CoD:AWをノーマルで一周した記事。

Call of Duty : Advanced Warfareをノーマルで一周した。

 今回は2060年前後を舞台にした近未来が舞台であり、アトラス社という巨大企業とEXO(エグゾ)と呼ばれる強化外骨格が鍵の物語である。

 グラフィック面では旧世代機を遂に切り捨てたからか、舞い上がる火の粉のパーティクル表現からトロットロに蕩ける被写体深度(ボケ)まで演出面もかなり強化されている。HUDが極力排除され、画面の右下の銃に残弾やグレネードの残数が表示されるHALOのライフルのような形式に変更された。

 また、歩いたり走ったり匍匐前進する時に従来の作品よりかなりキツく揺らしてくる。これは賛否両論在るかもしれないが、私にとってはかなりの没入感をもたらした。ADSでの射撃時には思わずモニタの前で前のめりになって画面中央を覗き込んでしまったほどだ。

 そして今作はCoD:BO同様にZ指定の作品である。ガラスを口に含ませてからブン殴る拷問よりも、今作のCoDではもっとおどろおどろしい世界が待っていたのだ。

 

 

「最先端技術」による蹂躙と、「最先端の戦場」

 主人公は序盤、混迷を極める朝鮮での戦闘で戦友と片腕を失う。その後、亡き戦友の父親からの誘いも有りインフラから軍事力まで提供する企業「アトラス」に入社し傭兵として戦うことになるのだが、ここでのパワーの差の描き方が素晴らしい。

 まず主人公とプレイヤーが体験するのはとある山荘に拉致された大統領の救出任務。あと一歩で救い出せるところで主人公の義手が麻痺してしまい、敵対組織に倒されてしまう…画面の左上には「作戦失敗」の文字。ゲームオーバーか?と思いきやそれは実際の景色と見間違うほどの「仮想空間」での訓練だった…というところから始まる。投げるだけで効果範囲内の人間を全て浮かび上がらせるスレットグレネードや超小型EMPグレネード、一定時間周囲に全く音が聞こえなくなるミュートチャージ(無音爆弾とでも良いのだろうか)など、従来描かれてきた近未来とは少し違う戦いを見せてくれる。

 そんな風にアトラス社の最先端技術を観た後は、ナイジェリア・ラゴスにて本物の大統領救出作戦が始まる。相手はいわゆるテロリストなのだが、そんなテロ屋の戦争のやり方と主人公達の戦い方の差は歴然だ。ドローンやスキャンを用い事前に屋内の敵の配置を完全に把握して抹殺し、無音爆弾により音もなく壁を発破し潜入し、更には体感する時間の流れを遅くさせ超人的な速度での射撃を可能にするオーバードライブ機能まで強化外骨格にて可能にする傭兵達の姿がそこにある。テロ屋が車で技術者達を拉致しようが、主人公たちは車の上をヒョイヒョイ飛んで追いかけてくるのだ。装甲車で妨害しようが強化外骨格のパワーで装甲をひっぺがして来るので手のうちようがない。

 もうこの時点で「アドバンスドウォーフェア」を体現している。到底「現代戦」ではあり得ないアトラクションを早々とプレイヤーに体験させてくるのだ。

 

砲台ステージとの決別。そして更なるアトラクションへ。

 FPSに有りがちな事として、移動を封じられたまま自動で動きつつ色々なものをうつだけの「砲台ステージ」とでも呼ぶべきパートが存在する。今作はそこも飽きさせないようにバリエーション豊かだ。恐怖の殺人ドローン、ボート、戦車、戦闘機、空母の巨大レールガン、そして超大型パワードスーツ。どれもゲームプレイのアクセントとして素晴らしい物ばかりだ。特に素晴らしかったのが作中でASTと呼ばれる超巨大パワードスーツ。ガトリング砲とマルチロックオン可能な対人ミサイル、そして無誘導のロケットを搭載したパワードスーツに乗り込み、並み居る敵を一網打尽にするパートは同年にリリースされたタイタンフォールに勝るとも劣らない爽快感だったと言えよう。

 どれも確かにリプレイ性はそんなに無い。もしこれが一人でも敵を撃ち漏らしたらあっと言う間に殺されるような作りならどんどんうんざりしていっただろう。だが今作ではそこを「ヒヤヒヤする逃避行パート」「一気にやり返す無双パート」と割り切っているお陰でまさに「駆け抜ける」事ができた。これはアトラクションとして正しい判断だったといえる。

 戦闘も「あの場所へいけ、前進しろ。目の前の敵とだらだらかくれんぼしながら戦え」というものだけでなく、ちょいちょいステルスごっこを挟んできたり、メルトダウンを起こす寸前の原子力発電所から全力で逃げたり、恒例となったドア破壊からを潜入をしたりと乗り物以外でも飽きさせることがなかった。ケチを付けるとすれば「主人公が爆風等で吹っ飛んで昏倒する」「落ちそうなところでは必ず主人公達が落ちる」というのが話の進行を若干停滞させるのが歯がゆいぐらいだろうか?

