HALO4マルチプレイ、始めて3日間の感想。

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SR40まで上がったのでささっとHALO4のマルチプレイについて書こうと思う。

ボルトガンの変えた接近戦

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旧来のHALOの撃ち合いでは「即死武器」というのはショットガンやロケットランチャー、そして近接武器のみだった。それはマップに転がっているのを拾って戦う物であり、それ以外の武器は殴り攻撃でも2回、プラズマガンからのHSでも2回の行動が必要であった。故に集団行動が大事になり、出会いがしらの戦闘でバトルライフルやDMRの腕が競われたのである。

今回登場した「ボルトガン」は装弾数10のうち、5発をまとめて発射する「バーストショット」が使える。このバーストショットには若干のタメ動作が必要ではあるが、ほぼショットガンの間合いで相手を即死させる事が出来る。今まではプラズマガン→殴りで2動作必要だったのが、これで1発で相手を殺せるようになったのだ。

その結果、角待ちから乱戦まで幅広く「ボルトガン」が使われるようになった。弾速が遅く当てにくいプラズマガンのチャージショットを使うぐらいならこいつのほうが便利だ。このボルトガンは初期装備として使えるので、それこそCoDのナイフ並みに使い勝手がいい。標準のハンドガンよろしくヘッドショット判定もある。

もみくちゃになりながらHSを狙う時代は終わった。今度はHALOでショットガンダンスだ。

プラズマガンが終わらせたビッグチームバトル

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HALOの売りの一つだった牧歌的多人数チームデスマッチはHALO4で突然の終わりを告げた。初期装備としてプラズマガンが使えるようになってしまったからだ。旧作では戦局の膠着をバンシーやレイス無双で打破していたわけだが、今回はひとたび乗ろうものなら四方八方からプラズマガンが出てくる。スコーピオンなど出ようものなら数秒後に死に戻りのプレイヤーによるチャージショットが出てくる。やりようがない。

相対的に弱体化した乗り物、それが無効化され続ける負け側は、殺され続ける他ない。前述のボルトガンによる出会い頭の戦闘で負けが約束され、乗り物に乗れば一瞬で消し炭になるのだから動きようがない。しかも広い戦場は平坦で、どこまでも射線が通る。豊富な遠距離武器で各個撃破されるのみだ。

ストレスを溜めたくないのであれば、BTスレイヤーは遊ばないことをお勧めする。

343よ、移動スピードの向上≒マップの巨大化ではない。

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スプリント(走り)を誰でも使えるようになったが、その影響からか多くのマップがアホほど広くなってしまった。広いなら広いなりにThe pitのように壁で区切ったりしろと言う話だが、そんな考慮も無い。第一、走れるようになったと言ってもずっと走るためには「モビリティ」のスキルをつけなきゃいけない。この時点でマップを大きくする理由は見当たらない。

また、今回「強武器」は決まった場所に出現しない。故に「この地点で殴り合えばいい」という場所が無いので、スレイヤーでは散発的な戦いを強いられることとなった。とは言え、一瞬で死なないHALOの特徴は死んではいない上にリスポンは味方の近くで行われるので、「発生した戦いをどう回り込んで叩き潰すか」の立ち回り勝負なのは変わっていない。

Reach時代には4vs4でなく5vs5の「スーパースレイヤー」というルールがあり、そちらの方が「どうチームを分けるか」の面でも面白かった。4も4vs4には広すぎるマップが多いので、いっそ5vs5をINFINITYスレイヤーの標準にしてほしいものだ。

オブジェクティブルールはヒリつくほど面白い

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試合での活躍に合わせ補給物資を要請するシステムは良い発想ではあるのだが、マリオカートにおける「後ろの順位であるほど良いアイテムが出る」のような考慮されていない。負け側にロケットランチャー出易くならないのなら「相手もこちらも強武器は出る」止まりの改善である。それどころか、勝ち側がエースに強化アイテムを献上することでドーピングを行えるようになっただけなのかもしれない。

8人用マップを5vs5で遊ぶオブジェクティブルールにはその物資要請システムが無く、ランダム湧きの武器を取りに走り回ったりすることになる。キングオブザヒルもCTFも、この武器のランダム湧きや各種スキルカスタマイズとかみ合っており、状況に合わせてクラスを変更し時にフルオート武器時にライフル武器と切り替える事が重要になる。

CTFは旗が一瞬で戻るわけでなく、何十秒もその旗を守らないことには自陣へと戻す事が出来ない。なので「少しずつ前に進める」というのが可能だし、何より旗を中心とした争奪戦が繰り広げられるのでスレイヤーよりも戦いが楽しめるのは確か。リスポーンに全く時間を必要としないスレイヤーと違い、オブジェクティブルールでは数秒の待ち時間が発生する。ゾンビアタックへの配慮が行われているのは好感触だ。

