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久しぶりに機動戦士ガンダム0083見たんだけどニナ・パープルトン言うほど悪い女じゃなくね?

amazon機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYを約15年振りに一気見しました。スーパーロボット大戦αで知ったデンドロビウムノイエ・ジール観たさに兄弟でDVDを借りてきたのが中学生の頃でしたから、本当にそれ以来の事になります。

 

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さて、本編の面白さは最早語るまいでございますが、今日書きたかったのは悪女扱いされるニナ・パープルトン嬢の話です。御年21歳。

 

まずガンダム強奪。もうこの時点でかわいそう。
彼女にとっては大事な自分の担当ガンダムであり、重力下の試験の為にわざわざアルビオンくんだりまで出向してきて、テストをするだけだったはずが核弾頭を搭載した上で持ち去られるわけですから顔面真っ青です。そりゃあ「私のガンダムが」の一言ぐらい言いますって。

さて、一気に時計の針をソロモンの観艦式襲撃まで進めましょう。結局、試作2号機の核攻撃を止めることは叶いませんでした。しかもその上で、試作1号機と試作2号機を失うことになります。「どうしてこんなことに」と打ちひしがれる彼女は、コウと傷を舐め合うような関係になるわけです。忘れたいのよこの悪寒を。キャッキャウフフ。

ここの「戦いが身に染み付いてしまって忘れたくても忘れられない。そうなってしまうのが怖い」というのは戦いの中で立派な連邦の士官となっていくコウや、ジオンの理想……というか理想の旗のもと過激なテロリズムに走り自らの元を去っていったガトーを知っているからの言葉でしょう。もうこれ相当かわいそうですよニナさん。

更に続く試作3号機受取(強奪)では同僚のルセットにまで死なれます。しかも殺したのはガンダム開発計画をアナハイムに発注した連邦の人間なんだから限界です。ニナ限界プルトンです。そのニナがちゃんと次に出てくるのはというと、最大の争点となっているコロニー内最終軌道修正の場面です。あら、案外出番少ない。

 

ハゲが死にました。精一杯生きようとしてるシーマ様、獅子身中の虫と言われようが彼女が一番のヒロインであることは疑いようもありません。どこへ引くって言うんだい。デラーズを手土産に連邦側に寝返るシーマ様の事情など知ったことじゃなく、爆導索で無双する試作3号機。「お前は一体どっちの味方だ」ってのはごもっともで、「長い砲身にはこういう使い方もあるんだ」(スパロボオリジナル台詞)(私あんまりこれ好きじゃない)とばかりにメガビーム砲の先端が彼女の墓場になってしまいました。この時点でコウは試作3号機を強奪どうこうよりそうとうまずいことをしている気がするんですがいいんでしょうか?

話が逸れました。逸れましたがコロニーの軌道は逸れません。「コロニーは間違いなく地球に落ちる」 この時点で正に勝敗は決しています。子犬系オタク男子だった今カレはアナハイムガンダムビグザムで大暴れするバーサーカーとなり、元カレはもう良いだろって言っても「済んではいないッ!!!」「君には分からんのだッ!!!!」と聞く耳持たず。しかもこの期に及んで「俺のことは忘れてほしかったんだよね。俺はジオンの再興に身を託したからさ。君こそが星の屑の真の目撃者かも知れないなあ」などと激エモな事を言い出すんだからたまったもんじゃありません。「もういい加減にしろ!!」と彼女が叫ぶのも当然のように思えます。

大局が決した上での戦いが「もはや私闘だった」と言うのは、クロスボーンガンダム鋼鉄の七人でも語られていたとおり。ニナが「やめて」と言っていたのは裏切りというよりは、この二人の私闘そのものを止める事にあったように思えます。しかもこの時のコウは「俺への気持ちは!!!」だの子犬バーサーカー度全開です。「ガンダム2号機を!!!!」に対して「そういう事じゃないのよ」なんて、御尤もじゃありませんか。

このネタについてツイートしていた所、性別を反転したらもっとニナの行動が腑に落ちるとの指摘がありました。かつて恋仲にあり、彼氏の為を想って突然姿を消したテロ屋の元カノと軍属の子犬系オタク女子今カノがイケメンメカニックの目の前で殺し合おうとする。あっ、止めるわ。これは止めるわ。核がどうとかじゃないわ。

 

さて、この後のニナはと言うと、ガトーとロクに話すこともなく腹パンで気絶させられ流れ流れてジオンの艦へ。今カレはあんまりの報われ無さにビームライフルを乱射してフェードアウトし、元カレはアクシズ先遣艦隊に回収されること無く連邦の艦に体当りして散る事となりました。

 

時は流れて北米オークリー基地での再会となるわけですが、恐らくここがニナを悪女たらしめる事となる原因だと私は思いました。ニナは戸惑うべきでした。いや、コウが駆け寄り抱きしめるまで、微笑んではいけなかったはずです。私闘に狂った末にMSでなく自らの手で、戦局を決する場面でなく感情で人を殺しては後でじくじくと膿む心の傷を作ってしまう。それを止めたニナを理解し許すという描写も何もなく、コウはただニナを見つけて呆然としているだけです。ここで戸惑った後にすぐ微笑んでしまったからこそ、人々から四半世紀に渡り「キースはゲルググでその女踏めよ!!」と言われる事になってしまったのでしょう。ああ、かわいそうなニナさん。でもやっぱりキースはゲルググでその女踏んだほうが良いと思います。

 

次に見た08MS小隊に出てくるアイナの方がよっぽど悪女なんじゃねえかなとか想ったりしたわけですが、これはまた別の記事があったら書こうと思います。

amazonプライム、年間3900円なのにガンダム見放題なので入ったほうが良いと思います。届くの速いし。

 

 

 

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3DS『サバクのネズミ団!』レビュー。この1本のために3DSを買ってでも遊ぶべき作品だ。

 

見渡す限りの砂漠が広がる、とある惑星。
そこにはネズミと、ネコと、チキュウジンと、厄介な怪物が暮らしているのでした。

 

銀河のさいはて サバクの惑星に生きるネズミたち
移動要塞サバクフネにのりこんで めざせ! まぼろしの黄金郷!!
――灼熱のサバクをわたり
風の吹きすさぶ荒野をこえ
荒廃した廃墟の向こうへ
鋼鉄のフネにのり、砂の海をゆけ! ネズミ団!!