 

ホワイトハウスすら戦場にしたシリーズは、遂に世界そのものを敵に回す

 シナリオ終盤、愚かな戦いを続ける世界そのものを終わらせる為にアトラス社の社長は生物兵器と最先端技術を以って世界に宣戦布告する。ゴールデンゲートブリッジは爆破され艦隊の船は次々と沈み、かつてアメリカが破壊し復興を遂げたバグダッド生物兵器の標的となり死の都となる。そこで捕まった主人公たちが見たのは、生物兵器の被験体となってしまった人々の死体の真空パック詰めが吊り下げられずらりと並ぶ狂った光景だった。なるほど、これじゃZ指定になるのも無理はない。

 「間違った大義の為に、善い人々が戦って死んでいく世界を終わらせたい。」それはアメリカから遙か遠く朝鮮の地で息子を失ったアトラス社の社長としては当然の思いだ。「息子は間違った大義の犠牲者だ」と口にしながら全世界を敵に回してでも戦争を終わらせるための戦争布告を行う社長を、僕にはどうも責める気にはなれなかった。

 しかしそのために無辜の人々が大勢犠牲になるのは間違っている。全世界へ細菌兵器をばらまくミサイルの発射まで秒読み段階となった基地へ、主人公と相棒がパワードスーツで潜入して敵を蹴散らし、ついに見つけたミサイルへ文字通りの「全弾発射」を行うシーンはともすれば2010年台前半のアクションゲームのベストと言っても良いぐらいの出来だった。戦争を終わらせるためのトリガーを正に引き、ブルブルと震えるコントローラを握りしめる。これぞゲームだと言われたら否定しようがない濃密な時間だったと言えよう。

 

 …とは言え、中古1500円でPS4版を買えたから良いのであって、仕事の片手間に買って3日でサクっと終わってしまう程度のボリュームだったのは確かだ。既にオンライン対戦は過疎も過疎であり、一回も対戦ができないまま二束三文でGEOに売り払ってしまいそうだ。次はIWか。それともBO3か。何にせよせっかく買ったPS4Proを使い倒してみようと思う。

 

 

モンスターハンターワールドに備えてPS4Pro買って500GBのSSDぶっ込んだから作業工程アップする

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 というわけでPS4Pro買いました。薄型は24000円という高値で買い取られていきました。もともとの買値が26000円(に1TBのHDDぶっ込んだ)ということを考えると一年ちょい遊んで差額2000円です。賢く使ってゴミになる前に売り飛ばす。道具の鉄則です。

 

 

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 全部買えタワーはこんなふうにアップグレードされました。もうXboxOneXしか買うもの無いわ。やったぜ。そんな感じで今回はPS4ProのSSDへの換装風景をアップします。用意するのはプラスドライバー1本で十分ですが、いわゆる精密ドライバーの先端が取り替えられるやつが合ったほうがネジをナメずに済むと思います。

 

アイネックス iPhone専用工具付き 特殊精密工具51点セット TL-016
 

 これ一つあるとニンテンドースイッチiPhoneの分解まで出来て便利です。
金属のスパッジャーがあるのが良いですね。

support.jp.playstation.com

換装する前に、絶対にセーブデータをバックアップしておいてください。
また、スタンバイではなく電源を完全に切ってから換装を行いましょう。

1.取り出す。

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 PS4Proのストレージは背面から着脱出来ます。裏の蓋をパキっと外すと、こんな感じで2.5インチのマウンタがネジ止めされているのでネジを外します。

 

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 あっけなく外れるので左右のネジ止めを緩めてHDDをマウンタから取ってしまいましょう。入っていたのは東芝のMQ01ABD100。新品でも税込みで5000円しない、どこにでも居るごく普通のHDDです。せめてSSHDでも入っていれば話は変わったのでしょうが、今時4万円以上するコンピュータのSSD非搭載はいただけませんね。

 

 売り飛ばすと3000円ぐらいになります。

 

2.組み込む

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 次はマウンタにSSDを取り付けていきます。

今回使ったのはこちらのSSDです。

 

 どこにでもある平凡なSSDです。出来れば読み書き90000IOPS出るマトモなやつを使いたかったのですが、運悪くSamsungの850EVOすらその日に手に入らなかったので雑に購入しました。この日から数日後、860PROが発表されて完全に発狂しました。

 

 組み込む前に特に設定は不要ですが、一度Win機に繋いでFWアップデート等がある場合はやっておいたほうが良いと思います。

 

