そしてアサシンクリードヴァルハラを遊んだ

 アサシンクリードヴァルハラをクリアした。プレイ時間は51時間。

さて、物語の話をする前に決まってシステムの話からしているわけだが今回は敢えて「良く出来ている!」と思ったオデッセイからどう変えて、結果それはどういう体験となってしまったかをつぶさに述べていきたい。

 

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前回記事はこちら。

悲しみのピタゴラスイッチ

スフィア盤の数が500個ぐらいある。

 ヴァルハラはオデッセイ同様にハクスラとビルドのゲームになっている。なっているがまず成長がツリーの形式ではない。スフィア盤。そのスフィア盤も「レベルが上がったりイベントすると2点貰えて、その2点を割り振る」という形式。そして眼の前に広がる膨大すぎるスフィア盤。元来ゲームであればこの手のものは自動で振っておいて「特化ポイントを振ろう」程度なわけだがこのゲームはそんなもんじゃない。全部やらせてくる。

 とするとまあどうなるかと言うと、まずその煩雑さに呆れて「割り振り」をしなくなる。UBI側も作った後に「やっべ」と思ったのかスフィア盤のド真ん中に適当に振り分けボタンを作ってくれている。レベルが上がる→A押して強くなる。何が変わったかは知らん。まあそんな感じだ。

スクショ忘れたのでカラドボルグ貼る

 次に武器。オデッセイの時は「これと!ここが強い武器です!あと+1エンチャント出来ます!」という物だったがヴァルハラは「1個だけ何か特性があります。あと3枠は好きにしてください」というものになった。育成コストも軽くは無いので武器は「この武器が強い」よりまず特定のモーションで選ぶものになる。ここはRPGというよりモンスターハンターの感覚だ。結局私は最初から最後まで鎌を使った。スクショはないが防具もだいたい同じである。

 アクションゲームに馴染みのない人に「モーションで選ぶ」を説明すると、「遅いけど範囲攻撃が強い」とか「一回一回の動作が短いから差し込みやすい」や「リスクはあるが一回一回の行動が強い」のようなものの事をいう。今作は範囲攻撃の鎌とリーチ&手数の槍が本当に強い。斧や剣を持つ気にはならないぐらいに。

 とまあここら辺の話で勘のいい人は察するだろうが、このゲーム一度スタイルが決まってしまうと装備変更の必要性が極めて薄くなるのである、前作のように自分と敵のレベルシンクが無い。だからゲームからの圧がない。強化にも当然ゲーム内リソースが要求されるわけで、他の得物を持ってみようという気はまるでなくなる。

でけえ砦攻めるのは楽しい。

 するとリソースの獲得だが、フィールドに点在する居住地を襲撃する事で手に入る。その居住地に特色があるかと言われるとそんなことはなく、乗り込んで大戦争が始まるようにみえるもののだいたい1つの町に4つぐらいある宝箱を開けると「撤収だ~!」となって終わりだ。メインストーリーでイングランド平定の話をやっているからしょうがないが全滅でなく「略奪」なので、そのうち宝箱に走っていって宝箱を開けるのに邪魔な敵を数人排除するだけになる。オデッセイの場合はエピック装備が入っていたから良かったのだが。

 

フィールドに宝は点在しているものの。

 武器や防具、そのエンチャント自体に対した魅力が無く「まあ手持ちのものが強くなれば良い」となるとフィールドに点在するアイテムも「別にいかなくていいか」となってしまうのだ。武器の強化に加えて「グレード」の話もあるのだが、リアルマネー武器に加えて限定版武器が上から2番めの「極」で渡されるしDLCにいかないと最高位の「天」は開放されない。ということは「極が1セット」出来れば膨大な世界は途端に「別に使わないもの」に溢れた退屈なものになってしまうのである。

 つまりここまでの話を総合すると「オデッセイがかけつづけた圧は長時間やらせるものとしては正しく、それらを変更したがゆえにフィールドの価値はまるでなくなってしまった」という事になってしまう。事実そうなのだからしょうがない。

今回の結社さんたち

 オデッセイの結社(前作では立場が違うがコスモスの信徒という名前だった)は「地方での出来事の末に出てきやがる結社!!」という感じで盛り上げるボスだったのだが、ヴァルハラの方は違う。置いてある手紙を読み、その次にまた別の地点の手紙を読み、やっと判明したら殺す。殺すと二言ぐらい話しては主人公に「お前はヴァルハラ行けねえわ」って言われて終わり。そもそもメインストーリーに大して「古き結社」は関わっておらず、主人公の兄貴が帰ってこないから返せという事件にちょろっと絡んでいただけなのだ。

 なのでそもそもが「エイヴォルVS結社」という構図ではまるで無い。何よりヴァイキング自体が別に来なくてもいい土地で暴れまわる侵略者なもんだからボコられて当然ですらある。DLCの話しも含めるとヴァルハラ行くぞヴァイキングにアルフレッド大王を筆頭にしたキリスト教、西側のドルイド教がいるわけでその中に「古代人教」などと出されてもまず題材の食い合わせが悪いのだ。