  公式サイトより

 さて、『サバクのネズミ団!』の記事です。どうやら特定タイトルについてのゲーム記事って実に1年振りらしいですよ。さっさと本題にとりかかろうと思います。皆様、おまたせいたしました。

 

クラフト×アップグレード×リソース振り分け=ネズミ

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 『サバクのネズミ団』が何をするゲームなのか簡単に説明すると、「拾ったアイテムを加工してフネを強化し、最終目的地である【黄金郷】へ突っ走るゲーム」です。

ゲームの流れをざっくり説明すると

  1. マップ画面から隣接した目的地(街や集落)を選ぶ
  2. サバクフネが走り出す(自動走行)
  3. 走ってると色んなアイテムを拾う
  4. 走ってる時間でアイテムをフネの設備で加工する
  5. 加工したアイテムで設備を強化・建設する
  6. 到着した目的地でアイテムを売買し、次の目的地へ向かう

という作りになっています。

 クラフトに必要なアイテムは「自動走行中に自動で入手」であり、ツルハシやスコップを振る必要はない。地域によって入手可能なアイテムが異なり、このアイテムの違いがそのままゲームの進行度に直結しています。新たな目的地のアンロックにはカネが必要とされるため、アップグレード用のアイテムだけでなく取引用のアイテムの製造も重要ですね。

 クラフトするために設備の加工画面を見ていると、明らかに「今の段階ではお目にかかれないアイテム」が立ち塞がります。この先に何があるんだろう。これを作ったらどうなるんだろう。まだ見ぬ未知の世界を求めて、ネズミと共にプレイヤーは旅することになります。

 加工の為には設備の稼働をさせなければならない。そして設備を稼働させるためにはネズミを1匹割り当てなければならない。ネズミは疲れるし腹が減る。だからキッチンと寝床を作ってやらなきゃいけない。それも清潔なシーツとフカフカなマットレスの寝床だ。キッチンだって合成ミルクと合成チーズの食事じゃ腹持ちが悪いから、サボテンを加工してワインとパンを食べさせよう。

 

わちゃわちゃします。

フネの中はゲームの最初っから最後までわちゃわちゃします。

 

 働いた後は「チカレタ…」と眠りにつき、「ハラヘッタ」と食事を取り、アイテムを入手すれば「ヤッター」「モウケモン!」と大喜び。食堂の料理には「ウマイ!」と舌鼓をうち、そして敵が現れたときには「キャー」とフネ中大騒ぎ。このゲームはクラフトのコツコツ感もそうですが、このネズミたちのセリフ選びやアニメーションも絶品です。見ているだけで楽しくなりますよ。

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 そしてクラフトです。クラフトも一筋縄では行かず、スクラップ→鉄板→鉄パイプや歯車やらなんやら…といった形で、アイテムツリーがゲーム内に存在します。作りたいたったひとつの装置のために、設備はいつもフル稼働。『サバクのネズミ団!』のやることと言えば、「次は何を作るか」を設備に設定するぐらいなのですが、この素晴らしきワチャワチャ感の中で割り振るのが楽しくて仕方ありません。気付けばあなたは数時間、夢中でネズミたちと旅していることでしょう。

 

それはネズミに与えられるべき罰なのだろうか?

 さて、そんなネズミ達の旅ですが、進めていると3度乗り換えのタイミングがやってきます。乗り換えなくとも、手狭になったフネで設備をリプレイスしたくなるでしょう。ここで『サバクのネズミ団!』最大の問題というか、数少ないマイナス点が出てきます。それは「設備を解体するとアイテム全てが素材に還元されるわけではない」というシステムです。

 これがRTSや別のシミュレーションゲームで、成長の度合いを競うゲームであれば潰す際のリターンと今のまま運用するリターンのどちらの方が良いかを考える事もゲーム性の一つとなります。しかしこのゲームは極論を言ってしまえば「プレイ時間をゲーム内のアイテムに加工していくのを楽しむゲーム」であり、その中でやれることが増えるわけでもないのにアイテムが失われると言うのは何の面白みにも寄与しません。

 どんどん建設して設備を入れ替えていく、というのは「作りたい物」がどんどん変化していく『サバクのネズミ団!』の面白さのひとつに成り得た要素であり、この「全ては戻らない」というシステムのせいで「この位置にこの設備を建設するのは間違ってはいないだろうか」と若干の億劫さを孕んでしまうことになりました。

 なにより、我が団のネズミは自分で建設した部屋ならカンペキに解体して再利用できるはず(断言)であり、ネズミ達が頑張って加工した素材を使って強化した部屋が無駄になってしまうというのはネズミに、ひいてはプレイヤーに与えられる罰になってしまいます。

 次回作があるのであれば、ここをもう少し上手く作ってくれることを望みます。

 

完全にフレーバーと合致したクラフトアイテム、そして愛おしき日々

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 『サバクのネズミ団!』には、サラっとCivilizationの要素も含まれています。最初は何で動いているのか分からないサバクフネに乗り、集落を回ってお使いをこなすだけだったネズミたち。彼らはいつしかスクラップからレンガを作り、竈を手に入れます。そして手先が器用なネズミ達はスクラップから歯車装置を、希少な鉱石からマグネットを加工し、モーターを入手することによってついに「マシンガン」「バーナー」「ロボットアーム」といった高度な文明を復活させます。

 そしてそのアイテムを手に入れる頃には、酒場で人々の口から語られる言葉によって「大昔、地球人がこの惑星に移民を試みた」「大量のスクラップは、衛星軌道上に浮かぶ宇宙船の残骸である」などの情報を得られていることでしょう。

ま、ひたすらに「黄金郷」を目指しているネズミ達にはあんまり関係ないんだけど。

 新たな目的地に辿り着くたびに明かされていく世界の全貌。鉄板を起点として効率的に様々な物を作り出していくファクトリー。そしてラボやロボティクスによる「電子工学」を手に入れたネズミたちは、「現代」に到達します。

 最終目的地である「黄金郷」のアンロック条件、それは「大昔からこのサバクの星を見ている機械」と通信し、位置を割り出すこと。ネズミたちは旅の果てに「人工衛星へのハッキング」を試みるのです。今までモノやカネの為にフル回転してきたサバクフネの設備が、ついに「黄金郷」のために稼働する。物語はクライマックスを迎えます。

 

 もう、ですね、ここらへんの盛り上げ方がたかが800円のゲームの作りじゃないんですよ。テキストもアイテム周りもものすごく丁寧。よくぞこのゲームを日本で作ってくれたと心からの賞賛を贈ります。

 

 私のクリア時間は20時間。「黄金郷」へは「ヌシ」の撃退によって辿り着きました。終盤に「ウシの骨」起点のアルカリや、そもそも「ラボ」へ偏りすぎてしまうアイテムツリー構成で生産がおっつかなくなるなど、惜しい点はちらほら見受けられますが、本当に素晴らしいゲームです。

 「ザ・タワー」「アジト」「アクトレイザー」「FTL」あたりがピンと来る人には、グサーっとささる一本になることでしょう。あなたも是非、この惑星でネズミ達と旅してください。

www.nintendo.co.jp

 『サバクのネズミ団!』は、ニンテンドー3DS専用ソフトとして800円で配信中です。

 

 

Newニンテンドー3DS LL ピンク×ホワイト

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  あなたにも、銀河に広がる例のアレの加護がありますように。

「君の名は。」を観た時の記憶が薄れる前にマッキーで殴り書きするようなブログ記事をここに残す。

君の名は。』観ました。

 

物凄く真っ直ぐな「ジュブナイル」を見せて貰えた。本当に良い映画でした。情け容赦なくネタバレするのでネタバレフォビアの人は今すぐこの文字を見た時点でブラウザを閉じPCを破壊しスマホを放り投げタブレットを四つ折りにしてください。