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 表裏を間違えないように取り付けましょう。表裏を間違えたままPS4に戻すと中の端子にガンガンSSDをただブツけるだけになります。写真のように端子が上から見えるようにしてください。

 

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 あとは同じように差し込んでネジ止めするだけです。おつかれさまでした。

 

3.システムデータを書き込む

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 電源を投入すると、このようにPS4のセーフモードに突入します。うまく突入できなかった人は電源ボタンを7秒ほど長押しし、ピッと鳴ったら指を離してください。

次にPS4用のシステムデータをUSBメモリに用意します。

PlayStation®4システムソフトウェア アップデート | プレイステーション® オフィシャルサイト

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 このサイトの「パソコン経由のアップデート」から、差分アップデート用でなく換装後のクリーンインストール用ファイルをDLしてきます。ファイルの大きさは1GBありますので、2GB以上の容量のあるUSBメモリを手元にご用意ください。

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 USBメモリ/PS4/UPDATE/内にファイルをこのように配置してPCでの作業は終了です。

f:id:crs2:20180125184901j:plain PS4USBメモリをさしてデータを書き込めば終了です。お疲れ様でした。

 PS4は「内蔵ストレージのクラッシュ」や「不意のデータ破損」に対して自分で修理ができるので、家庭用ゲーム機の中では若干ですがマシな部類に属します。USB3.0接続の外部ストレージよりSATA3で接続した内部ストレージのが速いのは今更言うことでもないですが、リカバリが簡単なのは道具として信頼できますね。

 こういう事ができるのは(アカウント登録してクソデカファイルをDLしなきゃならない事に目をつぶれば)MSのSurfaceやインターネットリカバリが何年も昔からサクサク出来るMacぐらいなもんです。偉いぞプレステ。

 「これ以上快適にしようがない」と言うのは、実際にロード時間が短くなる以上に満足感を与え、道具への不快感を取り除きます。ゲーム以外にストレスをかけられたくない貴方、是非SSDに換装しましょう。大好きなゲームをより楽しむのに、金を惜しむ理由はないはずです。 

 私のオススメはSamsungの850EVO・PROです。PROのがよいやつです。

 

  NVMeが使えればこの上ないのですが、「SATA3で接続できるだけマシ」なんて世の中ではまだまだ叶いそうもないのが歯がゆい所です。

 

セラミックロケッツ!はSamsungSSDガンランスを応援しています。

アークライター(プラズマライター)を買ったという話と、煙草はノンカロリーという話。

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 マッチが東京のビル風に負け、フリント式は手が痛くなり、ターボライターはなんだか点きが良かったり悪かったりというか相性のいいガスボンベに恵まれず無駄になり、まあそんな感じでライター選びに悩んでいたのですが、ついにいい感じのを見つけました。

  これです。USB充電で200回ぐらいバチバチ出来て1時間ぐらいでフル充電出来るアークライター。

 先端にサッと火が点くし強く振っても風の中でも点けられる。外装もヘアライン仕上げでそんなに安っぽくなくモバイルバッテリーで充電可能。うーん、良いことしか書いてない。実に良いものを買いました。

 

 さて、2017年は昇進して中間管理職になったり、様々な戦いを経て心身ともにボロボロになった年でした。そもそも開幕からして尿路結石になってる時点でかなりのボロボロ具合であったと言えるでしょう。そりゃあFGOにものめり込んで記事まで数本仕上げたわけです。

 そして年末。仕事は多忙を極め、飲み会で煙草のサンプルを配っているお姉ちゃんに遭遇し、ちょっと興味があるということで吸わせてもらったが運の尽き。もともと両親共にヘビースモーカーだった私にタバコへの抵抗感などあるはずもなく、見事に喫煙者に成り果ててしまったのでした。

 

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 で、吸ってみろ吸ってみろとその場の喫煙者共(わるいひとたち)渡されたのがこんな感じ。飲み会で吸ったのがKENTのSシリーズの黄色、5mgの物でした。これ今でも潰して味つける奴の中で一番好きです。

 さて煙草ですが、まず恩恵として2kg痩せました。やったぜ。

 ここで終わるのも何なので、デブとしての話をしようと思います。
 Twitterもフォローしてる人には周知の事実ではありますが、御存知の通り私はデブです。夏場は風呂に浸かりながら*12Lのスポーツドリンクを飲み、夜中に腹が減ればコンビニで弁当やホットスナックを買い、仕事でストレスが貯まれば*2遅めのランチの後にモンエナとグミを買う始末。更にイライラが収まらなければ*3夕食の前にポテトチップスまで食べているんですから太って当たり前。口寂しさを埋めるというよりは、満足感を得るために満腹にしていたと言う方が正しいでしょう。

