1年経ったので「PS2版天気の子を俺たちは遊んだことが有る気がしてならない」話の元ネタの話をする。
あの記事から1年経ったので、記事の元ネタになった物をほぐして紹介していきます。
あの記事↓
今回も天気の子についてゲームと劇場版の話をしようと思います。
※重大なネタバレを含みますのでまだの人はさっさとリバイバル上映中の劇場に行きなさい。またはプライムビデオでもどこでも良いからまず観てくること。
原作がドリキャスで出てた件
まず原作である「天気の子」は2002年にWindows向けにリリースされた、いわゆる「エロゲー」でした。それが2003年に立ち絵を一新・フルボイス化した上でドリームキャストにて家庭用ゲーム機に移植され、同じ年にPS2版がリリースされています。先程のスクリーンショットはPC版のものですね。
家庭版はDCで立ち絵全部書き直した上でアルケミストが一回出して、その後PS2で出し直したっきりだから天気の子の全年齢版がやりたい場合プレミアついてるやつ買うしか無いんだよね。アルケミスト潰れちゃったから権利関係どうなってるかわからないし。
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 22, 2019
「立ち絵を全て一新してフルボイス化した」「移植はアルケミスト」という所含めて、元ネタはドリームキャスト版『Wind』です。
Wind a breath of heart - Opening
当然のように新海誠監督が制作しているオープニング動画を貼っておきます。
「街に住んでいる人々、みんな誰かしら能力者」という作品。リリース年含めてWindに合わせています。この頃はまだエロゲ→全年齢フルボイス→アニメになる!というルートがやんややんやされていた時期。
劇場版アニメだから掘り下げが足りてないんだよの件
劇場版「天気の子」は劇場版「AIR」同様、大胆な構成となっています。というのも原作では3ヒロイン(家庭版では島の幼馴染が加わるため4ヒロイン)だった物を、陽菜ルートかつTrueエンドのもののみに再構築しているからです。その結果同じくメインヒロインであった夏美や四葉はあくまでサブやゲストキャラ扱いとなりました。
AIRも「Summer編を絡めた上でAir編の終わりまで描く」事にした結果、美凪や佳乃がゲストキャラになりましたが、物語の纏まりを見ればコレでよかったのかもしれません。
きっちり名前を出していますが元ネタは『AIR』
「きーえる飛行機ぐもー」でお馴染みの作品です。京都アニメーション版とほぼ同時期に出崎監督による映画版が上映されておりました。私は当時劇場で2度鑑賞しています。
AIRは観鈴、佳乃、 美凪の3人のルートをベストエンドでクリアするとタイトル画面より1000年前のSUMMER編がプレイ可能になり、それをクリアすると最終章であるAIR編が現れる…という作りになっていました。で、劇場版。それを劇場アニメにする上で
- 観鈴ルートのみを主軸とする
- よって他のヒロインはモブキャラ並に登場を少なくする
- 1000年前の出来事も現代と並行して描く
- きっちり最後は死ぬ
とアレンジを加えてやった結果、まあそこそこの大炎上となった作品です。
京都アニメーション版はサブヒロインのルートから恋愛感情を脱臭し数話で回収した上で1クール+OVAで纏めており、こちらの方が圧倒的好評価に…というお話。
「本来は夏美ルートがあった」の件
主人公の帆高はなんとなくで東京にやってきて、須賀圭介のやっている編プロに転がり込む。そこには胸も大きく美人な女子大生の須賀夏美がおり、取材の過程で謎多き少女天野陽菜とも知り合って、この夏俺どうなっちゃうの~!?というのは「両親が何故か家にいない高校生」に並ぶ主人公属性「ひょんな事から居候」です。