いいですか。

いいですね。

 

さて、『君の名は。』の話をしたいと思います。この手のにありがちな「入れ替わりの巻き起こすトラブル」の部分を『前前前世』をかけながら軽快にパパっと済ませる時点で凄いなと思いました。普通、入れ替わりの引き起こすトラブルが深刻化(それこそ人との約束をすっぽかすだとか、学校やバイト先や家族との間で現状が危うくなるような大きな失敗をしてしまう)することにより解決せざるを得なくなるとか、何らかの不快感・ストレスの解決のために会いに行ったりしたはずです。

が、瀧君は違う。そういうゴタゴタではなく、「何故か入れ替わる事がなくなった。記憶の中にあるあの街に何としても言ってみたい。話してみたい」という大変ポジティブな理由でした。場所が飛騨にあることを突き止めるのも、三葉ちゃんがバイト先のイタリア料理店で彼女なりに頑張って取り付けた先輩とのデートの中で見つけた写真というのがまた「互いの行動が絡み合っていく」という感じで大変良かったです。

そしてティアマト彗星。実は同一の時間上で入れ替わっていたのではなく、時を越えて入れ替わっていた事が判明する場面の話をします。どうやら世間では「あの瞬間まで瀧くんが彗星のことを忘れているなんて」という事がひとつの引っかかりポイントになっていたようですが、僕にはそうは思えませんでした。というのも、彼は都会も都会の新宿区の四ツ谷駅周辺住まいで、バイトと学校通いに忙しいただの高校生。中学生時代起きた、500人が犠牲になった災害やその詳細な地名まで彼は覚えちゃいないでしょう。

僕だって、東日本大震災で住民の半分が流されてしまった町があったことは知識としては覚えていても、その町の名前を今や思い出せません。ましてや、そんな「日本の片隅でそんな事があったかもしれないなあ」とぼんやりと覚えていたことが、自分に関係のある範囲での現実とリンクするなんて、失礼ながら想像がつきません。

少しずつ「夢だった」と記憶が揮発していく場面で、手首に巻いた組紐をみる瀧君。「誰がこの紐をくれたのか」を手繰り寄せ、その人が「瀧に記憶が無いにも関わらず、3年前のあの日の前日に逢いに来てくれた三葉だった」と思い出してから山登りを敢行するのがまた頼もしい。ラーメン屋の店主の人の良さもそうですが、瀧君が入れ替わりの中で目に焼き付けてきた糸守の風景とそれを描ききった彼自身の想いに答えたのもありましたよね。「あらあ、良かった」って。

 

「結び」という言葉で表現された「因果」や「輪廻」、僕はそこに『陰陽師』(著:夢枕獏)で使われた「呪(しゅ)」と同じものを感じました。「呪」とは関係性であり、思いであり、そして最も短い「呪」は「名である」と作中で安倍晴明は言っています。一介の高校生に過ぎなかった瀧君が、何の因果か糸守の山中の神域に辿り着く。その「結び」を更に強め今一度「3年前」に戻るため、三葉の口噛み酒を飲む=彼女を身体に入れる。ああ、瀧君。どうしようもなく主人公です。

ちょいとここでオカルト方面に振りすぎた感は否めません。とは言え、ここで只の「何らかの受け皿」ではなく、自ら一歩踏み出した故に三葉の全てが流れ込んできて、そして彗星の日に戻る。糸守を救えずについに1200年経ってしまった「今」をようやく救うのは、ティアマト彗星が天を駆けるあの日にリンク出来た瀧君だけです。

ココらへんの超常現象の話は、作中で詳細には語られません。町長と一葉ばあさんが少し語るだけ。私は別にそれでも良いと思います。マユゴロウの大火で何もかも焼けてしまって、それでも絶やさぬようにと紡がれた糸。それが「3年前の10月4日」へ結ばれる。彗星のように美しいじゃないですか。

 

ドタバタの入れ替わりの序盤、入れ替われなくなってから御神体へたどり着くまでの中盤、そして終盤とエピローグ。ドタバタの序盤のみに予告を絞っていたのは割りと正解だと思います。ほんと、中盤からが大事なので。

 

さて、瀧君が三葉の中に入って3年前の世界を変えようとしても、彼には人の心ひとつ変えることは出来ませんでした。ココらへんの孤独な戦いは時間遡行物の醍醐味です。というかここに至るまでの所、オカルトというかファンタジー面に振りつつSFな描き方もちゃんとやってました。

2人が(というかどちらの肉体も神域へ持っていったのは瀧君ですよね。お疲れ様です)幽世に足を踏み入れ、更に訪れたカタワレ時。どうしようもなく惹かれ合っておきながら、2人が直接会話したのはあの数分間だけでした。特に、日をずらすことなく年だけをずらして「彗星の日」を迎えた三葉ちゃんにとっては、瀧君ほどの「結び」はなかったはずです。あったのは宮水の血筋と、少し不思議で楽しかった東京での日々だけ。それでもティアマト彗星の傷跡を見て自らに訪れた結末を悟り、瀧君に渡した組紐を受け取った後は彼女の物語がスタートするんです。

 

幽世に足を踏み入れたものは、いちばん大事なものを失わなければならない。一度出会い、言葉を交わした筈の彼女らが差し出しだのは「結び」そのものであり、最も短い「呪」である「君の名」でした。あんなにも大事だった、大切な「君の名」を忘れ、どうして「神域」に居たのかも忘れ、何故「糸守」の事があんなに気になっていたのかも忘れていく。瀧君はマッキーで書かれる前にカタワレ時が終わってしまったので、「糸守」という地や「誰か」に焦がれていたといううっすらとした「結び」だけが残りました。彼の時はそのまま、5年後(恐らく大学4年)の時まで流れていきます。3年の時を経て自らの手元に戻った組紐と、マッキーで書かれた三文字。三葉ちゃんには瀧君と比べると強めの「結び」が残りました。

なんてことのない一本の組紐。 だけども、幽世で手渡された3年の月日を経た組紐を身に着けた三葉ちゃんは、例え瀧君の名前を忘れても、何故渡されたのかを忘れることはありません。

終盤、世界各地で砕ける彗星を人々が見ながら思っていた事は「美しい」でした。美しい。ただただ美しい。その光景の真下で、町がひとつ消え行くなんて知っていた人間は誰一人いませんでした。そんな流れ星から人々を救うため、何らかの形で「未来からの知識」を得た少女が、ただただ、走る。

運命だとか未来とかって 言葉がどれだけ手を伸ばそうと届かない 場所で僕ら恋をする

『スパークル』の流れるクライマックスは、本当にただただ「美しい」としか言いようのない光景でした。『秒速5センチメートル』の桜のように、『ef』や『言の葉の庭』の雨のように。

 

さて、エピローグです。正直、僕はここから一番手に汗を握っていました。このまま瀧君は「可哀想なことに500人弱を救った救世主だと言うのになんかすげえ気になるって呪いをかけられたまま新宿でさっぱりしない人生を送っていくのだエンド」を迎えるのかと。