 で、煙草を吸い始めてわかったのは「食べ終わった後の塩辛い口内をスッキリさせる」だとか「本来ものを食べるべきではない時の物足りなさ」を、喫煙者は喫煙という形で埋めていたのだなあということでした。そうでなくてもシュガーレスボトルガムをパクパク食べる人も居るし、ひたすらミンティアフリスク等のスッとするタブレットをガリガチする人も居ますよね。どうやら私はそれを「菓子」や「暴食」という形で埋めていたようだったのです。

 更に分かったのは、上でも挙げているプチっと潰せるカプセル入りの煙草が「案外、お菓子の味がする」という事です。メビウスの赤はりんごガムの味がしますし、黄色は柑橘系。いい大人が外でラムネやグミをガサゴソモグモグするわけにも行かないですし、そういう需要もある…というか、皆そうやって楽しんでいたんだなと理解が出来ました。

 噛む必要もなく、そんなに甘くもなく、そして太らず、地味に長持ちする。自分にあう重さの煙草を数本喫煙すれば腹というか胸というか、ともなくズンと響いて何かしらの満足ゲージが伸びる。存外、煙草も悪くないなあと思ったのです。

 

 さて、気になるタバコ代についてですが、正直たかだか1本21円だの25円だのと煽られても別に高くは感じないといいますか

 

     ソシャゲに9800円払って溶かすよりはなんぼも有意義なんで。

 

 というかですね、最近よくよく思うんですよ。画面の中に踊る光やスピーカから流れてくる音に一喜一憂するのと、燃える煙草を咥えながら一息つくのと、飲んで空いた酒瓶と、もう鑑賞には使えない映画の半券と、それらに何の違いがあるのだろうと。人は体験と、その体験が出来る権利に金を払うのであって、その払い方に他人がどうこう言うもんじゃあないんだと。その上で「どっちのが幸せになれる?」と案内を頼まれたらより良く、後腐れの無く、変な選択肢であっても本人が納得しているのならその商品の案内を行うのが私のような職業であるし、それは本人から頼まれてこそ「人の金の使い方」に口を挟めるのであって、第三者がどうのこうの言うことでもないわけです。

 なので私は今年も、好き放題していこうと思います。さしあたってはPS4Proに1TBのSSDをぶっ込み、来たるPS4ボーダーブレイクに備えます。

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 私が常飲する煙草はこちら。アークロイヤルのバニラとハイライトメンソールとなりました。どちらも非常に美味しい煙草です。

 セラミックロケッツ!はビル風に負けず煙草を吸おうとするおっさん達とガチャで爆死する皆さん。そして、世の中のデブを応援しています。

*1:脱水症状を防ぐための策です。長風呂の後に手足が痺れる事がこれで無くなりました。コカコーラと大塚製薬は神

*2:午後5時とか6時です

*3:午後10時です

ゲーム機現行機種全部買ったんだけど、そこに夢は無かった。

※この記事は1月2日に公開した『ゲーム機全部買ったら全てがアホらしくなった』を改題した上で、改訂を行ったものです。

※旧い題が外部ブックマークサービスや検索サービスで表示され続けるため、旧い記事を削除した上で再投稿を行っています。

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ゲーム機全部買いました。

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 現行機種全部、という意味です。コントローラの数は見ての通り。更にここにゲーム機としてのiPhone8.iPad12.9インチ、F-04Hが加わります。

昨年、私が1番買ってよかったと思ったのはiPhoneですし、そしてゲーム機として1番触ったのは、皮肉にもiPhoneでした。
※最上位モデルについては下記の理由でそもそも買う気すら起きなくなったというのが本エントリを書いた理由の一つですので追記しました。

私は、道具はもっと人を幸せにできると思っています。それがゲーム専用の機械だというのなら。そして、既に快適にする術が世にあるのなら、それをどうして採用しないのか。刷新しないのか。それでもっと楽しくゲームをあそばせようと何故しないのか。そういうことに対してある種の怒りが常にあります。これについて理解してもらおうとは思いません。これは私だけの怒りだろうと構わないです。

 これにより機種がどうの性能がどうのという話が私の中で完全に過去のものとなりました。何故ならば「ゲーム機は全てどこかで妥協があるのだから」「未だにHDDなんてストレージを標準搭載して出荷しているなんてがっかりだ」「microSDの128GBすら使えない携帯機ってなんなんだ」という、全てへの諦観が満ちたからです。
今年は2018年、SSDが一般化して10年という月日がついに経過してしまうのです。自作PCやハイエンドノートにSSDが採用され始めてもう10年も経つのに、「ゲーム専用のコンピュータです」というお題目で売っている道具達は、PS4だろうが、XboxOneだろうが、それらの最上位モデルだろうが、未だにHDDからゴリゴリデータを読むのが工場出荷時の前提なのです。

