実録・ソシャゲやめろマンは如何にしてFGOに40万円課金するようになったのか

 思えば小学生の頃からゲームセンターに入り浸りつつ、帰り道にはわんぱくこぞうに寄っては中古ゲームを眺め、兄弟や友達とゲームの早解き競争をしたりする子供でした。中学時代はバーチャロンフォースに熱中し、高校時代には主にBEMANIシリーズを放課後にプレイし、家ではXboxのHALOのオンライン対戦に兄弟で熱中。そして大学時代にはPS3Xbox360が発売され、Xbox360のローンチタイトルであるパーフェクトダークゼロに始まり数々のオンライン対戦ゲームを渡り歩きました。時には兄弟で現5chである2ちゃんねるの晒しスレッドにIDが乗る程度の蛮族でした。そんなにグレポンやSkypeでチーム組んだりするのが嫌だったんでしょうか。

 

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 特にXbox360でリリースされた「クロムハウンズ」が気に入っており、サーバーが閉鎖される1年前まで長々と遊んでいた記憶があります。あの頃は「アジア版」というものがゲーマーの間で重宝されていました。英語版だろうがなんだろうがすぐに対戦出来ればあの頃は良かったのです。今や世界同時発売が当たり前となり、リージョンを飛び越えて初日からDLが可能。もう10年近くも前の話です。

 

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 また、PSPとDSの直撃を受けた大学時代でもありました。MHPでは大剣で初めて倒したリオレウス戦で咆哮し、MHP2は発売日から友人達と泊りがけでひたすら狩り。 その頃のオンラインゲームはと言うと、バトルフィールドシリーズを初代から追いかけたり、β自体からシールオンラインをやったり、大学の友人とファンタジーアースゼロを始めてひたすらオベリスクを木こりする蛮族になったり、レッドストーンをやってみたり、パンヤ鬱袋で自爆したり、トラックボールCS:Sに挑んでコテンパンにされたり、突発的にL4Dをやったり、そんな感じでした。

 

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 大学卒業後はオンラインゲームをやり過ぎた反動からか、ひたすらシングルプレイヤーのゲームを黙々と解いたり、寝ずにアニメを一気見したり、突発的に寝ずのCiv4対戦会やXbox360の伝説的レースゲーム フェイタルイナーシャにドハマりしたり、マインクラフトでジャングルバイオームの木を一本残らず燃やすまで寝なかったり、PSO2のスクラッチで爆死したり、PAYDAY2で殺されたり、突然ドラクエのIとIIを攻略サイトに頼らずTwitter情報のみでクリアしたり、hotline miamiとドバイでしあわせなせかいに至ったりしました。

 

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 さて、時は流れて2016年年の瀬。中間管理職となった私は心がズタズタになっておりました。閉店までボーダーブレイクをやるためにゲームセンターに入り浸ったり、GTX1080やPS4やXboxOneやら買って現行機全てを揃えたり、ずっと遊んでみたかったGTAⅤを買ったりしていたのです。

 

 

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 そう、これがいけなかった。悲しいかな、GTA5のキャンペーンはクソだったのです。これがただでさえズタズタだった私の心を木っ端微塵にしてしまったのです。

 

 そんな最中、Twitterが俄に盛り上がりを見せます。乱舞するふせったーの嵐。2016年末、天文台の魔術師達が人理修復に至ったのがその時だったのです。

 

 元より月箱からTYPE-MOONが大好きで、大学時代は友人とメルブラACのPS2版で対戦したりしていた私がFGOに触れていなかったのはただ1点。「ガチャ」の存在するソーシャルゲームだったからです。

 

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 私がガチャを憎む理由についてはSNSやブログで書き散らした通りですので、過去の恥ずかしい記事だろうが自分へ容赦なく引用します。

 しかし、疲れ果てていました。GTA5に。人生に。カネのかかった巨大なクソに。MCU作品はこんなに面白いのに。どうしてちゃんと面白いものがないんだ。どうして、どうして…