5年を経て、周囲の人も変わって、糸守で逢った2人も結婚して、自分だけがもやもやした何かを抱えたまま結果を出せず幸せになれない。そんなビターエンドでまた新海誠は終えてしまうのかと。歩道橋ですれ違う2人のシーンなんか、もう「絡まれ!」「交われ!」「紡げ!」って必死に祈っていました。

 

で、アレですよ。

 

俺達の総武線が2人を引き合わせるんですよ。

 

もう、お互いに気づいてから僕はただでさえボロッボロだったのに、泣きっぱなしでした。そうだよね。「結び」って、「呪」ってそういうものだよね。一度階段ですれ違って、やっと出た言葉。そして堂々のタイトルロゴ。「君の名は。

 

新海監督。

僕がYs2エターナルのOPを見たり、『ほしのこえ』のDVDを観て感動してから、15年近くの月日が経ちました。efのOPムービーは、本当に馬鹿みたいに毎日繰り返して見る時期だってありました。そしてまた今日、あなたの最高傑作を目にし、ボロ泣きしている僕が居ます。

こんなエモいにも程があるものを見せてくれて、本当にありがとうございました。

 

君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)
 

 

君の名は。(通常盤)

君の名は。(通常盤)

 

 どちらもKindle版及びiTunes版を速攻で買いました。
二回目が、本当に楽しみです。

ラブライブ!サンシャイン!!12話。聖地巡礼の果てに「私よ私になれ!」と彼女たちは叫んだ。

「μ's達は夏時点で廃校問題が解決していた」なんて、まあ様々な伝聞を経てまとまった事実なんでしょうけども、ちょっと彼女たちにはピリっとくる話でした。実際は7月のオープンキャンパス時点でのぞえりの加入(その時点で観客多数)→9月の学園祭の屋上ライブは大人気!という形。Aqoursは夏休みに入ってからの8月頭の花火大会でようやくお披露目ですから、一学期をまるまるメンバー集めと準備に費やした形になっています。

とまあ、そんなことを見透かしたかのように「それを言い訳にしてられない」と走り出す千歌ちゃん。一人部屋で悩む彼女が捉えたのは、始まりの春と同じように「μ'sのポスター」。いつも通りの行動力で、まさかの聖地巡礼が始まるのでした。(ここまでAパート)

 

Saint Snowについてちょっと話したい。

さて、Saint Snowの2人です。何故北海道代表の2人がここにいるのか?ロクに語られては居ませんし、名前付きのキャラでよその人達がこの2人しか居なかったからとりあえず出した感が満載です。が、とりあえずの説明はできます。

ラブライブ!】(大会名、以後紛らわしいため隅付括弧)の大会運営は、知名度向上の為にμ'sをニューヨークに送り出してライブを行わせる程の規模を持った組織です。Saint Snowは北海道予選をトップで通過したユニットであり、また前回のアイドルフェスにも招かれるほどの実力者。更にA-RISEを輩出した私立UTXが【ラブライブ!】(大会名、以後紛らわしいため隅付括弧)に一枚噛んでいない訳がない。更に更に【ラブライブ!】についての発表は秋葉原UTXビジョンで行われる。これらを合わせると「【ラブライブ!】の興行を更に成功させるため、著名ユニットを発表の場に集めた」のではないかという推測ができます。成り立つとは言いませんし、まあどうでもいい話なんですけど。

問題はここからです。スクールアイドルは何らかのポータルサイトを利用して動画投稿やファンとの交流を行っており、その人気ランキングや再生数というのは正に「人気」の定量化にほかなりません。この事については前作でも描かれた点でした。しかし、時が流れて幾分か「人気」というもの、ひいてはスクールアイドル活動する上での「ラブライブ!というものの存在は変質しています。

「次は勝つ」――勝敗を決する試合ではなく、スクールアイドルとはステージ上や時に路上でライブを行う舞台芸術や映像作品を発表していく活動のはずでした。しかしここで明確にSaint Snowは「A-RISEのようになるには勝って頂上から同じ景色をみるしか無い」と言い放ちます。【ラブライブ!】ありきの活動になっていくスクールアイドルの在り方に、千歌は「【ラブライブ!】勝ちたいですか!?」と問うものの、彼女らは取り合ってはくれません。ただ、「勝ちたくなければ、何故【ラブライブ!】に出るのです?」と返すだけでした。

Saint Snowの2人に対し、「なんて奴らだ」というのは簡単です。が、彼女らはただの噛ませ犬として出されたとは私は思いません。というのも、8話でダイヤが語った「レベルの向上」の代表例として酷く正しいものだからです。アイドルはファンが居なければ成り立たず、ファンの反応や数とは自分たちの実力そのものです。【ラブライブ!】は遊びじゃない。やる以上本気で挑め。本気で悔しがれ。物凄くざっくり言ってしまえば「ガチ勢」「必死勢」な訳です。それは劇場版で穂乃果達が「スクールアイドルは広がっていく」といった通り、多様化するからこそ競い合う人達も出てくる。そのギラギラした熱もまた、A-RISEの放った光を受け取るものに宿った輝きの一つだからです。

しかしその在り方は「アイドルとしての自分達で有り続ける。この素晴らしい舞台芸術に取り組み続けたい。だからプロの道を選ぶ」というA-RISEと奇しくも反対になっています。「自分達の在り方を続けるためにプロになったA-RISE」に対して、「スクールアイドル活動にプロ意識を持とうとしているSaint Snow」という構図です。これは穂乃果に対してA-RISEが語った事とも離れています。だけども彼女たちの外面……アイドルとしての姿は「誰よりも強くあろうとしてきたA-RISE」でした。憧れているからこそ正しく理解できない、だなんてまるで某少年漫画雑誌の斬魄刀漫画のようではありませんか。2期で上手く使えばもっと輝けるキャラだと思います。

 

妹の方の声優のセリフがちょっと聞くに耐えないのと、楽曲が趣味に合わないことを除けば、ですか。

 

 

音ノ木坂には何もなかった、けれど。

さて、UTXビジョンでの発表の後のAqoursの面々はどうだったでしょうか。「もう一度【ラブライブ!】」と叫んでいた、μ'sのメンバー達とは随分表情が違います。これから起きることが予想できなくて困惑したり、不安がっています。そこで梨子が切り出すのが音ノ木坂訪問でした。

もう「あの階段を駆け上がる」という時点で万感の思いがめぐるシーンです。それは作中の彼女たちにとっても同じこと。しかしながら待っていたのは、「何も残していかなかった」というあっけない現実でした。屋上に水で書いたサインのように、確かにあったとしても数年後の世界にはその存在のみが語り継がれるだけだったのです。だけども、その在り方は誰よりも彼女たちが「おしまいにします」と決めた時に望んだものでした。

それでも、名も知らぬ誰かですらμ'sを語り、今も学校へつながる道では子供が遊んでいる。誰かを「追いかけて見せる」んじゃなく、「勝つ」んじゃなく、ただ輝いてみせる。Aqoursの皆がありがとうございましたと頭を下げたのは、 かつての彼女たちだけではなく今も変わらぬ姿であってくれた音ノ木坂学院そのものにも。だったのかもしれません。