本来はこの取材の過程で「夏美と行動を共にする」選択肢を選ぶと夏美ルートに入ります。というか一周目は夏美固定であり、実は初恋の人である年の離れた叔父へのほのかな恋慕や、奥さんに先立たれた事に僅かな望みをかけていた事への複雑な自己嫌悪があった事。父親として娘に接する須賀を見てやっと諦めがついた事。その矢先に就活に失敗し、社会にも求められず傷心の夏美と、島へ戻る日の近づく帆高が雪の降る夏の夜に男と女の関係になり、快晴の翌朝にそれぞれの道を歩むためにしばしの別れ…というのが夏美ルートの話でした。
親族の家に居候ってやると攻略できない叔母が絶大な人気誇る現象に名前をつけたい。それはそうと「ルートが固定であり」がイマイチ伝わっていなかったようで説明しておくと、先にAIRでも触れたとおり「別のエンドを迎えておかないととあるキャラクターのルートに進む事すら出来ない」というのはアドベンチャーゲームでよくある話です。
最初のルートのストーリーで大まかな世界観、登場キャラクターの人間関係を描写、時間経過で発生するイベント(文化祭から世界崩壊まで様々です)を見せて、別のキャラクターのルートで人間関係の変化やイベント自体への対応の変化、作品自体の大きな謎を少しずつ明かしていくのがオーソドックスな作りと言えるでしょう。
「1つ目のルート」と陽菜さんのグランドヒロイン感の件
エピローグでは数年後に夏美も帆高もK&Aプランニングの正式なメンバーとなっており、帆高が東京に居た時にほんの少しだけ見聞きした「100%の晴れ女」の記事を改めてとりかかる…というエンドです。
が、映画ではここらへんの共通ルートが最早定番となったRADWINPS早回しでスキップされました。Fate/stay nightも「問おう、貴方が私のマスターか」をイントロで飛ばしていましたし、陽菜ルートを映画化するにあたっては仕方ない部分がありますね。須賀さんの「いってきます?」というセリフは二週目以降、共通ルートから陽菜ルートに分岐したのを象徴するセリフとしてファンに語り継がれています。
K&Aプランニングが序盤に出てから映画版だと早回しで終わるのってあそこまでが共通ルートだからで、夏美ルートに入ると就活で疲れてうだうだしてきた彼女とバーカウンターでHシーンが入って最終的にK&Aプランニングの正社員が3人ってエンドになるんだよね。100%の晴れ女事件の記事を書く所で終わるの
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 22, 2019
夏美ルートのHシーン前の会話が良くて、「私の名前に夏ってあるじゃない?なのに今年の夏は雪まで降っちゃってさあ…」でしなだれかかって来るところに差分CGが用意されてるのが贅沢な使い方なんだよな。一夜明けると快晴になってるんだけど、その快晴の意味を知るには真ルート行かなきゃ駄目っていう
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 22, 2019
さて、夏美ルートは甘酸っぱい青春の話でしたが陽菜ルートはまるで違います。どういうことかと言うと、当時非常に流行った「特殊能力持ち少女」かつ「重い家庭事情の少女」であるからです。風を起こすだとか、相手の考えがわかってしまうだとか、サイコキネシスやら未来予知。主人公も手から和菓子を出したり法力が使える作品がありましたが、「天気の子」は一般人タイプです。
「快晴」がイベント、「意味を知るには真ルート行かなきゃ駄目」が作品の大きな謎というわけです。青空の下ヒロインと主人公がちゅっちゅして幸せの絶頂で流れ出すエンディングテーマ!そして何度目かのスタッフロール!だけどその青空は誰かの犠牲によって成り立っていたのだった。という話です。
「特殊能力持ち少女」については余りに該当作品が多いので飛ばしますが、「重い家庭事情」については親と死別している、親が新興宗教にハマった、親に腕を壊されバスケットボールができなくなった、天才過ぎて親が自分と全く向き合おうとしない、などなど男性キャラも女性キャラもままある話です。そこからの決別や社会復帰が話の盛り上げどころ。