今作の目玉ルール、ドミニオン

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ドミニオンはオブジェクティブルールの一つだ。人数は6vs6の12人。3つの拠点を取り合うのはCoDのドミネーションと変わらない。このドミニオンの特徴は、「地点を取っただけではポイントにならない」という所だ。

ひとまず地点を獲得したあと、15秒で「制圧状態」となる。この制圧状態から45秒で「要塞化」が行われ、地点にはバリアが張られる。地点に侵入するためにはこのバリアを破る必要がある。以後45秒ごとに「再補給」が行われ、ここでようやく30ポイントを獲得。全部で400ポイントを先に溜めた方が勝ちだ。

CoDと違って「5秒ごとに地点を獲得している側にポイントが加算される」わけではなく、45秒の間に相手に「制圧」されてしまうと再度仕切り直しになる。15秒の「制圧フェイズ」のうちに取り返せば再補給カウントはそのままだが、そのまま制圧された場合また45秒の再補給カウントが0から始まる。なので再補給までのカウントは各地点バラバラになる。ここがミソだ。

もし試合終了間際に僅差だったとしても、こちらの再補給が相手のカウントより早ければその時点で勝利は確定だし、完全に奪えなくても15秒だけその地点を守れば相手に点を渡さずに済む。45秒の経過を待たずに所有権の変わる激戦区だったとしても、15秒以内に取り返せば無駄にならない。地点を取る速度は一人でも複数人でも変わらないので裏取りがCoDやBFほど厳しくはない。チームワークは重要だが、複数人で事に当たる必要がないのは新しい。

詳しくはこちらの記事を読んでほしい。
Halo4 マルチプレイ~ドミニオンを始めよう

ただし、こちらも再補給の度に受け取れる武器に考慮がなされていないので「勝っている側にロケットランチャーが固まって出る」などの片寄りが出ることがある。今後のバランス修正に期待したい。

ランクマッチでもパーティゲームでも面白いレジサイド

レジサイドは8人用マップで遊べる6人までの個人戦である。個人戦ということで自分以外は全て敵。ただのフリーフォーオールと違うのは、「一位の位置がずっと表示される」という物である。

一位は「キング」となり、マップ上に位置が表示され続ける。キングでいる時間が長ければ長いほどキングを倒した時の得点は増え、最終的には3人殺したのと変わらない程のポイントが貰える。キングは一位の余裕をもったまま隠れる事などできず、他のプレイヤーに追い回されることになる。

今までのゲームならリードを奪ったプレイヤーがネチネチと「死なない立ち回り」さえしていれば終わったのだが、このキングいじめシステムのお陰で皆がキングを追い回し、その過程で他のプレイヤーとの交戦も増えたのがよろこばしい。逃げるキングとそれを追う者、追う者を後ろから狩るもの好き放題に動く者とキングいじめシステムのお陰で戦闘がより楽しくなった。

味方にイライラしたくないならレジサイドを遊ぼう。キングを追いかけたり、キングになって逃げまわったりも楽しいぞ。

「最新」と「伝統」の間で

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心配されたアンロック制度だが、杞憂に終わったようだ。武器やスキルが揃うまでに若干の時間を要するものの、「対空ミサイルがないためにレイプされる」「メディックなのに蘇生キットが無い」なんて大型タイトルのようなヘマをHALOはしなかった。今の所Reachにおけるアーマーロックのような壊れアビリティも無いし、特定のスキルが強すぎることも無い。

特にスキルは「手榴弾が1個増える」だの「スコープを覗いている間にレーダーが見える」だの、使ってる側の気分が良いだけで、使われる側にはさして脅威になるものが無いのである。確かに土壇場ではリロード高速化が嬉しいし、グレネードの強化も厄介ではあるが、もとよりグレネードがくっついて逃れられないだの数発撃ってヘッドショットだのというゲームである。プレイスタイルとかみ合う物を見つければ楽しいことは楽しいが、スキルはそこまで重要ではない。

さしあたっての懸念事項は最初に述べたボルトガンとプラズマガンだ。狭すぎず広すぎず、射線の通り過ぎないマップを用意しないことには、曲がり角の多いマップではボルトガンが活躍し、乗り物のあるマップではプラズマガンで乗り物の活躍する機会が無い。カスタマイズシステムや基本システムにはそこまで問題が無いので、あとはHavenやAdriftのようなスッキリしたマップを用意できるかである。

どうやら2000MSPで追加マップを9つ配信する計画らしいが、そんなことはとんでもない。有料でマップを配信したところで、後発の人間はそれらすべてに追加投資しないと「買った人間」と遊ぶことすらままならないのだから、大人しくHALO3の時のように「先行アクセス権」販売として留めておいてほしい。

CoDやBFの影響を多大に受けたHALO4ではあったが、マルチプレイヤーについてはそこまで破壊的なまでの革新が行われていなかった。それは少なくとも悪いことではない。これからの343の作るHALOの「進化」を見守っていきたい。