 

「なりたい自分」を思い描く。スクールアイドルがアイドルである限り避けては通れない道ですが、どうやら「誰かに勝つ」だとか「競う」ような自分にはなりたくはなかったようです。かと言って、「μ'sのようになる」では具体性に欠ける。μ'sはどうしてそうだったのか。

「誰かと比べない」
「追いかけない」
「一番になりたいとかじゃない」
「勝ちたいとかじゃない」

そうやって考えた末に出た答えは、「μ'sの背中を追いかけるんじゃなく、自由に走りたい」――純粋に「やりたいから」で始めた、穂乃果と同じでした。

 

Dear 穂乃果さん。

私はμ’sが大好きです。
普通の子が精一杯輝いていたμ’sを見て、どうしたらそうなれるのか?
穂乃果さんみたいなリーダーになれるのか?ずっと考えてきました。
やっと分かりました。私で、いいんですよね。
仲間だけを見て。目の前の景色を見て。
真っ直ぐに走る。それがμ’sなんですよね。
それが、輝くことなんですよね。
だから私は、私の景色を見つけます。
あなたの背中ではなく自分だけの景色を探して走ります。
みんなと一緒に、いつか!いつか!

 

「後追い」ではなく、「μ'sのようになる」のではなく、「私」になる。ラブライブ!の名を冠してここまで走ってきたラブライブ!サンシャイン!!は、ついに前作への別れを告げるのでした。それも「さよなら」ではなく、「ありがとう」の言葉を以て。

 

脱ぎ捨てられた練習着と誰も拾わなかった羽根を映してラブライブ!の劇場版は幕を閉じています。約1年前、『君のこころは輝いてるかい?』の冒頭で、千歌は舞い降りた羽根を掴むことなく、ただ見送ります。あれだけ前作で「羽ばたいて行く彼女たち」の象徴として描かれ、またラブライブ!サンシャイン!!のキービジュアルにも描かれた羽根。あの頃憧れるままに「わからないままで何とかなるさと」始めて、スクールアイドルが何なのかわからない状態でした。

1話でその羽根を連れてきた梨子(折りたたまれた制服の上に羽根が乗っています)と会うも、羽根は拾い上げられることはありませんでした。紆余曲折を経て、誰かのユメ――今作では2話で取り上げた梨子のピアノをはじめとした皆のユメ――を叶え、ついに自らのこうありたいというユメを描いた千歌が羽を手にします。

それは「私たちは駆け出します。新しい夢に向かって」と壇上で話した穂乃果と変わらない、清々しいまでの笑顔だったのです。

 

最後にクローズアップされた襖。日焼けがするほど太陽に照らされ続け、そして千歌が手をのばすほど憧れ続けていたポスターは剥がされ、彼女が新しい場所へ進む時だと何よりも雄弁に語っているのでした。

 

思えばラブライブ!2期が「最後まで駆け抜けるよ!」と歌った主題歌を筆頭に、スクールアイドルゆえの「終わり」を掲げて毎回毎回切なさを振りまいて来たのと同様に、ラブライブ!サンシャイン!!では「何が起こるか分からないのも楽しみさ!」と言わんばかりに圧倒的な「始まり」を毎回毎回叩きつけてきました。

毎週毎週サビで流れる「始めたいMy Story 青い空が待ってる」というフレーズが、僕は本当に大好きでした。

ありがとう。ラブライブ!サンシャイン!!

ほんとに、太陽が登るような眩しい三ヶ月でした。

今夜の最終話も、楽しみにしています。

ラブライブ!サンシャイン!!11話。君に全速前進ヨーソローも、本音なんだよね。

自分じゃなく誰かの代わりに踏むステップ。

ひとりきりのゆうぐれ。

そして、乳揉み

 

渡辺曜回です。
曜ちゃん回です。
待ちに待ったお当番回なんですよ。

さて、渡辺曜がいよいよいじけたわけですが、別にこれは突然のことではありません。10話で曇った顔をしている理由も教えてもらえませんでしたし、8話だって「やめる?」の答えを直接貰っていないんです。

思えば、6話の屋上のあたりから曜は千歌との間には少しずつ距離を感じていたのかもしれません。これは不和というわけではなく、今までずっと隠してきた千歌の「助けて」を……幼馴染の見たことのない表情を、ビデオカメラで撮ることすら忘れてみつめる曜の表情からも伺えます。何?脚本の人そこまで考えてないと思うよって?いいんです。私の中ではそういう事になっています(力説)

なかなか改札から離れない千歌。楽しく煽り合うダイまりコンビ。居なくなった梨子の代わりに流れで選出される曜。という対比の時点でもう視聴者にがっつんがっつんぶつけて着ているわけですが、何より代役を立てるときに「じゃあ私が」と言い出さない時点で、屋上ごっつんこ前からソウルジェムが濁り始めていたのがわかります。

屋上のシーンも入りの所で動き同様に靴音もバラバラになっているのが芸が細かいです。2回目のトライの所でも動きが合わない。2話で梨子の勧誘の話をしながら中庭で練習していた時の2人は遠目に見ても完璧にあっていたのに、です。3話でようちかりこの3人で浜辺トレーニングをしていたときに、真っ先に間違いに気づいていたのも曜でした。ここで何かおかしいなと気付く鞠莉、流石大好きな友達にいろいろ隠されたまま海外に行ってしまった女は違いますね。重みが。

 

ぴちゅー。

ずるー。

 

コンビニの駐車場での練習では、ついに「自分が完全に梨子の動きを演ずる」ことで動きを合わせることに成功する曜。それは「自分の動きでは千歌に合わなかった」=「千歌の隣にいるのは自分ではない」という事の証明にほかなりません。梨子に何も電話で言えない曜ちゃん。これまたこの作品の上手な所で、スマホが電池切れになりそうな事を「またって言わないでしょ」と一言キャラに言わせるだけで「日頃から電池切れで終わらせる事があるぐらい、千歌と梨子はちょくちょく長電話をするほど良い仲になっている」ことをさらっと描いています。本当にお上手。

2つにわかれたみかんアイスも、よく見れば曜が2つに割ったわけではなく、ふたつにパキリと割れてしまったのを曜が咄嗟に受け止めています。ささくれハートにはきついですってこれ。目が潤むのをいつもの少し困った笑顔に隠して、2人はダンス練習を続けます。

ところでスマホに怯える3名。静岡県民が文明の利器に弱いというよりは「先輩とサシで電話」というのは思ったより緊張するというのがあると思います。確かにうち1名、食いしん坊の寺の子がワイヤレスの子機にすら慣れてなさそうですが、他の2人はニコ生ならまだしもちゃんと誰かと堕天使ぶらずに話すのも恥ずかしかったり、やっと他人とちゃんと話せるようになって来たピギィなので仕方ありません。私だって初めてのSkypeは緊張しましたしね。うん。

 

果南に勝るとも劣らない…そうだよね…曜ちゃん良いからだしてるよね…

 