何故、人を待たせて当然と思っているのか。ハイエンドモデルにも関わらずHDDなのか。そういう事に私は心底がっかりしました。
SSD480GB~500GBを十全な状態で使うにあたり、PS4 Proぐらいしか内蔵する方法がありません。よって外付け化かすでに出来合いの外付けSSDを利用する必要があります。2018年1月現在だとだいたい2万円ぐらいの追加投資という事になります。
ちょっと待ってくださいよ。5万円のハイエンドモデルに2万円の外付けSSDって。それこそ日頃から言われてる「パソコンは高いだろ」の背中ちょっと見えてるじゃないですか。
もっとも、SATA接続でない、より高速なSSDが使えないという時点でうんざり感は拭えないわけですが。
 次に、結局のところ彼らはフルAMDポンコツでしか無いからです。確かに昔から、当時のパソコンと比べたら性能をゲーム機が上回ることはなかったでしょう。しかしながら、この2018年に於いて、その作りは古すぎるだろうと思ってしまったのです。
NVIDIA社のGPUに換算すればなんとXboxOneは750Tiだの、他のにしたって1060だの、良くて1070だのという、良くてミドルハイのパーツが載っているに過ぎないのです。もうその程度の話にどっちの性能がだの言うのは虚しい。しかしてそれは、ゲーム機が売っていた「この道具は凄いんだぞ」という夢のぶつけ合いが無ければ始まりもしないと思うのです。
確かに低価格でそれだけ動くのは驚くべきことですし、それを一般顧客にその価格で提供するのは素晴らしいことです。ですが、もうそこには夢など無いと私は思ってしまいました。フルハイビジョンで60fps、それすら与えられなかったからです。
※ここでは敢えて30fpsでリッチな絵作りをしようとする話は省略させてください。
※タイタンフォールのOne版あたりが私をがっかりさせたタイトルの1つです。
 
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 Enhanceだの最適化だのと言われた所で、そんなんSteamで良いじゃん。と言うのは、私が一昨年に1080を手に入れてから結局揺らぐ事は無いままです。それこそ独占タイトルがきれいになる、という話ならまだしも、せっかく買ったRez infiniteですら今やSteamで1800円で買えてしまい、しかもそれはOculus RiftやViveで遊べてしまうというのもショックが非常に大きかったです。
 
 そして、最悪なのは「その小競り合いってiPhone XiPad Pro 12.9インチひとつ買うカネで全部買えてしまうよね」という考えに至ってしまったところでした。ニンテンドースイッチでさえ現行のiPad(第5世代)よりやすく、例えXboxOneXとPS4Proを買ったとしてもたかがスマホのはずのiPhone Xよりも安く付く。なんなら入れ替え用のSSDを手配してもまだ届かない。未だにVitaも3DSも720p未満の低解像度な液晶のままで、幸せそうな未来はやってこない。
スマートデバイスの刷新のスピードに慣れた目には、もうゲーム機への憧れや夢と言うものがついに蘇らなかったのです。それらの「この道具手に入れたらもっと面白くなりそう!」という夢を見せるやり方は、スマートデバイスに取られてしまいました。
 かつてセガの湯川(元)専務は『噂のドリームキャスト』という歌のなかでこう歌いました。
「はい、貴方が触ってみたのが未来です。学校や塾では教えてくれないフューチャーです。ご家庭に一台あればもう安心。さあ早いもの順で!」「世界の技術を集めた、今世紀最強のマシーンです。」
 私が好きだったセガは、ゲーム機というものについてこうまで言ってくれた。だからこそドリームキャストを買ったし、未だにスペースチャンネル5(無印)の移植を待ちわびている。それは奇しくも、「凄いもの、という夢を買ってもらう」というスマートデバイスの宣伝方法と、今思えば大変近しいものであったと思います。

 
ソフトがどう、体験がどうではないのです。その体験のベースとなるはずの構成の妥協や刷新されなさが、ロード時間を半分に出来たはずなのにそれすら提供もしない。つまりそれは「専用機」であるはずのゲーム機が、ゲームを快適にやらせることを放棄しているように私には見えたのです。
前の10年はそれでよかったかもしれない。HDDナシモデルを出したとしてもよかったかもしれない。しかし、今や「毎年凄くなるものがいる」というその比較対象がいる。私は、ゲーム機にも「これ凄いね」と言わせて欲しかったのです。

ゲーム機なんて全部買わなければ良かったのかもしれません。コントローラだって沢山買ったけれど、去年一番触っていたのはスマホでした。
そこにフューチャーはありますか。少なくともAppleは、毎年フューチャーを見せてくれています。

買ったFFもドラクエも開けないまま、2018年が来てしまいました。一先ずはゼルダの伝説BotWのDLC含めた記事ですがそれよりも弓ギルとスカサハの爆死を膝に受けてしまったので、しばらく先になりそうです。

今年もゲームブログをやっていきますので、昨年と変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い致します。

