ガールズアンドパンツァー劇場版見てきたけど大まか最高だったよ。なお未見には配慮しない記事だよ。

昨年、大きな悲劇が私を襲った。

私が東京に越して職を得てまで最速で観たかったラブライブ!の2期が、悲惨極まりない最期を遂げたのである。

安直なレズ、招致されたファッションショーを一年生にハッパをかけるために利用し半ば騙し討ちで衣装とポジションを押し付ける深刻なモラル低下、一期からのラスボスでありスクールアイドル計画のきっかけにもなったA-RISEが雪中行軍するレズパワーに負け画面外で敗退。そして卒業を担保にした「最後まで駆け抜けるよ!」という全ての物語をコケにする終幕。

私は、ありとあらゆるフィクションを一ヶ月全く受け入れることが出来なくなった。

ある日、NHKで流れていた初代ゴジラを真っ暗な部屋でぼーっと見ていると、ぽろぽろと涙が溢れてくることがあった。

ああ、ゴジラがどんなに恐ろしいのか人々が話している。ゴジラの足元で列車事故が起き、人が潰れ、母親を失った子供が泣いている。ラブライブ!に必要なのはこれだったのだ。アイドルという輝きを見て、影響を受ける人々を描くことが必要だったのだ。身内でなくμ'sを応援する人々が必要だったのだ。最後のアンコールだけでなく、サイトにアップした動画のコメントだけでなく、あの子達が活動した結果として変えられていく人々が必要だったのだ。

そんな時、半ば廃人と化した僕に、同居人がショック療法として施したのが「ガールドアンドパンツァー 一挙視聴(含むアンツィオ戦)」であった。

その結果、私は見事に立ち直る事に成功した。ガールドアンドパンツァーには仲間があって、ライバルがあって、その時その時の戦いと葛藤があって、そして大洗の皆さんがいた。ありがとうガルパン。ありがとうSHIROBAKOに出てくる方の水島さん。ありがとう戦車。

そんなわけでガルパンの映画というのは、私にとって命の恩人の晴れ舞台のようなものだったのだ。

そしてその晴れ舞台は、とてもとても立派なものであった。

エキシビジョンとオールスター

さてガルパンの劇場版は大体3つのパートに分けられる。

序盤の大洗市街地を舞台にしたエキシビジョンマッチ。
中盤の廃校と大学選抜選手との試合の設定。
終盤というか後半まるまんまのオール高校生vs大学軍団(捻れない)である。

序盤、というか開幕30秒からいきなり戦車戦が食える。それもガンダムオリジン1話のようなゲッター挙動で何かスッキリしないシャアザクを見せられたあれではなく、黒森峰戦に匹敵するガチバトルである。

もう私としては大好きなプラウダの面々が早速出てきた時点でウキウキだ。当然(?)大洗の街はめちゃめちゃに壊れるし戦車は最終話の比でないドリフトしまくりである。はい、もう観たかった奴。完全に観たかった奴。大洗女子学園チームの面々はどこかの描写が物足りない感は全くなく、もう全員主役級の扱い。最高。

このままでは戦車戦に対して「最高かよ」しか言わなくなりそうだし事実7割戦車戦(最高かよ)で占められたアニメでしかも無駄なところが何一つない(映画パンフレットより)(最高かよ)作品なので、もういつものスタンスはやめだやめ。

なんやかんやあって役人が大洗女子を潰そうとする所で戦車道サイドが「言質とったからな吐いたツバぁ飲めんのじゃぞワレぇ」とやるところは痛快の一言である。ところで島田流ってやっぱりフミカネなんですかね。ラブライブ!はアイドルになってしまった子たちが「そう在ってくれ」と願われるも人々に後を託す話で、ガルパンは「そう在れ!」と人々に願われ輪が繋がって無限軌道がキュラキュラと動くような話でした。同じオールスターでもちょっと違いましたね。

そう。オールスター。
全員が同じ制服でやってくるの何なんだ。最高かよ。「全員が転校してくれば同じチームが組める」って誰もが一度考えるとは思うけど本当にやるやつがあるか。くそっ。試合中はみんないつもの服になるから本当にあの時しか見られないんだっ。もう一度見に行きてえ。今度は立川で見るぞ。

ドリフト、ジャンプ、潜伏、水中、包囲、パンジャンドラム。もう劇場版ガルパンの終盤は文字でどうこうするものじゃない。文字通りジェットコースターのように滑り降り、観覧車のカンちゃんがカンちゃんドラムとして大地を駆ける最高のアトラクションムービーである。

特にプラウダのお前ら!カチューシャ生かすために散って行くあの感じ試合とは分かっていても悲壮感めっちゃよかったぞ!!ねえノンナさん!!!ねえ!!!

あとさり気に休み中の筋トレで大幅強化を果たしたネトゲチームことアリクイさんチーム……見せ場めっちゃバッチリ貰えてよかったね……良かった……!!

いかん。完全に1パラグラフ毎にスクショを貼りながら書くタイプの記事になってきた。もう遅い。とにかく、だ。劇場版ガールドアンドパンツァーは姉が妹の背中を押して、妹がカッ飛ぶ名作です。是非劇場で観てください。ありがとうガルパン。次は立川で観るぞ!パンツァー フォー!


追記。

最終決戦で最早キャラの台詞とBGMすら廃し、「死闘」と呼ぶにふさわしい戦いを描いた事には賛否両論あるかもしれません。

が、私はあの描写を断固支持します。あの時あの瞬間、私は手に汗を握り、映画の観客ではなく大洗女子を応援する人々の一人となっていたのです。

すこしよれよれになった半券ですら、まるで戦友のように感じられる映画でした。ありがとうガルパン。本当に、本当にありがとう。