ぶっちゃけト~クっ、に持ち込む鞠莉。2年前の出来事を知っているからこそ、「気持ちを隠して誰かが何かを諦める」事に敏感になっているのは先輩ならではです。ここでダイヤや果南でも可能ですが、普段のキャラづくりにより「嫉妬」について真正面から切り込めたのは鞠莉ただ一人でしょう。

そしてそこで鞠莉に曜が語る「要領が良いって思われる事が多い」という所、まさに先ほどのコンビニ駐車場の事でもあります。場にサッと合わせてしまう、合わせられる技量があるからこそ、思っていることを伝えられずにいる。出来てしまうからこそ、自分の気持ちを隠してしまえる曜ちゃん。そして、そういう所すらも自覚しているからこそ、彼女がいじける事になったわけです。

また、それ故に「やめないよね?」と発破をかけることしか出来ず、幼馴染の千歌の見せた虚勢をどうにかしてあげることが出来なかったのも曜ちゃんです。こじらせるぐらいなら、本音を伝えたほうが良い。離れる前の日々と、離れ離れになった2年間と、戻ってきてからすれ違い傷つけ合う3ヶ月を送った鞠莉が、それを全部ひっくるめて「無駄にしてしまった」と笑いながら言うんだから敵いません。

 

さて、翌朝。鞠莉の前では「距離感」「やり辛い」という話に濁した(ここも要領の良さって所でしょうか)訳ですが、シュシュでいよいよそうも言ってられなくなりました。千歌が梨子からの贈り物で喜んでいて、しかもそのシュシュで更に団結力が深まっている。そこに疎外感があるだなんてもう彼女にとっては一大事です。でも自分が何か言い出したらAqoursに何かが起きるのは間違いなく、そりゃあもう悩むのも当たり前なんですよ。

 

「私と梨子ちゃんのどっちが大切なの」も、
「私の事あんまり、好きじゃないよね」も、
「私、渡辺曜は千歌ちゃんの事が全速前進ヨーソロー」も、彼女の本音。
だけども本当に伝えたいとか、答えが聞きたいのは。

 

そこからの梨子と曜の電話も素晴らしい。梨子の「千歌ちゃんも絶対そう思ってる」という言葉からどんどん弱気な本音が出てきて、涙と共にやっと吐き出せた曜ちゃん。そんな曜に梨子が教えてくれたのは、「千歌ちゃんはずっと、曜と一緒に何かをやってみたいと思ってたんだよ」という……千歌の、ありのままの気持ちでした。

電話を切って、今すぐ話したいなと思った時。声だけじゃなく本当に目の前に現れて、一番欲しい言葉をかけてくれる。誰かの代わりじゃなく。合わせるんじゃなく。一から作りなおしたほうが良い。「曜ちゃんと私の2人で」と、自分を呼んでくれる。そんな大事な友達の元に、駆け出さずにいられるでしょうか。

自分の近くでいつも輝いていた親友を見て、自分も誰かと輝きたいと願った千歌。一緒に千歌と輝きたいと願っていた曜。汗塗れになって、自分のために走ってきてくれた友達の事を、くよくよ悩んでいた曜は「私、バカだ。バカ曜だ」と言って抱きしめるのでした。もちろん、その腕にはもう一人の友達からもらったシュシュがあります。

 

 

所で、曜ちゃんの家のモデルになった喫茶店から千歌ちゃんの家のモデルになった旅館までの距離は12km程あるそうです。普段はバスで通う距離で、しかも真夜中。なのに、自分のために自転車で走ってきてくれた。そんなの、抱きしめるにきまっています。

 

想いよ ひとつになれ この時を待っていた

ふと気づくと重なりあうよ
一途に 未来を呼ぶ心
震えてる手を 握っていくんだよ

すれ違った後で 同時に振り向いた
ほらねほんとは
一緒だったよ 気持ちはね

何かを掴むことで 何かを諦めない
想いよ ひとつになれ
どこにいても同じ明日を信じてる

「何かを掴むことで 何かを諦めない」…こんな歌詞を見せて、更に梨子に東京へ行くよう願うんだから、普通怪獣のわがままっぷりには驚かされます。スクールアイドルも、学校も、ピアノも、友達も、諦めない。物語と歌がこんなにもリンクしていくなんて、始まる前は思ってもいませんでした。

今回のライブパートは、待ちに待った「3DCGパートで思いっきり寄って思いっきり動かすことを諦めない作り」でした。何が言いたいのかわからない人は今すぐ『恋になりたいAQUARIUM』のPVを見てください。恋になります。作中での練習の振り付けがちゃんとライブパートに出てくるのも『これからのSomeday』を思い出しますね。バストアップだけじゃなく、ザッとスカート部分を映すのが本当に格好いい。ここらへんも『恋になりたいAQUARIUM』をぜひ見てください。アウトロが絶品です。

さて、残す所あと2話ほどになってまいりました。よくよく考えて見れば曜ちゃんはあれほど切実に願われた梨子ちゃんどころか、必死に追っかけていろいろ言ってもらった善子ほども千歌ちゃんになにか言ってもらえているわけでもなく、また千歌からアクションを起こされたわけでもありません。そして何より曜からの「本音」は保留という形で、決着は先延ばしとなったのです。……もしかしなくても、千歌からの好感度はMAX状態なんでしょうけども。もっと梨子ちゃん以外とも、ちゃんといちゃいちゃしてあげてねとか思わなくもないのでした。

 

 

 

ラブライブ!サンシャイン!!10話。こんな重要な回のタイトルが「シャイ煮はじめました」でいいのか!?

はーーー。

 

公式さーーー。

 

おまえさーーー。

 

一緒の布団で胸に顔を埋めながら寝るってお前もうそれセッ

 

 

 

 

品行方正なゲーム系ブログ「セラミックロケッツ!」のラブライブ!サンシャイン!!記事も10回目です。正直いつもの語り口は白黒はっきりしてるカチっとしたものには向きますが、燃え盛るエモさの塊と化したラッシャイには向いていない。いや、立ち向かえないと判断し試験的に崩してみる事にしました。

それは夢のつづきだから

この姉妹普段からがんばルビィ!とかふんばルビィ!とかやってたぞ!!凄いよお姉ちゃんとか流石妹ですわとかやってたぞ!というか実に2年ブゥリのおちゃらけであり、隠れて踊るほどやりたかったスクールアイドルとか黒澤ダイヤが弾けないわけが無かった。うーん、この部室シーンだけで中学時代がどうだったかよく分かる。神か。

加えて「ラブライブ!の決勝を目指しているんでしょう!?」のダイマリ。3年も3年で前からこうだったんだろうなってのがよ~くわかるんですのよ。かたや留学から戻ってきてまでスクールアイドルプロジェクトを進めようとした女。かたや浦の星廃校の噂を知りスクールアイドルプロジェクトを立ち上げた元主人公。この二人が居て話をガンガン進めないわけがないんですよ。

企画だけはパパっと立ち上げて人員を割り当て、ひとまず店を回すところまで持っていくダイヤさん。2年に「あァン!?」なんて口を利くのもそうですが、網元(平たく言うと漁業の経営者)の家の女だけあります。ですわ。鞠莉と果南からの「おばかさん」「お・ば・さ・ん」も、あの頃の3人の関係を伺わせてきましたしね!