バーチャルユーチューバー達の2018年元旦の事件を見てVR元年を確信した。

 明けましておめでとうございます。
今年もロクに更新しない弊ブログをどうぞよろしくお願い致します。

 さて、挨拶も手短にして、今回はバーチャルユーチューバーの炎上について書いていきましょう。

 まず、バーチャルユーチューバーについて手短に説明します。
バーチャルユーチューバーとは、バーチャルなユーチューバーの事です。

 クソ過ぎるのでもう少し説明します。
バーチャルユーチューバーとは、動画配信を行っている…とされている、架空のキャラクター達の事を指します。筆頭としてチャンネル登録者数100万を突破し、バーチャルユーチューバーという存在そのものを提唱したキズナアイさんが挙げられます。

twitter.com

youtu.be 

↑この動画の絶叫すき

 2016年初頭から騒がれてきたFacerigを用いた「アバターを着る」という概念を一歩進め、「キャラが動画を作っている」という事にしている最新のごっこ遊びとも言えるでしょう。遥かな昔、「キャラがWebサイトの管理人をしている」という体で人気を博した「バーチャルネットアイドル」の動画バージョンと言えばパソ通だのBBSだのに入り浸っていたおっさんには分かりやすいでしょうか。

tiyu.to

 架空のキャラクターですから、SNS上でもキャラが情報を発信してやりとりします。なりきりチャットみたいなもんです。動画の宣伝、ファンとのやりとり、自分を描いてくれたイラストの紹介、他のバーチャルユーチューバーとの会話等、内容は動画とおなじように多岐にわたります。

今回元旦に炎上したのは、そんなSNS上での1通の投稿でした。

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https://archive.is/BuVbs


かの有名な、 「オレ的ゲーム速報さん」 に大晦日生放送まとめられてた(((o(*゚▽゚*)o)))♡ いつも見てるサイトだから不思議な感じwwww

 大晦日の生放送についてメディアで紹介されたよ!という一見微笑ましい何の変哲もない投稿ですが、そのメディアが問題でした。

 「オレ的ゲーム速報」、ゲームのみならず様々なネガティブキャンペーンフェイクニュース・デマ・誹謗中傷をバラまく悪質なサイトであり、個人・企業を問わず名指しで転載禁止を言い渡されるほどの迷惑サイトです。偏向報道誤報を連発する姿勢。迷惑サイトをソース(論拠)にして話すだけでも「あんなものを好意的に受け取る人なのか」とリテラシーやモラルを疑われても仕方ない程度の歴史のWebサイトです。よくわからん人はネットに於けるゲンダイや写真週刊誌、実話○○のようなものだとでも思っておいてください。

そしてその迷惑サイトに取り上げられたことを

  • かの有名な
  • いつも見てるサイト

と書いてしまったわけです。

これによりバーチャルユーチューバー ミライアカリに以下の属性が付与されました。

  • ミライアカリは悪質な迷惑サイトをいつも見ている。
  • ミライアカリは悪質な迷惑サイトに取り上げられる事に喜ぶような存在だ。
  • ミライアカリは悪質な迷惑サイトを「かの有名な」と好意的に見ている。
  • ミライアカリは自分を紹介したメディアが巷でどう見られているかを確認もしない。

動画やSNSでの活動や日頃の言動がキャラを形作っていくように、1つの投稿でこれだけの事がキャラにくっついてしまったのです。

更にミライアカリは反響を受けてこの投稿を削除し、このように続けます。

 

これにより

  • いつも見てるサイトなのに悪質な迷惑サイトと知らなかった。
  • 悪質な迷惑サイトである事を「知らなかった」で通した。

と、追いオリーブめいた属性付与が行われます。


バーチャルユーチューバーという幻想をひとまずバラしましょう。
キャラにはデザイン担当がおり、演者がおり、SNSのアカウント担当がおり、動画制作担当がおり、企業なり個人なりが「運営」しているプロジェクトです。その中での「SNS担当」のやらかしなのか、それは定かではありません。ただひとつ言えるのは、ミライアカリの「運営」と言うのは、この程度なのかと思わせるには十分な事件であった。という事です。これからずっと、ミライアカリの「運営」は悪質な迷惑サイトに好意的な奴らで、ミライアカリちゃんは記憶を失ってるという設定であれ悪質な迷惑サイトいっつも読んでるような子なんだというのを引きずって2018年を、生きて行かねばなりません。

バーチャルユーチューバーという幻想を見せ続ける。それは「芸能人」や「アイドル」同様にそのキャラは凄いんだと夢見させ続ける事に他なりません。架空のキャラのスキャンダルに直面する元旦を迎えた我々人類にとって、2018年こそがVR元年であることは最早疑いようもないと言えるでしょう。