「主人公も手から和菓子」はCIRCUSのゲーム『D.C.』の事。手から和菓子が出る主人公、主人公と超常的な力で繋がっている義理の妹(両親と死別)、読心術が使えてしまう学校のアイドル、魔法使いなどなどこれも「特殊能力持ち少女」の系譜の作品です。
OVAとかSUMMER編の件
本来は陽菜ルートと四葉ルートをクリアすると800年前の「天気の巫女」の物語である「Summer編」がタイトル画面より選べるようになるのですが、映画では削られてしまいました。なので「天気の巫女」や「人柱」については寺の住職から「伝説」を聞かされるに留まっています。本来はこの当時流行った伝奇ものというか時間を超えた因果の話なのですが、ここらへんもTrueエンドのメインにする上ではカットしても問題ないと判断したのでしょう。Summer編についてはPS2版の限定特典でOVAになっていますので、気になる人は探してみて下さい。
本当は800年前の巫女とその想い人の話がSummer編として5時間ぐらいのシナリオとしてあるんだけど、そこがPS2で出た時の初回限定版特典として30分のOVAになってるからしょうがないよね。この間CSで映画化記念で流れてたけど話題になる前だから観てる人も少ないだろうな。
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 22, 2019
「SUMMER編」についてはやはり前述のAIRです。京都アニメーション版AIRは過去編を「特別編」として前後1時間のちゃんとしたアニメとして作り直しており、そこが元ネタ。原作では本当に5時間読めるぐらいの膨大なテキスト量です。
映画では「800年前にも巫女が人柱になったんじゃよ」という形の伝説が語られていただけですが、本当は800年前の巫女編が描かれてたんだよ!!もうこんな巫女を人柱にして雨を鎮めるなんて悲しい風習を止めるんだ帆高!!!というような事を書いていますがそんなものはなかった。
疑似家族の話
陽菜ルートで描かれるのは陽菜、その弟の凪、家出少年である帆高3人の「疑似家族」のささやかな成功と崩壊です。須賀も帆高をある種息子のように想っていましたが、帆高が警察に追われているのを知った須賀は帆高を事務所から追い出してしまいます。「疑似家族」の物語には当時大ヒットした「家族計画」があり、また「はみだしもの達が一つ事を成し遂げる」として「CLANNAD」が有名な作品ですが、「天気の子」もその手の作品の一つでした。
2001年の作品。本当にてんでバラバラな人々が一緒に住んで児童虐待、中国マフィアなどなどの過去と因縁に囚われたりトラウマを打破したりするお話。知ってる人が聞いたら「物には言い方ってもんがお前」と怒られるだろうがほんとにそういう話だ。これもこれで重い家庭事情の話であり、天気の子の場合は「奥さんが死んだ」「お母さんが死んで行き場がない」という所がリンクした。でもまあ過去に触れると錯乱する人は出てこないからね。天気の子。
04年の作品。不良少年コンビ+病弱留年少女が学生編の主軸(諸説あります)。これも生霊が出てくる。とまれこの不良少年コンビの片割れが主人公で、親とは不仲。不仲過ぎて家から出てヒロインの家に居候する始末。で、壊れた家庭でなくヒロインの父親や母親と疑似家族になりながら演劇部を再興する…というのが前半の山場。出てくるキャラがだいたい親と不仲か親が死んでるか弟が自殺未遂起こしてるなどバラエティ豊かで、不良少年コンビはきっちり暴力沙汰も起こす。そんな「普通」のレールに乗れなかった人々と家族のお話。
で、東京で様々な見習いをしながら家出少年が…というのが重なる。
「空が晴れるだけで人々が笑顔になる」、陽菜の能力が他人を幸せにし困窮した生活が楽になると安心できる時間も長くなく、家出少年及び両親の居ない姉弟は警察に追われてラブホテルに身を寄せる…とここで私は期待したのですがまあ見事にHシーンはカットされていましたね!本当は指輪を渡した後にあったんですよHシーン!私は見たんだ!