知らん人には「ずっと立ちはだかっていたコケシ女」「何故か味方になるも発破かけてくる金髪」「復学した日に取っ組み合いの喧嘩を起こした浦の星のゼロスーツサムスという強烈な3人が加入早々こうやって馴染んでいる光景というのは、コメディタッチに描かれていても胸にじんとくるものがあります。

そして皆で一つの部屋で眠るシーン。巷では実質レズセッだの何だのと大評判ですが、鞠莉が果南の胸に顔を埋めるっていうのはですね。「やっぱり安心できるな」って戻ってきて果南にスカウトに言った言葉の通りなんですよ。安心なんですよ。大好きなんですよ。ハグなんですよ。最高か。最高かよ。ありがとうラブライブ!サンシャイン!!

 

μ'sの合宿プログラムといい、A-RISEの誕生から話を始めようとするダイヤといい、あの出来事が伝説になっていく過程を見せられるのは本当、ニヤニヤします。あの子たちが放った光は、誰かの心の熱になり続けているんだなあって。

普通怪獣史上最大のわがまま

さて、話は梨子のピアノコンクール出場について移っていきます。他の子達と違って梨子は「変わりたいから」でスクールアイドルに加わっており、また自分が今まで大事にしてきたピアノも「変われたらまた弾けばいい」と千歌に言われたという経緯があります。海辺では「私の居場所はここなんだ」とは言ったものの、やっぱり心残りがあるようでした。

私、「だから早く歌詞くださいっ」って言う所で一気に泣きそうになったんですよ。歌詞のイメージもあるからって曲作りに本気に取り組んでいるのもそうだけど、何より千歌の書く言葉を梨子が待っているってその光景があまりにも綺麗で。曲をつくるという行為そのものが彼女が一歩進んでいるって事にほかならなくて。

誰かのために作る曲は良くても、自分の為に作った曲は弾くのも少し躊躇ってしまう。「そんなに、いい曲じゃないよ」と言いながらも弾いてくれた梨子に千歌が告げたのは、「ピアノコンクールに出てほしい」という願いでした。梨子ちゃんがいっぱい詰まったその曲で、ピアノコンクールに出てほしい、と。

内浦に来た理由も、海に飛び込もうとした理由も、海に潜ってみた理由も、スクールアイドルを始めた理由も、音ノ木坂で感じていた重圧も、Aqoursが自分の居場所だと心からの言葉を伝える姿も知っていてなお、ピアノコンクールに出てほしい。手を差し伸べたのが自分だとしても、君にはずっと大事にしてきたものに答えを出してあげて欲しい。それは千歌のいつも通りで、精一杯のわがまま。

3年生達がそれぞれが大好きだからこそ思いを伝えずにすれ違ったのとは違う、真正面からちゃんと伝えたわがまま。千歌はその後言葉をつまらせながら「私待ってるから。どこにもいかないって。ここでみんなといっしょに待ってるって約束するから。だから」と続ける。もしかしたら戻ってこないかもしれない。内浦は彼女の人生にとってほんの一夏の寄り道で、またピアノの道でやりたいことを見つけてしまうかもしれない。それでも君に心残りがあって浮かない顔をするのなら、笑顔にするのがアイドルだから。

「大好きだよ」とちかりこ歌唱のエンディングでシメるその暴力的なまでのエモさ、ヘタすれば死人が出たんじゃないかと心配になるレベルでした。そうだよね…ユメを語る言葉を書くのが千歌ちゃんで、ユメを語る歌を梨子ちゃんだもんね…ありがとう…ありがとうラブライブ!サンシャイン!!

さて、次回は恐らくいままで†心の闇†の話が出なかった曜ちゃん回です。全国大会レベルの水泳を一休みして、親友の為にお手伝いを続けてきた彼女。そして何より彼女の知らないところで親友の「スクールアイドルになるきっかけ」を作っていた曜ちゃんが、隠し事をする千歌ちゃんにどう動くのか、楽しみです。

 

 

 

ラブライブ!サンシャイン‼9話。「君の青春を僕にくれ」と言えなかった不器用な彼女たちの話をしよう。

高坂穂乃果はあの日、南ことりを抱きとめる事ができた。

「ことりちゃん。私、スクールアイドルやりたいの。ことりちゃんと一緒にやりたいの。いつか、別の夢に向かう時が来るとしても。」

そう言って、南ことりを抱きとめることが出来た。それは言ってしまえば、留学してもっと伸びて羽ばたいていけた筈の友の未来を、奪うことでもある。しかし、高坂穂乃果は友の人生を左右する言葉を言えてしまったのだ。そして南ことりは第二回ラブライブ!出場を決めた神田明神のあの場で「穂乃果ちゃんが選ぶ道なら、どこへでも」と返す。それが彼女たちの青春だった。

 

さて、彼女たちμ'sの姿に憧れた、黒澤ダイヤはどうだったろう。廃校を阻止するためにスクールアイドルプロジェクトをスタートし、ライブを成功させ、そしていよいよ呼ばれた東京で……理由はどうであれ、いい結果にはならなかった。学校は救えなかった。そしてスクールアイドルとして成功することも出来ず、幼馴染へ「一緒にいて欲しい」と言うことが出来なかった。

誰よりもμ'sに憧れた少女は二年前のあの時、高坂穂乃果に成れなかった。

 松浦果南は、小原鞠莉を誰よりも思っていたからこそ、スクールアイドルを続けるわけには行かなかった。鞠莉の足ではステージに立てない。無理に踊ればもっと酷いケガをしたり、将来に悪影響があるかもしれない。これ以上は続けられない。だから果南は歌わなかった。鞠莉を誘って自分が始めたことだから、自分が鞠莉を巻き込んだことだから、自分が終わらせなきゃと決意した。鞠莉には留学をはじめ、開かれた未来があった。様々な可能性があったから。

「一緒にいよう」と、彼女たちはそう言えなかったし、そうしなかった。互いを一番に思っていたからこそ、ダイヤと果南は鞠莉を送り出した。ダイヤは果南と鞠莉が大事で、果南は鞠莉の将来が大事だったから。

 

 

ラブライブ!サンシャイン!!(以下ラッシャイ)9話はそんなあまりに真っ直ぐな思いがすれ違って、ようやく出会った頃のように抱き合えるようになるまでの物語だった。しかも、ラブライブ!本編最大の爆弾であった「南ことりの留学騒動」を裏返しにして視聴者の頬をビンタしにきたのである。

 もっと言えば、「無理な状態でも強行しようとする」という鞠莉の姿勢。それは本編11話のNo brand girls高坂穂乃果と同じだった。本編では穂乃果が風邪である事を隠して雨の中のライブを強行し、その結果倒れてしまう。無理を通した結果、ラブライブ!への出場は辞退に。3年生にとって最初で最後のチャンスも潰す結果となった。ラッシャイではそこを逆手に取り、「やめる」事により起きたすれ違いの物語が描かれた。

