AnthemやりたさにOrigin Access Premierに加入したわけだが、バトルフィールド5(以下BFV)も製品版にフルアクセス出来たので数日がっつり遊んでみた。
私はBF1942のシークレット・ウェポン(拡張パック第二弾)の体験版を某画像投稿掲示板の人々とネット対戦し、そこからWWⅡアンソロジー(1942の全部入り版)を購入して以来のBFファンである。家庭版からのBFしか知らない人にざっくり説明すると、かつてのBFは移動できる戦艦に複数人乗り込んで島に艦砲射撃したり、潜水艦でその戦艦を攻撃したり、戦闘機をビュンビュン飛ばせる空母まで操縦出来たりと本当に何でもありのゲームだった。しまいにはジェットパックを背負って飛んだりするのだからたまらない。スプラトゥーンの10年以上前に、プレイヤーはジェットパックで飛んで対戦していたのである。
さて、BFVの話に移ろう。
BFVは相変わらずの分隊システムとアンロックまみれの装備で64人対戦をするゲームである。チームデスマッチや小型のコンクエスト(別ゲームではドミネーションや制圧と言われるルール)も遊べるが、大人数対戦であればコンクエストやブレイクスルーというルールが標準となる。
このうちコンクエストはマップ上にある複数の地点を制圧数を競う。制圧数に応じてチケット(チームの体力ゲージ)の減少スピードが異なり、チケットが0になった方の負け。ブレイクスルーはバトルフィールドバッドカンパニー(BFBC)のラッシュルールをそのまま制圧に置き換えたようなもので、最初に設定された2地点を攻撃側が制圧すると戦局が変化し、更に奥側の2地点を制圧…という形で数フェイズの制圧戦となっている。
が。
マップの作りが全てをぐだぐだにする。
概ね、防衛側には土嚢や固定機銃があり、突っ込むと死ぬ。いやまあ問題はそこではない。銃を撃つゲームで死ぬともう一度遊べるようになるまで時間がかかる。即復活されても困るので一度死ぬと十秒以上の待機時間が設定される。第一突っ込んでいって死ぬのは面白くない。じゃあ何するの。芋虫でしょ。なにせめちゃくちゃ射線通ってるし。
そんな感じでBFVのマップは本来戦闘にあまり関わらない死に箇所まで非常に広く侵入可能になってしまっている。射線が通り過ぎる事も相まって、岩肌からスコープのキラキラが4つも5つもこちらを見ている事も珍しくない。仕方ないだろう、防衛側が強すぎるし復活して数秒で死ぬとか面白くないんだから。
しかもコンクエストだと旗と旗の間隔が広く、また一部マップでは建物があることも相まって戦闘が散発的になりやすい。BF2のカルカンド、BF1のモンテグラッパの様に細長いわけでもなく、また拠点間の繋がりが無いためゲリラ戦に陥りやすい。全面戦争と言うよりはマップの複雑なコールオブデューティという味付けになってしまっている。BFっぽい戦いが出来たのはTWISTED STEELのB-E間の橋の上ぐらいじゃなかろうか。本当に。
マップの限られた地点で戦うブレイクスルーはどうかと言うと更に悪くなり、攻め側に戦車の無いマップで攻め側が勝つことは数日のプレイ期間中ほぼゼロだったと言っていい。姿を晒して敵を発見し立った状態から狙うのと、待って既に狙っている状態ではどちらが有利かは明白であろう。浸透戦術を仕掛けようにも回り込む事すら困難であるからだ。攻め側に関わらず進軍せずスナイパーだらけになった事に飽きた防衛側が進入禁止ラインを無視して10秒走って芋虫を殺しにいっては自殺扱いになるのはよくある光景である。
HAMADAとPANZERSTOMEと雪のマップ2つは本当に勘弁して欲しい。
誰もが分かりきったプレイヤーではない戦場で。
ではそんなに攻めが出来ないゲームかと言われると、そんなことはない。衛生兵(メディック)の発煙グレネードランチャーや斥候兵(リーコン)のスモークハンドグレネードで目潰しをし、援護兵(サポート)が絶え間なく彼らに弾薬を渡し、突撃兵(アサルト)が迫撃砲で切り崩してタイミングを合わせれば突撃は可能だ。
そんな事ができるプレイヤー、一体1マッチに何人いる?
広大なマップの中で見つけた敵もリーコンの偵察ガジェットや他のごく一部の手段でなければ味方に通達することも出来ない。そのリーコンのガジェットもサポートから弾薬を貰わなければ使用回数も有限である。「ダウン状態の味方のアイコン」からしか、そこに敵がいそうかどうかもわからない。前作までは誰もが敵の位置を報告出来たし、何より敵が発砲すればミニマップに敵位置が表示されていたのにだ。
ところで、今作は各拠点に弾薬箱と医療キットが据え付けられており、防衛側はハチャメチャにガジェットを使い放題出来る。もちろん偵察ガジェットもだ。なんか敵がいそうだなと思ったらポンと撃ってしまえばよい。隠れるだとか索敵も必要ない。
とかく、BFVは過去作に比べて非常に「分かりきったプレイ」が求められる。
上でも書いた「死に箇所」まで含めた広すぎるマップ、スポットの廃止、連携の必須さがBFVを既存のBFとはガラリと変わった手触りにしている。まるで「分かりきっているプレイヤーだけで構成された分隊が各チーム32人ぎっしり埋まっている事前提」かのように。
結果、そういう前提で組まれたマップとシステムは、マップとシステムの理解度の低い殆どのプレイヤーには届かなかったと言っていい。BFVは現状、街中でのゲリラ戦か、散発的な戦闘か、芋か、戦車のある側の圧勝ばかりだ。分かりきったプレイヤーは一握りであるし、その一握りの分隊を引けたチームがコンクエストで勝つ。だがその状況も、システムがプレイヤーに「そうしたほうがいいな」と思わせてしまったからに他ならない。
一人の動きがガラっと戦局に影響を与えてしまっては64人いる意味がない。一人では変えられないのでスポットしても煙幕を張っても意味がない。BFVのプレイヤーを支配しているのは、そういう学習されてしまった「無気力」であるように感じた。
正直な事を言ってしまえば、私はBFVのDeluxe Editionやパッケージ版を買わなくて良かったと思ってしまった。もしこれを発売日に10584円払ってPS4で買ってしまっていたら、と考えるとゾっとしてしまった。Origin Access Premierに感謝しながら、私はBFVをアンインストールした。
私はまたあのミッドウェイで、YamatoとPoWがバカ試合をやるBFがやりたいだけなんだけどな。ねえEA、DICE。
Battlefield V (バトルフィールドV) - PS4
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↑まだ…!まだ国内でもFHSWで遊べるし北米サーバで遊べる…!