サイバーエージェントの「有料アプリプレゼント」について


//Amebaアプリチャンス
http://appchance.ameba.jp/
//ギフトアプリ
http://giftapp.jp/
//FreeAppNow
http://www.freeappnow-web.com/
//App Store - FreeAppNow
http://itunes.apple.com/jp/app/id416698495
//App Store - 今だけ!無料アプリ
http://itunes.apple.com/jp/app/id452175154?mt=8

ずらっとWebサイト3つ、アプリ2つを挙げた。これらはサイバーエージェント(以下 CA)およびそのグループ企業の「有料アプリプレゼント」サービスを提供するものだ。
こういうサービスである。

  • 本日は午後五時から応募開始
  • カードゲームアプリ「UNO」 85円が無料
  • 先着30000名にプレゼント。72時間以内に28000人の応募が条件です
  • アプリプレゼントの応募には以下のアプリのDLが必須です
    GREE 海賊王国コロンブス
    GREE 探検ドリランド
  • DL後、各アプリを起動してください。確認を行うと応募が可能になります

アプリプレゼントの仕組み

仕組みはこうだ。
まず利用者には「今回のプレゼントアプリはこれ!」という通知がメールなりなんなりで知らせが来る。プレゼントアプリは85円の物から600円1200円するようなアプリまで、機能もゲームからカレンダーまで多種多様な物が選ばれる。

これらのプレゼント用のアプリはCAとは関係なく、その時節に話題のアプリや人気のアプリが選ばれると思っていい。利用者はプレゼントに応募するために、提供者側から提示された無料アプリをDLし、それを起動しなければならない。

アプリをDLし起動してから「有料アプリプレゼント」にアクセスしなおすと、プレゼントに応募が出来るようになる。これらの応募に限りがあり、5000人だとか、1万人だとか、上限に達した時点でプレゼントは終了。利用者にはiTunesのギフトコードが配られ、有料アプリのDLを行うことが出来るというわけだ。なお応募者数が少ないまま24時間~72時間の制限時間が過ぎてしまうとアプリのプレゼントは行われない。

アプリプレゼントの意図

この「有料アプリプレゼント」、アプリの応募者数=無料アプリのDL数なので相当数のアプリがDLされる。相当数のDLが短期間に行われるので、AppStoreの無料カテゴリのトップ25でもかなりの上位に来る。という訳でこのアプリプレゼントは「無料アプリのDL数」および「無料カテゴリでの上位」を商売にしていると思われる。

「数十万アプリが公式のマーケットプレイスで配信中」というのがAppStoreに限らずスマートフォンプラットフォームの売りの一つであるが、その膨大なアプリの中でも話題を集めるのは極少数。それは個人製作のアプリでも大企業でのアプリも変わらない。

基本無料のアプリの直接のDL数と無料カテゴリのランキングの上位ランクインを約束してくれるとあれば配信側も利用しない手は無い。ユーザ側も話題のアプリがタダで貰えるとなれば無料アプリのDLを躊躇わないし、制限時間までに応募が少なかった場合はプレゼントが貰えないとなると口コミで「こんなプレゼントやってるよ!」と宣伝してくれるので確実性が高くなる。なかなか上手い商売だなあと思わされた。

「今、話題の」という称号が製造される最前線

という事を分かった上でこのサービスにかかるアプリの料金を考えてみると、上のUNOの例なら 85円 * 30000人 = 255万円なり。儲かってるなあ。GREEGREE以外にもレストラン経営モノだとか、街作りモノだとか、CAのinstagramもどきだとか、メダルプッシャーだとか、時には「高齢者向けの揚げものゲーム」なんて物もDLさせられることがある。

CAの就活ニュースアプリに至っては上記のサービスの内2つを使って5万DLを稼いでいるのだから面白い。企業が何のアプリに火をつけたいのかが消費者の目にはっきり見えるのを楽しむのも、この手のサービスの楽しみ方の一つかもしれない。

なおこれらのサービスはプレゼント以外にも「無料アプリの広告」を行っていたりする。DL数を約束しないにしろ、宣伝にも使えるよといったところか。時折テーマを設定して無料アプリ特集をやっていたりするので、単にプレゼントの応募の機会以外にもサービスを利用してもらえるようにポータルサイト化していたりするのもポイントだ。

とまあ長々と書いてきたが、ランキング工作はこのようにして行われるという一例がこれである。健全かどうかは知らないが、そういうサービスもあるのだ。

ところで「同機能のアプリをばら撒かれては困る」っていうのを避けるために子会社に別々にアプリ配信させてるのっていいんですかね。レビュー欄に「freeappnowのパクリ!」とか喚いてる人も出ちゃってるし。