 

 気づくと私はFGOをインストールしていました。「これだけ反響があるのなら、きっとちゃんと面白い筈だ」「ウケている作品があるなら食いにいかねばオタクじゃないだろう」と。 

 初めて来た星4はエミヤとマルタ。そして始まる1章。マリーとアマデウスの生き様にすっかり私は心を奪われました。そう、「スマホでフェイト」名に偽りはなかったのです。

 そして戦闘も悪くない。集中をつけたヒュッケバインガンナーを敵の群れの中に入れたり鉄壁と必中をつけたマジンカイザーを敵の群れに入れるぐらいのキャラゲー具合が6章のゴリラでα外伝のハードやXO、Aポータブルぐらいに突入する。種火周回で一人また一人戦列に加えていくのも悪くないし、サポートで「いつかたどり着く場所」としてのサーヴァントを借りられるのも「キャラ的にも性能的にもこいつほしいな」と思わされるのも悪くない。むしろ、良い。

 

 さて、しかしながら私は種火周回の為の石を割るぐらいしかFGOに金を突っ込んでいませんでした。MMOで言うプレミアムコース的なものと割り切っていましたし、何よりこの手のゲームで物理版のパッケージ(特典がつくやつ)は買ってから始めるクチでした。何より上で書いたとおりFEZパンヤPSO2を渡り歩いたり、このブログの読者の方はご存知でしょうが艦これだってドックをすぐに全開放してから望むタイプのプレイヤーなので抵抗はありませんでした。

 ゲーティアどころか新宿に至るまでほぼ石割りのみ。時折「この章・復刻面白かったお布施ガチャ20連」をするぐらい。だらだらと続けていたFGOに変化が訪れたのは2017年の夏、カルデアサマーメモリーの復刻です。

 (FGO開始時期と進行度レアサーヴァント獲得順の整理)

 2016年末開始→正月に福袋で玉藻(術)が来て大歓喜→正月PUで金時、イシュタルがどちらも単発で来る→フィン、エリちゃん(槍)が来る→六章に差し掛かった時点で気まぐれにストーリー召喚10連でネロ(星4)が来る→新宿PUで燕青、すり抜けオジマンディアス、セイバーオルタが来る→終局特異点クリア、時間をおいてCCCコラボ開催、ドレイクとパッションリップが来る→(期間がかなり空いて)羅生門復刻、初の星5アサシン酒呑童子くる→夏、来たる。

 さて、夏が来ました。つまり槍玉藻と弓アルトリアがピックアップです。ランサーもアーチャーも貧弱な我がカルデアには喉から手が出るほど欲しい存在です。そして手元には賞与。既に存分にFGOを楽しんでいた私はここで、初めて9800円分の石購入を決意します。

 結果、2万円分で槍玉藻と弓アルトリア、そしてなぜか付いてきたトリスタンを獲得。続いてデッドヒートサマーレースでは50連でネロ(術)が2騎、ニトクリス(殺)、エレナ(弓)、ジャックザリッパーが来ました。この時点で「金突っ込んだらサポート更新連打とか渋いことしなくてもええやんけ」というぐらい、私の中でガチャ忌避が無くなっています。

 

 もともと上でも書いたとおりゲーセンに入り浸りの人間であり、あまり金額を書くもんでも無いですが月のゲーム代が4万円を下回ることはありません。Steamやコンシューマのソフトの金額も合わせての額ではありますが、「ゲームに金を出す」のは私の人生において当然の事です。賞与から3万円出したとて、「月にボーダーブレイクに幾ら突っ込んでるか」を考えれば、まだまだ軽い額だと思っていました。

 この頃は。

 

 本格的に崩れたのは2017年9月のマーリンピックアップでした。あれがいけなかった。あれが悪かった。100連しても既存サーヴァントの宝具がメキメキと上がるばかりでマーリンが出ない。追加の50連でマーリンが出る。星5セイバー不足による対ランサーのダメさが深刻化したあたりで沖田さんがPU。無論引く。英霊剣豪七番勝負がココらへんで配信。シナリオが面白すぎて記事を殴り書く。