2006年にアニメ化された『Fate/stay night』はHシーンのあった所で暗転するんじゃなくてCGのドラゴンが出てくるから見て欲しい。
「えいえん」の件。
翌朝、遂に警察に捕まった帆高は空から降ってきた指輪を見て「えいえん」に行ってしまった事を知り泣き崩れます。「えいえん」の話をしましょう。「えいえん」とはエロゲやギャルゲに有りがちな物凄く便利な異界の事です。主人公が消えたり、ヒロインが消えたり、ループしたり、そこ自体が舞台だったりします。一時期めちゃくちゃ流行りました。えいえんって何なんでしょうね。ここにあることは知っていますけど。
元ネタは後にkeyとなるスタッフ達がTacticsでリリースした『ONE』という作品。 話が進むと主人公がなんか知らんけど周囲の人々に忘れられて消える。そして一年後に戻ってくる。その「なんか知らんけど行くどっかの異界」が作中で出てくる「永遠の世界」というやつ。作中で謎の少女が言う「永遠はあるよ ここにあるよ」から取って、「えいえん」としました。
いや、だから何なんだよその異界。
ともあれ、「なんかこう精神世界とかよく分からん異界に行く」もしくは「異界から戻ってくる」は当時そこそこ多かったです。パンドラの夢は特に好きなので是非。
ゲームではこうだったのに、の件。を複数。
ゲームとは「短編を束ねたオムニバスな物語」であり「全ての可能性や情景を見たからこそ観測者であるプレイヤーはこのルートを選択するもの」です。なので「周回を前提としたルート」があり、別のルートではただの晴れやかな青空であったものが一人の少女の犠牲によって成り立っているものだと知る。もちろんゲーム版であれば夏美ルートや四葉ルート後の為、「晴れ」が物語のクライマックスである事が分かりますが、映画版では前提となるルートをSummer編同様飛ばしているため超展開に見えると思います。ここら辺はシュタインズゲートが上手いようにやってたんですけどね。
元の記事の時点で既にアドベンチャーゲームへの理解のある人以外にもなるたけ伝わるように必死で書いていますが、そもマルチエンドの作品に触れる人がどんどん減っているのであった。
この手の作品の最高峰だと信じてやまないバルドシリーズでは、この「別のルートで起きたビッグイベントの裏ではまた別の戦いが…!」という風に作ってあり、特に『バルドスカイ』では「複数のルートが存在する」ことすら逆手に取って最終章に組み込んであるので是非遊んで頂きたい。不朽の名作。
もとは09年にXbox360で出たゲーム。の、アニメ化の話。
何をどう上手くやってたかと言うと、歴史を変えてしまうメールを「敢えて送らない」事によって一人の少女の死と引き換えにそれなりに幸せな終わりを迎える…というエンドを一度見た上でもう一度メールを送信可能な場面に戻って「それでも俺はあの子を救う」「この結末は訪れない」とメールを送信する場面…で、「メールさえ送らなければ訪れた未来」を一気に想起させる回想と言うべきか、イフを流してからメールを送信するんですよ。アニメ版。加えて「とあるエンドを迎えたらスタッフロールが流れる」というアドベンチャーの当たり前をぶっ壊す演出をアニメでも取り入れたのが大きい。
陽菜ルートはここで一度終わり、主人公は島へ戻されあのひと夏の出来事も妄想か何かだったのだろうと気を紛らわせるもののその手にはあの日の指輪が握られていた…というのがNormalエンド。ですが映画はそのままTrueエンドへ向かいます!!
Trueエンドへの分岐点は複数ありますが例を挙げると
- 夏美ルートに行かないように好感度は上げすぎないが、適度に取材を手伝う
- 四葉ルートについてはTrueの条件に関係ないため選択肢を選ばない
- フェリーで須賀にビールを奢る←2周目から出現する選択肢です!