ロケーション活用と追従・移動が更に地獄を生む

本編のバトルはいちいちイベントイベントしてて非常に良い。

 さて本編の話だが、まあ面白い。異邦人として諸国を巡り、その土地ならではのトラブルを解決し、そして時には剣を交える。自然解放でなく2エリア→1エリア→と開放されていき、既に同盟を結んだ地域との連携作戦になっていくので大河ドラマ的になっていく。ここの試みはうまくいっているのだが、いかんせん「まーた頼まれごとするんだろうな」という感じでプレイヤー側の動機も主人公にとっての動機も薄い。加えてありとあらゆるキャラクターが「付いて来て」「向かいましょう」で会話をしてくるので「話を聞くためだけに操作させられているパート」がゲーム内の少なくない割合を占める。

 そして地点についたら何か会話をして、ちょっとバトルが入ることもある。そして移動。移動しながら会話。クエスト完了。次の場所は2km先。

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 つまりどういうことかと言うと、運転手ゲームと過去に私が批判したGTA5と全く同じ欠陥を抱えてしまっているのである。しかもこちらは問題解決の下準備の為に移動してはおしゃべりなので何かビジネスをしたという気も解決したという気も起きない。これがあまりにもったいない。前作オデッセイでは主人公がムキムキと、時に目をかっぴラきながら駆けていたのにあまりにもったいない出来だ。

ヴァルハラなんて無いんだよ。と告げるための旅

生きてて初めてウィッカーマンに火を付けた気がする

 ただし物語はちゃんと面白い。「弱気な後継ぎが王になるまで」「ヴァイキングが略奪でも満たされなかったなら」などが、ヴァイキングイングランド側の文化紹介を兼ねており楽しく遊べる。パリ包囲戦ではモンジョワモンジョワ吶喊するフランク兵と燃え盛るパリで戦えるのも良い。書き出すと止まらないがアルフレッド大王の隠遁生活の所とかも本当に良い。

今回も神話編がある

 今回の主人公、エイヴォルは明確に北欧地域に居た古代人「オーディン」の知識を強く受け継ぎ、暗殺の度に内なるオーディンの価値観と今の自分との戦いがある。だから霊薬で改めてオーディンだった時の自分の記憶と後悔を垣間見る必要がある。イングランド平定編と並行して走るオーディン編はDLCでの火の巨人スルトとの決戦で最高潮を迎えるし、神話が「かつてあったこと」として扱われている以上彼らは滅びに向かう。

 だとしても「彼らは生きていたのだ」と、神話の装飾をした上で「アサシンクリードアサシンクリード」をやりきった訳だ。オーディンとして。当事者として。その試みは人によって評価も分かれるだろうが、私は今回の神話編は面白かった。まあ問題はそれをやるためのパッケージに1万円の値札がついている事だが。

肉と酒と女と戦。それだけが続くヴァルハラ。

 今回はアサシンクリードシリーズの中でも特にオーパーツや古代の遺物の絡みが物語の中で少ない。少ないが極めて効果的な使われ方がされている。結社の人間に「目覚めさせられた」義兄シグルドに連れられてイングランドからノルウェーに戻ったエイヴォルが目にしたのは洞窟の奥に眠るスーパーコンピューター

 それに繋がり、無限に広がる仮想空間で目を覚ますとそこはヴァルハラ。死んでいった人が居てうまい飯と酒があって、門が開いたら殺し合う。ただそれだけの世界。エイヴォルはイングランドで知った。様々な人々が、様々な未来を思い描き、そして血を流して死んでいったことを。一つ事を成し遂げるには人の生は短すぎることを。ならば言わねばならない。兄上、エインヘリャルになるには早すぎる。そして信じたヴァルハラがこんなものならば――

かつての自分の生、そして望みに従えと叫ぶオーディン

知恵も栄光も力も要らない。それ以外の今が欲しいから。

ヴァルハラなんて無かったから、オーディンと共に彼女は旅をした。

 最終章に至るまでの流れは「一人の主人公の物語」としてエツィオに勝るとも劣らないものを描き切れていた。DLC+2年の歳月が必要であったが、それに見合う終わりだったと思う。

 

 

 アサシンクリードヴァルハラは「オデッセイは一つの正解をだしてしまったんだな」と過去を懐かしみながら、それでも今の変わり方は最悪ではない事を示す妙なタイトルである。シャドウズ発売までまだ数ヶ月あるのだから、ここまで読んだなら是非全部入りを遊んで欲しい。今から次回作が楽しみです。

 

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 次回のゲーム記事は二ヶ月ぶっ通しでアサクリ4本やったのでなにか落ち着けるやつにします。それでは。