余談。
ミライアカリちゃんさあ…あの><って目がなるの凄え可愛いしさあ…声も凄え好きだし…何より…こう…おっぱい大きいしめっちゃ好きなんだよね…とりあえずどうぶつタワーバトル回からでいいから観て…わっちゅ可愛いからみて…コメントついてるほうが見やすいと思うからこっちで見て…

www.nicovideo.jp

余談2。
世知辛いのじゃー」でお馴染みの、最近世知辛くなくなったのじゃろりー…バーチャル、のじゃロリ、狐娘、ユーチューバーおじさん。のねこますさんがこの件に関してアクロバット飛行めいた極めて政治的な判断を行っております。

  

ミライアカリの生みの親であるエイレーン氏(この人についても語ると長いので自分で調べてください)は凄いんですよ。という、ミライアカリ運営の失態には触れずにバーチャルユーチューバー界を盛り上げんとする姿勢を評価する忖度。凄い。何が凄いってねこますさんは自身のこれまでの投稿や活動で「悪質な迷惑サイトはブロックしている」と公言している人であり、この事件を流したら流したで「普段あんななのに言及しないんかーい」とツッコまれかねない状況で「最善の方法で案件をクローズさせる」というクレーマー対処のお手本のような行動を咄嗟に行えたのが凄い。

やっぱり、こう、世知辛い中で、踏んできた場数が違うんでしょう。ね。
最近世知辛くなくなったようで本当に良かったです。
たしかに東京のセブンの唐揚げ棒美味しくないよね…美味しくない…

余談3。
見たいけど同じDiscord部屋には絶妙に居たくないサイコ系ゲーマーのシロちゃんも、過去に悪質な迷惑サイトに言及しておりましたが

 

このように「不適切なサイトが含まれていた」と謝罪した上で投稿の取り下げを行っています。
これも極まっている。元旦から極まっている。「言われたから消しました」「知らなかった」ではなく、「不適切なサイトが含まれていた」という書き方。キャラ口調でなく「運営である」ということを全面に押し出した上で運営側の過ちであったことを認めた事でシロちゃんそのものには属性を絶対に付与させないぞという責任のとり方。鮮やかです。運営はサイコでは無かった。

余談4。

 

 

輝夜月ほんとすこなのでお前らもすこれ。すこってください。3分でいいからみろ。

ファッキュー

ファッキュー

 

 

 

セブン-イレブンだけがなぜ勝ち続けるのか (日経ビジネス人文庫)
 

 

 

セラミックロケッツ!はバーチャルユーチューバーの皆さんを応援しています。

テープやMDにダビングしてきた人らが今更不正コピーをどうのこうの言えんのかなみたいな事を

 ラジオ番組を録音した音楽聞く事と、【高音質】とファイル名に付いているようなmp3を聞くのって何が違うのか。僕には実はあんまり良くわかっていない。いや、厳密に言えば放送するにあたって使用料が支払われていたり、そうやって上の方ではお金が動いてるだろ何言ってんだってのはわかるけれど。それ無料で落とし込んで手元に置いてるわけじゃないですか。それを大事にコレクションしてるのも私的利用の複製(著作権法30条)なわけで、別にコピーを手にするのって21世紀になってから過激になったわけじゃないと思うんですよね。

 第一、「テープの爪を折る」って事は何かをダビングして皆さん増やしてきたわけじゃないですか。レンタルビデオ店のレジの横にちょっと前はVHSのテープがあり、今はDVD-RやBD-RとSDカードがあるわけで。そうやってしてきた人たちに、今更「最近の若者は不正コピーで!!!」みたいな事を声高に叫ばれても、「ええ…?」って顔になりますよね。なりますなります。

 コレクションで買うわけでもなく、子供に与える一時の暇潰しが安価で済むならそれ以上の事はないわけで、それは「アンパンマン」と手書きのラベルの貼られたビデオテープなり、本物のカセットと違い子供が出先で失くしてくるわけでもないマジコンなりだったわけじゃないですか。正規品であれ不正規品であれ、それを買い与えたのって「安く済む」って持ってきた親でしょ。違うの?みたいなモヤモヤを抱えています。アレだね。親って案外子供のオモチャに関してドライと言うか微塵も興味ないね。そんな事わかりたくなかったわ。大人に成りたくねえ。なってしまった。

 というわけで「今更大ごとみたく話してるけど、雑誌まで買ってラジオ録音してテープダビングして回してた人らに言われてもなあ」みたいなモヤモヤがクリスマス連勤を終えても残っていたので書いた次第でした。世の中って世知辛い。のじゃー。

 

 

 

生録・エアチェック音づくりこれでOK!! (1978年) (ハウブックス)

生録・エアチェック音づくりこれでOK!! (1978年) (ハウブックス)

 

 

漫画とかアニメとかゲームとかで他作品との類似点を箇条書きマジックで挙げて、例えそうだったとして糾弾する理屈よくわかんねーんだけど

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英霊剣豪七番勝負クッソ面白かったぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