 

ダイヤモンドは砕けなかった。

黒澤ダイヤはスクールアイドルをやめた後、スクールアイドルそのものから距離を置こうとした。それが「片付けて。それ、見たくない」である。ここで姉妹の仲がピリっとする。ルビィちゃんかわいそう。ほんとかわいそう。まあ図書室で本読んでて花丸ちゃんに出会えたわけだしそれはそれでいいのだろうか。閑話休題

さて、ここからラッシャイ本編時間への2年間。それぞれの間で拗れに拗れる。自ら始め、しかもそれが悲しい結果に終わった事を考えればダイヤにとってのスクールアイドルというのはおいそれと他人に軽はずみには触れてほしくないぶっぶっぶーな物になったのは容易に予想がつく。知ってる。そうやって妖怪になった音ノ木坂のツインテール、俺知ってる。

始めるにしても自分で曲を作ってみろやオォン?と言うのもその1つだった。が、ダイヤにとっても思わぬことが起きる。千歌が梨子と出会い、スクールアイドルプロジェクトが動き出してしまったのだ。更に鞠莉が帰還し、発破をかけたのだからもうぶっぶっぶーなどと言ってはいられない。ここで選ぶのは2つに1つ。これまで通り反対し続けるか、それとも千歌達の手助けをそれとなく行いAqoursが「ハンパかどうか」を見定めてみるかどうかだ。

スクールアイドルが大好きなダイヤが、そんな意地悪く夢を潰し続けるだろうか?しかもAqoursには、かつて同じ夢を見た鞠莉がついている。ダイヤは「ダイスキがあればダイジョウブさ!」と歌う千歌達の背中を、陰ながら押すことに決めた。妹がスクールアイドルを始める事だって止めなかった。

そりゃあ堕天使アイドルだなんて色物に走ろうもんなら怒る。でも彼女らがPVを作るというのなら妹のため両親に話を通す役になる。だとしても一緒にスクールアイドルになることは出来ない。出来るのは、あくまで後押しだ。親友二人のすれ違いが解消されていない以上、自分だけやりたい事を通せる訳がない。

そして後押しといっても東京に行かせるとなれば話は別だ。自分たちの問題が未だ片付いていないというのに、半ば悪役のような表情をしながら因縁の地へ後輩を向かわせる鞠莉がダイヤにはいよいよ分からなくなってくる。鞠莉にとっては「果南が歌えなくなった場所」であり、「自分たちがバラバラになる理由になった場所」の筈なのに。

東京から帰ってきた千歌達にダイヤに語るのは「周囲がこうだからしょうがない」と「私達も結果は残せなかった」と、どこか上滑りした言葉だ。「結果が残せなかった」……そこで誰かがどうだったから、だなんて言うのは明かす必要が無い。本当は誰が誰を庇ったかなんていうのは2年前の過程でしかないからだ。2年前に始まって、2年前の同じ頃に終わったグループがいた。……そういうただの昔話だからだ。

真実なんて、ダイヤと果南の中だけにしまっておけばいい。Aqours。あの日の自分たちと同じ名前のスクールアイドルたちが、自分たちの出来なかった事を成せたならそれでいい。東京の後も続いていけたなら。花火大会でも歌えたなら。

 

と、思っていたら果南の復学初日にアレである。

 

「鞠莉には他にやるべきことが沢山あるでしょ!?」

さて、「足の怪我」と「留学」という鞠莉の未来を案じた果南がとった行動。それがスクールアイドル活動の終了だった。スクールアイドルを続けたい鞠莉は「果南は失敗から早く立ち直るべき。逃げてる」と愚痴るが、果南の真意を知っているダイヤは当然良しとしない。ルビィが聞いた「だから、果南さんの事を”逃げた”だなんて言わないで」はここで、結局3人はこの事についてはわかり合うことなく終わる。とは言え、送り出すときには笑い合えている事からも分かる通り、不仲におわったわけではない。

 

「離れ離れになってもさ、私は鞠莉のこと忘れないから」

 

……で、送り出した2年後。2年ブゥリに鞠莉が帰ってきてしまうのだ。おい。1年の時のアレどうすんだよ。せっかく鞠莉の為を思ってスクールアイドルやめたのに。ダイヤだってやめたのに。しかも戻ってくるなり「スクールアイドルやるのよ!浦の星で!」なんて言い出すから大変だ。というか戻ってきてはいけなかった筈なのに、それでも視界が滲むんだから困った。本当のことを言えるわけがないので、避け続ける日々が始まってしまったのだ。

鞠莉も鞠莉で問題があり、後輩である千歌達の急成長を望む上で更にダイヤと果南の加入を煽るもその時に使う言葉が「逃げてる、逃げるな」なのが非常に悪い。鞠莉としては過去の失敗は失敗だから何度でも立ち上がろうよという話ではある。が、何せ「そもそも失敗による終わり」ではなく、鞠莉が帰ってきてしまった事そのものが今までのこと全てを現在進行形で致命的な失敗にしてしまっている訳だし。

「後輩たちは、出来たよ」という事実をもってして説得に当たっても、鞠莉は果南を取り戻せなかった。「スクールアイドル活動を止めてでも、君に幸せになって欲しかった」だなんて、事態が大きくなればなるほど言えるわけが無くなっていく。何だこの松浦果南とかいう良い女……「こいつは俺なんて男と一緒にいるべきじゃねえ。もっといい男と幸せになれるはずなんだ」って幼馴染に言う女そうそういないぞ……突き放し方が不器用すぎる……

で、ようやく始まる大喧嘩。全校に響き渡る「いいかげんにしろーっ!」の柑橘系ボイスと、明らかになる2年前の真実。誰よりも鞠莉の事を想って、幸せになって欲しかったからこそ別れを選んだ女の子と。別れゆく二人の事を想うからこそ、本当のことを言えなかった女の子と。転校してきた自分と友だちになって、一緒にスクールアイドルをやろうと誘ってくれた二人が大好きだった女の子。大好きだから言えなかった、3人の「大好き」のすれ違い。

 

言葉だけじゃ足りない
そう言葉すら足りない
故にすれ違って 離れてしまったことが
悲しかったの ずっと気になってた

 

止まっていた時間が、やっと動き出す。3人のために作られた衣装から9人のために作られた衣装へと着替えて、Aqourが夢の海へ泳いてゆく。未熟Dreamerは2年経ってもホワイトボードに残っていた想いが、やっと花を咲かせたようなステージだった。

 

ようやく9人になれたAqours。次の回は一休みのワチャワチャ回になりそうだが、果たしてどうなるのだろう。ワンダーゾーンみたくならなきゃ良いのだが、問題としては†心の闇†の話をしてないのが渡辺曜ただ一人なんですよね。あと4話でひとまず彼女たちがどこへ向かうのか、私も楽しみにしています。

 

 

 

 

 

喧嘩の時も一歩引いてあわあわすることしか出来ないダイヤお姉ちゃん、ほーんとルビィの姉なんだよなあ……