- 凪を先輩呼びする。「イケすかない小学生だ」を選ばない
- マスコミにバレた以降は晴れ女の仕事を続けない
- 落雷や雪に関する選択肢が2周目以降追加されるので「陽菜の心と繋がっている?」を選ぶ
以上のようになっています。
「俺は須賀さんの差し出した5万円を――」
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 22, 2019
受け取る→Trueポイント+1
受け取らない→そのままでも進むがCG回収不可
条件を満たすと取調室からの脱走時、夏美がバイクで助けに来てTrueエンドに突入します。そこからのバイクチェイスや線路上のダッシュは原作通り。各々のヒロインのルートでは喜ばしかった晴天が、ここでは「彼女が取り戻した青空」として印象的に描かれています。
もっとも反響が大きかった 「フェリーで須賀にビールを奢る←2周目から出現する選択肢です!」ですが、どういう事かと言うと飛ばされがちな共通ルート序盤に選択肢が追加されてそっちを選ぶとどんどん見たことのないイベントが出てきて最後には完全に別ルートに分岐する、という事もまたアドベンチャーゲームのよくある手なんですよ。
「人々を笑顔にする”晴れ”よりも、僕は彼女に笑っていてほしかった」を深めるためには全20時間に及ぶ個別ルートをクリアした上でのTrueエンディングがビターにキマるんだけど天気の子はいきなりTrueエンディングだけ映画化だからね。FateのHFみたいなもんだよ。
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 21, 2019
しかしTrueエンドは各ルートのキャラを総出演させたため、若干の歪みが出ており、それが顕著なのが陽菜の弟の凪です。バイクで相当な距離を逃げて更に線路上の最短距離を走って辿り着いたはずの代々木の廃ビル、かつ階段が行き止まりになっていたのに彼は何処から女装しながら来たんでしょう?コレについてはゲーム版の頃から突っ込まれまくっている話なのでご容赦ください。
Trueエンドは何度も言っている通り「ここまでのルート全てを踏まえての総決算」となるため、キャラがオールスターで出張る事があります。オールスターで追加ヒロインのクライマックスに出張られるとどうなるかと言うのは『ToHeart2』のささらルートで観ることが出来るので覚悟してプレイしてください。
ひょんな事から力を手に入れてしまった。陽菜については「天候操作能力」ですが、一般人枠の帆高が手に入れたのは「銃」でした。あの場面でもバッドエンドがあり須賀が死ぬのですが映画版では当然なし。須賀を撃ってしまうと、彼から失った妻や自分の過去、そして帆高が来てからの暮らしが如何に自分にとって大きかったかが語られるため映像化してほしかったのですが…
「バッドエンドもノーマルエンドも、また一つの結末である」という熱量を伴った作品は少なくありません。有名所で言えば先に例に出した『Fate/stay night』でしょうか。特に「スパークスライナーハイ」という結末はファンの間で極めて高い人気を誇る結末なのでぜひ遊んでみて下さい。
過去作を想起させ、そして突き抜けた瞬間。
「階段の踊り場」を踏み抜いて「少年が塔の頂上へ向かった」んだよ…わかるか…?
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 21, 2019
ビルの上から「えいえん」に行ける演出は同じく新海誠の映像作品であるYsのエターナルのオープニングを見れば一目瞭然です。当たり前でしょう。雲の上に行くんですよ少年が!!!そりゃあ塔の頂上を目指しますよね!!!
ファルコムのゲーム『Ys』は6冊の本を集め、1作目最終ダンジョン「ダームの塔」をクリア。その塔の頂上から天空都市「イース」に飛ぶ所から『YsⅡ』がスタートします。所でYsのヒロインは記憶を失った有翼人の少女、フィーナって子なんですけど陽菜さんの名前ってフィーナから取ってたりしませんかね。しませんよ。
『YsⅥ』では船で渡ってきた主人公が海岸に流れ着く所から開始なんですけど、帆高くんもまた船で渡ってきた主人公なんですよね。別に『天気の子』には全く関係ないですけど。
更に嬉しい演出としては非常階段に飛び移る帆高が「踊り場を踏み抜く」所です。あのシーンはゲーム版には無く、「雨の東京」を舞台にした言の葉の庭クライマックスをセルフオマージュしています。「君に救われてたの」ではもう終わらせない!!!桜を超えて「君の名は。」の二人が出会ったのなら!!!!「天気の子」は踊り場を超えていく!!!!あの時差したのは陽の光でしたが、今度は少女を救うために世界を曇らせたって構わない!!!!
「君に救われてたの」で終わらせねえぞ!!!!何故なら!!!!階段の踊り場はもう踏み抜かれたのだから!!!!!!!!!!!!!