以下、余談です。

英霊剣豪七番勝負のネタバレを含みます。

 

1.お前は衛宮士郎の何を見ていたんだ。

「これらは全て偽物、おまえの言う取るに足らない存在だ。だがな、偽物が本物にかなわないなんて道理はない!」とは、Fate/stay nightの主人公、衛宮士郎のセリフです。

 さて、似ているから。同じだから。だから何だと言うのでしょう。もしそれが見かけだけでなく「面白さ」まで似せられたのなら、もう私はそれを「亜種」だろうが「贋作」だろうが褒めていいと思っています。大概の場合、「見かけ」や「キーになる仕掛け」だけを真似て肝心の面白さをまともに提供出来ないから「見かけ倒し」となるわけですし。それを履き違えて「似ていること」そのものを糾弾するのは筋違いなのではないかと思います。誤認させようとした模造品や複製品とは訳がちがうでしょうに。

 寧ろ同じ事をやって、その上でどうヒネっていくか。それこそ見せ所であり、それらの作品群はいずれ「ジャンル」というものを形成すると思うのですがいかがでしょうか?

 そう、私は○○みたいなゲームがあるなら遊び倒してみたいですし、××みたいなアニメがあるなら是非お金を払ってでも見たい。その事を凄いと思った誰かが、誰かなりにやろうと思ってみた事を「これとここが同じだから駄目」などと言う理由が僕にはわからないわけです。誰かその理屈を教えてください。同じだからなんだって言うんですか。

 

 それにしたって今回の天草四郎、プレインズウォーカー(仮称)なのは良いとしてもうちょっとこう、パライソちゃんとか段蔵ちゃんぐらいの話を見せてくれても良かった気がしますけどね。バトル面でもダブルBBちゃんWith玉藻にバカスカ注射打たれて死んでいくだけでしたし、アポクリファ放送中にもかかわらず非常にもったいなかったと思います。どうせならアポベース(サーヴァント)と人間(プレインズウォーカー)が天守閣で対峙するぐらいやってもよかったように思えますが、そうすると武蔵ちゃんの物語じゃなくなってしまいますものね。難しい。

 

2.お前は衛宮士郎の何を見ていたんだ。

 引き続き衛宮士郎の話をしましょう。衛宮士郎という人間の理想というのは借り物であり、「願い」や「意志」というのがすっぽ抜けた、こうあるべきというだけのものでした。そこに血の通った意志はなく、故に「理想を抱いて溺死しろ」とアーチャーからの糾弾を受けるわけです。

 UBWのクライマックスのひとつは、そんな衛宮士郎が「この夢は決して…俺が最後まで偽物であっても、決して…!間違いなんかじゃないんだから!」と理想だけに殉じて擦り切れていったアーチャーを撃破し、本物に限りなく近づこうと願うシーンです。ただ「同じ」なだけの生き方から、更に一歩先へと進もうとするのです。

 そう、ただ「同じ」なだけではなく、本物になろうとした「偽物」である事に、Fateというのはひどく自覚的な物語であると言えるでしょう。そうでなければギルガメッシュにわざわざ主人公を「贋作者(フェイカー)などと呼称させません。

 故にもう一度問いたい。「同じ」だから、「オリジナルでない」から。それだけで何だって言うんですか。

3.そしてお前は英霊剣豪七番勝負で千子村正の何を見ていたんだ

『亜種並行世界 屍山血河舞台 下総国 英霊剣豪七番勝負』のクライマックスは「千子村正」が都牟刈村正を抜き、厭離穢土城を真っ二つにするシーンです。

 ただ生きるだけでなく、ただ斬るだけでなく、宿業すら断つ一刀。それが村正の求めた一振り。そこへ更に、依代となった青年の生き様も重なります。かつて無限の剣を打ち、意味など不要(いら)ずと叫んだ青年の生き様は巡り巡って「収斂」し、たった一振りの剣を作りあげるのです。

 おぬいちゃんや田助くんが笑って暮らせるような、もう誰も泣かない世界のために。剣豪の世を、乱世を、そして目の前の「何もかもが燃え盛る光景」を両断する一刀。専用BGMやイラストも相まって心震える展開であったとおもいます。

 

 さて、こんなクライマックス、他の作品に本当に「同じ」ようなのがあったんでしょうか。十余年あまりのうちに、偽物は偽物のまま、本物と見紛うばかりの輝きを放つようになりました。それが衛宮士郎というキャラクターと、Fateの積み重ねであり、またTYPE-MOONの積み重ねであることは言うまでもありません。

 こんなクライマックスすら箇条書きの中に埋もれて行くのなら、それは物を語るのではなく物を騙っているとすら思うのです。どういう理屈なのか、教えていただければ幸いです。