ゲームとして最高のゲームになっちまったって事だ。

 ハクスラ部分の面白さは終盤だけでなく序盤からずっとついて回る。成長し切るまで、最適解を引くまで、ナイトシティは夢を見せてくれるだろう。

 

 ミッションとしての追加はACT2かつヴードゥーとの決着が一度つくまでは無く、仮初めの自由だけがやりたい場合はそこまでスキップしたデータでスタートできるようゲーム側でも強くてニューゲームが用意された。が、最初からめっちゃ楽しいので個人的にはやり直しでプレイしてほしい。ジャッキーがいなくなるまで、5周目なのに24時間楽しく遊んでしまった私が言うのだから間違いない。信じろ。

 また、「仮初めの自由」のメインジョブは本編にも結構影響を及ぼしており、仮初めの自由を遊んでおくと会話の選択肢がそこここに増える。「仮初めの自由」は結末にこそ大きく影響しないものの、ちょくちょくクリア後も本編の合間にクエストやキャラの連絡が挟まる事があるので、物凄く出来の良い劇場版として楽しんでほしい。買って損はしない。断言しよう。

 また、上記の育成・成長・上昇部分には書いていないが2.0より敵の強さや攻撃の多彩さが自分のレベルに比例するようになった。FF8やベセスダのゲームみたいなものだ。エリアや挑む相手に対して「レベルが足りないから」と足踏みすることは基本的に無い。しかしレベルが上がると取れる対策がうじゃうじゃ増えるので簡単になる。しかしてリチャージ制度になった回復のお陰で「楽勝」ではない。ここの塩梅が絶妙。以前は敵のアイテムもグレードが低いなら入手しないのが正解ですらあったが、敵の武器やサイバーウェアやクイックハックや服を剥ぎ取って全部換金するのが「バトル報酬」として機能しているので心置きなく剥ぎ取ると良い。何してもナイトシティは褒めてくれる。

仮初めの自由の追加要素1点だけ(ネタバレ無し)

 仮初の自由を購入するとパシフィカに「ドッグタウン」という追加エリアへの新入荷が可能となり、10個の新規ミッションにこれまた膨大な追加要素、そして頭が焼けるほど面白い追加メインクエストが食えるようになる。正直メインクエストにメタルギアソリッドを絡めて話すだけでこれまた記事が1本かけてしまうので割愛して、バトル面の話だけに留めたい。

 ドッグタウンを歩いていると、突然輸送機がクソデカいコンテナを落としてくる。コンテナの中には最高級のクロームや銃がぎっしりだ。しかしタダでは手に入らず、コンテナを巡っての大乱戦が繰り広げられる。そこに飛び込んで皆殺しにしてコンテナの中身をゲットし、ついでに死体漁りでも銃とクロームをゲットだ。これが幾らでも楽しめる。

 

 繰り返し遊べる懐の広さが更に広くなり、ビルドもハクスラもバキっと整理して面白くなった。2年見送ったサイバーパンク2077を遊ぶなら今しかないし、2年前に訪れたナイトシティにもう一度行くなら今がちょうどいい頃だろう。ナイトシティに行け。全員。できればエッジランナーズを観ろ。見るんだ。

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 サイバーパンク2077 2.0+仮初めの自由は旧世代向けには配信されていない。が、こんな記事を目にするやつが持ってないわけねえよな。

 ナイトシティ向けのクロームをよ!

 

 

追記:
 つい先日。本ゲームの愛好者の1人であった友人が、2.0+仮初めの自由をインストールし、それを楽しみ切る前に亡くなった。彼は私がGOGと格闘して無事インストールした情報を「助かった」と言っていて、本当に本作の刷新を楽しみにしていた男だった。

 ナイトシティに来る度に、きっとその男の事を思い出すだろう。
 アフターライフに彼のカクテルは無くとも、きっと思い出す。
 寂しくなるな。チューマ。