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 22, 2019
そしてあの雲の上の世界に繋が……
「何で正気に戻っちゃったんだよ」って突っ込まれたので、一年越しに言わせて下さい。何故ならここで遂に「過去の物語達」も「セカイ系」も置いてけぼりにし、何もかもに決着を付けてその先を見せたからです。 最早過去の作品を引っ張り出しておちょくっている場合じゃない。『グランドエスケープ』が流れ出し、ついに少年は少女の手を取って抱きしめた。メールも届かない距離も、灼けた線路も、入道雲も、過去の因縁も、大人を演じる事も、大人になりきれない子供であることも、何もかもを突き抜けて…
「青空よりも、俺は陽菜がいい!」
帆高は遂に、やってのけたんです。
以下、小ネタ。
幻覚か…?ほんとうに…?俺はジオシティーズで考察も見たしアニメイトで画集と攻略が一緒になったビジュアルファンブック買った覚えあるぞ…?電撃のやつ…
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 22, 2019
こういうのの事。ソフトバンクパブリッシングからも出てた。攻略情報が一緒になってると非常に助かる品物。
あんなefみたいな天使の梯子から始まって、keyみたいな話やって、leafやねこねこソフトみたいな伝奇ものしつつ、CIRCUSみたく魔法とその代償の話をして、最後に「狂ってしまった世界だけどそれでも続いていく」ってまたminoriに戻る「天気の子」が?
著名どころだと『うたわれるもの』は実は主人公が神様でラスボスが主人公封印戦だったりします。D.C.はⅡ以降、島の「枯れない桜」が実は暴走しつつある願望器であり制御装置としてヒロインが消える話。efはアニメ版が非常に良く出来ているのでとりあえず全話みろ。
四葉ちゃんはゲーム版でも大変人気の高いキャラなんですが、映画版だと「晴れになるシーン」で一瞬だけ教室の中の女学生として登場しただけでしたね。前作のサブキャラがヒロインとして昇格というのはメモリーズオフなどで観られる手法です。
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 22, 2019
そろそろシリーズ全部入りが出るかも知れませんが6のヒロインの妹が8でヒロイン昇格してます。とてもかわいい。
天気の子は店頭予約特典で店ごとにPUSHとかテックジャイアン用に書き下ろされてたイラストを使ったテレカが付いて来てただろうが!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
— 🌈🐸アルグレ🐸🌈 (@Frozen_Frog_8) July 22, 2019
エロゲは予約数が大事なので予約特典にかわいい絵柄のテレホンカードが付いてきた。PUSH!!(5年前に休刊)もテックジャイアンも所謂エロゲ雑誌であり、描き下ろしイラストが掲載されていた。どちらもDVD-ROMが付いてきて体験版が入っていたりいなかったりする。
いやいや、嘘でしょ。俺読んだもん。ジオシティーズで二次創作SS読んだもん。アニメイトで攻略が一緒になった電撃のビジュアルファンブック買った覚えあるもん。ある気がする。だって奇跡とその誰も知らない犠牲の話ってめっちゃ月宮あゆじゃん。国崎往人じゃん。わしダカーポでも見たわそういうの。
Yahoo!ジオシティーズ、Infoseek isweb、Tripodなどなどはかつて存在した無料ホームページスペース。オタクがFFFTPや手打ちHTMLと格闘しながら各々のホームページに二次創作SSを掲載したりしていた。
月宮あゆはKanonの登場人物。ジャケット中央の女の子。生霊で願いを叶える。本来、各ルートの最後の奇跡(交通事故や難病を解決します)で代わりに死んでた(か、意識不明のまま目覚めないかは解釈が分かれる)が京アニの方ではそういう事はあんまりない。国崎往人はAIRの主人公。千年前の因縁から法力使いでこれまた千年前の因縁の少女の生まれ変わり相手に法力使って世界から消える。ダカーポについては前述の通り。
というわけで、元ネタの話でした。
ここまでの話は何一つ『天気の子』には関係ない、ただのオタクの昔話です。
だって、『天気の子』にゲーム版なんてなかったんですから。
ああ、そうそう。
1年ぶりにうちのブログに来た人へお願い。
去年の大晦日に書いた「エピローグ」を読んでください。