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  武蔵ちゃん欲しさに夜の新宿アルタ前で250連しても出たのは千代女、アタランテ、ランスロット(狂)、段蔵、エレナ(術)、オリオン、そしてすり抜けインド(白い方)の洗礼。ここで完全に金銭感覚が崩壊します。

 気付けばFGOに突っ込んだ額は40万。しかし計算してみれば月3万にも満たない額です。日頃から服やらカメラやらオーディオやらパソコンやら車やらに金を突っ込んでいる人からすれば、月3万の趣味なんて相当軽い部類に属するのではないでしょうか。

 

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 というか、私の仕事も悪かった。毎日何十台とiPadiPhoneを売っていると、月3万円に満たない趣味なんてRyzen 7もCore i7もGTX1080tiも1TBのNVMe SSDもロクに買えない程度の端金でしかないだろという金銭感覚が身についてしまいました。だってあなた、40万あっても15インチのMacBook Proの全部盛りすら買えないんですよ。α7Ⅲとレンズ見繕ったらそのぐらいの額だし4Kの有機ELテレビだって買えやしない。

game.watch.impress.co.jp

 加えて、「売り切りがそんなに誠実な商売を今しているのか」という疑問が私の中で確信に変わりました。「FPSのルートボックス問題」で調べて貰えばわかるのですが、ゲームのアンロック要素に大作ゲームが値段をつけてしまい、しかもその売上がシーズンパス(発売日から買えることの多いダウンロードコンテンツまとめ買いセット)を超えたという話です。そう、オーバーウォッチだろうが、スターウォーズバトルフロントだろうが、コールオブデューティーだろうが、カウンターストライクだろうが、バトルフィールドだろうが、FIFAだろうが、お前らガチャでマネタイズしてるじゃねえかよと。

 もっと言えば「大作の蓋を開けてみれば未完成でDLCによる補完をやる」だとか、「キャラがバラ売りだ」とか「無料で遊べちまうんだ」とか「何だよヘリックスクレジットって」とか「名声の要求多くないっすか」とか、その他にも「半年立たずに半額以下でDL販売ってお前…」とか、書ききれないぐらいに「売り切りが言うほど誠実な商売をしてきたとは思えない」というのが私の中でできてしまいました。

 

 それなら、今面白いとわかっているゲームにカネを出す事に抵抗など最早無い

 

 ブーストチケットをONにし、ICカードを入れ、iPhone電子マネー支払い機にたたきつけて遊戯時間を購入するのも面白いと分かりきっているからです。これから訪れる10分間を楽しみきれるかは自分にかかっていると分かっているからこそ100円を投入して三十路の男は今日も矢印の描かれたパネルを踏み、鍵盤を叩き、ドラム式洗濯機の前に立ち、AIRアクションを決め、キャラを選択しスティックとボタンに手を添えます。それと同じように9800円の聖晶石の購入ボタンをタップし、TouchIDで認証を行う。それだけの事です。

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 ゲームはどうしてこうなっちゃったんだろうね。ゲームなんて画面の中に踊る光と流れる音と、その画面の前で熱狂したり涙を流すサルがいるだけの娯楽なのにね。そんなものに今だってハラハラドキドキしているけど、どこか一抹の後ろめたさを抱え始めたのはいつからなんだろうね…

 

 

 ※追記

 記事へのコメントで「納得」というものがありました。

 そう、「納得」。私は納得の上でカネを払うことを決めました。祭の出店のたこ焼きが10個で600円するのも「こういう場だから」と納得するのと同じように。

 「基本無料」というのが発達したのも頷けます。「無料」で遊べる範疇とは「体験版」でなく「本編そのもの」。それ故にもう「面白い」事が分かってしまっている。その上で「納得」してカネを支払っている。買う前から「今度は大丈夫なのだろうか」とビクビクしながらレジで8000円も出したりするよりも、ある種健全とすら思えます。「高いカネを最初に支払ったのに大丈夫じゃなかった」から、ビューティフル塊魂アイドルマスターライブフォーユーも叩かれましたし、折角ネット対戦が出来ると思って買われた対戦ゲームもバランスやネットコード(ざっくり言うとラグとかワープとか巻き戻しとかの事)でクソミソに言われるんです。

 そして最も多い勘違いにも気付きました。「基本無料」をマネタイズするシステムこそ「ガチャ」ですが、プレイヤーが支払っているのは「ガチャ代」ではありません。「ガチャにも使えるゲーム内アイテム代」です。それをガチャに使っても使わなくてもいいのに、ガチャを引いている。しかも引き際だって自分で決められるのに、進んでガチャを引いている。そのゲーム内アイテムで決して短くはない時間更に遊ぶことも出来るし、それによってキャラを育てたり武器を強化したりスキルツリーを買ったりアバター・スキンを買ったり様々な事ができるのに、です。

 後からウダウダなるようなカネの使い方をしてしまうのは、純粋に「買い物が下手」とか、「金遣いが悪い」とか、そういう話になると思います。とすればガチャで浮き彫りになったのは「酒が人の本性を暴く」ように、「ガチャが金遣いの悪さを暴いた」に過ぎないと思うのです。

 

 また、「売り切りは誠実である、ソシャゲと違って」と言い張るには、この10年あまりにも不誠実な事が起きすぎました。iPhone向けファイナルファンタジータクティクスダンガンロンパを覚えていますか?スクエニセガバンナムカプコン等大手パブリッシャーのPC版の扱いは?2010年代前半のタイトルのSteam版のフレームレート問題は?シナリオとキャラを切り売りする真・女神転生は?1年足らずで完全版が移植でリリースされた作品を覚えていない?結局シーズンパス前提かよと1本のタイトルに1万も2万も払わされた記憶は?致命的なバグを孕んだ未完成の作品にまんまとフルプライス払った事もあるでしょう?携帯機なのに3D部分の解像度が低く引き伸ばしでボケボケな事なんて珍しくもないですよね?

 そこに「納得」はありません。例えクリアまで遊んだとしても。

※追記2

 何やらコメントに「喜んで搾取されている」「納得させるのにずいぶん多弁だ」と素晴らしい私そのものへの評を頂いております。私を知り尽くしたような思いやりのコメント、ありがたい限りです。

 しかし、貴方の在って欲しいように在れなくて申し訳ございません。私の話しているのは「言うほど売り切りが誠実な商売をしてきただろうか」という昨今のゲームへの不信感そのものです。例えばアイドルマスター ワンフォーオールのDLCをすべて購入すると、15万円を超える(通常価格時、ゲーム内マニーまで全部購入した場合)のをご存知でしょうか?これは極端な例ではありますが、例に出したGTAVについても

 

jp.automaton.am

 この記事にあるように、オンラインの設備購入等に使えるゲーム内マネー購入で莫大な収益を上げているだろうにという話がメインになります。

fpsjp.net

 また、オーバーウォッチコールオブデューティを抱えるアクティビジョンリザードについても「CoDBO3においてはシーズンパスよりアンロック用のゲーム内マネーのが売れてる」という話が当たり前のように出てきています。

 とすれば、実に2500万人(BO3の売上)が「喜んで搾取された」という言い方にもなるでしょうね。

 私にあるのは、1月に書いた記事同様に「夢は無い」と語った結論だけです。最早コンシューマが清廉潔白だのと言える時代は2010年代前半にとうに終わっています。そうであるならば、何に使おうが人の勝手ではありませんか?

 

 しかし、私としたことがいつもの言葉を忘れていました。
 それでは皆さん、よろしいですか?

 

 ソシャゲやめろ!

 

NHKスペシャル 世界ゲーム革命

NHKスペシャル 世界ゲーム革命

 

 おあとがよろしいようで。